
特定技能とは「特定技能」とは、日本の深刻な人手不足に対応するため、即戦力となる外国人材を受け入れるための在留資格です。生産性の向上や国内人材の確保などの取り組みを行ってもなお、人材確保が困難な産業分野(特定産業分野)において、一定の専門性・技能を持つ外国人を対象とします。特定技能の在留資格は、技能水準や在留期間に応じて2種類に分かれています。
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区分
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定義
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特定技能1号
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特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格。
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特定技能2号
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特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格。
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特定技能1号と2号の主な違い
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項目
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特定技能1号
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特定技能2号
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在留期間
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1年、6か月、または4か月ごとの更新で、通算上限5年まで(2025年9月改正により、一定の特例で通算在留期間の延長が可能)。
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3年、1年、または6か月ごとの更新で、在留期間の上限なし。
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技能水準
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試験等で確認(技能実習2号を良好に修了した者は免除)。
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試験等で確認。
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日本語能力水準
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生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(技能実習2号を良好に修了した者は免除)。
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確認不要。
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家族の帯同
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基本的に認められない。
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要件を満たせば可能(配偶者、子)。
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受入れ機関による支援
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受入れ機関または登録支援機関による支援が必須。
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支援の対象外。
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転職の可能性
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同じ業種など一定の条件で転職が可能。
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同じ業種など一定の条件で転職が可能。
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技能実習制度との違い
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制度
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目的
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技能実習制度
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日本の技術を開発途上地域へ移転し、経済発展を担う「人づくり」に貢献する(国際協力の推進)が目的。労働力の確保は目的ではない。
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特定技能
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人手不足が深刻な特定産業分野の労働力を確保することが目的の在留資格。特定技能対象業種であれば、即戦力として広い範囲の労働を行うことができる。
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特定技能外国人受入れの主な要件(受入れ機関/企業)特定技能外国人を受け入れる企業(受入れ機関)は、以下の基準を含む様々な要件を満たす必要があります。
- 法令遵守: 労働、社会保険、租税などに関する法令を遵守していること。
- 不当な離職者の不存在: 特定技能雇用契約の前後1年間に、同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと。
- 行方不明者の不存在: 特定技能雇用契約の前後1年間に、行方不明者を発生させていないこと。
- 欠格事由への非該当: 過去5年間に労働法令違反などの欠格事由に該当しないこと。
- 文書作成・備え付け: 外国人の活動内容に関する文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備え置くこと。
- 保証金・違約金徴収等の禁止: 外国人や他者に対して保証金や違約金の徴収等を定めていないこと、また、外国人がその対象となっていることを認識して雇用契約を締結しないこと。
- 費用負担の禁止: 支援に要する費用を、直接または間接に外国人に負担させないこと。
- 報酬の支払い: 報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと。
- 雇用継続体制: 雇用契約を継続して履行できる体制が適切に整備されていること。
- 分野特有の基準: 各特定産業分野に特有の基準に適合すること。
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受入れ可能職種(特定産業分野)特定技能外国人の受入れが認められている分野(特定産業分野)は、2025年時点で以下の通りです(1号は16分野に拡大、2号は11分野)。
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特定技能1号
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特定技能2号
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16分野
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11分野(建設業、造船・船舶工業のほか、農業、宿泊業、飲食料品製造業、外食業、ビルクリーニング業、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、自動車整備業など。特定技能1号の対象分野の多くが移行対象)。
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– 介護業 – ビルクリーニング業 – 素形材産業 – 産業機械製造業 – 電気・電子情報関連産業 – 建設業 – 造船・船舶工業 – 自動車整備業 – 航空業 – 宿泊業 – 農業 – 漁業 – 飲食料品製造業 – 外食業 – 自動車運送業 – 鉄道業 – 林業 – 木材産業
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(詳細は出入国在留管理庁のガイドライン参照)
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※ 技能実習2号を良好に修了した外国人は、対応する特定技能1号の分野へ試験免除で移行可能です。
外食業における特定技能外国人の業務内容特定技能外国人は、外食業において飲食物の調理、接客、店舗管理など、多岐にわたる業務に従事することができます。
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業務区分
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具体的な業務例
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飲食物調理
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食材の仕込み、加熱・非加熱調理、調味、盛付け、飲食料品の調整など、客に提供する飲食物の調理・製造業務。
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接客
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席への案内、注文、配膳・下膳、代金受取り、予約受付、客席のセッティング、苦情対応など、調理以外の客への提供に必要な業務。
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店舗管理
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店舗内の衛生管理、従業員のシフト・研修管理、在庫管理、発注・検品、各種連絡調整、店舗内外の環境整備など、店舗運営に必要な上記2業務以外のもの。
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外食業での受入れ企業が果たすべき主な責任特定技能外国人を受け入れる企業は、以下の義務を果たす必要があります。
- 労働・福利厚生手続き: ハローワークへの届出、各種社会保険・福利厚生の手続きなどを行う。
- 支援の実施: 生活オリエンテーションを含む在留期間における支援計画を作成し、実施する(自社で実施するか、登録支援機関に委託可能)。
- 協議会への加入: 「外食業」分野の協議会に加入し、農林水産省及び協議会に対し必要な協力を行う(入国後または雇用後4か月以内)。
- 届出・定期面談: 義務付けられた「届出」や「定期の面談」を実施する(自社または登録支援機関で実施)。
moj.go.jp
受入れまでの流れ(例:日本在住の留学生が外食業で働く場合)
- 技能・日本語能力の確認: 外食業技能測定試験、および日本語能力試験(N4以上)等の日本語能力試験に合格。
- 求人・就業先決定: 求人申し込みまたは職業紹介業者による斡旋により、就業先を決定。
- 雇用契約と支援: 雇用契約を締結し、事前ガイダンス等の支援を受ける。
- 在留資格変更許可申請: 出入国在留管理庁に在留資格変更許可申請を行う。
- 就業開始: 許可が下り次第、特定技能外国人として就業開始。
特定技能外国人の受入れに関してご不明な点や手続きのサポートが必要な際は、行政書士法人塩永事務所へいつでもお声掛けください。096-385-9002 info@shionagaoffice.jp
