熊本県　【重要】自動車販売店による車庫証明・登録代行と行政書士法違反

【重要】自動車販売店による車庫証明・登録代行と行政書士法違反

― 2026年1月施行の行政書士法改正で何が変わるのか ―

（行政書士法人塩永事務所解説）

自動車販売店が、顧客から報酬を得て
車庫証明や自動車登録に関する書類の作成・申請代行を行う行為は、
原則として**行政書士法違反（行政書士の独占業務侵害）**に該当します。

この点について、2026年（令和8年）1月1日施行の改正行政書士法により、
規制の趣旨が条文上明確化され、
罰則および法人責任（両罰規定）が強化されます。

今後は、

「慣行だから」
「無料サービスだから」

といった説明ではリスクを回避できず、
行政書士への正式な委託や業務フローの見直しが不可欠となります。

1．なぜ行政書士法違反になるのか

行政書士法では、

他人の依頼を受け、報酬を得て、
官公署に提出する書類を作成すること

を、行政書士の独占業務としています（行政書士法第1条の3・第19条）。

車庫証明申請書、自動車登録申請書、軽自動車届出書などは、
いずれも官公署に提出する書類であり、

行政書士資格を持たない販売店や従業員が
顧客から対価を受け取り
反復継続して書類を作成・申請する

場合、行政書士法違反となります。

2．「無料」「手数料0円」でも違反になる理由

よくある誤解として、

「登録代行は無料サービスです」
「手数料は0円です」

という説明があります。

しかし、行政書士法では
「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」
という考え方が採られています。

具体的には、

車両本体価格
納車諸費用
諸経費一式

の中に、書類作成・申請の手間やコストが織り込まれていれば、
実質的に報酬を得ていると評価される可能性が高くなります。

名目を

「手数料」
「会費」
「コンサルタント料」

などに変えても、
実態が同じであれば違反となる点に注意が必要です。

3．行政書士法違反となる主なケース

以下のような行為は、違反と判断されるリスクが極めて高いものです。

① 報酬を得て書類作成・申請代行を行う場合

「登録代行手数料」
「納車諸費用」
「登録一式」

などの名目で金銭を受け取り、
販売店側で申請書類を作成・提出するケース。

② 無償サービスを装っているが実態は有償の場合

表示上は無料
実際には車両価格や他費用に含まれている

と判断される場合。

③ 名目を変更しただけのケース

実態は書類作成の対価
名称だけを変更

した場合。

④ OSS（電子申請）を利用している場合

OSSを利用していても、

紙の申請書を販売店が作成
内容を修正・補完した上でスキャン

といった行為があれば、
「書類作成」に該当する可能性があります。

4．違反した場合のリスクと罰則

① 刑事罰（行政書士法第19条違反）

1年以下の懲役または100万円以下の罰金

② 両罰規定（2026年1月施行）

改正法により、

違反行為を行った従業員個人
その業務をさせていた法人（販売店）

双方が処罰対象となります。

法人に対しても
100万円以下の罰金刑が科される可能性があります。

③ その他のリスク

行政指導・調査
社会的信用の失墜
顧客からの返金請求
業界内での信頼低下

など、経営上の影響も小さくありません。

5．2026年1月改正の重要ポイント

2025年に成立した改正行政書士法では、次の点が明確化されます。

**「名目を問わず報酬を得て」**という考え方の明文化
両罰規定の整備（法人責任の明確化）
取締り強化を前提とした制度設計

「新しい禁止が始まる」というより、
これまでグレーとされがちだった実務が、明確にアウトと整理される
と理解するのが適切です。

6．違反を回避するための正しい対応

自動車販売店が取れる選択肢は、基本的に次の2つです。

① 行政書士に正式に委託する

書類作成・申請代理は行政書士が担当
販売店は窓口・取次業務に専念

② 顧客本人が作成・申請する

所有者本人が自ら作成・提出
販売店は記載例や案内にとどめる

これ以外の形で
「販売店が実質的に書類を作成する」運用は極めて危険です。

7．熊本のディーラー様へ

行政書士法人塩永事務所がサポートします

行政書士法人塩永事務所では、

車庫証明・自動車登録業務の適法な委託体制構築
見積書・業務フローの見直し相談
法改正を踏まえた実務アドバイス

を通じて、
**「現場を止めないコンプライアンス対応」**を支援しています。

対応エリア

現在、車庫証明・自動車登録業務は
熊本市内限定で承っております。

📞 096-385-9002

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その確認からでも、お気軽にご相談ください。