建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、建設業界において課題となっている技能者の処遇改善や人材確保の解決手段として、国土交通省と民間団体が一体となって推進する制度で、一般財団法人建設業振興基金が運用しています。このCCUSでは、建設工事に携わる事業者・技能者の登録を行い、元請業者が工事施工現場にカードリーダーを設置し、技能者がカードをかざすことで就業履歴データを蓄積します。そのデータを活用し、技能者の能力や経験による適正な評価がなされることで処遇改善に繋がり、また、技能者を雇用し育成する企業が伸びていける業界環境をつくることで、若い世代が安心して働くことができ、入職率を増やし、離職率を減らすことで業界の人材確保に繋がることを大きな目的としています。
利用手順
① CCUS登録(事業者登録・技能者登録)
インターネットHP上、又は認定登録機関(全国に存在)で登録申請を行います。申請後、それぞれ登録料を支払うことで、登録が完了し、事業者ID、管理者ID及び技能者IDが通知されます。
- 技能者登録で本人の写真付き証明書が無い場合、認定登録機関でのみ登録申請が可能。
- 技能者登録には、簡易型と詳細型の2パターンが有るが、技能レベルのアップの為に必要な能力評価を受けるには、詳細型での情報登録が必要。
- 登録完了後1ヶ月程度で、技能者には建設キャリアアップカードが発行され届けられる。
② 現場登録(現場契約情報の登録)
工事が決まったら、元請業者は現場契約情報を登録し、現場にカードリーダー等を設置します。
③ 施工体制登録、施工体制技能者登録
元請業者と下請業者は、工事の「施工体制登録」を行います。更に、実際に工事を施工する技能者が所属する事業者は「施工体制技能者登録」を行います。
技能者情報の登録の際は、正しく能力評価がされる様に「職種」、「立場」などの情報を確実に入力することが大事です。
④ 就業履歴の蓄積
技能者は、現場に入出場する際に、カードリーダーに自身のカードをかざすことで、就業履歴がCCUSに蓄積されます。
登録料、利用料
■事業者登録料(有効期限5年):事業者の資本金などによって設定された金額(例えば、資本金500万円未満の法人や個人事業主であれば6,000円、一人親方であれば無料)
■管理者ID利用料(毎年):11,400円
■現場利用料(就業履歴回数1回・人につき):10円
※元請業者のみが支払う
■技能者登録料(有効期限10年):2500円(簡略型)、4900円(詳細型)
CCUSは、技能者の適正評価や人材確保のみならず、元請業者にとっては、現場技能者の就業管理の効率化に繫がる他、導入実績により経営事項審査における加点評価対象となります。また、下請業者にとっても、専門工事の施工能力の「見える化」評価制度によって、発注者、元請業者、求職者に対して自社をアピールでき、受注機会の増加や入職者の確保に寄与することが期待されるなど大いにメリットが有る制度と言え、今後、登録がますます進んでいくことが予想されます。
CCUSの登録は、行政書士法人塩永事務所におまかせください。