
日本のビザ申請および在留資格の最新動向と申請手続きの要点
行政書士法人塩永事務所
はじめに
日本への入国・在留を希望する外国籍の方にとって、適切なビザおよび在留資格の取得は、法令遵守と安定した生活の基盤となります。近年、出入国在留管理庁(入管庁)および外務省の方針により、申請手続きは厳格化とデジタル化が進行中です。
本稿では、2025年5月時点における最新の制度動向、申請要件、手続きの流れ、そして行政書士法人塩永事務所による支援内容について詳しく解説します。
1. ビザと在留資格の基本構造
日本の入国管理制度において、「ビザ」と「在留資格」は異なる役割を持ちます。
- ビザ:日本国外の大使館・領事館が発行する入国推薦状。入国審査を円滑にするためのもの。
- 在留資格:入管庁が付与する、日本国内での活動許可。滞在中に行う活動(就労・留学・家族滞在など)に応じて分類されます。
2025年現在、在留資格は約30種類に細分化されており、主な分類は以下の通りです:
- 就労系:技術・人文知識・国際業務、特定技能、高度専門職、経営・管理など
- 非就労系:留学、家族滞在、文化活動など
- 身分系:永住者、日本人の配偶者等、定住者など
- 短期滞在:観光、商用、親族訪問など(最大90日)
目的に応じた書類の準備と、厳格な審査対応が求められます。特に2025年は、デジタルノマド向けの新たな在留資格が注目されています。
2. 2025年の最新制度動向
(1) デジタルノマドビザの導入
2024年に新設された「指定活動(デジタルノマド)」は、リモートワーカーやフリーランス向けの在留資格です。年収1,000万円以上などの収入要件を満たすことで、最長6か月の滞在が可能。配偶者・子どもの同伴も認められています。
当事務所では、収入証明や活動計画書の作成支援を行っています。
(2) eVISAの対象国拡大
オンライン申請が可能なeVISA制度は、2025年現在、オーストラリア、ブラジル、カナダ、シンガポール、米国、英国など10か国・地域が対象。短期滞在ビザに限定されますが、申請の簡素化と審査の迅速化に貢献しています。
ただし、書類のデジタル化と正確な入力が求められ、不備があると審査が遅れる可能性があります。
(3) 在留資格申請手数料の改定
2025年4月より、在留資格の申請手数料が一部改定されました。例:在留期間更新・資格変更の手数料が4,000円→6,000円に引き上げ。申請者は予算計画を事前に立てることが重要です。
(4) 高度人材向け優遇措置の強化
高度専門職(J-Skip)や特定高度人材(J-Find)では、ポイント制評価により、永住権取得までの期間が最短1年に短縮されるケースも増加。申請プロセスの迅速化も進んでいます。
(5) コロナ禍後の入国規制解除
2022年10月以降、観光目的の入国やビザ免除措置が全面的に再開。2025年の大阪・関西万博に向けて、短期滞在ビザの需要が急増しています。ビザ免除対象国(68か国・地域)の国民は、90日以内の滞在が可能です。
3. ビザ・在留資格の申請要件
(1) ビザ申請の基本要件
- パスポート
- ビザ申請書
- 証明写真
- 招聘状・行程表
- 財務証明書(残高証明など)
- 目的に応じた追加書類(就労・留学など)
- 一部国籍では結核スクリーニングが必要
(2) 在留資格の基本要件
- 在留資格認定証明書(COE):長期滞在希望者は、日本国内のスポンサー(雇用主・学校など)が申請
- 財務的安定性:生活維持に必要な資金の証明(奨学金・銀行残高など)
- 法令遵守:犯罪歴や税金・社会保険料の滞納がないこと
4. 申請手続きの流れ
(1) ビザ申請
- 書類準備:目的に応じた書類を収集。COEが必要な場合は事前取得
- 申請提出:居住地の日本大使館・領事館、またはeVISA対応国ではオンライン申請
- 審査結果通知:通常5〜7営業日。追加書類が必要な場合は1か月以上かかることも
- ビザ発行後は、3か月以内に使用する必要あり
(2) 在留資格申請
- COE申請:日本国内のスポンサーが入管庁に申請
- 入国後の手続き:空港で在留資格が決定され、在留カードが交付される
- 在留期間の更新・変更:有効期限の3か月前から申請可能。審査には2〜4週間
5. 申請時の注意点
- 書類の正確性:虚偽や不備は却下の原因。特にCOE申請時の整合性が重要
- 期限管理:有効期限の厳守と早めの更新申請が必要。不法滞在は強制退去のリスクあり
- 地域差:大使館ごとに運用ルールが異なるため、最新情報の確認が不可欠
- 在留カードの管理:中長期滞在者は常時携帯し、住所変更などは14日以内に届け出
6. 行政書士法人塩永事務所のサポート内容
- ビザ申請代行:短期滞在・就労ビザなどの申請書類作成・提出代行
- 在留資格手続き支援:認定・変更・更新・永住権申請などをトータルサポート
- 個別コンサルティング:最適なビザ・在留資格の選定と戦略立案(オンライン相談対応)
- 入国後のフォロー:在留カード取得、住所登録、再入国許可申請などの支援
当事務所では、最新の法令・運用ルールに基づき、迅速かつ柔軟な対応を心がけています。プライバシー保護を徹底し、安心してご相談いただける環境を整えています。
7. 結論
2025年の日本におけるビザ・在留資格制度は、デジタル化と新制度の導入により、柔軟性と厳格性が共存しています。万博開催や高度人材の受け入れ強化に伴い、申請件数は今後さらに増加する見込みです。
