
【2025年最新版】特定技能1号と2号の7つの違いを徹底比較
~取得要件・在留期間・永住権への影響まで行政書士が解説~行政書士法人塩永事務所
1. 特定技能制度とは?
在留資格「特定技能」は、2019年4月の入管法改正により創設された外国人材受入れ制度です。
深刻な人手不足に直面する特定産業分野で、一定の技能と即戦力を有する外国人材の就労を可能にすることを目的としています。
大きな特徴は、他の在留資格に比べて就労可能な職種が広く、現場作業を含む業務にも従事できる点です。
制度は 「特定技能1号」 と 「特定技能2号」 の2種類に分かれ、それぞれ要件や権利が大きく異なります。
2. 対象分野の違い
-
特定技能1号(12分野)
介護/ビルクリーニング/工業製品製造業/建設/造船・舶用工業/自動車整備/航空/宿泊/農業/漁業/飲食料品製造業/外食業 -
特定技能2号(11分野)
※介護分野を除く上記11分野
※特定技能2号は2023年に対象分野が拡大され、現在は11分野。介護分野は「介護」在留資格への移行制度があるため対象外。
3. 特定技能1号と2号の7つの主要な違い
項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
---|---|---|
1. 在留期間 | 1年・6か月・4か月ごとに更新(最長5年) | 3年・1年・6か月ごとに更新(上限なし) |
2. 永住権の要件 | 永住権の必要在留年数に算入されない | 永住権の必要在留年数に算入可能 |
3. 技能水準 | 「相当程度の知識または経験」 | 「熟練した技能」(指導・工程管理レベル) |
4. 外国人支援 | 支援計画の策定・実施が必須(登録支援機関委託可) | 支援義務なし |
5. 家族帯同 | 不可 | 要件を満たせば配偶者・子の帯同可 |
6. 日本語試験 | 必須(技能試験と併せて実施) | 現行制度では不要(将来変更の可能性あり) |
7. 試験実施状況 | 国内外で実施(国によって頻度差あり) | 2023年以降順次実施(未実施分野あり) |
1. 在留期間の違い
-
1号:累計5年が上限。更新は最長1年単位。
-
2号:更新に上限なし。雇用関係が続けば実質的に永続就労も可能。
※両方とも「就労ビザ」であるため、更新には雇用契約の継続が必須です。
2. 永住権取得要件への影響
-
永住許可ガイドライン(出入国在留管理庁)では、原則10年以上の在留歴が必要ですが、特定技能1号での在留期間は算入されません。
-
特定技能2号は算入可能。10年経過後、他要件を満たせば永住申請が可能。
3. 技能水準
-
1号:現場で即戦力となるレベル(例:作業者としての配管作業)
-
2号:熟練レベル(例:複数作業者を指導し工程を管理)
4. 外国人支援の要否
-
1号:生活・職場適応のための支援が法定義務(登録支援機関への委託可)
-
2号:支援義務なし(本人の生活基盤があることが前提)
5. 家族帯同
-
1号:帯同不可
-
2号:配偶者・子の帯同が可能(在留資格「家族滞在」等)
6. 日本語試験
-
1号:日本語能力試験(JLPT N4相当)または国際交流基金日本語基礎テスト合格が必要
-
2号:現時点で日本語試験は不要だが、対象分野拡大に伴い変更の可能性あり
7. 試験の実施状況
-
1号:国内外で随時実施(海外は協力覚書締結国のみ)
-
2号:国内中心で実施開始。未実施分野もあり、最新情報は各省庁サイトで確認が必要。
4. 取得方法
特定技能1号
-
技能試験+日本語試験に合格
-
技能実習2号を良好に修了して移行(条件により試験免除あり)
特定技能2号
-
該当分野の2号試験合格
-
分野ごとに定められた実務経験(管理・指導経験含む)
-
実務経験を証明する書類の提出
-
多くの場合、雇用先企業が試験申込を代行
5. 実務上の留意点
-
2号取得には企業側の協力が不可欠(試験申込、実務経験証明、雇用継続)
-
長期雇用を前提にするなら、1号採用段階から2号取得を見据えた育成計画が重要
-
分野ごとの試験日程・要件変更は頻繁に行われるため、最新の省令・告示を確認すること
まとめ
-
短期的労働力確保なら「特定技能1号」
-
長期雇用・永住も視野なら「特定技能2号」
-
採用競争の激化が予想されるため、今から2号取得までを見据えた戦略的採用を行うことが望ましい
行政書士法人塩永事務所では、特定技能1号から2号への移行支援、永住申請まで一貫サポートいたします。
実務経験証明書の作成や省庁への確認業務もお任せください。096-385-9002 info@shionagaoffice.jp