短期滞在ビザ（観光ビザ）完全ガイド
日本入国の条件・必要書類・申請手続き
【熊本県 行政書士法人塩永事務所監修】
はじめに
日本への短期訪問を計画する外国人の多くが最初に選択する在留資格が、「短期滞在」（通称：観光ビザ）です。この在留資格は、観光、ビジネスミーティング、親族訪問、学会参加など多様な目的に対応し、最大90日間の滞在を許可します。
2025年11月現在、グローバル化の進展により日本への入国需要が増大しており、ビザ免除措置の対象国・地域は71に拡大されるなど、制度の柔軟化が図られています。一方で、審査の厳格化や電子申請の推進により、手続きの効率化が進む一方で、申請者による正確な準備がより一層求められています。
本記事は、行政書士法人塩永事務所の専門家が実務経験に基づいて監修したものです。制度の概要から申請フロー、必要書類、審査のポイント、不許可事例の対策まで、2025年最新情報を織り交ぜ、ステップバイステップで解説します。
当事務所は熊本を拠点に全国対応で、ビザ申請の書類作成・添削をワンストップでサポート。過去に不許可となったケースも、原因分析から再申請までお手伝いします。ご相談は無料ですので、まずはお電話（096-385-9002）へお気軽にご連絡ください。スムーズな日本入国をお手伝いします。
1. 短期滞在とは
短期滞在（Short-Term Stay）は、出入国管理及び難民認定法（入管法）別表第一の三に規定された在留資格で、外国人が日本に一時的に滞在するためのものです。原則として報酬を伴う就労や長期滞在を目的とせず、短期的な交流・訪問に限定されています。2025年現在、年間数百万人の利用者がおり、観光業や国際交流を通じた日本経済の活性化を支えています。
滞在可能期間
滞在期間は目的や国籍により異なりますが、以下のいずれかが付与されます。入国審査時に決定され、在留カードは発行されず、パスポートに上陸許可の証印が押されます。
| 期間 | 適用例 | 注意事項 |
|---|---|---|
| 15日以内 | 一部のビザ免除国（例:タイ、ブルネイ等、目的による） | 短期観光に適し、審査が比較的簡易 |
| 30日以内 | 多数の国・地域 | ビジネスミーティング向き |
| 90日以内 | 多数の国・地域（標準） | 親族訪問や文化交流に最適。延長は原則不可 |
主な滞在目的
目的は入管法で詳細に規定されており、申請時に具体的な活動内容を明記し、真正性を証明する必要があります。
| 区分 | 内容の詳細 | 具体例 |
|---|---|---|
| 観光 | 日本国内の観光・文化・自然体験など、娯楽目的の滞在 | 京都寺院巡り、富士山登山、東京ディズニーランド訪問、阿蘇山、水前寺公園、熊本城 |
| 商用 | 会議・商談・契約締結・展示会参加（報酬を伴わない活動） | 国際見本市出展、ビジネスパートナーとの打合せ |
| 親族・知人訪問 | 日本在住の家族や知人との面会・交流 | 結婚式出席、家族の健康診断同伴 |
| 学術・文化交流 | 講演、研究発表、学会参加など、非営利の知的交流 | 大学シンポジウム参加、博物館展覧会視察 |
| 芸術・スポーツ | 公演、展覧会、競技会出場など、プロ・アマ問わず | コンサート出演、オリンピック観戦 |
| 研修・視察 | 技術研修、工場見学、業務視察など、知識習得目的 | 企業視察ツアー、医療施設見学 |
| その他 | 医療受診、冠婚葬祭への参加など、特例的な短期活動 | 短期医療治療、葬儀出席 |
制限事項
- 就労禁止: 報酬を得る活動（アルバイト、講演料受領など)は厳禁。違反時は強制退去や再入国禁止のリスクがあります。
- 延長原則不可: 原則として在留期間の延長は認められず、例外（病気・災害）は地方出入国在留管理局で申請可能です（後述）。
- 資格変更原則不可: 短期滞在から就労ビザなどへの変更は原則不可。事前に適切な在留資格を選択してください。
- 2025年の状況: デジタルノマド等のリモートワークは、短期滞在では認められず、該当する場合は「特定活動」等の適切な在留資格が必要です。
2. ビザ免除制度の対象国と条件
日本は、短期滞在目的のビザ免除措置を71の国・地域と実施しており、該当者の場合、査証申請なしで入国可能です。この措置は相互協定に基づき、2025年7月1日にはペルーが追加されるなど、拡大が進められています。ただし、条件を満たさない場合、入国拒否の可能性があります。
主なビザ免除国・地域(2025年11月現在)
| 地域 | 主な国・地域（抜粋） | 滞在可能期間 |
|---|---|---|
| アジア | 韓国、台湾、香港、マカオ、シンガポール、マレーシア、タイ、ブルネイ、インドネシア | 90日以内（一部15日） |
| 欧州 | EU加盟国全27カ国、英国、スイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン | 90日以内 |
| 北米 | アメリカ、カナダ | 90日以内 |
| オセアニア | オーストラリア、ニュージーランド | 90日以内 |
| 中南米 | メキシコ、チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、ペルー（2025年7月追加） | 90日以内 |
| 中東・アフリカ | UAE、カタール、トルコ、南アフリカ | 90日以内（一部30日） |
※全71国・地域の詳細は外務省ウェブサイトでご確認ください。
査証申請が必要な主な国
中国、インド、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、バングラデシュ、ネパール、スリランカ、パキスタン、イラン、イラクなど。
免除適用条件
- 滞在目的: 観光・商用・親族訪問に限定。就労・留学は不可。
- 期間: 90日以内（過去の滞在履歴も考慮される場合あり）。
- 復路航空券: 所持必須（eチケット可）。
- 資金証明: 滞在費を支弁できる能力の証明（入国審査時に求められる場合あり）。
- その他: パスポート有効期間が帰国予定日まで有効であること、健康状態・犯罪歴に問題がないこと。入国審査で追加質問の可能性あり。
3. 短期滞在ビザの申請方法
3-1. 申請場所と管轄
- 原則: 申請者の居住国にある在外公館(日本大使館・総領事館)。
- 代理機関: 一部の国（例:中国のVFS Global、インドのBLS International）で委託申請可能。手数料が追加されます。
- 管轄: 居住地に基づき決定(例:中国北京在住者は在中国日本国大使館)。
- オンライン申請: 一部対象国でJAPAN e-Visaによる申請が可能(後述)。
3-2. 申請から入国までの流れ
全体で1〜3ヶ月を要します。2025年現在、e-Visa導入により審査が短縮されるケースが増えています。
| 段階 | 内容の詳細 | 所要時間目安 | 注意事項 |
|---|---|---|---|
| ① 事前準備 | 滞在目的の明確化、旅行計画策定、必要書類リスト確認。外務省ウェブサイトで最新要件チェック | 1〜2週間 | e-Visa対象国は事前登録を確認 |
| ② 書類準備 | 申請書類収集・翻訳。招聘人(日本側)と連携 | 2〜4週間 | 公証・翻訳が必要な場合あり。専門家相談で不備防止 |
| ③ 申請 | 在外公館に提出(郵送・持参)。面接が必要な国もあり | 当日 | 予約制の国が増加 |
| ④ 審査 | 外務省・入管連携審査。追加資料請求時は速やかに対応 | 5〜10営業日(通常) | 審査期間は国・時期により変動 |
| ⑤ 査証発給 | パスポート返却時に査証貼付。e-Visaは電子証明書 | 1〜3日 | 有効期間内(通常3ヶ月)に使用 |
| ⑥ 入国 | 空港で入国審査(パスポート・資金証明等提示の場合あり) | 当日 | 繁忙期は混雑に注意 |
4. 目的別 必要書類一覧
書類は目的により変動します。原則として原本またはコピー、外国語書類は日本語翻訳が必要です。2025年e-Visaではデジタル提出が可能です。
共通書類
- パスポート(有効期間が帰国予定日まで有効、余白ページ十分)
- 査証申請書(外務省指定様式、オンライン入力可)
- 写真(4.5×3.5cm、背景白、無帽・正面、6ヶ月以内撮影)
- 往復航空券予約確認書(eチケット等)
- 滞在予定表(滞在先・日程・訪問地を詳細記述)
観光目的の場合
| 書類 | 詳細 | 目的 |
|---|---|---|
| 銀行残高証明書 | 直近の残高証明、滞在費相当額 | 経済力証明 |
| 在職証明書/収入証明 | 雇用主発行。無職者は家族による身元保証書等 | 帰国意思を示す |
| 宿泊証明書 | ホテル予約確認書等 | 滞在計画の具体性 |
| 旅行日程表 | 詳細な日程・訪問地リスト | 真正性確認 |
商用目的の場合
- 日本側(招聘人)準備: 招聘理由書、滞在予定表、会社登記事項証明書、会社概要書、決算書(直近年度分)
- 申請人側準備: 在職証明書、勤務先会社概要、活動内容説明書(議題・参加者リスト等)
親族・知人訪問の場合
- 日本側(招聘人)準備: 招聘理由書、身元保証書、住民票、在留カードの写し(外国人の場合)、課税証明書・納税証明書
- 申請人側準備: 親族関係証明書(戸籍謄本・出生証明書等)、経費支弁資料(残高証明・収入証明等)
5. 審査のポイントと不許可対策
主な審査項目
- 滞在目的の真正性: 計画の具体性・一貫性
- 経済的基盤: 滞在費支弁能力
- 帰国意思: 本国での職業・家族・資産等の証明
- 招聘人の信頼性: 日本側の安定性(在留資格・収入等)
- 過去履歴: 入出国記録、オーバーステイ歴の有無
よくある不許可理由と対策
| 理由 | 対策例 |
|---|---|
| 滞在目的が不明確 | 予定表を詳細化(予約確認書・地図添付)、目的の整合性を明確に |
| 経済能力不足 | 残高証明を充実、身元保証人の追加 |
| 帰国意思への疑義 | 本国での不動産・家族関係証明書、雇用証明書の提示 |
| 招聘人の信頼性不足 | 招聘人の納税証明書・雇用契約書等の添付 |
| 書類の不整合・不足 | 事前チェックリスト使用、行政書士による確認 |
6. 滞在中の注意点
- 就労禁止: 報酬を伴う活動は一切不可。違反は退去強制・再入国拒否の対象。
- オーバーステイ厳禁: 在留期間超過は罰則対象。付与された期間を厳守。
- 出国義務: 延長は原則不可のため、期間内に出国。
- 入国審査: 資金証明・滞在予定表の提示を求められる場合あり。
7. 特殊ケース:数次ビザ・延長・資格変更
数次査証(マルチビザ)
- 有効期間: 1年、3年、5年(頻繁渡航者向け)
- 条件: 経済力・過去渡航実績。1回の滞在は90日以内
- 対象: 頻繁に訪問するビジネスパーソン等
延長申請(例外的)
- 条件: 病気・自然災害・裁判等、やむを得ない事由
- 手続き: 地方出入国在留管理局で申請
- 必要書類: 延長理由書、医療証明書、資金証明等
他の在留資格への変更(限定的)
- 対象: 「定住者」(結婚等)や「特定活動」(医療延長)等に限定
- 手続き: 在留期間満了前に入管へ申請。許可は限定的
8. 査証申請拒否・トラブル対応
- 不許可後: 通知書で理由を分析。即時再申請は困難な場合が多い
- 対策: 書類の是正、状況変化後の再申請。面接での説明力強化
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9. 最新の制度動向(2025年11月時点)
- 電子査証(JAPAN e-Visa): 2025年9月1日から短期滞在(観光)でオーストラリア、ブラジル、カンボジア、カナダ、サウジアラビア、南アフリカ、台湾、英国、米国の居住者がオンライン申請可能
- 審査迅速化: e-Visaにより審査期間短縮、紙書類削減
- 制度拡大: ペルー国籍のビザ免除(2025年7月)等
- 将来展望: ビザ免除国向けに電子渡航認証(ETA)導入準備中
まとめ
短期滞在は、日本への観光・商用・親族訪問を支える基幹制度ですが、審査では滞在目的の真正性・経済力・帰国意思が重視されます。2025年のデジタル化で手続きが効率化される一方、正確な準備は依然として重要です。
不許可を避けるためには、目的に適合した正確な書類、一貫した説明、招聘人との協力が不可欠です。不安をお持ちの方や過去に不許可となった経験のある方は、ビザ専門の行政書士にご相談ください。
行政書士法人塩永事務所
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メール: info@shionagaoffice.jp
公式サイト: https://shionagaoffice.jp/
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