
育成就労制度における監理支援機関の外部監査人業務|行政書士法人塩永事務所
技能実習制度から育成就労制度へ:監理支援機関の新たな責任
我が国の国際貢献において重要な役割を担ってきた「技能実習制度」は、開発途上地域への技能移転と「人づくり」を目的として運用されてきました。しかし、この制度は2027年を目途に廃止され、新たに「育成就労制度」へと切り替わることが決定しています。
新制度では、外国人材の育成と確保をより明確な目的とし、監理団体は「監理支援機関」へと名称が変更され、その役割と責任は一層厳格化されます。特に注目すべきは、これまで任意であった「外部監査人」の設置が義務化される点です。
監理支援機関の重要な役割と外部監査人の必要性
監理支援機関(旧:監理団体)は、技能実習(育成就労)の適正な実施と技能実習生(育成就労外国人)の保護において、極めて重要な役割を担います。監理事業を適正に運営することはもちろん、違反があった場合には改善命令や許可の取消しの対象となるため、その責務は重大です。
外部監査人とは
外部監査人とは、監理支援機関の業務運営や育成就労の適正性を、第三者的な立場から監査・検証する専門家です。監理支援機関と利害関係を持たず、中立・公正な立場で業務実施の適正性を評価し、その結果を報告します。
外部監査人設置が義務化された背景
技能実習制度においては、一部の受入機関や監理団体による不適切な運用が問題となり、失踪や人権侵害、不正請求などの課題が浮上しました。育成就労制度では、これらの問題を解消し、制度の透明性と公正性を確保するため、外部からのチェック機能を強化する必要があると判断され、外部監査人の設置が義務付けられました。
外部監査人の要件
外部監査人には、以下の要件が求められます。
- 独立性: 監理支援機関や実習実施者と密接な関係を持たないこと。
- 専門性: 労務管理、法務、監査等に関する十分な知識と実務経験を有すること。特に、入管法や労働関係法令に精通していることが不可欠です。
- 資格: 過去3年以内に主務大臣が認めた機関で「監理責任者等講習」を受講し、修了していること。
これらの要件を満たす人材を選定することは容易ではありません。当事務所では、申請取次資格を持つ行政書士が複数名所属しており、監査体制の充実度を考慮すると、専門知識と経験を兼ね備えた士業法人に依頼することが、監理支援機関の安定的な運営に繋がると考えております。
行政書士法人塩永事務所の外部監査人業務
当事務所は、「監理責任者等講習」を受講し、監理支援機関の外部監査人となる資格を満たしております。監理支援機関の皆様が安心して事業を運営できるよう、公正かつ適正な監査業務を提供いたします。
外部監査業務の内容
外部監査人は、以下の業務を定期的に実施し、監理支援機関の運営が適正に行われているかを確認します。
- 定期監査(3ヶ月に1回以上)
- 監理支援機関の各事業所において、監査等の業務遂行状況を確認します。
- 責任役員及び監理責任者からの報告を受け、事業所の設備や帳簿書類その他の物件を閲覧し、事実確認を行います。
- 確認結果を記載した書類を監理支援機関に提出します。
- 同行監査(1年に1回以上)
- 監理支援機関が行う監理型育成就労実施者(外国人を受け入れる企業)への監査に同行し、実際の監査状況を確認します。
- 育成就労外国人との面談や、宿泊施設などの生活環境の確認も行い、監理状況を第三者の観点からチェックします。
- 確認結果を記載した書類を監理支援機関に提出します。
外部監査の主な監査項目
当事務所が実施する外部監査では、以下の項目に重点を置いて確認します。
- 監理費について
- 用途と金額を明示し、適正な監理費を徴収しているか。
- 職業紹介費、講習費、監査指導費、その他諸経費が適正な範囲内であるか。
- 業務について
- 育成就労が適切に実施されているか、定期的な監査が行われているか。
- 育成就労外国人を人手不足解消のみを目的として勧誘していないか。
- 入国後講習が認定計画に従って実施され、期間中に業務に従事させていないか。
- 育成就労外国人の稼働する事業所、生活する宿舎の確認を行っているか。
- 育成就労外国人の帰国旅費を負担し、円滑な帰国に必要な措置を講じているか。
- 人権侵害行為を行っていないか、認定計画と反する取り決めをしていないか。
- 育成就労外国人からの相談に適切に応じ、相談体制が整っているか。
- 監理支援機関に係る規定を公表しているか。
- 育成就労実施者が労働法令に違反しないよう指導し、違反時には是正指示を行っているか。
- 書類について
- 監理型育成就労実施者及び育成就労外国人の管理簿が適切に作成・備え付けられているか。
- 監理費、雇用関係あっせん、育成就労実施状況の監査、入国後講習、訪問指導内容、相談内容、外部監査に関する文書が適切に作成・備え付けられているか。
- 保護について
- 暴行、脅迫、監禁等による育成就労の強制がないか。
- 保証金の徴収、違約金、不当な財産管理、旅券・在留カードの預かりがないか。
- 育成就労外国人の私生活を不当に制限していないか。
- その他
- 監理支援機関の許可証を各事業所に備え付けているか。
- 育成就労が困難となった場合の連絡調整を予め行っているか。
当事務所を選ぶ理由
- 豊富な実績と専門知識: 特定技能や技術・人文知識・国際業務など、様々な在留資格の申請で多くの許可実績を持ち、外国人雇用に関する法務相談にも対応しています。
- 確かな監査経験: 既に複数の監理団体様で外部監査業務の実績があり、チェックすべきポイントを熟知しております。
- 予防的なサポート: 法令違反に発展させないための予防的な側面からのサポートも可能です。
- 全国対応: 全国どこでも外部監査人サービスを提供しており、柔軟に対応いたします。
- 一貫した支援: 監理支援機関の許可申請支援から監査業務、さらには外国人の在留資格に関するコンサルティングまで、幅広くサポートいたします。
外部監査人の報酬について
外部監査人の報酬は、監理支援機関の規模や監理する育成就労外国人の人数、事業所の数によって変動します。当事務所では、お客様のニーズに合わせた柔軟な料金プランをご用意しております。
報酬例(税別)
プラン区分 | 内容 | 報酬(年間) |
---|---|---|
単発プラン | 監理支援機関への監査(年4回)+実習実施者への同行監査(年1回) | 550,000円~ |
年間顧問契約プラン | 監理支援機関への監査(年4回)+実習実施者への同行監査(年1回) | 480,000円~(月額40,000円~) |
※上記は一例です。監理人数や事業所数、同行監査の頻度によって異なります。詳細はお見積りいたしますので、お気軽にご相談ください。 ※監理事業を行う事業所が複数ある場合は、別途加算させていただきます。
その他の関連業務
当事務所では、外部監査業務のほかにも、外国人雇用に関する様々な手続きをサポートしております。
- 技能実習計画認定申請
- 在留資格認定証明書交付申請(技能実習、特定技能1号・2号)
- 在留資格変更許可申請(技能実習1号・2号・3号、技能実習からの変更、特定技能1号・2号)
- 登録支援機関登録申請
- 各種相談及び助言等の技能実習監理事業全般におけるアドバイザリー業務
まとめ
育成就労制度への移行に伴い、監理支援機関に義務付けられる外部監査人の設置は、制度の適正な運用と外国人材の保護のために不可欠です。行政書士法人塩永事務所は、長年の実績と専門知識に基づき、監理支援機関の皆様の外部監査人として、また外国人雇用に関する総合的なパートナーとして、強力にサポートいたします。
福岡出入国在留管理局管内(福岡・北九州・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)を中心に、オンラインでの面談・サポートにも対応しております。初回ご相談は無料ですので、育成就労制度に関するご不明な点や、外部監査人の選任でお困りの際は、ぜひ一度当事務所までご相談ください。
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