
【専門解説】中小企業省力化投資補助金(一般型)の活用ガイド
~行政書士法人塩永事務所が徹底解説~
1. はじめに
近年、中小企業における人手不足や生産性向上の必要性が高まる中、政府は「中小企業省力化投資補助金(一般型)」を新設しました。この補助金は、業務の省力化や自動化を図るための設備投資を支援するもので、特にオーダーメイドの設備やシステム導入に対応しています。本記事では、制度の概要から申請手続き、活用のポイントまでを専門的に解説いたします。
2. 制度の概要
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、2025年に新設された制度で、IoTやロボットなどの先進技術を活用し、業務の省力化・自動化を図る中小企業等を支援するものです。従来の「ものづくり補助金」のオーダーメイド枠の後継として位置づけられています。
2.1 補助対象
補助対象となるのは、以下のような設備やシステムの導入です。
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オーダーメイドの省力化設備
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業務プロセスの自動化・高度化を図るシステム
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ロボットやAI技術を活用した生産プロセスの改善
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デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための設備
2.2 補助率と上限額
補助率と上限額は、企業の規模や賃上げの有無により異なります。
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中小企業:補助率1/2、補助上限額は最大1億円
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小規模・再生事業者:補助率2/3、補助上限額は最大1億円
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大幅な賃上げを行う場合、上限額の引き上げが可能
※補助対象経費は、交付決定後に発注・契約・支払いが行われたものに限られます。
3. 申請要件と注意点
補助金の申請にあたっては、以下の要件を満たす必要があります。
3.1 労働生産性の向上
補助事業終了後5年間で、労働生産性を年平均成長率4.0%以上向上させる計画を策定し、実行することが求められます。労働生産性は、以下の式で算出されます。
労働生産性 = 付加価値額 ÷ 従業員数
(付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費)
3.2 次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の公表
従業員数が21名以上の企業は、交付申請時までに「両立支援のひろば」において、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表する必要があります。未公表の場合は、公表する旨の宣誓が求められます。
3.3 GビズIDプライムアカウントの取得
電子申請を行うためには、「GビズIDプライムアカウント」の取得が必須です。取得には時間がかかるため、早めの手続きが推奨されます。
4. 申請手続き
申請は、以下の手順で行います。
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事業計画の策定
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必要書類の準備
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電子申請システムを通じた申請
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審査・採択結果の通知
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交付決定後、事業の実施
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実績報告書の提出
申請期間は公募ごとに異なりますが、2025年の第2回公募は、4月25日から5月30日までとなっています。
5. 活用事例
以下に、補助金を活用した事例を紹介します。
5.1 自動梱包機と倉庫管理システムの導入(通信販売業)
通信販売業者が、オーダーメイドの自動梱包機と倉庫管理システムを導入し、出荷作業の効率化と人手不足の解消を図った事例です。
5.2 AI技術を活用した自動外観検査装置の導入(製造業)
自動車部品製造業者が、AI技術を活用した自動外観検査装置を導入し、検査工程の自動化と品質向上を実現した事例です。
6. 他の補助金との比較
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、他の補助金と以下の点で異なります。
補助金名 | 補助対象 | 補助率 | 特徴 |
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中小企業省力化投資補助金(一般型) | 業務の省力化・自動化設備 | 1/2~2/3 | 生産性向上を目的とした設備導入 |
ものづくり補助金 | 先端技術・新製品開発 | 1/2~2/3 | 技術革新を伴うプロジェクトに適用 |
IT導入補助金 | ソフトウェア・ITツール | 1/2~3/4 | ITツール導入に特化 |
申請内容と補助金の趣旨が一致しない場合、不採択となる可能性があるため、注意が必要です。
7. 行政書士法人塩永事務所のサポート体制
当事務所では、中小企業省力化投資補助金(一般型)の申請に関して、以下のサポートを提供しております。
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事業計画の策定支援
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必要書類の作成支援
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電子申請手続きのサポート
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申請後のフォローアップ
熊本県内をはじめ、全国の中小企業様の申請を支援しております。お気軽にご相談ください。
8. まとめ
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、業務の省力化や自動化を図る中小企業にとって、非常に有効な支援制度です。申請にあたっては、要件の確認や事業計画の策定、必要書類の準備など、専門的な知識と経験が求められます。行政書士法人塩永事務所では、これまでの実績とノウハウを活かし、皆様の申請を全力でサポートいたします。