
無店舗型性風俗特殊営業許可の手続きについて
概要
無店舗型性風俗特殊営業は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に基づく特殊営業の一種です。店舗を持たずに性風俗関連サービスを提供する営業形態で、適法に営業するためには都道府県公安委員会の許可が必要です。
法的根拠
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
- 同法施行令
- 同法施行規則
- 各都道府県の条例
許可の要件
人的要件
営業者本人の要件
- 18歳以上であること
- 成年被後見人又は被保佐人でないこと
- 破産者で復権を得ない者でないこと
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者でないこと
- 風営法違反により罰金刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者でないこと
管理者の要件
- 営業者本人と同様の欠格事由に該当しないこと
- 管理者講習を受講していること
場所的要件
営業所の要件
- 学校、病院、図書館等の施設から一定の距離を保つこと
- 住居専用地域内でないこと
- 各都道府県の条例で定められた場所的制限に適合すること
営業形態の特徴
- 固定された接客場所を持たない
- 顧客の指定する場所や宿泊施設等で営業を行う
- 派遣型の営業形態
必要書類
基本書類
- 許可申請書
- 所定の様式に必要事項を記載
- 営業者及び管理者の署名・押印
- 住民票の写し
- 営業者本人分
- 管理者分
- 発行から3か月以内のもの
- 身分証明書
- 本籍地の市区町村長が発行
- 成年被後見人・被保佐人に該当しない旨の証明
- 登記されていないことの証明書
- 法務局発行
- 成年被後見人・被保佐人の登記がない旨の証明
- 誓約書
- 欠格事由に該当しない旨の誓約
法人の場合の追加書類
- 定款又は寄附行為
- 登記事項証明書
- 役員全員の住民票の写し
- 役員全員の身分証明書
- 役員全員の登記されていないことの証明書
その他の書類
- 管理者講習修了証明書
- 営業所の図面
- 営業所の使用承諾書(賃貸の場合)
- 営業所周辺の見取図
- 営業の方法を記載した書面
申請手続きの流れ
1. 事前準備
- 営業所の確保
- 管理者の選任
- 管理者講習の受講
- 必要書類の準備
2. 申請書類の作成
- 各種様式への記入
- 添付書類の準備
- 内容の確認
3. 申請書の提出
- 管轄の都道府県公安委員会(警察署経由)に提出
- 申請手数料の納付
- 受付印の取得
4. 審査
- 書類審査
- 実地調査
- 関係機関との照会
5. 許可証の交付
- 審査通過後、許可証が交付される
- 標準処理期間は概ね55日
申請手数料
一般的には24,000円程度ですが、都道府県により異なる場合があります。
注意事項
営業開始後の義務
- 届出義務
- 営業所の変更
- 管理者の変更
- 営業者の変更等
- 帳簿の備付け
- 従業員名簿
- 営業日誌
- その他必要な帳簿
- 年少者の雇用禁止
- 18歳未満の者を従業員として雇用禁止
- 広告規制
- 著しく客の射幸心をあおる広告の禁止
- 営業の内容について著しく事実に相違する表示の禁止
更新手続き
- 許可の有効期間は6年
- 期間満了前に更新申請が必要
- 更新時にも同様の要件審査が実施
関連する法規制
- 労働基準法
- 従業員の労働条件
- 賃金支払い等
- 職業安定法
- 求人募集に関する規制
- 個人情報保護法
- 顧客情報の取扱い
- 各種税法
- 所得税、法人税等の申告義務
留意点
- 都道府県により条例や運用が異なる場合があるため、申請前に管轄の公安委員会に確認することが重要
- 申請書類の不備や虚偽記載は許可取消しの事由となる
- 営業開始後も定期的に法令遵守の確認が必要
- 専門的な手続きのため、行政書士法人塩永事務所等の専門家への相談を検討することを推奨