
倉庫業許可申請のすべて
物流ビジネスを支える法的基盤|行政書士法人塩永事務所(熊本)
はじめに
近年、ネット通販や国際物流の拡大により、倉庫業の重要性が増しています。
ただし、「倉庫」と名がつけばすぐに営業できるわけではなく、一定の条件を満たしたうえで、**国土交通大臣の許可(倉庫業法に基づく)**を得る必要があります。
この記事では、倉庫業の法的定義、許可申請の流れ、要件、書類作成、実務上の注意点まで、熊本の行政書士法人塩永事務所が詳細かつ専門的に解説いたします。
1. 倉庫業とは?法律上の定義と背景
▶ 倉庫業の定義(倉庫業法第2条)
倉庫業とは、他人の貨物を保管することを業として行う事業であり、料金を取って保管業務を提供するビジネスを指します。
✳ 自社製品を自社倉庫で保管するだけの事業者は対象外
▶ 対象となる倉庫の種類
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普通倉庫(鉄筋・コンクリート構造など)
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貯蔵槽倉庫(サイロやタンク)
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危険物倉庫(石油類・化学品)
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冷蔵倉庫(温度管理された施設)
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水面倉庫(水上の保管施設)
上記のように、物理的構造や取り扱う貨物の種類によって分類されます。
2. 倉庫業許可が必要となるケースとは?
以下の条件に該当する場合は、倉庫業法に基づく許可が必要です。
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貨物の所有者と保管者が異なる(=他人の荷物)
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有償で保管業務を行う
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営利目的で継続的に行う
✅ 許可が不要なケース
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自社の製品・資材のみを保管する倉庫
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短期間・一時的な無償保管
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建設現場等の資材置き場
3. 倉庫業の許可要件
倉庫業を営むには、国土交通省(地方運輸局長)から許可を受ける必要があります。
申請には次のような厳格な要件を満たす必要があります。
(1)施設要件
倉庫施設が、以下の技術上の基準に適合している必要があります(倉庫業法施行規則第4条)。
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耐火構造・準耐火構造
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床荷重基準(例えば普通倉庫は1㎡あたり1トン程度)
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湿気・温度の管理設備(冷蔵・冷凍倉庫等)
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消防設備、警報装置、防犯体制
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出入口の施錠装置、荷役設備など
※構造計算書・図面・写真などによって証明します。
(2)人的要件(欠格事由の確認)
申請者(法人の場合は役員を含む)が以下に該当しないことが必要です。
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禁錮以上の刑に処されたことがある
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倉庫業許可を過去に取り消されたことがある
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暴力団関係者である
(3)財務要件
安定的に事業を継続するに足る財務基盤が必要です。
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負債超過でないこと
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資本金・純資産が一定水準以上あること
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赤字続きでないこと
決算書や貸借対照表、損益計算書をもとに審査されます。
(4)管理体制の整備
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倉庫帳簿や保管契約書の整備
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苦情処理体制
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責任者の配置(倉庫管理者)
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業務マニュアルの整備
4. 許可申請の流れ(熊本での例)
熊本県内で倉庫業を始める場合、九州運輸局(福岡市)への申請が必要です。以下が標準的な流れです。
ステップ | 内容 |
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① 事前相談 | 行政書士が物件・法人・財務状況を確認 |
② 書類作成 | 技術基準適合証明書、申請書、誓約書、図面等 |
③ 申請書提出 | 九州運輸局(貨物・自動車課)に提出 |
④ 審査 | 約2か月程度。補正指示が入ることも |
⑤ 許可証交付 | 登録完了後、営業開始可能に |
5. 提出書類一覧(代表例)
倉庫業の許可申請には多岐にわたる書類が必要です。
主な提出書類
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倉庫業許可申請書
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技術基準適合状況説明書
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倉庫平面図、立面図、構造図、配置図
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登記簿謄本(法人)
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定款
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貸借対照表・損益計算書(直近3期)
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誓約書(欠格事由なしの確認)
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借地・借建物契約書(賃貸の場合)
✅ 書類の不備や記載ミスは審査遅延・補正指示の原因となります。
6. 許可取得後の義務
倉庫業許可を取得した後も、事業者には法令遵守の義務があります。
定期報告
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毎年6月末までに「事業報告書」「営業報告書」の提出が必要
倉庫台帳の整備
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保管貨物ごとに台帳記録を保存(保管責任の証明)
苦情処理
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消費者や荷主からのクレームに適切に対応
許可の更新・変更届
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倉庫の所在地や責任者の変更があれば、届出または変更許可申請が必要
7. 熊本における倉庫業支援の実績と特長
当事務所では、熊本県内を中心に多数の物流事業者様の倉庫業許可申請をサポートしています。近年は、阿蘇・宇城・合志エリアでも開設ニーズが高まっており、次のような特長があります。
🔹 行政書士法人塩永事務所の強み
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倉庫物件の技術基準チェック(現地調査対応可)
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建築士・測量士と連携した図面整備
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不動産オーナーとの契約支援
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公的融資・補助金申請との連動支援
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許可取得後の維持管理フォロー(報告書作成代行等)
8. よくある質問(FAQ)
Q. プレハブ倉庫でも許可は取れますか?
→ 建物の構造や床荷重などが基準を満たしていれば可能ですが、通常のプレハブでは構造基準を満たさないことが多いため、注意が必要です。
Q. 複数の倉庫を一度に申請できますか?
→ 可能です。ただし、それぞれの倉庫について技術基準や図面、財務適合性の審査があります。
Q. 許可取得にかかる期間は?
→ 通常2〜3か月程度。準備期間も含めると3〜4か月は見込んでください。
Q. 中古倉庫を借りても許可は取れますか?
→ 借用物件でも可。ただし、構造・耐震・床荷重などの基準を満たす必要があります。
9. ご相談・お問い合わせ先
行政書士法人塩永事務所|熊本県最大級の許認可専門チーム
📍所在地:熊本市中央区水前寺1-9-6
📞 電話番号:096-385-9002
📧 メール:info@shionagaoffice.jp
📘 初回相談無料・出張対応可・図面チェック無料
10. 代表メッセージ|塩永健太郎より
倉庫業は、地域経済や物流インフラを支える重要な事業です。
しかし、法的要件が厳しく、許可取得は決して容易ではありません。
当事務所では、単なる申請代行にとどまらず、事業の成功と継続を見据えたトータルサポートをご提供します。
許認可の専門家として、安心・確実なスタートをお約束します。