
【2025年版】在留資格認定証明書交付申請の完全ガイド|手続き・必要書類・有効期間・オンライン申請まで徹底解説
行政書士法人塩永事務所
在留資格認定証明書交付申請(COE)から日本入国までの流れ・必要書類・上陸許可基準・有効期間(3か月)・オンライン申請・費用まで、行政書士が詳しく解説します。はじめての企業担当者様・留学生・ご家族の方にもわかりやすくご説明します。
目次
- 在留資格認定証明書とは
- 在留資格認定証明書を取得するには
- 在留資格認定証明書交付申請から日本入国までの流れ
- COEが不要となる主なケース
- 申請書の書き方と審査期間
- オンライン申請について
- 手数料・費用の目安
- 不交付・不許可への対応
- 入国後の在留管理
- まとめ
1. 在留資格認定証明書とは
誰が使用するものですか?
在留資格認定証明書(Certificate of Eligibility:COE) は、海外にいる外国人が在外公館(日本大使館・総領事館)で査証(ビザ)発給を申請する際に提示・提出する認定証明書です。
交付する機関は地方出入国在留管理局(入管/出入国在留管理庁)で、申請者は原則として日本側の受入主体(企業・学校・配偶者/親族・団体など)または申請取次の行政書士等の代理人です。就労資格だけでなく、留学・家族滞在・身分系(日本人の配偶者等/永住者の配偶者等/定住者)・特定活動など幅広い在留資格で利用されます。
なぜ必要?いつ使いますか?
COEは、申請人の活動内容が入管法上の在留資格に該当し、必要に応じて上陸許可基準に適合していることを、日本国内で事前に審査したことを示す公式の証明です。
海外から日本に新規入国(上陸)する多くのケースで使います(例:技術・人文知識・国際業務/特定技能/経営・管理などの就労ビザ、留学、家族滞在、身分系、特定活動)。
※短期滞在(観光・親族訪問・商談等)や外交・公用などはCOE不要です。国内での在留資格変更許可申請もCOEは用いません。
在留カード・在留資格との違い
- 在留資格:日本での活動内容と在留期間を定める在留中の地位
- 在留カード:上陸後に空港で発行(または後日送付)される身分証
- 在留資格認定証明書(COE):上陸前に日本の入管が交付する審査結果の証明書。COEだけでは入国できず、在外公館で査証発給→空港で上陸審査という流れになります
提出先・交付について
- 提出先:申請人の居住国を管轄する日本大使館・総領事館の査証窓口
- 交付方法:窓口受領/郵送受領/電子交付(電子メール通知・番号)
- 管轄入管:原則、受入機関の所在地を所掌する地方出入国在留管理局(事務所住所で判断)
有効期限と返納
有効期間は原則3か月です。3か月以内に査証申請→発給→入国まで完了させます。
査証申請時に原本を提出(または電子番号を提示)します。未使用のまま期限切れとなった場合は再申請(再交付申請)が基本です。
2. 在留資格認定証明書を取得するには
交付申請の必要書類(共通)
在留資格や分野により必要書類は異なりますが、共通的に次が求められます。
基本書類
- 在留資格認定証明書交付申請書(写真貼付/氏名・国籍・生年月日・連絡先・活動内容・予定在留期間等を正確に記載)
- 申請人本人の資料:パスポートの写し、学歴・職歴、資格証明、(必要に応じ)日本語能力
受入側の資料
- 企業の場合:雇用契約書(写し)・職務記述書(Job Description)・会社概要・登記事項証明書・直近決算書 等
- 学校の場合:入学許可書・学校案内・在籍予定学科の概要
- 帯同・身分系:戸籍・婚姻証明・出生証明・扶養状況の資料 等
その他
- 理由書・疎明資料(活動内容の具体性、生計・支援計画の説明)
- 委任状(行政書士など取次が提出する場合)
- 翻訳文:外国語文書には日本語訳を添付するのが原則
代表的な資格ごとの追加資料(例)
技術・人文知識・国際業務
- 学位証明または相当の実務経験
- 職務と専攻の関連性が分かる文書
- 報酬(日本人同等以上)の根拠
- 社会保険加入の予定
特定技能
- 分野別評価試験の合格証
- 支援計画(登録支援機関の関与を含む)
- 労働条件通知書
留学
- 入学許可書
- 学費・生活費の支弁計画(送金予定・銀行残高等)
- 在籍予定の学科情報
家族滞在・身分系
- 婚姻の実体(写真・通信履歴)
- 同居・扶養の状況
- 住居や生計維持の資料
3. 在留資格認定証明書交付申請から日本入国までの流れ
STEP 1:受入主体・身元保証人の確定と在留資格の選定
受入主体(企業・学校・配偶者/親族・団体など)を決め、活動内容に合致する在留資格(活動資格/居住資格/特定活動)を選定します。
STEP 2:要件と上陸許可基準の事前チェック
- 就労系:学歴または相当実務と職務の関連性、雇用契約の適法性、報酬(日本人同等以上)、社会保険加入、事業所の実在・継続性を確認
- 留学:入学許可、学費・生活費の支弁計画、在籍の実体を確認
- 家族帯同・身分系:婚姻・親子関係の実体、同居・扶養、生計維持の裏付けを整備
- 特定活動/特定技能:告示・指定書・分野要件・支援計画の適合を確認
STEP 3:スケジュール設計(COEの有効期間3か月を逆算)
COEは有効期間が原則3か月です。査証申請→発給→入国までをこの期間内に収める前提で、書類作成・面接・採用日・学期開始日・家族帯同の予定を並べて逆算します。
入管申請から許可までの審査期間も余裕を持ってスケジューリングします。
STEP 4:必要書類の準備(原本/写し/翻訳)
- 共通:在留資格認定証明書交付申請書(写真貼付・正確な記載)、パスポート写し、理由書
- 受入側:雇用契約書/職務記述書(JD)/登記事項証明書/会社案内/決算書、または入学許可書・学校案内、支援計画 等
- 本人側:学位・職歴・資格証明、婚姻・出生等の家族関係書類、資金計画
外国語文書には日本語訳を付け、原本/写しの指定に従います。
重要:在留資格の申請は、申請人が「法令要件に適合すること」を立証する責任を負います。出入国在留管理庁のホームページに記載されている提出書類一覧は必須資料になりますが、個々の状況によってケースバイケースのため、実際は補強資料として理由書の作成や疎明資料を準備して申請するケースが多くあります。
STEP 5:地方出入国在留管理局(入管)へ申請
郵送による申請はできません。 窓口または在留申請オンラインシステムで申請します。
管轄は原則受入機関の所在地で決まり、所管の地方出入国在留管理局の窓口へ申請します。申請等取次として行政書士が代理提出することも可能です。
行政書士による書類作成・申請取次について
行政書士(申請等取次者)は依頼を受けて申請書類の作成や申請書の提出(取次)を行うことができ、この場合は本人の出頭が免除される制度(申請等取次)を利用できます。取次を行う行政書士は、所定の研修等を経て届出済証明書を取得し、入管へ届出している必要があります。
STEP 6:受理後の審査・追加照会への対応
入管で受理後、法務大臣の定める上陸許可基準に適合しているかが確認されます。標準目安は1〜3か月ですが、案件により前後します。
追加資料や事実確認の連絡が来たら、期限内に整合性の取れた資料で回答します。
STEP 7:在留資格認定証明書の交付(紙/電子)と内容確認
入管の審査で許可が出た場合に、在留資格認定証明書(COE)が交付されます。
交付は紙(窓口申請の場合)または電子交付(オンライン申請の場合)になります。
氏名(ローマ字)・生年月日・在留資格・在留期間・受入機関などに誤りがないか即時確認します。
有効期間3か月のカウントが始まります。
重要:査証審査は外務省所管の在外公館で行われるため、COE交付=査証許可ではありません。
STEP 8:海外の申請人への原本送付/電子COEメールの転送
紙の原本の場合
- 追跡可能な国際便(例:EMS/DHL等)で送付
- 封筒には申請人氏名・生年月日を明記し、パスポート原本は同封しない
- 発送後は追跡番号を連絡し、受領確認を取る
電子交付(電子COE)の場合
- 入管庁から受け取った通知メールを改変せずにそのまま転送
- 転送時にCOE番号を併記し、迷惑メールフォルダに入っていないか受信確認を依頼
提出方法は在外公館の案内に従ってください。多くの公館でメール提示または電子COEのプリント提出が求められます。
家族帯同がある場合
- 家族(配偶者・子)ごとにCOEを個別取得
- 紙は家族単位で発送、電子は家族それぞれへメール転送
- 全員分の有効期間を一括管理
STEP 9:在外公館での査証(ビザ)申請
申請人の居住国を所管する日本大使館・総領事館に原則として申請人本人が申請します。
必要書類
- COE原本/電子番号
- 査証申請書
- 証明写真(規定サイズ)
- 有効なパスポート
- 領事手数料(費用) ほか
事前予約制や提出方法が公館ごとに異なるため、各公館の最新案内を確認します。通常、査証の発給には数日〜2週間ほどかかります。
STEP 10:査証発給後の渡航準備
渡航日を確定し、航空券・空港出迎え・住居の手配、就労受け入れの場合は初期オリエンテーション(就業規則・在留管理・健康保険等)を準備します。
STEP 11:入国(上陸審査)と在留カードの受領・初期手続
空港で上陸審査を受け、上陸許可後に在留カードが交付されます。
14日以内に住民登録(住所届出)を行い、健康保険・年金・給与口座等の初期手続を進めます。
留学・家族滞在で就労する場合は、資格外活動許可(原則週28時間)を取得します。
在留カード交付について
- 在留期間が3ヶ月を超える中長期在留者に交付
- 短期滞在や3ヶ月以下の在留期間の場合は交付されません
主要空港経由の場合(成田、羽田、関西、中部、新千歳、広島、福岡)
- 空港の入国審査カウンターで在留カードが即日交付
- 入国後14日以内に市区町村役場で住民登録
その他の空港・港の場合
- 市区町村役場で住居地を届け出た後、在留カードが後日郵送で交付
4. COEが不要となる主なケース
- 短期滞在(観光・商談・親族訪問等):短期ビザ(またはビザ免除)で入国
- 外交・公用:外務省所管のため対象外
- 国内での在留資格変更許可申請:すでに日本に在留している方はCOE不要
5. 申請書の書き方と審査期間
在留資格認定証明書交付申請書の書き方(基本)
- ローマ字氏名・生年月日・国籍・旅券番号はパスポートと一致させる
- 在留資格の種類・活動内容は具体的に記載
- 希望在留期間(1年/3年/5年など)を明記
- 連絡先(担当者名・電話番号・メールアドレス)を記載
- 裏面の学歴・職歴・親族欄の書き漏れに注意
- 写真は所定サイズ・3か月以内撮影のものを貼付
申請から交付までの期間(目安)
標準で1〜3か月程度ですが、繁忙期(新卒採用期・学期開始前)、国籍、案件の複雑性、追加資料要求の有無によって時間は前後します。余裕を持ったスケジューリングが大切です。
6. オンライン申請について
オンライン申請は、外国人本人・法定代理人・親族(配偶者・子・父母)、所属機関職員・登録支援機関職員・弁護士・行政書士(申請等取次者)が対象です。
オンライン申請できる人
外国人本人/法定代理人/親族
- マイナンバーカード、パソコン、ICカードリーダライタ、JPKIクライアントソフトが必要
所属機関等の職員(企業・学校・登録支援機関・公益法人など)
- 外国人の入国・在留手続に関する研修会等を受講し、効果測定に合格後、事前に利用申出/利用者登録が必要
申請取次行政書士/弁護士
- 法務省が定めた研修を受講し、効果測定に合格後、入管に届出を行った行政書士・弁護士
7. 手数料・費用の目安
- COE交付時:手数料不要
- 査証申請時:在外公館で領事手数料が必要(国・ビザ種別で金額が異なる)
- 行政書士等へ依頼する場合:書類作成費用・申請取次費用が別途発生
8. 不交付・不許可への対応
在留資格認定証明書交付申請が不交付になった場合
不交付通知が届いたら、申請した入国管理局の担当官に不交付になった具体的な理由を直接確認し、その原因を解消するための対策を講じ、再申請に向けて資料の補強を行います。
代表例
- 学歴/実務と職務の関連性が弱い(技術・人文知識・国際業務)
- 報酬が日本人同等以上でない/雇用契約の不備
- 事業所の実在・継続性や支援体制に疑義(特定技能・経営管理等)
- 扶養・婚姻の実体や生計の裏付け不足(家族滞在・身分系)
理由書の作成、疎明資料の追加が効果的です。ケースにより在留資格の選定見直しも検討します。
在外公館で査証申請が不許可になった場合
COE交付=査証発給が必ず許可ではありません。在外公館(外務省所管)は独自の査証審査を行います。
不許可時は、不許可理由の確認→不足書類の補完→再申請が基本です。内容によりCOE自体の再申請が必要になる場合もあります。
紛失・有効期限切れのとき
- 紛失:管轄入管に電話で問い合わせ、再発行の可否・必要書類を確認
- 期限切れ(3か月超):原則は再申請
9. 入国後の在留管理
管理主体の切り分け(企業・学校/本人)
企業・学校が管理すべきこと(就労・就学系)
- 在留期限の台帳管理(期限6か月前・3か月前・1か月前にリマインド)
- 就労区分の確認(在留カードの在留資格と就労可否)
- 職務変更・配置転換時の適合確認
- 届出・記録
身分系(日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)
- 多くはご本人(世帯)での管理が中心
- ただし採用企業は在籍者の在留カード確認と期限アラート、就労可否の確認は継続
「更新」と「変更」の違いと使い分け
在留期間更新許可申請(更新)
- 活動内容が同じまま在留を延長するとき
- 目安:在留期限の3か月前から準備開始
在留資格変更許可申請(変更)
- 活動内容が変わるとき(例:留学→就労、家族滞在→就労、技人国→経営・管理など)
- 職務内容の大幅変更・転籍・起業などは該当性を事前評価
家族帯同のタイミング(同時申請/後日合流)
同時に家族帯同
- 主たる在留者と同時に配偶者・子の家族滞在を申請
- スケジュールがそろいやすく、生活立ち上げが一括で可能
後日合流
- 主たる在留者が先に入国し、後から配偶者・子のCOE→査証取得→合流
どちらの方式でも、婚姻・出生証明の原本/日本語訳、生活費の支弁資料などを早めに整備します。
届出と初期・定期チェック(抜け漏れ防止)
- 再入国・転出入:長期出張・一時帰国の際は再入国許可の要否を確認
- 14日以内の届出:住所変更・所属機関の変更・離職/転学など
- 在留カード管理:真正確認、有効期限、在留カード番号を台帳化
- 在留期間更新・変更の進行管理
10. まとめ
在留資格認定証明書交付申請は、就労・就学・家族帯同・身分系・特定活動など、海外からの上陸前に行う事前審査です。
✅ 必要書類の整備と上陸許可基準への適合が許可の決め手
✅ 有効期間は原則3か月のため、査証発給から入国までをこの期間内に完了させる管理が必須
✅ オンライン申請を活用すれば、所属機関等の登録後に全国どこからでも申請可能
✅ 初回申請時から理由書と疎明資料を十分に準備して提出することが実務上は重要
✅ 不交付・不許可となった場合は、理由を特定し、疎明資料を補強して再申請を検討
✅ 入国後は在留カード・在留期限・就労区分の確認に加え、在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請の時期管理を徹底
参考リンク
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