
DXマーク認証取得手続きの詳細
行政書士法人塩永事務所
はじめに
DXマーク認証制度は、一般社団法人中小企業個人情報セキュリティー推進協会(SP2)が提供する認証制度で、中小企業のDX化を推進することを目的としています。
Society5.0や第4次産業革命が目指す社会への変化に対応するため、事業者の改革に必要とされるデジタル化およびDX化の推進において、備えなくてはいけない組織・体制づくりを項目別に定め、選ばれる事業者になるために必要となる項目をとりまとめて評価する第三者認証制度です。
DXマーク認証制度の概要
制度の目的
国が策定した情報処理促進法及び個人情報保護法、不正競争防止法に則り、中小企業のDX化を推し進めるべく必要な対応項目を網羅し、認証する制度として設立されました。
対象事業者
法人と個人事業者が対象となります。法人は会社だけではなく、公益法人等の法人格も含まれます。
制度の特徴
DX化への取組みは、技術的な改革や新規事業創出等のみに注目されがちですが、その推進過程におけるデジタル化の作業において、自社が保持する各種情報の整理と分析をもとに、適切に保持・管理・運営する体制を構築することを並行して事業を進めることが必要とされています。
個人情報保護法をはじめとして、関連する様々な法令を適用・遵守しながらDX化の推進を図るための適切な羅針盤として、中小企業の組織・経営強化およびDX化への取組みを支援します。
評価項目と審査基準
評価項目の構成
評価項目は、事業者がDX化に取組む姿勢の明確化と個人情報保護法を中心とする関係法令の遵守を目的とした体制づくりと推進・運営、デジタル化に向けた業務フローおよびIT機器・ソフトウェア環境の現状把握と対策、将来におけるDX化推進計画(ロードマップ)、継続的にDX化に取組む為の人材育成などを網羅しています。
具体的な構成は以下の通りです:
- 4個の大項目
- 21個の中項目
- 124個の小項目
審査の考え方
申請事業者により、DX化の推進状況に違いがあることを考慮し、当制度では各評価項目における達成度合いや推進度合により、評価を適切に行うため、段階的な評価システムを採用しています。
取得のメリット
1. 社会的評価の向上
情報処理促進法及び個人情報保護法、不正競争防止法に則り、DX化を推し進めている企業として証明されることで、社会から評価されます。
2. 信用力の向上とSEO効果
取得事業者の「DX化宣言書」「個人情報保護方針」が協会ホームページ内に掲載されることで、社会的な信用を享受すると共に、SEOおよび各種検索に有効となります。
3. 事業機会の拡大
DXマーク認証取得事業者として、協会ホームページ内の検索画面から事業者情報が検索可能となり、新たなビジネス機会の創出につながります。
申請手続きの流れ
1. 事前準備
現状把握
- 自社のDX化の現状を把握
- 個人情報保護法等関連法令の遵守状況確認
- 業務フローの整理
- IT機器・ソフトウェア環境の現状把握
体制構築
- DX化推進体制の構築
- 個人情報保護管理体制の整備
- 従業員への教育・研修体系の構築
2. 申請アカウントの作成
DXマーク認証申請サイトにて申請アカウントを作成します。初回申請の場合は、新規アカウント作成が必要です。
3. 申請書類の準備
必要書類
- DX化宣言書
- 個人情報保護方針
- 組織体制に関する資料
- DX推進計画書(ロードマップ)
- 従業員教育に関する資料
- その他評価項目に関連する証拠書類
4. オンライン申請
作成した申請アカウントから、必要書類をアップロードし、124項目の評価項目について自己評価を実施します。
5. 審査の実施
提出された申請書類と自己評価をもとに、SP2による書面審査が実施されます。必要に応じて追加資料の提出や説明が求められる場合があります。
6. 認証の決定
審査に合格すると、DXマーク認証が付与され、認証書とマークの使用許可が得られます。
認証支援事業者の活用
認証支援事業者とは
DXマーク認証制度の社会的責任と意義を理解し、DXマーク認証制度の普及促進活動と自団体の従事者をDXアドバイザーとして推進計画にそって活動させ、適切に管理運営できる体制を構築している事業者がSP2により認定されています。
支援内容
認証支援事業者は以下のサービスを提供します:
- DXマーク認証制度の啓発と申請候補者の紹介や創出活動
- 申請手続きの支援
- DX化推進のコンサルティング
- 継続的な改善支援
DXアドバイザーとの連携
DXアドバイザーの役割
SP2が認証するDXアドバイザー資格を持つ専門家が、企業のDX推進をサポートします。DXアドバイザーは、認証取得から継続的な改善まで一貫した支援を提供します。
活用のメリット
- 専門知識に基づく効率的な取得プロセス
- 継続的なDX推進のサポート
- 法令遵守の確実な実施
- 組織体制構築のノウハウ提供
取得支援のポイント
1. 段階的なアプローチ
124項目すべてを一度に完璧にするのではなく、優先度の高い項目から段階的に取り組むことで効率的な認証取得が可能です。
2. 継続的改善体制の構築
認証取得後も継続的にDX化を推進する体制を構築することで、真の企業価値向上を実現できます。
3. 専門家の活用
行政書士等の専門家を活用することで、以下のメリットが得られます:
- 申請書類の適切な作成支援
- 法令遵守体制構築のアドバイス
- 効率的な認証取得プロセスの実現
- 継続的なDX推進体制の構築支援
まとめ
DXマーク認証は、中小企業がDX化を推進し、社会的信用を向上させるための有効な制度です。個人情報保護法等の関連法令を遵守しながら、計画的にDX化を推進する企業を第三者機関が認証することで、取引先や顧客からの信頼獲得につながります。
適切な準備と専門家のサポートを活用することで、効率的な認証取得が可能です。ご不明な点がございましたら、行政書士法人塩永事務所までお気軽にご相談ください。
お問い合わせ 行政書士法人塩永事務所 DXマーク認証取得支援サービス