
「技術・人文知識・国際業務(技人国)」ビザから「経営・管理」ビザへの変更
1. 申請に必要な条件
日本で会社員として働いている外国人が「経営・管理」ビザを取得するためには、ビジネスを行う準備を整えてから申請する必要があります。具体的には以下の条件を満たすことが求められます。
- オフィスや店舗を契約し、事業を開始できる状態にする
- 必要に応じて内装工事を行い、営業許可を取得する
- 会社の設立は必須ではないが、資本金500万円以上の資本投下を証明する必要がある
- 会社を設立しない場合は、500万円以上の領収書を用意する
2. 事業内容の制限
「経営・管理」ビザでは事業内容に制限はありません。ただし、以下の点に注意が必要です。
- 飲食店経営の場合、保健所の飲食業許可を取得し、食品衛生責任者を配置する
- 業種によっては役所からの許認可が必要になる
- 税務署への開業届やその他各種届出が求められる
3. 会社員が「技人国」ビザから変更する際の注意点
- 会社を辞めてしまうと、技人国ビザの許可された活動を行っていないことになり、ビザの取消対象になる可能性がある
- 退職後14日以内に「所属機関に関する届出」を入管に提出する義務がある
- 退職後3か月を経過すると、在留期限内でもビザが取消対象となるため、会社を辞めずに準備するのが望ましい
- すでに退職している場合は、3か月以内に在留資格変更許可申請を行う必要がある
他のビザから「経営・管理」ビザへの変更
1. 「技能」ビザからの変更
- 「技能」ビザでの活動は主に調理など特定の技能に限られる
- 「経営・管理」ビザの取得後は経営に専念する必要があり、調理やホール業務を主に行うと不法就労となる
- 店舗スタッフを雇用し、経営者としての役割を果たすことが求められる
2. 「日本人の配偶者等」ビザからの変更
- 通常、配偶者ビザには就労制限がないため、変更する必要はない
- 離婚や死別により配偶者ビザが更新できなくなった場合、変更が必要
- 「定住者」ビザへの変更が可能な場合は、そのまま事業を営むこともできる
3. 「留学」ビザからの変更
- 学歴要件はないが、資本金500万円の調達方法が厳しく審査される
- 資金は主に親族からの支援が必要であり、送金証明が求められる
- 社会人経験がないと経営者としての適性が疑問視され、審査が厳しくなる
- 「とりあえず会社を作れば取得できる」という安易な理由では不許可になる可能性が高い
- 出席率が低い場合、入管から不信感を持たれるため、慎重な準備が必要
4. 「家族滞在」ビザからの変更
- 「家族滞在」ビザは原則就労禁止のため、事業運営には「経営・管理」ビザへの変更が必要
- 資格外活動許可を得ていても、週28時間の制限を超えると不許可の可能性が高まる
- 変更が不許可になった場合でも、「家族滞在」ビザに戻る可能性はある
まとめ
「経営・管理」ビザへの変更は、適切な準備と確実な資金調達、明確な事業計画が重要です。申請手続きには多くの書類や条件を満たす必要があり、一度不許可になると審査のハードルが上がるため、慎重に進めることが求められます。
ビザ変更のご相談や申請代行は、審査基準を熟知した行政書士法人塩永事務所にお任せください。