
【徹底解説】特定技能ビザ申請手続きのすべて|行政書士法人塩永事務所
皆様、こんにちは!行政書士法人塩永事務所です。
近年、人手不足に悩む様々な業界において、外国人材の活用は不可欠なものとなっています。中でも「特定技能」は、即戦力となる外国人材を受け入れるための重要な在留資格として注目されています。
「特定技能外国人を受け入れたいけれど、手続きが複雑そう…」「何から手をつければいいのか分からない」と感じていらっしゃる企業様も多いのではないでしょうか?
ご安心ください。この記事では、特定技能ビザの申請手続きについて、制度の概要から具体的なステップ、そして注意点まで、行政書士の視点から徹底的に解説していきます。貴社の外国人材採用にお役立ていただければ幸いです。
1. 特定技能ビザとは?
特定技能ビザは、中小企業・小規模事業者における人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を持つ外国人を受け入れることを目的とした在留資格です。
平成31年4月1日に施行された改正出入国管理法に基づき創設されました。
特定技能の2つの区分
特定技能には、以下の2つの区分があります。
- 特定技能1号:特定の産業分野に属する相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格。(在留期間は通算で最長5年)
- 特定技能2号:特定の産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格。(在留期間の更新が可能で、要件を満たせば永住も可能)
- 2024年6月現在、特定技能2号の対象分野は「建設」と「造船・舶用工業」の2分野に限られていましたが、2024年6月14日の閣議決定により、**介護以外の11分野(農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、ビルクリーニング)に拡大されることになりました。**これは企業様にとって非常に大きなニュースです。
受け入れ可能な分野(特定技能1号)
現在、特定技能1号で外国人材を受け入れられる分野は以下の12分野です。
- 介護
- ビルクリーニング
- 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
2. 特定技能外国人を受け入れるための要件
企業様(受入れ機関)が特定技能外国人を受け入れるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。
2-1. 受入れ機関の要件
- 労働関係法令、社会保険関係法令、租税関係法令等を遵守していること
- 特定技能外国人の活動を適切に支援する体制があること(支援計画の策定・実施)
- 特定技能外国人と結ぶ雇用契約が適切であること
- 日本人と同等以上の報酬であること
- 一時帰国を希望した場合に休暇を取得させること
- 特定技能外国人が負担する費用がある場合、その内容を明示すること など
- 特定技能外国人を支援する責任者(特定技能担当者)を選任していること
- その他、各分野の省令で定める基準を満たすこと
2-2. 外国人の要件(特定技能1号)
- 18歳以上であること
- 健康であること
- 必要な技能水準及び日本語能力水準を満たしていること
- 技能水準:各分野の技能評価試験に合格していること、または技能実習2号を修了していること
- 日本語能力水準:日本語能力試験N4以上、または国際交流基金日本語基礎テストに合格していること(介護分野では日本語能力試験N4以上に加え、介護日本語評価試験の合格が必要)
- 本国での犯罪歴がないこと、日本からの退去強制歴がないことなど、適切な在留状況であること
- 保証金を徴収されない、違約金徴収の契約が締結されていない等、適正な送出しがされていること
3. 特定技能申請手続きの主な流れ
特定技能外国人を受け入れるまでの手続きは、大きく以下のステップで進みます。
- 特定技能外国人との雇用契約締結
- 特定技能外国人支援計画の策定
- (必要に応じて)事前ガイダンスの実施
- 在留資格認定証明書交付申請(海外から招へいする場合)または在留資格変更許可申請(日本国内にいる外国人を雇用する場合)
- 特定技能外国人材の入国・就労開始
- 定期的な支援の実施と届出
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1. 特定技能外国人との雇用契約締結
受入れ機関と特定技能外国人との間で、適切な雇用契約を締結します。契約内容が特定技能の要件を満たしているか、十分確認が必要です。
3-2. 特定技能外国人支援計画の策定
特定技能外国人が日本で安心して働き、生活できるよう、受入れ機関は「特定技能外国人支援計画」を策定し、実施する義務があります。この支援計画は、入国前、入国時、入国後にわたる様々な支援を具体的に定めたものです。
主な支援内容の例
- 事前ガイダンスの実施
- 出入国時の送迎
- 住居の確保の支援
- 生活オリエンテーションの実施(金融機関口座開設、携帯電話契約、医療機関案内など)
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援(やむを得ない場合の支援)
- 定期的な面談・届出
【重要ポイント】
- 自社で支援計画を全て実施することが困難な場合は、登録支援機関に支援業務を委託することができます。多くの企業様が専門家である登録支援機関に依頼されています。
- 行政書士法人塩永事務所は、登録支援機関としてのサポートも行っておりますので、ご安心ください。
3-3. (必要に応じて)事前ガイダンスの実施
雇用契約締結後、入国前に、特定技能外国人に対し、生活に関する事項や日本のルール、支援内容などについて説明を行う「事前ガイダンス」を実施します。これは、外国人が日本での生活をスムーズに始めるために非常に重要です。
3-4. 在留資格申請手続き
特定技能外国人を受け入れる状況によって、以下のいずれかの申請を行います。
- 海外から招へいする場合:在留資格認定証明書交付申請
- 外国人がまだ日本に入国していない場合に行う申請です。認定証明書が交付された後、外国人が本国の日本大使館・総領事館でビザ(査証)の申請を行い、日本へ入国します。
- 日本国内にいる外国人を雇用する場合:在留資格変更許可申請
- 留学生、技能実習生、特定活動ビザなど、すでに日本に在留している外国人を特定技能として雇用する場合に行う申請です。
【必要書類の例】 申請には多岐にわたる書類が必要です。主なものは以下の通りですが、状況や分野によって追加書類を求められることがあります。
- 特定技能外国人雇用契約書
- 特定技能外国人支援計画書
- 特定技能外国人の履歴書
- 特定技能外国人の技能試験合格証明書、日本語能力試験合格証明書など
- 受入れ機関の登記事項証明書(法人の場合)
- 受入れ機関の決算書類
- 受入れ機関の事業内容説明書
- 直近2年分の源泉徴収票
- 施設の図面
- (登録支援機関に委託する場合)登録支援機関との支援委託契約書
- その他、各分野の省令で定める書類
【重要ポイント】
- これらの書類は量が非常に多く、専門的な知識が求められます。不備があると申請が遅延したり、不許可になったりするリスクがあります。
- 特に、雇用契約書の適正性や支援計画の内容は厳しく審査されます。
3-5. 特定技能外国人材の入国・就労開始
在留資格認定証明書が交付され、外国人が入国または在留資格変更が許可されれば、いよいよ就労開始です。
3-6. 定期的な支援の実施と届出
特定技能外国人を受け入れた後も、受入れ機関は継続して支援計画に基づいた支援を実施し、定期的に(3ヶ月に1回など)出入国在留管理庁へ各種届出を行う義務があります。
- 特定技能外国人支援状況届出書
- 特定技能外国人の活動状況に関する届出書
- 変更があった場合の届出(特定技能外国人の住所変更、契約変更など)
これらの届出を怠ると、受入れ機関としての信頼性が損なわれ、今後の外国人材受け入れに支障が出る可能性があります。
4. 行政書士に依頼するメリット
特定技能ビザの申請手続きは、その制度の複雑さ、必要書類の多さ、そして専門性の高さから、企業様にとって大きな負担となりがちです。行政書士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
- 時間と手間を大幅に削減できる
- 複雑な書類作成、支援計画の策定、入管とのやり取りを全て代行します。
- スムーズかつ確実な許可取得
- 法的な要件を熟知しているため、不備による差し戻しや不許可のリスクを最小限に抑えます。
- 的確なアドバイス
- 雇用契約の内容、支援計画の適正性、外国人材の選定基準など、専門家ならではの視点から的確なアドバイスを提供します。
- 登録支援機関としてのサポートも可能
- 支援計画の実施が難しい場合も、登録支援機関として継続的な支援を代行し、企業様の負担を軽減します。
- 法改正への迅速な対応
- 特定技能制度は、社会情勢に合わせて頻繁に制度改正が行われます。最新の情報に基づいた申請が可能です。
- 安心して本業に専念できる
- 煩雑な手続きの心配から解放され、企業経営や事業活動に集中できます。
5. まとめ
特定技能ビザは、人手不足に悩む企業様にとって、優秀な外国人材を確保するための非常に有効な手段です。しかし、その手続きは専門的で多岐にわたります。
行政書士法人塩永事務所では、特定技能制度に精通したプロフェッショナルが、貴社の外国人材受け入れを強力にサポートいたします。制度に関するご相談から、雇用契約の締結、支援計画の策定、在留資格申請、そして受け入れ後の届出まで、ワンストップで支援することが可能です。
外国人材の受け入れをご検討の企業様、特定技能ビザ申請でお困りの際は、ぜひ一度、行政書士法人塩永事務所にご相談ください。無料相談も承っております。
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