
登録支援機関や監理団体は、特定技能人材や技能実習生の生活・就労を支える重要な役割を担っていますが、行政書士法の独占業務である書類作成・提出代理を報酬を得て行うと違法となります。 2026年施行の行政書士法改正により、この規制が「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」と明確化され、両罰規定により法人全体の責任も強化されるため、業務範囲の見直しと行政書士との連携が不可欠です。
登録支援機関と監理団体の概要
登録支援機関は特定技能制度で外国人の生活支援を担い、営利・非営利法人ともに許可可能です。一方、監理団体は技能実習制度で実習実施者の監督・支援を行い、主に非営利法人(協同組合等)が該当します。
| 区分 | 登録支援機関 | 監理団体 |
|---|---|---|
| 対象制度 | 特定技能 | 技能実習 |
| 法的性格 | 営利法人も可 | 非営利法人(協同組合等) |
| 主な役割 | 外国人の生活支援 | 実習実施者の監督・支援 |
| 管轄官庁 | 出入国在留管理庁 | 出入国在留管理庁・外国人技能実習機構 |
| 全国数(2025年時点推定) | 約10,330件 | 約3,000〜4,000団体 |
これらの機関が法令遵守のもと適正に機能することで、外国人材の円滑な社会統合が図られます。
行政書士法違反の対象となる書類作成
行政書士法第19条は、行政書士でない者が他人の依頼を受け報酬を得て官公署提出書類を作成・代理・提出することを禁止します。 登録支援機関・監理団体が関与する主な対象書類は以下の通りです。
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在留資格認定証明書交付申請書等(出入国在留管理庁)
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技能実習計画認定申請・支援計画書(外国人技能実習機構)
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分野別届出(例: 建設分野、国土交通省)
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実習実施者届出(厚生労働省・外国人技能実習機構)
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監理団体許可申請(外国人技能実習機構)
これらはすべて官公署提出書類に該当し、報酬を得て作成・代理すると違法です。 ただし、申請取次行政書士の認定を受けた機関であれば、本人作成書類の取次は可能です。
関係省庁と提出先の例
登録支援機関・監理団体の業務で頻出する書類は、以下の省庁・機関に提出されます。これらを無資格で報酬を得て作成すると行政書士法違反となります。
| 提出書類 | 提出先 |
|---|---|
| 技能実習計画認定申請 | 外国人技能実習機構 |
| 支援計画書 | 出入国在留管理庁 |
| 分野別届出(建設等) | 国土交通省等 |
| 実習実施者届出 | 厚生労働省・技能実習機構 |
| 監理団体許可申請 | 外国人技能実習機構 |
支援機関は助言・同行・翻訳に留め、書類作成は行政書士に委託することが原則です。
監理団体・登録支援機関の業務範囲
法令遵守のため、以下の区分で業務を明確化してください。
| 行為 | 可能か | 備考 |
|---|---|---|
| 本人作成書類の取次 | 条件付きで可能 | 申請取次者認定が必要。報酬名目で提供不可。 |
| 書類作成・署名代行 | ❌ 違法 | 行政書士法第19条違反。 |
| 雛形提供・記入補助 | ⚠️ 注意 | 実質代筆とみなされると違法。助言レベルに留める。 |
| 生活支援・相談対応 | ✅ 合法 | オリエンテーション、同行、住居支援等が範囲内。 |
よくある違反例と罰則リスク
典型的な違反パターンは、「本人作成の名目で支援機関が実質作成」「アドバイスと称した代筆」「監理費に申請業務を含める」です。 これらは形式にかかわらず報酬性が認められると違法となり、2026年改正後の罰則は以下の通りです。
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個人:1年以下の懲役または100万円以下の罰金
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法人:100万円以下の罰金(両罰規定)
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その他:名義貸し行政書士の処分、共犯企業への影響
違反発覚時は許可取消・業務停止のリスクもあります。
適正対応策
業務の適正化に向けた推奨対応は以下の通りです。
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支援範囲を生活支援・助言に限定し、書類作成を行政書士に明確委託
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外国人向け多言語記入ツール・雛形提供の整備(作成代行避け)
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社内マニュアル化と職員研修の実施
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行政書士との業務提携契約締結
行政書士法人塩永事務所では、登録支援機関・監理団体の行政書士法コンプライアンス確認、在留資格申請のワンストップ代行、育成就労制度移行支援を提供します。 熊本県内を中心に、全国対応可能です。
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