
2026年、日本の離婚が大きく変わる|知っておきたい新制度と離婚協議書のこと
2026年4月から、日本の離婚に関するルールが大きく変わることをご存知でしょうか。「共同親権」という新しい制度がスタートし、離婚後も両親が一緒に子育てに関わる選択ができるようになります。
この記事では、最新の離婚データとともに、これから離婚を考えている方、あるいは周囲に離婚を考えている方がいる場合に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
日本の離婚、今どうなっている?
離婚件数は横ばい、でも内訳に変化が
厚生労働省が発表した2024年のデータによると、日本の離婚件数は18万5,895組。前の年より少し増えています。
離婚件数は2002年の約29万組をピークに減り続けていましたが、ここ数年は横ばい状態。「離婚は珍しいこと」という時代ではなくなっています。
ちなみに2024年の結婚件数は48万5,063組。単純計算すると、離婚件数は結婚件数の約38%にあたります。ただしこれは「今年結婚した人の38%が離婚する」という意味ではありません。過去に結婚したすべての夫婦の累積データなので、誤解しないように注意が必要です。
増えている「熟年離婚」
注目すべきは、結婚して20年以上経ってから離婚する熟年離婚の増加です。
2022年のデータでは、全離婚のうち23.5%が結婚20年以上の夫婦によるもの。つまり4組に1組は熟年離婚という計算になります。これは統計を取り始めて以来、最も高い割合です。
なぜ増えているのでしょうか。背景には次のような理由が考えられます。
- 平均寿命が延びて、離婚後の人生設計がしやすくなった
- 子どもが独立して、夫婦関係を見直すタイミングができた
- 年金分割制度ができて、経済的な不安が減った
- 女性の就労が定着し、経済的に自立しやすくなった
2026年4月、何が変わる?「共同親権」って?
これまでは「単独親権」だけだった
日本では、離婚すると父母のどちらか一方だけが親権を持つ「単独親権」が原則でした。多くの場合、母親が親権を持ち、父親は養育費を払いながら定期的に子どもと会う、という形が一般的でした。
2026年4月からは「共同親権」も選べる
新しくスタートする制度では、離婚後も両親が一緒に親権を持つ「共同親権」を選べるようになります。
話し合いで離婚する場合
- 父母が合意すれば共同親権を選択できる
- もちろん、これまで通り単独親権を選ぶこともできる
調停や裁判で離婚する場合
- 家庭裁判所が「子どもにとって何が一番良いか」を判断
- DVや虐待のおそれがある場合は、単独親権が原則
共同親権を選ぶと、何を決めないといけない?
共同親権を選ぶ場合、以下のことをしっかり話し合って決める必要があります。
- 子どもはどちらと一緒に暮らすのか
- 日々の生活のことは誰が決めるのか
- 学校や習い事はどう決めるのか
- 面会交流(子どもと会うこと)はどうするのか
- 養育費はいくら、いつまで払うのか
これらを曖昧にしたまま離婚すると、後でトラブルになる可能性が高くなります。
なぜ今、「離婚協議書」が重要なのか
日本の離婚、9割は「協議離婚」
日本では、離婚の約9割が協議離婚(夫婦の話し合いによる離婚)です。
協議離婚は手続きが簡単な反面、「口約束で終わってしまう」「養育費の金額を決めないまま離婚する」といったケースも少なくありません。実際、養育費が払われなくなるトラブルは後を絶ちません。
「離婚協議書」とは?
離婚協議書は、離婚するときに決めた約束事を文書にしたものです。
書いておくべきこと
- 親権者は誰か(共同親権か単独親権か)
- 養育費の額、支払い方法、支払い期間
- 面会交流の頻度や方法
- 財産分与(家や貯金をどう分けるか)
- 年金分割についての合意
これらを書面に残しておくことで、後から「言った」「言わない」のトラブルを防げます。
「公正証書」にするとさらに安心
離婚協議書は、できれば公正証書にすることをおすすめします。
公正証書とは、公証役場で公証人という専門家に作ってもらう正式な文書のこと。普通の書類との違いは次の通りです。
公正証書のメリット
- 法的な証明力が高い
- 養育費が払われなくなったとき、裁判なしで給料などを差し押さえできる
- 原本が公証役場に保管されるので、紛失や改ざんの心配がない
特に「養育費が払われなくなったらすぐに強制執行できる」という点は大きなメリットです。
離婚を取り巻く環境の変化
経済的な自立がしやすくなった
共働き世帯が増え、女性が働き続けることが一般的になってきました。経済的に自立できる見込みが立つことで、「我慢して結婚生活を続ける」ではなく「離婚して新しい人生を始める」という選択がしやすくなっています。
情報が手に入りやすくなった
インターネットやSNSの普及で、離婚に関する情報が簡単に手に入るようになりました。自治体のホームページやオンライン相談も充実してきて、「誰にも相談できない」という状況は減っています。
制度も整ってきた
2007年には年金分割制度がスタートし、離婚後の経済的な不安が軽減されました。そして2026年4月からは共同親権制度が始まります。社会全体が「離婚後の生活」をサポートする方向に動いています。
専門家に相談するという選択
離婚は人生の大きな決断です。感情的になりやすい場面だからこそ、冷静に手続きを進めるために専門家のサポートを受けることも検討してみてください。
相談できる専門家
行政書士
- 離婚協議書の作成
- 公正証書にする手続きのサポート
- それぞれの家庭に合った内容の提案
弁護士
- 相手と話し合いができない場合の代理
- 調停や裁判の手続き
ファイナンシャルプランナー
- 離婚後の生活設計
- 財産分与のアドバイス
カウンセラー・臨床心理士
- 精神的なサポート
- 子どものケア
まとめ:後悔しないために、しっかり準備を
2026年4月の新制度スタートを前に、離婚に関するルールは大きな転換期を迎えています。
特に子どもがいる場合、共同親権を選ぶかどうかは重要な選択です。どちらを選ぶにしても、約束事を明確にして書面に残すことが、あなたと子どもの未来を守ることにつながります。
「とりあえず離婚届を出してしまおう」と焦らず、次のことを確認してみてください。
✓ 養育費の金額と支払い方法は決まっていますか?
✓ 面会交流について具体的に決めていますか?
✓ 財産分与について合意できていますか?
✓ 合意内容を書面にしていますか?
✓ できれば公正証書にしていますか?
離婚は終わりではなく、新しい生活のスタートです。後でトラブルにならないよう、しっかり準備して前に進みましょう。
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行政書士法人塩永事務所
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メール: info@shionagaoffice.jp
離婚協議書の作成から公正証書化まで、一人ひとりの状況に寄り添ってサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。
この記事は2026年1月時点の情報に基づいています。法律や制度は変更される場合がありますので、最新情報は各関係機関にご確認ください。
