
技能実習生の入国後講習(法的保護講習)について
入国後講習とは
技能実習制度運用要領の「第4章第3節(7)講習の基準に関するもの」に基づき、第1号技能実習生は入国後一定期間において、以下の4つの科目について講習を受講することが義務付けられています。
- 日本語
- 本邦での生活一般に関する知識
- 出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法その他技能実習生の法的保護に必要な情報
- 上記①②のほか、本邦での円滑な技能等の習得等に資する知識
特に③の「法的保護に必要な情報」については、専門的な知識を有する者による講習が必要とされており、行政書士もその有資格者に含まれます。
法的保護講習の詳細内容
講習で扱うべき事項
法的保護講習では、以下の内容を網羅的に取り扱う必要があります。
1. 関係法令に関する基本知識
- 技能実習法令
- 出入国管理及び難民認定法(入管法)
- 労働関係法令(労働基準法、労働安全衛生法等)
2. 違反発見時の対応方法
- 実習実施者や監理団体による技能実習法令等違反を知った場合の対応
- 外国人技能実習機構への母国語相談窓口の利用方法
- 労働基準監督署等行政機関への連絡・申告の要件と方法
- 申告を理由とした不利益取扱いの禁止に関する事項
3. 労働条件・社会保険に関する知識
- 賃金の支払い方法と計算(残業代を含む)
- 税金・社会保険料の控除内容
- 賃金未払時の立替払制度
- 休業補償制度
- 労働契約の基本原則
- 労働安全衛生に関する知識
4. 社会保障制度
- 厚生年金の脱退一時金制度
- 各種社会保険の仕組み
5. やむを得ない理由による転籍
- 転籍が必要となった場合の対応方法
- 転籍手続きの流れ
講習時間の基準
法的保護に必要な情報の講習時間は、技能実習法令、入管法令、労働関係法令、その他法的保護に必要な情報について、それぞれ最低2時間ずつ、合計8時間以上実施することが必要とされています。
※通訳を使用する場合は、通訳に要する時間を考慮して8時間の内容を確実に実施する必要があります。
外部講師の要件
専門知識を有する者の定義
技能実習生への法的保護講習を行う外部講師の要件として、「入管法や労働関係法、不正行為への対応、実習生への法的保護についての知識を十分に有していて、それを説明することができる者」とされています。
有資格者
以下の資格保有者が外部講師として認められています:
- 社会保険労務士
- 行政書士
- 弁護士
- 国や地方公共団体の職員
- その他、専門的知識を有すると認められる者
団体監理型での外部講師の必要性
企業単独型技能実習と異なり、団体監理型技能実習においては、技能実習生の法的保護に必要な情報に係る講義をより適切に実施する観点から、申請者(実習実施者)又は監理団体の職員以外の外部講師が当該講義を行うことが原則とされています。
塩永事務所の法的保護講習サービス
サービス内容
第一号技能実習生の入国後講習のうち「法的保護に必要な情報」に関する講義を専門的に実施いたします。
講習の特徴
- 入管法及び技能実習法に精通した申請取次行政書士が担当
- 労働法や社会保険に精通した専門家による総合的な講義
- 技能実習生が特に注意すべき点や関心事項を踏まえた実践的な内容
- 技能実習手帳を使用したテキストベースの講習(講習後もいつでも確認可能)
講習で重点的に扱う内容
- 残業手当の計算方法(具体的事例を用いた説明)
- 社会保険料の算出方法
- 税金・保険料控除の仕組み
- 労働基準監督署等への相談・申告方法
- 外国人技能実習機構の母国語相談窓口の利用方法
アフターフォロー
- 講習後の個別質問対応
- 労働関係法令に係る法改正情報の提供
- 監理団体及び実習実施機関における労働社会保険事務手続きの代行
料金・条件
- 講習費:50,000円(税別)
- 旅費等は別途実費請求
- 通訳は別途手配をお願いいたします
まとめ
法的保護講習は、技能実習生が日本で適正に実習を行うための重要な基礎知識を提供する場です。
塩永事務所では、申請取次行政書士としての知識と実務経験を活かし、技能実習生にとって真に有益な法的保護講習を提供いたします。
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