
通所介護(デイサービス)の新規指定申請について
~行政書士法人塩永事務所による専門サポート~
はじめに
介護保険サービスの中核を担う「通所介護(デイサービス)」は、要介護高齢者の在宅生活を支援し、地域包括ケアシステムにおいて不可欠な役割を果たしています。通所介護事業を新たに開設するためには、都道府県知事または指定都市・中核市の長による介護保険法上の事業所指定を受ける必要があり、その申請手続きは複雑かつ高度な専門知識を要します。
行政書士法人塩永事務所は、熊本を拠点として、デイサービス新規指定申請における包括的なサポートを専門的に提供しております。本稿では、指定申請に必要な法令要件、手続きの流れ、および当事務所の支援内容について詳述いたします。
通所介護(デイサービス)の概要
通所介護とは、介護保険法に基づき、要介護認定を受けた利用者が通所介護施設において、日帰りで入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話および機能訓練を受けるサービスです。
対象者:要介護1~5の認定を受けた者
サービス内容:入浴介助、食事提供、生活機能向上のための機能訓練、レクリエーション活動等
介護報酬:事業所指定を受けることにより、都道府県国民健康保険団体連合会を通じて介護報酬の請求が可能となります
通所介護事業所の指定基準
通所介護の指定を受けるためには、介護保険法第74条および「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(厚生労働省令)に定める以下の基準を満たす必要があります。
1. 人員基準
| 職種 | 配置要件 |
|---|---|
| 管理者 | 常勤専従1名(管理上支障がない場合は兼務可) |
| 生活相談員 | 専ら当該職務に従事する常勤職員を、利用者数100人に対し1名以上配置 |
| 看護職員 | 専ら当該職務に従事する職員を1名以上配置(看護師または准看護師) |
| 介護職員 | 専ら当該職務に従事する職員を、利用者数15名に対し1名以上配置(常勤換算方法) |
| 機能訓練指導員 | 1名以上(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師等の資格を有する者) |
※常勤換算方法により、勤務延時間数を常勤職員の勤務すべき時間数で除して算定
2. 設備基準
通所介護事業所には、以下の設備を確保する必要があります。
- 食堂及び機能訓練室
合計した面積が利用定員×3㎡以上であること(ただし、食事提供時と機能訓練実施時で同一空間を利用する場合を含む) - 静養室
利用者が静養できるスペースを確保すること - 相談室
遮へい物の設置等により相談の内容が漏えいしないよう配慮された個室 - 事務室
- トイレ
利用者の身体状況に適したもので、車椅子での使用に配慮した構造 - 消火設備その他の非常災害に際して必要な設備
消防法その他の法令に適合するもの - その他
洗面設備、浴室(特別浴槽を含む)等
3. 運営基準
- 内容及び手続の説明及び同意
- 提供拒否の禁止
- サービス提供困難時の対応
- 受給資格等の確認
- 通所介護計画の作成
- 運営規程の整備(事業の目的、運営方針、サービス内容、営業日時、利用定員、利用料等を明記)
- 勤務体制の確保等
- 定員の遵守
- 非常災害対策(消防計画の策定、避難・救出訓練の実施等)
- 衛生管理等
- 秘密保持等
- 苦情処理体制の整備
- 事故発生時の対応
- 記録の整備
新規指定申請の手続き(熊本県・熊本市の場合)
申請から指定までの標準的な流れ
- 事前相談(推奨)
管轄する保健所または市町村の介護保険課において、事業計画、人員体制、設備概要等について事前相談を実施 - 事業所設置準備
- 物件の確保(賃貸借契約の締結または不動産の取得)
- 設備の整備(建築基準法、消防法等への適合確認)
- 人材の採用・配置計画の策定
- 申請書類の提出
指定を受けようとする月の前々月の末日まで(例:4月1日指定希望の場合、2月末日まで)
※自治体により締切日が異なるため、事前確認が必須 - 実地調査(指定前検査)
提出書類の審査後、都道府県または市の担当職員による現地確認が実施されます。人員配置状況、設備基準への適合性、運営体制の整備状況等が確認されます - 指定通知の交付
基準を満たしていることが確認された場合、指定通知書が交付され、指定日からサービス提供が可能となります - 運営開始
指定日以降、都道府県国民健康保険団体連合会への請求により介護報酬を受領できます
申請に必要な主な書類(例示)
- 指定申請書(様式第1号)
- 付表(通所介護事業所)
- 申請者(法人)の定款または寄附行為の写し
- 法人の登記事項証明書
- 事業所の管理者の氏名、生年月日、住所及び経歴を記載した書類
- 従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表
- 組織体制図
- 事業所の平面図
- 建物の登記事項証明書または賃貸借契約書の写し
- 運営規程
- 利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要を記載した書類
- 協力医療機関との契約内容を記載した書類
- 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書(該当する場合)
- 消防法令適合通知書または消防用設備等検査済証の写し
- 資産の状況を明らかにする書類(貸借対照表、損益計算書等)
- その他、都道府県または市が必要と認める書類
行政書士法人塩永事務所の支援内容
通所介護事業の立ち上げには、介護保険法、会社法、建築基準法、消防法、労働基準法等、多岐にわたる法令知識と行政手続きに関する専門的理解が求められます。当事務所では、以下の包括的支援を提供しております。
▶ 初回無料相談
事業構想の実現可能性、必要な手続きの全体像、スケジュール等について、経験豊富な専門家が丁寧にご説明いたします。
▶ 事前協議支援
都道府県・市町村の担当部署との事前協議への同行、協議内容の整理、指摘事項への対応策の立案を支援いたします。
▶ 申請書類の作成代行
人員配置計画表、設備配置図、運営規程、重要事項説明書等、指定申請に必要な全ての書類を基準に則して正確に作成いたします。
▶ 実地調査対策
指定前の実地調査に備え、設備配置の最適化、必要書類・マニュアルの整備、模擬調査の実施等、万全の準備をサポートいたします。
▶ 開業後の運営支援
介護報酬請求に関する届出、運営指導への対応、加算要件の整備等、開業後の継続的な運営支援も承っております。
よくあるご質問
Q1. 法人設立と同時に通所介護事業を開業することは可能ですか?
A. 可能です。株式会社、合同会社、NPO法人、社会福祉法人等の設立手続きから、事業所指定申請まで一貫してサポートいたします。法人形態によって設立要件や期間が異なりますので、事業計画に応じた最適な法人形態をご提案いたします。
Q2. 既存の民家を改装して通所介護事業所として使用できますか?
A. 建築基準法上の用途変更、消防法に基づく消防用設備の設置、バリアフリー対応等、一定の要件を満たせば可能です。物件選定段階での法令適合性の確認が重要ですので、契約前にご相談いただくことを強く推奨いたします。
Q3. 指定申請から指定通知までの標準的な期間はどの程度ですか?
A. 申請書類の作成・整備、事前協議、実地調査等を含め、通常2~4ヶ月程度を要します。ただし、物件の確保状況、人材の採用状況、行政との調整事項により期間は変動いたします。
結びに|確実な開業のために、専門家との連携を
通所介護事業は、高齢者の自立支援と生活の質の向上に寄与する社会的意義の高い事業である一方、関連法令の正確な理解と綿密な開業準備が成功の鍵となります。
行政書士法人塩永事務所は、熊本県内における豊富な介護事業支援実績を有し、事業構想段階から開業後の安定運営まで、包括的かつ継続的な支援を提供いたします。
通所介護事業の開業をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
お問い合わせ
行政書士法人塩永事務所
介護・福祉事業支援専門チーム
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