
中小企業省力化投資補助金は、令和5年度(2023年)から始まった経済産業省の補助金制度で、2024年度の改正によりさらに活用しやすくなりました。この補助金は、人手不足に悩む中小企業や個人事業主が、IoT、ロボット、AIなどの省力化技術を活用した設備投資を行う際の費用の一部を補助することで、生産性向上や賃上げを促進することを目的としています。
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一般型:オーダーメイド性の高い設備やシステムを導入する際に活用でき、詳細な事業計画の策定が必要です。補助上限額は最大1億円。
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カタログ注文型:事前に登録された「製品カタログ」に掲載されている汎用性の高い製品を導入する場合に適用され、申請手続きが簡素化されています。
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人手不足の解消:労働力不足による業務負担を軽減し、従業員の働きやすい環境を構築する。
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生産性向上:IoTやロボット技術を活用し、業務プロセスを効率化することで、付加価値額や労働生産性を向上させる。
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賃上げの促進:省力化によるコスト削減や売上拡大を通じて、従業員の賃金引き上げを実現する。
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地域経済の活性化:中小企業の競争力強化を通じて、地域経済全体の持続的成長を支援する。
業種
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資本金または出資総額
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常時雇用する従業員数
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製造業、建設業、運輸業
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3億円以下
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300人以下
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卸売業
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1億円以下
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100人以下
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サービス業
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5,000万円以下
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100人以下
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小売業
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5,000万円以下
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50人以下
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その他
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3億円以下
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300人以下
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例えば、飲食店を経営する事業者はサービス業に該当し、資本金5,000万円以下または従業員100人以下であれば対象となります。個人事業主も同様に対象となり、幅広い事業者が活用可能です。
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人手不足の証明(カタログ注文型の場合):
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直近1ヶ月の従業員の平均残業時間が月30時間を超えている。
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整理解雇によらない離職・退職により、従業員数が前年度比で5%以上減少している。
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採用活動を行ったが、求人充足に至らなかった。
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その他、省力化を推し進める必要がある特段の理由がある(ただし、この選択は採択通知が遅れる可能性あり)。
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労働生産性の向上:
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事業計画内で、導入する製品により今後3年間で労働生産性を年平均成長率3%以上増加させる目標を設定する。
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労働生産性は「付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)÷従業員数」で算出され、具体的な数値目標を明示する必要があります。
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補助事業実施期間内の経費:
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交付決定前に購入した製品や、補助事業期間終了後に支払いが行われた製品は対象外。「いかなる理由であっても事前着手は認められない」と公募要領に明記されています。
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補助上限額:最大1億円(従業員数に応じて異なる)
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従業員5人以下:1,000万円
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従業員6~20人:3,000万円
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従業員21~50人:5,000万円
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従業員51人以上:1億円
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補助率:対象経費の2/3(賃上げ要件を満たさない場合は1/2)
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特徴:オーダーメイド性の高い設備やシステム(例:AIを活用した自動外観検査装置、自動梱包機など)の導入に適しており、詳細な事業計画書が必要です。
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補助上限額:最大1,500万円(従業員数に応じて異なる)
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従業員5人以下:500万円
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従業員6~20人:1,000万円
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従業員21人以上:1,500万円
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補助率:対象経費の1/2
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特徴:事前に登録された「製品カタログ」に掲載されている汎用性の高い製品(例:清掃ロボット、セルフレジ、券売機など)を導入する場合に適用。申請手続きが簡素化されており、初めて補助金を申請する事業者に適しています。
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機械装置・システム構築費:ロボット、IoT機器、AIシステムなどの購入費。
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導入費用:運搬費、設置費、動作確認費、設定費。
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保守・サポート費用(カタログ注文型の場合):製品カタログに記載された保守費やサポート費(目安が記載されている)。
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消耗品、中古品、リース料。
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汎用性の低い製品(例:単なるオフィス用品)。
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補助事業期間外に発生した費用。
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事前準備:
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自社の課題(人手不足、残業時間、生産性など)を分析し、導入する製品を選定。
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一般型の場合、労働生産性向上の数値目標を含む事業計画書を策定。
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カタログ注文型の場合、製品カタログから適切な製品を選択。
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GビズIDの取得:
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申請は電子申請システム「Jグランツ」を通じて行うため、GビズIDプライムアカウントの取得が必要です。取得には2~3週間かかる場合があるため、早めの準備が推奨されます。
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申請書類の提出:
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必要書類(事業計画書、財務諸表、人手不足の証明書類など)をJグランツにアップロード。
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一般型では詳細な事業計画書が求められ、カタログ注文型では簡略化された計画書で可。
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審査と採択:
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審査では、事業計画の妥当性、労働生産性向上の可能性、事業者の財務状況などが評価されます。
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採択結果はJグランツを通じて通知されます。
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交付決定と事業実施:
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交付決定後、補助事業期間内に製品購入・導入を実施。
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期間外の経費は対象外となるため、スケジュール管理が重要です。
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実績報告と補助金交付:
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事業完了後、実績報告書を提出し、補助金の交付を受けます。
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必要に応じて、労働生産性向上の進捗を報告する義務があります。
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第1回公募:2025年5月1日~5月29日
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以後のスケジュールは随時更新されるため、公式サイトをご確認ください。
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事前診断:
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自社が補助金の対象者か、どの申請枠が適切かを診断。
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人手不足の証明や労働生産性向上の数値目標設定を支援。
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事業計画書作成:
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一般型では、詳細な事業計画書の策定を代行。労働生産性向上の具体的な数値を根拠と共に提示。
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カタログ注文型では、簡略化された計画書の作成をサポートし、申請負担を軽減。
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申請代行:
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Jグランツを通じた電子申請を代行し、書類不備による再提出リスクを最小化。
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公募スケジュール管理や必要書類の準備を徹底サポート。
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採択後のフォロー:
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実績報告書の作成や労働生産性向上の進捗報告を支援。
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補助金受給後の事業展開に関するコンサルティングも提供。
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当事務所は、過去にものづくり補助金や事業再構築補助金で多数の採択実績を持ち、中小企業省力化投資補助金においても豊富なノウハウを有しています。国家資格を持つ行政書士が、貴社のニーズに応じた最適なサポートを提供します。
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事前着手の禁止:
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交付決定前の製品購入や導入は補助対象外。必ずスケジュールを厳守してください。
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人手不足の証明:
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カタログ注文型では、残業時間や離職率などの証明書類が必要です。「その他」の理由を選択すると審査が遅れる可能性があるため、慎重に選択してください。
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事業計画の明確性:
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一般型では、労働生産性向上の数値目標とその根拠を明確に示す必要があります。曖昧な計画は採択率を下げる原因となります。
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公募スケジュールの確認:
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公募は年3~4回と限られているため、早めの準備が不可欠です。
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自社の課題を明確化:
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人手不足や生産性低下の具体的な課題を洗い出し、導入製品との関連性を明確に示す。
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専門家の活用:
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行政書士や認定経営革新等支援機関に相談することで、事業計画の精度が向上し、採択率が高まる。
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カタログ注文型の活用:
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初めて補助金を申請する場合、カタログ注文型の簡素な手続きを活用すると成功率が上がる。
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数値目標の根拠:
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労働生産性向上の目標(年率3%以上)を、過去の財務データや業界平均を基に具体的に設定する。
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A1. 初めて補助金を申請する場合は、申請手続きが簡素なカタログ注文型がおすすめです。一方、独自の課題に対応したオーダーメイドの設備を導入したい場合は、一般型を選択し、詳細な事業計画を策定してください。
A2. 主に以下の書類が必要です:
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事業計画書(一般型は詳細、カタログ注文型は簡略)
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財務諸表(直近2期分)
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人手不足の証明書類(カタログ注文型の場合)
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GビズIDプライムアカウント 詳細は公募要領を確認してください。
A3. 行政書士は、事業計画の策定や電子申請の代行を通じて、書類不備や審査落ちのリスクを軽減します。また、採択後の実績報告や進捗管理もサポートし、事業者の負担を大幅に軽減します。
行政書士法人塩永事務所
電話:096-385-9002
メール:info@shionagaoffice.jp