
建築物清掃業(1号)の登録基準と申請方法
― 実務のポイントを行政書士が詳しく解説 ―
建築物の衛生的環境を維持・管理する事業は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(以下、建築物衛生法)」により、1号から8号までの8業種に区分されています。
これらは総称して**「建築物衛生管理業」と呼ばれ、その中でも最も基本となる業種が、建築物内の清掃を行う「建築物清掃業(1号)」**です。
建築物清掃業は、一定の人的・物的・運用的基準を満たすことで、都道府県知事の登録を受けることができる事業登録制度となっています。
登録自体は法的な義務ではありませんが、事業の信頼性確保や業務拡大を図る上で、極めて重要な制度といえます。
本記事では、建築物清掃業登録について、登録基準の内容から具体的な申請方法まで、実務の視点で詳しく解説します。
1.建築物清掃業とは
建築物清掃業とは、建築物衛生法第12条の2に基づき、建築物内の床面・壁面・天井その他の部分について、衛生上適切な清掃を行う事業を指します。
注意点
以下のような業務のみを行う場合は、建築物清掃業には該当しません。
-
外壁や窓ガラスのみの清掃
-
給排水設備や空調設備のみの清掃
あくまで「建築物内部の清掃」が対象となる点に注意が必要です。
2.なぜ登録を受けるのか(登録のメリット)
建築物清掃業の登録を受けることで、主に次のようなメリットがあります。
① 特定建築物の清掃業務における信頼性の向上
延べ床面積が一定規模以上の特定建築物においては、発注者側が登録業者であることを要件とするケースが多く、登録は対外的な信用の証明となります。
② 公共事業・自治体案件への参入
国・自治体の清掃業務委託や入札参加資格において、建築物清掃業登録が事実上の要件となっている場合が少なくありません。
③ 外国人技能実習生等の受け入れ要件
近年では、外国人技能実習生や特定技能外国人の受け入れ要件として、建築物清掃業登録が求められるケースが増加しており、登録ニーズは年々高まっています。
3.登録を受けるための4つの基準
建築物清掃業の登録は、営業所ごとに行われます。
以下の基準をすべて満たすことが必要です。
① 機械器具の保有(物的基準)
営業所ごとに、次の清掃用機械器具を**専ら当該事業の用に供する形で保有(所有またはリース)**していることが求められます。
-
真空掃除機(バキューム)
-
床みがき機(ポリッシャー)
※共有使用や名義不明確な器具は認められない点に注意が必要です。
② 清掃作業監督者の配置(人的基準)※最重要ポイント
営業所ごとに、**1名以上の「清掃作業監督者」**を専任で配置する必要があります。
実務上の重要点
-
清掃作業監督者は、原則として複数営業所の兼任不可
-
特定建築物における「建築物環境衛生管理技術者」との兼務も原則不可
このため、有資格者の確保が登録申請における最大のハードルとなるケースが非常に多く、事前準備が不可欠です。
③ 従事者に対する研修体制の整備
清掃業務に従事するすべての者に対し、計画的かつ定期的な研修を実施する体制が必要です。
-
研修指導者:清掃作業監督者、建築物環境衛生管理技術者等の適任者
-
研修内容:安全管理、衛生管理、清掃用機械器具の使用方法 等
-
年間を通じて計画的に実施(年間7時間以上が目安)
④ 清掃業務および機械器具の維持管理方法(運用基準)
厚生労働大臣が定める基準に適合した清掃作業および機械器具の維持管理方法を採用していることが求められます。
具体例としては、以下のような運用が必要です。
-
床面の除じん、床維持剤の点検および再塗布
-
カーペットのシャンプークリーニング、しみ抜き
-
6か月に1回以上の定期的な汚れの点検
-
作業計画書・作業手順書の策定
-
3か月に1回以上の実施状況の点検・記録
4.登録申請に必要となる主な書類例
必要書類は自治体ごとに多少異なりますが、一般的には以下のような書類を準備します。
-
建築物清掃業登録申請書
-
法人の場合は、登記簿記載どおりの商号・代表者情報を正確に記載
-
-
営業所の平面図・見取図
-
清掃用機械器具の保管場所を明示
-
-
清掃用機械器具名簿
-
写真、型式、購入日が確認できる書類(納品書等)を添付
-
-
清掃作業監督者等名簿
-
資格証の写し(原本提示を求められる場合あり)
-
-
研修実施状況報告書・研修計画書
-
清掃作業実施方法書
-
苦情への24時間対応体制、再委託の有無 等を具体的に記載
-
5.まとめ:確実かつスムーズな登録のために
建築物清掃業登録は、事業の信頼性を高め、受注機会を大きく広げる重要な制度です。
一方で、清掃作業監督者の確保、煩雑な書類作成、行政との事前協議など、事業者様ご自身で進めるには大きな負担となるのも事実です。
行政書士法人塩永事務所のサポート
行政書士法人塩永事務所では、建築物清掃業登録について、
-
事前相談・要件確認
-
行政窓口との事前協議
-
申請書類一式の作成
-
現地確認・立会い対応
まで、ワンストップでフルサポートしております。
報酬の目安
-
建築物清掃業登録申請:88,000円(税込)~
-
変更届・更新等:33,000円(税込)~
お客様の状況に応じて、柔軟に対応いたします。
「有資格者要件に不安がある」「急ぎで登録したい」といったご相談も、ぜひお気軽にお問い合わせください。
行政書士法人塩永事務所が、貴社の事業発展を確実にバックアップいたします。
