
民泊を始めるには|行政書士法人塩永事務所
民泊を始める際は、**住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)**に基づき「住宅宿泊事業者」の届出を行う必要があります。この届出を行い、受理されて初めて事業を開始することができます。
住宅宿泊事業法とは
2018年に施行された住宅宿泊事業法により、一般の住宅を宿泊施設として貸し出すことが合法的に認められました。制度上は 届出制 となっており、事業を行うには物件所在地の自治体へ住宅宿泊事業者として届出を提出する必要があります。
法律では、以下の関係事業者も定められています。
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住宅宿泊管理業者:物件の運営管理を代行
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住宅宿泊仲介業者:予約サイト等を通じて宿泊者を募集
届出方法
住宅宿泊事業の届出は、国交省の「民泊制度ポータルサイト」からオンライン申請が可能です。
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届出書の作成
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各種添付書類を準備
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電子申請または印刷して管轄自治体に提出
住宅宿泊管理業者・仲介業者の登録も、このポータルサイトを通じて行うことができます。行政書士に委任する場合、必要書類作成から提出代行まで一括してサポートを受けられます。
届出の主なポイント
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建物用途:登記上の建物種別が「居宅」でなければならない
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消防法令適合:消防設備設置や適合通知書の取得が必要
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欠格要件:成年被後見人、暴力団関係者などは不可
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関係法令遵守:建築基準法、廃棄物処理法、水質汚濁防止法、地域の条例など
届出に必要な書類(法人の場合の一例)
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届出書(システムで作成)
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定款または寄付行為(写し、原本証明要)
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登記事項証明書(3か月以内)
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役員全員の身分証明書(本籍地役場発行、3か月以内)
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住宅の登記事項証明書(3か月以内)
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住宅の図面(平面図・設備配置図)
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誓約書(欠格要件に該当しない旨)
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消防法令適合通知書(管轄消防署で取得)
※ケースにより、大家の承諾書、追加資料の提出を求められる場合があります。
宿泊施設開業との違い
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**旅館業法に基づく営業(旅館・ホテル・簡易宿所)**とは異なる制度であり、要件も異なります。
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旅館業許可を取得する場合は、規模や用途地域制限、消防法対応など追加の審査が必要です。
手数料(目安)
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住宅宿泊事業届出(家主同居型):165,000円~
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住宅宿泊事業届出(家主不在型):220,000円~
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消防関係申請サポート:55,000円~
※建物の状態・規模により変動します。
注意すべき規制
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用途地域制限:用途地域によっては民泊が不可のケースあり
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日数制限:住宅宿泊事業法では年間180日以内まで。ただし自治体が独自により厳しい日数制限を設けている場合があります。
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廃棄物処理:排出されるごみは「事業系ごみ」として処理が必要
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建築基準法:非常用照明設備など、安全確保のための施設基準を満たす必要あり
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周辺住民への対応:一部自治体では説明会開催が義務づけられています
外国人宿泊者への対応
外国人旅行者が多く利用するため、周辺案内や避難経路図は**多言語表示(最低限英語)**を推奨します。非常時の通報先(警察・消防)も併記すると安全です。
まとめ
民泊を始めるには、住宅宿泊事業法に基づく届出が必須です。さらに、消防・建築基準法・自治体条例などの各種規制に適合しなければなりません。これらの要件は自身で対応するには非常に煩雑であり、専門的な判断を要する場合が多いのが実情です。
行政書士法人塩永事務所では、熊本県内の民泊届出について、事前調査から書類作成・提出まで一貫してサポートいたします。地域特有の規制や個別の事情に応じた対応が可能ですので、安心してご相談ください。
お問い合わせ先:
096-385-9002 行政書士法人塩永事務所