
社会福祉法人が不動産を取得する際の非課税証明申請とは
社会福祉法人が社会福祉事業(例: 介護施設、児童福祉施設、幼稚園、保育所等)のために土地や建物を取得する場合、通常は「登録免許税」「不動産取得税」「固定資産税・都市計画税」の3つの税金が課されます。しかし、これらの不動産が社会福祉事業に直接使用される場合、税金が非課税となる制度があります。ただし、非課税は自動的に適用されず、所轄庁(通常は都道府県知事または指定都市の市長)への申請を通じて「非課税証明書」を取得する必要があります。
制度概要と非課税の要件
非課税の対象
社会福祉法人が以下の用途で不動産を取得する場合、登録免許税が非課税となります(登録免許税法第4条第2項、別表第3の10の項):
-
社会福祉事業用の施設: 介護施設、児童福祉施設等、社会福祉法に基づく事業に直接使用する建物や土地。
-
幼稚園・保育所等: 社会福祉法人が設置・運営する幼稚園、保育所(家庭的保育事業、小規模保育事業、事業所内保育事業を含む)、認定こども園の校舎、敷地、運動場等で、保育・教育に直接使用するもの。
さらに、不動産取得税や固定資産税・都市計画税も、社会福祉事業への使用が認められれば非課税となります。
非課税証明の要件
証明書を取得するには、次の条件を満たす必要があります:
-
社会福祉事業専用であること: 不動産が社会福祉法人の事業に専ら使用される。
-
法令への適合: 社会福祉法や建築基準法等の関連法令を遵守している。
-
適切な手続き: 社会福祉法および法人規則に基づく手続き(例: 理事会・評議員会の議決)を経て取得されている。
-
注意: 議事録等の手続き書類が不足している場合、非課税証明書は発行されません。
-
根拠法令
-
登録免許税法第4条第2項
-
同法別表第3の10の項(社会福祉法人)
手続きの流れ
-
事前確認: 不動産が社会福祉事業や保育・教育に直接使用されることを確認。法令適合性をチェック。
-
書類準備: 必要書類(後述)を揃え、理事会・評議員会の議決を実施。
-
証明願提出: 所轄庁に申請書類を提出(郵送または窓口)。熊本県の例では現地確認が必要な場合あり。
-
審査と交付: 審査後、非課税証明書が発行される(標準処理期間: 約2~3週間、熊本県では約3週間)。
-
登記申請: 証明書を添付し、登録免許税非課税で所有権移転登記を実施。
提出先
-
一般的な所轄庁: 都道府県知事または指定都市の市長。
-
熊本県の例: 施設の種類や所在地に応じて熊本県知事、熊本市長、各市町村長が対応。詳細は「証明願いの提出先一覧(PDF: 62KB)」を参照。市町村が提出先の場合は各自治体に確認を。
必要書類
社会福祉法人が非課税証明を申請する際、以下の書類を準備します(所轄庁により異なる場合あり):
基本書類
-
証明願(正本2部)
-
所轄庁指定の様式を使用。施設種別(介護施設、幼稚園、保育所等)で様式が異なる場合あり。
-
2部のうち1部は控えとして返却される可能性あり。
-
-
手数料(熊本県の場合): 熊本県収入証紙400円
-
証明願に貼付せず同封。建物と土地を別々に申請する場合はそれぞれ400円必要。
-
他地域では無料の場合もあり、要確認。
-
添付書類(各1部)
建物の場合
-
不動産の全部事項証明書【原本】
-
新築: 表題部登記済み。
-
既存: 権利部登記を含む。
-
-
関係図面(位置図、平面図、立面図等)
-
用途や配置を証明。
-
-
建物の写真
-
外観で現況・用途が分かるもの。
-
-
(新築の場合)建築確認検査済証の写しおよび工事請負契約書の写し
-
(既存の場合)売買契約書の写しまたは寄付申込書の写し
-
理事会および評議員会の議事録【要原本証明】
-
不動産取得の決議内容を記載。
-
-
施設・事業の許可・認可・指定の指令書写し
-
社会福祉事業の認可を証明(該当する場合)。
-
土地の場合
-
不動産の全部事項証明書【原本】
-
関係図面(位置図、字図、配置図等)
-
土地の写真
-
外観で現況・用途が分かるもの。
-
-
売買契約書の写しまたは寄付申込書の写し
-
理事会および評議員会の議事録【要原本証明】
-
施設・事業の許可・認可・指定の指令書写し(該当する場合)
その他の税金の非課税手続き
-
不動産取得税・固定資産税: 行政に非課税申告書を提出し、社会福祉事業への使用を証明。行政が判断。
-
都市計画税: 固定資産税が非課税と認められれば自動的に非課税。
-
注意: 申告を怠ると課税されるため、取得後速やかに手続きを。
-
注意点
-
用途の明確化: 不動産が社会福祉事業に直接使用されない場合(例: 収益事業、管理事務所用途)、非課税が認められない可能性あり。
-
議事録の重要性: 理事会・評議員会の正式な議決が必須。手続き不足で却下されるリスクあり。
-
事前相談: 登録免許税納付後の還付は不可。計画段階で所轄庁や専門家(例: 行政書士法人塩永事務所)に相談を。
-
手数料の違い: 熊本県では400円が必要だが、他地域では無料の場合も。確認必須。
宗教法人・学校法人との比較
宗教法人
-
対象: 境内建物や幼稚園等、宗教活動に使用する不動産。
-
手続き: 責任役員会の議事録や役員全員の就任受諾書が必要。標準処理期間は約3週間、報酬例: 120,000円(税抜)。
-
違い: 宗教活動に特化し、書類負担がやや多い。
学校法人
-
対象: 校舎、運動場、保育所等、教育・保育に直接使用する不動産。
-
手続き: 理事会議事録が中心。所轄庁は学校設置認可を受けた都道府県知事。
-
違い: 教育目的に限定され、評議員会の議事録は通常不要。
共通点
-
登録免許税法第4条第2項に基づく非課税。公共性の高い用途が条件。図面や議事録が必須。
サポート内容
-
社会福祉法人の非課税証明申請手続きを代行。
-
提携司法書士と連携し、登記も対応可能。
-
計画段階から丁寧にサポートしますので、行政書士法人塩永事務所までお気軽にご相談ください。
まとめ
社会福祉法人が不動産を取得する際、社会福祉事業や保育・教育に使用する場合、登録免許税等の非課税措置を受けられます。所轄庁への証明願提出と必要書類の準備が鍵となり、手続きを怠ると課税リスクが生じます。スムーズな申請のために、早めに行政書士法人塩永事務所にご相談ください。