
外部監査人の業務は、新制度において監理支援機関の「免許維持」を左右する極めて重要なプロセスです。
1. 監査報告書の構成イメージ(雛形案)
※育成就労制度の正式な様式は今後公示されますが、現在の技能実習制度(外部監査報告書)をベースとした以下の項目が標準となります。
【育成就労外部監査報告書(構成例)】
監査の対象期間・実施日
監査の方法(書類閲覧、役職員へのヒアリング、実地確認等)
確認事項および監査結果
監理支援業務の実施体制(専任職員の配置等)
受入企業(実施者)への訪問指導・監査の実施状況
育成就労外国人の待遇・賃金支払状況(未払い・不当控除の有無)
転籍希望者への対応状況(不当な制限の有無)
指摘事項および改善勧告
外部監査人の所見(制度趣旨に則った運用がなされているか)
独立性の自己申告(利害関係がないことの再確認)
2. 監査の頻度と各回の重点チェックポイント
外部監査は**「四半期に1回以上(年4回以上)」**の実施が義務付けられます。
| 回次 | 時期(例) | 重点チェックポイント |
| 第1四半期 | 4月〜6月 | 【体制確認】 新規受入計画の適正性、監理支援員の配置状況。 |
| 第2四半期 | 7月〜9月 | 【就労実態】 賃金台帳とタイムカードの照合、36協定の遵守状況。 |
| 第3四半期 | 10月〜12月 | 【支援状況】 日本語学習支援の実施状況、相談苦情処理の記録確認。 |
| 第4四半期 | 1月〜3月 | 【総括・転籍】 次年度計画の確認、特定技能への移行準備・転籍希望の有無。 |
3. 利害関係の確認方法(独立性の担保)
外部監査人が監理支援機関や受入企業と「密接な関係」にないことを証明するため、以下の方法で確認を行います。
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親族関係の確認: 監理支援機関の役員や受入企業の経営者と、親族(三親等以内等)でないことの確認。
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資本・取引関係の確認: 外部監査人が当該機関の株主でないことや、過去数年間に多額の顧問料以外の直接的な取引がないことの確認。
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誓約書の提出: 申請時に「利害関係に関する申立書(誓約書)」を主務大臣に提出します。
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欠格事由チェック: 過去5年以内に出入国・労働関係法令で罰せられていないか等の欠格事由を確認します。
4. 現地監査(受入企業への同行)の手順
外部監査人が監理支援機関の職員と共に受入企業(実施者)へ赴く際の手順です。
- 事前準備:対象となる受入企業の「育成就労計画」と直近の「監理報告書」を読み込み、矛盾点がないか予習します。
- 入室・挨拶:受入企業の責任者に対し、外部監査の趣旨(中立な立場での確認)を説明します。
- 書類監査:賃金台帳、労働者名簿、出勤簿、技能修得の記録、宿舎の管理台帳などを突合します。
- 外国人本人へのヒアリング:※最重要ステップ。 監理支援機関や企業の担当者が同席しない場所で、本音を聞き取ります(日本語能力や生活の悩み、転籍希望の有無など)。
- 現場巡回:実際の作業現場や宿泊施設(寮)を視察し、安全衛生や居住環境に問題がないか確認します。
- 講評・フィードバック:その場で判明した軽微な不備について指導を行い、後日正式な監査報告書にまとめます。
◆ 行政書士法人塩永事務所からのアドバイス
外部監査人は単なる「チェック役」ではなく、監理支援機関が不意の行政処分を受けないための**「防波堤」**としての役割も果たします。
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