
【監理団体向け】
技能実習制度における業務範囲と行政書士法の留意点
行政書士法人塩永事務所
はじめに
監理団体は、技能実習制度の適正な運用を担う中核的な存在です。
実習実施者への指導・監督、技能実習生の保護など、制度維持に欠かせない役割を果たしています。
一方で、技能実習制度においては、
技能実習計画認定申請や在留資格関連手続など、官公署への提出書類が多数存在し、
その業務分担を誤ると行政書士法違反のリスクが生じます。
監理団体の本来業務と法的な位置づけ
監理団体の主な役割は以下のとおりです。
-
実習実施者の指導・監督
-
技能実習生の相談対応・保護
-
定期監査・訪問指導
-
技能実習制度の適正運用の確保
これらはすべて、監理団体に認められた適法な業務です。
技能実習制度における「官公署提出書類」
技能実習制度では、以下のような書類が官公署へ提出されます。
-
技能実習計画認定申請書(外国人技能実習機構)
-
在留資格変更・更新申請書(出入国在留管理庁)
-
実習実施者届出書(厚生労働省・技能実習機構)
-
監理団体許可・変更申請書
これらはすべて、**行政書士法上の「官公署提出書類」**に該当します。
監理団体が注意すべき行政書士法との関係
行政書士法では、
官公署に提出する書類の作成・提出代理を業として行うことを、
行政書士または弁護士の専業としています。
以下の行為は、たとえ善意であっても違法となる可能性があります。
-
技能実習計画認定申請書を監理団体職員が作成する
-
実習生本人に代わって在留資格申請書を記入・代筆する
-
管理費の中に申請書類作成の対価が含まれていると評価される運用
監理団体が「できること/できないこと」
| 行為 | 可否 | 解説 |
|---|---|---|
| 実習生・実施者への制度説明 | ✅ | 適法 |
| 生活相談・同行支援 | ✅ | 適法 |
| 本人作成書類の提出(取次) | △ | 申請取次認定が必要 |
| 書類の作成・署名代行 | ❌ | 行政書士法違反 |
| 雛形を完成させて提供 | ⚠️ | 実質的代筆と判断される恐れ |
監理団体に求められる適正対応
-
書類作成は行政書士に依頼
-
監理業務と申請業務の線引きを明確化
-
契約書・業務フローを定期的に見直す
まとめ(監理団体向け)
監理団体が制度を支える存在であるからこそ、
法令遵守は団体の信用と存続に直結します。
行政書士との適切な役割分担は、
監理団体を守るための「リスク管理」でもあります。
