
熊本県の建設業許可申請 完全ガイド
行政書士法人塩永事務所が支援する申請の流れと必要書類
はじめに
熊本県で建設業を営んでいる方、これから建設業で独立・開業をお考えの方へ。建設業許可は、一定規模以上の建設工事を請け負うために法的に必要となる許可であり、事業拡大や企業の信頼性向上に欠かせない重要な制度です。 一方で、建設業法に基づく許可申請は、人員要件・財産要件の確認、30種類以上に及ぶ書類の収集・作成など、相応の時間と専門知識を要する手続きです。
熊本市を拠点とする行政書士法人塩永事務所は、建設業許可申請に精通した専門家として、申請の流れ、必要書類、許可要件、つまずきやすいポイントまで実務目線で解説し、確実な許可取得をサポートします。
この記事でわかること
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建設業許可の基本知識と熊本県での必要性
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許可要件の詳細(経営業務の管理責任者、専任技術者など)
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申請手続きの具体的な流れと標準的な審査期間
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必要書類の一覧と押さえるべき注意点
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許可取得のポイントと押さえておきたいコツ
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許可取得後の主な義務(更新、変更届など)
初めて建設業許可を申請される方、過去の申請で苦労された方、自社で準備を進めているが不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
建設業許可とは − 熊本県での必要性
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建設業許可の法的定義
建設業許可とは、建設業法第3条に基づき、建設工事を請け負う営業を行おうとする者が、国土交通大臣または都道府県知事から受ける許可をいいます。 法人・個人、元請・下請を問わず、軽微な工事のみを行う場合を除き、原則として許可が必要です。 -
許可が必要となる工事規模
建設業法では、次の規模以上の工事を請け負う場合、建設業許可の取得が義務付けられています。
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建築一式工事:1件の請負金額が税込1,500万円以上、または延べ面積150㎡以上の木造住宅工事
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建築一式工事以外(土木・電気・管・内装工事など):1件の請負金額が税込500万円以上
請負金額には材料費および消費税等も含まれます。 上記に満たない「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は、建設業許可は不要です。
熊本県で建設業許可を取得するメリット
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取引先からの信頼性向上
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大手ゼネコンやハウスメーカーとの取引開始・継続がしやすくなる
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元請業者からの継続的な受注が期待できる
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金融機関からの融資審査で信用力の向上につながる
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公共工事への参加
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経営事項審査(経審)を受けることで、公共工事の入札参加資格を得られる可能性が生まれる
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県・市町村発注工事の受注機会が広がり、安定した受注基盤づくりにつながる
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事業拡大のチャンス
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大規模工事の受注による売上規模の拡大
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業種追加による対応可能工事の幅の拡大
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下請としての活動エリア・案件の拡充
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法令遵守と社会的信用の証明
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建設業法に基づいた適切な経営体制を整えていることの証明
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技術力や財務基盤の健全性を対外的に示すことができ、企業としての社会的信用度が高まる
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人材確保の面での優位性
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許可を有する会社として求職者に安心感を与え、採用活動にプラスになる
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技術者のキャリア形成を支え、従業員の定着率向上にも寄与する
知事許可と大臣許可の違い
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知事許可(熊本県知事許可)
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熊本県内のみに営業所を設置して営業する場合に必要な許可
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熊本県土木部監理課が窓口となり申請を行います
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大臣許可(国土交通大臣許可)
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2つ以上の都道府県に営業所を設置して営業する場合に必要な許可
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九州地方整備局など国土交通省所管の窓口で申請します
営業所とは、本店・支店等で、建設工事に関する見積り、入札、契約締結などの実体的な業務を行う事務所をいいます。 将来的に県外に営業所を設置する予定があるかどうかが、知事許可と大臣許可の選択の重要な判断ポイントになります。 なお、営業所が熊本県内のみであれば、県外の工事現場で工事を行うために大臣許可を取得する必要はありません。
行政書士法人塩永事務所では、お客様の事業計画や今後の出店計画を丁寧にヒアリングした上で、知事許可・大臣許可のどちらが適切かをアドバイスいたします。
建設業許可の5つの要件
建設業許可を取得するには、次の5つの要件をすべて満たす必要があります。
要件1:適切な経営体制(経営業務の管理責任者等)
令和2年10月の法改正により、経営業務管理責任者に関する要件が見直されました。 現行制度では、以下のいずれかに該当する常勤役員等を置く必要があります。
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パターンA:常勤役員のうち1名が、建設業の経営業務管理責任者として、またはこれに準ずる地位で、一定期間以上(5年以上等)の経験を有すること
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パターンB:常勤役員等のうち1名が建設業で2年以上の役員等の経験を有し、さらに財務管理・労務管理・業務運営を担当する者を常勤で配置していること
経験の証明方法として、登記事項証明書、確定申告書、工事請負契約書や注文書、勤務先の経験証明書などを組み合わせて立証します。
要件2:専任技術者の配置
営業所ごとに、許可を受けようとする建設業に対応した専任の技術者を配置しなければなりません。
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一般建設業の専任技術者
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一級・二級建築士、各種施工管理技士等の国家資格者
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10年以上の実務経験者(指定学科卒業者は5年・3年に短縮される場合あり)
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特定建設業の専任技術者
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一般よりも高度な要件(1級国家資格や指導監督的実務経験など)が求められます
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「専任」とは、当該営業所に常勤し、他社・他営業所との兼務を行わないことを意味します。
要件3:誠実性
請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが求められます。 暴力団関係者でないこと、建設関連法令違反による処罰歴がないこと等がチェックされ、身分証明書や登記されていないことの証明書、誓約書等で確認されます。
要件4:財産的基礎・金銭的信用
請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用を有していることが必要です。
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一般建設業:自己資本額500万円以上、または500万円以上の資金調達能力があること
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特定建設業:資本金2,000万円以上、自己資本4,000万円以上など、より厳格な基準を満たすこと
決算書(貸借対照表・損益計算書)や金融機関の残高証明書等で確認されます。
要件5:欠格要件に該当しないこと
成年被後見人・被保佐人、一定の法令違反歴のある者、暴力団員等が経営に関与していないことなど、建設業法で定める欠格要件に該当していないことが求められます。
熊本県の建設業許可申請の流れ
熊本県での建設業許可申請は、準備開始から許可取得まで概ね2〜3か月程度を要するのが一般的です。
主なステップ
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要件の確認・事前相談
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必要書類の収集
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申請書類の作成
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熊本県庁への申請書提出
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書類審査(一次・二次審査)と代表者説明会(該当する場合)
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許可通知・許可証明書の交付
申請から許可通知までは、通常30日〜60日程度が標準処理期間とされていますが、補正や追加資料が生じた場合は延びることもあります。
建設業許可申請に必要な書類
建設業許可申請には、申請様式と添付書類を合わせて30種類以上の書類が必要となるケースもあります。
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主な申請様式(熊本県様式)
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様式第1号:建設業許可申請書
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様式第1号別紙(役員等の一覧、営業所一覧、専任技術者一覧 等)
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様式第2号:工事経歴書
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様式第3号:直前3年の完成工事高
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様式第5号:誓約書
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様式第6〜9号:経営業務管理責任者・専任技術者関係の証明書 など
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主な添付書類
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登記事項証明書(法人)、住民票(個人)
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各種納税証明書(法人税・所得税・事業税・県民税等)
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直近決算書・確定申告書
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専任技術者の資格証・実務経験証明関係書類
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預金残高証明書
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営業所の賃貸借契約書や写真、案内図
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社会保険・雇用保険の加入状況を示す書類
熊本県への申請先・手数料
熊本県知事許可の申請先は、熊本県庁 土木部監理課 建設業班(熊本市中央区水前寺6丁目18番1号)です。 申請手数料は、新規知事許可で9万円などと定められており、熊本県収入証紙で納付します。
いつでもお声掛けください。
行政書士法人塩永事務所では、要件確認から書類収集・申請書作成、熊本県庁とのやり取りまで一括サポートしています。建設業許可の取得や更新、業種追加でお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
お問い合わせ:096-385-9002
