
【徹底解説】短期滞在ビザ(観光ビザ)の取得条件と申請手続き
行政書士法人塩永事務所の代表、塩永です。
本日は、日本への短期滞在を希望される外国人の方、あるいは外国からご家族・ご友人を招へいしたいと考えている日本の方にとって非常に重要な「短期滞在ビザ」、一般的に「観光ビザ」と呼ばれるものについて、その詳細と申請のポイントを徹底解説いたします。
短期滞在ビザは、日本に観光、知人・親族訪問、商用、会議出席などを目的として90日以内の期間滞在するためのビザです。就労活動は認められません。
1.短期滞在ビザの主な目的
短期滞在ビザで認められる活動は多岐にわたりますが、代表的なものは以下の通りです。
- 観光:日本の文化、自然、観光地などを巡る旅行。
- 知人・親族訪問:日本に住む友人や家族を訪ねる。
- 商用:市場調査、業務連絡、契約交渉、アフターサービス、展示会への参加など(報酬を伴う活動は不可)。
- 会議出席:国際会議や学会への参加。
- 学会発表:学術的な発表。
- その他:保養、スポーツ大会への参加、留学・研修目的の事前準備など、報酬を伴わない短期間の活動。
2.短期滞在ビザの取得条件
短期滞在ビザを取得するためには、申請者が以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 有効なパスポートを所持していること。
- 日本において行おうとする活動が短期滞在の活動に合致していること。
- 観光や親族訪問など、上記「1.短期滞在ビザの主な目的」に記載された活動内容であること。
- 報酬を伴う活動は認められません。
- 日本への入国目的が明確であり、滞在期間が90日以内であること。
- 滞在費用を十分に支弁できる資産を有すること。
- 滞在費用の具体的な金額は、滞在日数や形態によって異なりますが、旅費、宿泊費、滞在中の生活費を賄えるだけの資金があることを証明する必要があります。
- 招へい人が費用を負担する場合は、招へい人の経済力を証明します。
- 帰国意思があること。
- ビザの期限が切れる前に自国へ帰国する意思があることを示す必要があります。
- 具体的な帰国計画(往復航空券の予約など)や、本国における安定した生活基盤(仕事、家族など)を示す書類が重要です。
- 日本国の出入国管理及び難民認定法(入管法)に定める上陸拒否事由に該当しないこと。
- 過去に犯罪歴がある、不法滞在歴がある、感染症を罹患しているなどの場合は、ビザが発給されない可能性があります。
3.短期滞在ビザの申請手続き
短期滞在ビザの申請は、原則として申請人(外国人)が自国の在外日本公館(日本大使館・総領事館)にて行います。
【申請に必要な書類の例】
以下の書類は一般的な例であり、国籍や申請目的、招へい人の有無によって必要書類は異なります。必ず申請先の在外日本公館のウェブサイトで最新の情報を確認してください。
(1)申請人が準備する書類
- 査証申請書:所定の書式に必要事項を記入したもの。
- 有効なパスポート
- 顔写真:パスポート申請用写真と同等のもの。
- 滞在日程表:日本滞在中の具体的な予定(日時、場所、内容など)を記載したもの。
- 往復の航空券予約の確認書または予約証明書:入国日と出国日が明確なもの。
- 滞在費用支弁能力を証明する資料:
- 預金残高証明書、所得証明書など。
- クレジットカードの提示を求められる場合もあります。
- 本国での身分を証明する書類:在職証明書、学生証など。
- 帰国意思を証明する書類:本国での仕事に関する書類、家族関係を証明する書類など。
(2)日本国内の招へい人が準備する書類(身元保証人がいる場合)
- 招へい理由書:招へいの目的、期間、経緯などを記載したもの。
- 身元保証書:招へい人が滞在費用、帰国費用、法令遵守を保証する旨の書類。
- 招へい人の住民票
- 招へい人の所得を証明する書類:
- 住民税の課税(または非課税)証明書
- 納税証明書(源泉徴収票)
- 確定申告書の控えの写し など
- 滞在予定表:申請人提出のものと内容を合わせる。
【申請の流れ】
- 必要書類の確認:申請先の在外日本公館のウェブサイトで、必要書類を正確に確認します。
- 書類の準備:上記リストを参考に、必要書類を収集・作成します。
- 申請書の作成:査証申請書に必要事項を記入します。
- 申請:原則として申請人本人が在外日本公館の窓口で申請します。国によっては郵送での申請が可能な場合もあります。
- 審査:提出された書類に基づき、在外日本公館で審査が行われます。必要に応じて面接が行われることもあります。
- 結果通知・ビザ発給:審査に通ればビザが発給されます。
4.短期滞在ビザ申請の注意点とアドバイス
- 早めの準備:必要書類の準備には時間がかかることがあります。特に海外からの書類取り寄せが必要な場合は、余裕をもって準備を始めましょう。
- 書類の正確性:提出する書類はすべて正確に記載し、虚偽の記載は絶対に行わないでください。
- 整合性:申請人と招へい人の間で提出書類の内容に矛盾がないように注意してください。特に滞在日程や費用の負担についてです。
- 帰国意思の明確化:本国での安定した生活基盤を具体的に示すことが重要です。
- 審査期間:在外日本公館によって審査期間は異なります。一般的には数日〜数週間程度ですが、混雑状況や個別の事情によりそれ以上かかる場合もあります。余裕を持った申請を心がけましょう。
- 専門家への相談:申請が複雑なケースや、過去にビザ申請で不許可になった経験がある場合は、専門家である行政書士に相談することをお勧めします。書類作成のサポートやアドバイスを受けることで、スムーズな申請につながります。
まとめ
短期滞在ビザは、日本への入国目的を明確にし、要件を正確に満たすことで取得が可能です。しかし、提出書類の不備や説明不足により不許可となるケースも少なくありません。
行政書士法人塩永事務所では、短期滞在ビザの申請に関するご相談を承っております。外国人の方の日本への入国支援はもちろん、日本に住むご家族やご友人が海外から親族を招へいしたい場合のサポートも行っています。
ご不明な点やご不安な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。お客様一人ひとりの状況に合わせた最適なサポートをご提供いたします。
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