
定款作成・認証と定款変更手続きの完全ガイド
行政書士法人塩永事務所
はじめに
定款は会社の「憲法」とも呼ばれる重要な書類で、会社の基本的な規則や運営方針を定めるものです。会社設立時には定款の作成と公証人による認証が必要であり、会社運営の過程では事業内容の変更や組織変更に伴い定款変更が必要となります。本記事では、定款の作成・認証手続きから既存法人の定款変更まで、詳しく解説いたします。
定款とは
定款とは、会社の組織や活動の根本規則を定めた書類です。会社法により、株式会社の設立には必ず定款の作成と公証人による認証が義務付けられています。
定款の効力
- 対内的効力:株主、役員、従業員に対する拘束力
- 対外的効力:第三者に対する会社の基本情報の開示
定款作成の基本事項
絶対的記載事項(必ず記載する事項)
1. 商号
- 株式会社の場合は「株式会社」の文字を含む
- 同一住所での同一商号は不可
- 使用可能文字に制限あり
2. 事業の目的
- 具体的かつ明確に記載
- 適法性、営利性、明確性が必要
- 将来的な事業展開も考慮して記載
3. 本店の所在地
- 市区町村まで、または具体的住所まで記載
- 登記上の本店所在地と一致させる
4. 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
- 資本金の額を明記
- 現物出資がある場合はその詳細も記載
5. 発起人の氏名又は名称及び住所
- 発起人全員の正確な情報を記載
- 法人が発起人の場合は商号と住所
相対的記載事項(記載すれば効力を有する事項)
株式関係
- 株式の譲渡制限に関する定め
- 株券を発行する場合の定め
- 株主総会以外の機関の設置
機関関係
- 取締役会、監査役、会計参与等の設置
- 取締役等の任期の短縮
- 役員の責任限定契約に関する定め
その他
- 事業年度
- 定時株主総会の招集時期
- 剰余金の配当に関する事項
任意的記載事項(記載してもしなくてもよい事項)
- 株主総会の運営に関する詳細
- 役員の報酬に関する事項
- 附則や経過措置
定款認証手続き
公証人による認証が必要な理由
定款の内容が法律に適合し、設立手続きが適正に行われることを確保するため、公証人による認証が義務付けられています。
認証の流れ
ステップ1:事前準備
- 定款案の作成
- 公証役場の選定(本店所在地の都道府県内)
- 必要書類の準備
ステップ2:事前相談(推奨)
公証人との事前相談により、定款の内容を確認し、修正点があれば事前に修正できます。
ステップ3:認証手続き
- 必要書類の提出
- 公証人による内容確認
- 認証手数料の支払い
- 認証済定款の受領
認証に必要な書類
発起人が個人の場合
- 定款(3通)
- 発起人の印鑑証明書(3か月以内)
- 発起人の実印
- 委任状(代理人が手続きを行う場合)
- 本人確認書類
発起人が法人の場合
- 上記に加えて
- 法人の登記事項証明書(3か月以内)
- 法人代表者の印鑑証明書(3か月以内)
認証手数料
- 定款認証手数料:5万円
- 謄本交付手数料:1ページ250円
- 電子定款の場合の印紙代:0円
- 紙定款の場合の印紙代:4万円
既存法人の定款変更手続き
定款変更が必要なケース
登記事項の変更
- 商号の変更
- 事業目的の変更・追加
- 本店移転
- 資本金の変更
- 役員に関する事項の変更
登記を要しない事項の変更
- 事業年度の変更
- 株主総会の招集に関する事項
- 剰余金の配当に関する事項
定款変更の手続き
1. 株主総会での特別決議
定款変更には原則として株主総会の特別決議(議決権の3分の2以上の賛成)が必要です。
2. 株主総会招集手続き
- 招集通知の発送:2週間前まで(公開会社の場合)
- 招集事項の記載:定款変更の内容を明記
- 議事録の作成:決議内容を正確に記録
3. 登記申請(登記事項の変更の場合)提携司法書士が対応
株主総会決議から2週間以内に法務局へ登記申請を行います。
定款変更に必要な書類
株主総会関係
- 株主総会議事録
- 株主リスト
- 委任状(代理出席の場合)
登記申請関係(登記事項変更の場合)提携司法書士が対応
- 変更登記申請書
- 株主総会議事録
- 株主リスト
- 変更後定款(写し)
- その他変更内容に応じた書類
電子定款のメリット
コスト削減
電子定款を利用することで、印紙代4万円が不要となります。
手続きの効率化
- オンラインでの事前相談が可能
- 修正作業が簡単
- 保管・管理が容易
当事務所の電子定款対応
行政書士法人塩永事務所では、電子定款に完全対応しており、お客様のコスト削減をサポートいたします。
よくある注意点とトラブル
定款作成時の注意点
- 事業目的の記載:具体性と将来性のバランス
- 機関設計:会社規模に適した機関の設置
- 株式の譲渡制限:事業承継を見据えた設定
定款変更時の注意点
- 株主総会決議の要件:特別決議の成立要件の確認
- 登記期限:変更から2週間以内の登記申請
- 許認可への影響:事業目的変更時の許認可への影響
よくあるトラブル
- 事業目的の記載不備による許認可取得困難
- 株主総会決議の瑕疵による登記申請の却下
- 定款と登記内容の不整合
行政書士法人塩永事務所のサービス
定款作成・認証サポート
- 定款案の作成:お客様の事業内容に最適な定款を作成
- 電子定款認証:印紙代4万円の節約が可能
- 公証役場での手続き代行:煩雑な手続きを代行
定款変更サポート
- 変更内容の検討:最適な変更方法をご提案
- 株主総会関係書類の作成:議事録等の適正な作成
- 登記申請サポート:司法書士と連携した登記手続き
サービスの特徴
- 豊富な実績:多数の定款作成・変更実績
- 迅速対応:お急ぎの案件にも柔軟に対応
- アフターサポート:継続的な会社運営サポート
まとめ
定款は会社の基礎となる重要な書類です。設立時の定款作成・認証から、事業の発展に伴う定款変更まで、適切な手続きを行うことで会社運営の基盤を確保できます。
特に電子定款の活用により大幅なコスト削減が可能であり、専門家による適切なサポートを受けることで、手続きの確実性と効率性を両立できます。
行政書士法人塩永事務所では、豊富な経験と専門知識を活かし、お客様の会社設立・運営を全面的にサポートいたします。定款に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ 行政書士法人塩永事務所
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