
宅地建物取引業免許申請の詳細ガイド
行政書士法人塩永事務所ブログ
はじめに
宅地建物取引業(宅建業)は、不動産の売買・賃貸・仲介・代理など、国民生活や経済に深く関わる重要な事業です。この業務を営むには、必ず「宅地建物取引業免許」(以下、宅建業免許)が必要です。行政書士法人塩永事務所では、宅建業免許申請のサポートを多数手がけており、本記事ではその申請手続きについて、正確かつ詳細に解説します1。
1. 宅地建物取引業免許とは
宅建業とは、宅地や建物の売買・交換・賃貸、その代理や仲介を業として行う事業です。宅建業法に基づき、無免許営業は厳しく禁じられています。免許は「国土交通大臣」または「都道府県知事」から交付されます。
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国土交通大臣免許:2つ以上の都道府県に事務所を設置する場合
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都道府県知事免許:1つの都道府県内のみで事務所を設置する場合
2. 免許申請の主な流れ
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要件確認・事前準備
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申請書類の作成・収集
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申請・審査
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免許通知の受領
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営業保証金供託または保証協会加入
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免許証の交付・営業開始
3. 申請要件の詳細
宅建業免許を取得するには、以下の要件を全て満たす必要があります。
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法人の場合、定款に宅建業を営む旨の記載が必要
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欠格要件に該当しないこと(過去に免許取消や重大な法令違反、禁錮刑等がある場合は不可)
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適切な事務所の設置(独立性・継続性・専用性が必要)
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常勤の代表者または政令使用人の配置
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専任の宅地建物取引士(宅建士)の設置(従業者5名につき1名以上)
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営業保証金の供託または保証協会への加入
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その他、宅建業法で定める諸要件
4. 必要書類一覧(主なもの)
書類名 | 法人 | 個人 |
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免許申請書 | ○ | ○ |
相談役・顧問・5%以上の株主等の名簿 | ○ | × |
身分証明書(役員・取引士等全員分) | ○ | ○ |
登記されていないことの証明書 | ○ | ○ |
代表者の住民票 | × | ○ |
略歴書(役員等全員分) | ○ | ○ |
専任宅建士設置証明書 | ○ | ○ |
宅建業従事者名簿 | ○ | ○ |
専任宅建士の顔写真貼付用紙 | ○ | ○ |
履歴事項全部証明書 | ○ | × |
宅建業経歴書 | ○ | ○ |
決算書写し(直前1年分) | ○ | × |
資産に関する調書 | × | ○ |
納税証明書 | ○ | ○ |
誓約書 | ○ | ○ |
事務所使用権原書面 | ○ | ○ |
事務所付近の地図 | ○ | ○ |
事務所の写真 | ○ | ○ |
※都道府県や申請時期により追加・省略がある場合があります。
5. 申請手続きのポイント
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書類は正本・副本の2部を作成し、左側2穴を開けて紐綴じします。
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記載内容や添付資料に不備があると再提出となり、審査が遅延します。
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申請後、欠格事由や事務所の現地調査など厳格な審査が行われます。
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審査期間は、知事免許で約1~2ヶ月、大臣免許で約3~4ヶ月が目安です
6. 営業保証金・保証協会について
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営業保証金供託:本店1,000万円、支店1店舗につき500万円を法務局に供託
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保証協会加入:本店60万円、支店30万円の弁済業務保証金分担金を納付(供託不要)
※実務上は保証協会加入が一般的です。免許取得後3ヶ月以内に手続き・届出が必要です
7. 免許取得後の義務と注意点
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名義貸し禁止
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専任宅建士の常勤確保
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重要事項説明書の交付・説明
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帳簿の備付け・5年間保存
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標識の掲示
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変更事項は30日以内に変更届出
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法令違反時の業務停止命令や免許取消等のリスク
8. 行政書士法人塩永事務所のサポート内容
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事前相談(要件確認、事務所・宅建士の準備アドバイス)
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申請書類の作成・収集代行
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事務所現地調査の対応指導
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保証協会加入手続きの代行
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更新・変更届出のサポート
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財務書類作成や宅建業法の最新情報提供
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専任宅建士の管理や帳簿整備のアドバイス
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監督処分リスクの予防策提案1
9. よくある質問(FAQ)
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Q. 個人事業主でも宅建業免許は取得できますか?
A. 可能です。法人と同様の要件を満たす必要があります -
Q. 保証協会に加入するメリットは?
A. 営業保証金供託が不要となり、初期費用が大幅に軽減されます。協会の研修や情報提供も受けられます -
Q. 専任宅建士が退職した場合は?
A. 速やかに新たな専任宅建士を配置し、30日以内に変更届出を提出してください
10. まとめ
宅地建物取引業免許申請は、厳格な要件と複雑な手続きを伴います。不備や誤りがあると審査が遅延・不許可となるリスクも高いため、専門家によるサポートをおすすめします。行政書士法人塩永事務所では、初回相談から書類作成、審査対応、免許取得後のフォローまでワンストップでサポートいたします。宅建業の新規参入・事業拡大をご検討の方は、ぜひご相談ください
お問い合わせ先
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