
【2026年11月最新版】経済産業省「令和8年熊本地震で被災した事業者等への支援パッケージ(合計146億円)」を徹底解説|認定経営革新等支援機関が活用法をご案内
行政書士法人塩永事務所(認定経営革新等支援機関)
令和8年熊本地震で被災された事業者の皆様へ
「くまもと事業者再出発支援補助金」をはじめ、今回の地震では国と熊本県による支援が次々と公表されています。実は、この補助金は経済産業省が取りまとめた**「令和8年熊本地震で被災した事業者等への支援パッケージ(経済産業省関連)【合計146億円】」**の一部で、国が熊本県の復旧施策を補助する仕組みです。
ただし、支援策は補助金・融資・保証・債務対応・商店街支援・インフラ復旧など多岐にわたり、「自社はどれを使えるのか」「どの順番で動けばよいのか」が分かりにくいのが実情です。
本記事では、経済産業省が公表した支援パッケージの全体像を整理し、認定経営革新等支援機関がどの場面でお役に立てるかを解説します。
※本記事は2026年11月4日時点で公表されている経済産業省・熊本県等の情報をもとに作成しています。制度の詳細や受付状況は変更される場合があるため、ご利用前に必ず各制度の最新情報をご確認ください。
1.支援パッケージの位置づけ
政府の令和8年熊本地震非常災害対策本部は、2026年8月27日に「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」を決定しました。「生活の再建」「なりわいの再建」「災害復旧等」の3つの柱からなり、予備費などを機動的・弾力的に活用して被災者を支援するものです。
このうち、事業者向けの施策を経済産業省がまとめたのが**「令和8年熊本地震で被災した事業者等への支援パッケージ(経済産業省関連)」**で、予備費の使用要求書とあわせて2026年8月28日に公表されました。合計額は146億円です。
パッケージは大きく3つの柱で構成されています。
| 柱 | 内容 |
|---|---|
| 1.被災事業者の施設・設備復旧支援等 | 補助金による復旧支援、商店街再建、仮設施設整備、専門家(復興支援アドバイザー)派遣など |
| 2.被災事業者への金融支援等 | 災害復旧貸付、信用保証の別枠、既往債務への対応、特別相談窓口など |
| 3.インフラ復旧支援 | サービスステーション、LPガス供給拠点、工業用水道施設の復旧支援 |
2.【柱1】施設・設備の復旧支援
(1)被災中小企業等の施設・設備復旧支援(自治体連携型補助金)
これが熊本県の**「くまもと事業者再出発支援補助金」**にあたります。パッケージ上の規模は上限120億円(うち予備費60億円)です。
- 補助対象:施設・設備の復旧に取り組む被災中堅企業・中小企業・小規模事業者
- 事業者への補助上限額:15億円(多重被災事業者)/3億円(その他)
- 事業者への補助率:最大3/4(多重被災事業者は5億円まで10/10定額補助)
経済産業省の資料には、繰り返す大規模災害による重複被災が生じたことを踏まえた特例として、補助対象事業者の範囲や多重被災事業者への支援を柔軟化したことが記されています。具体的には、自治体連携型補助金の上限を40億円から120億円に引き上げ、中堅企業を対象に加え、多重被災事業者への定額補助を「なりわい再建支援補助金」並みに措置するとしています。
定額補助(10/10)を使うルートの一つでは、認定経営革新等支援機関の確認書が必要です(詳しくは第5章)。
(2)被災商店街等再建支援事業【4億円】
- ハード支援:アーケードの撤去・改修、街路灯等の設備改修。補助率1/2(国1/3、県1/6)、補助上限なし
- ソフト支援:にぎわい創出のためのイベント等。上限100万円(下限30万円)、直接被害を受けた商店街等は10/10定額、そのほかは2/3
(3)小規模事業者持続化補助金(災害支援枠)
被災した小規模事業者等が、商工会・商工会議所の支援を受けて経営計画を策定し、機械装置等の復旧や販路再開に向けた取組に要する経費の一部を補助するものです。補助上限は200万円(直接被害)/100万円(間接被害)、補助率は2/3(多重被災事業者は10/10定額)です。
中小企業庁の公表では、2026年11月2日から「災害支援枠(令和8年熊本地震)(2次)」の申請受付が始まっています。 受付期間や要件は公式の公募要領でご確認ください。
(4)仮設施設整備支援事業等【5.2億円】
被災中小企業等が入居する集合型仮設施設の整備を支援します(補助率10/10定額。被災自治体が実施する整備が対象で、入居料は原則無料)。また、希望する被災中小企業等には、復興支援アドバイザーが無料で派遣され、復興・復旧に向けた事業計画の作成や事業運営等を支援します。
3.【柱2】金融支援・債務対応
補助金は原則として精算払いのため、復旧費用を先に支払う資金の確保が重要です。パッケージには、次の金融支援が含まれています。
| 施策 | 内容(公表資料より) |
|---|---|
| 日本政策金融公庫の災害復旧貸付 | 熊本県内の事業者を対象に別枠で融資。局地激甚災害の指定市町では、金利を1,000万円まで0.9%引下げ(貸付後3年間) |
| 信用保証協会の別枠保証 | セーフティネット保証4号(100%保証、別枠)。局地激甚災害の指定市町には、さらに別枠の災害関係保証 |
| 既往債務への対応 | 官民金融機関による返済猶予等の条件変更。中小企業活性化協議会を通じた債務調整の支援。多重債務問題への官民ファンド活用 |
| 特別相談窓口・小規模企業共済の災害時貸付 | 県内の各支援機関に窓口を設置(2026年7月29日から措置開始) |
| 適正取引の配慮要請 | 官公需を含めた中小受託事業者との取引に関する配慮要請(2026年8月7日実施) |
局地激甚災害の指定市町は、御船町、八代市、宇城市、氷川町、嘉島町です(2026年8月25日閣議決定)。同日の経済産業省の発表では、罹災証明を受けた中小企業者向けの信用保証の別枠(借入債務の100%を保証)が示されています。
多重債務問題への新たな取組(2026年10月9日)
過去の災害による既往債務が負担となって新規の資金調達が難しくなる「多重債務問題」に対応するため、経済産業省は次の取組を発表しました。
- 熊本産業復興相談センターを熊本商工会議所ビル3Fに開設(電話:096-311-1288)。ワンストップ相談と、事業計画・再生計画の策定支援を行います。
- 中小機構とREVICが地域金融機関等と共同で**「令和8年熊本地震復興支援ファンド」**を設立(ファンド総額は最大50億円)。
4.【柱3】インフラ復旧支援
- SS(サービスステーション)等早期復旧支援事業【9.9億円】:計量機、防火壁、タンク等の補修・入替。補助率3/4等
- LPガス供給拠点早期復旧支援事業【0.2億円】:補助率3/4
- 工業用水道施設の災害復旧支援事業【1.6億円】:補助率8/10
該当する事業者は、各制度の窓口や所管部署へお問い合わせください。
5.認定経営革新等支援機関が力を発揮する場面
支援パッケージを活用するうえで、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)は、次の場面で重要な役割を担います。
① 定額補助(10/10)の確認書
くまもと事業者再出発支援補助金の**定額補助(多重被災事業者)**には、次の要件をすべて満たす必要があります(熊本県の申請マニュアルより)。
- 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者であること
- 過去10か年度以内の激甚指定災害(平成28年熊本地震、令和2年7月豪雨、令和7年8月豪雨)で被害を受け、国等の支援を活用したこと
- 次のいずれかに該当すること
- ア 災害発生日以降、売上高が20%以上減少している復興途上の事業者
- イ 令和8年熊本地震の発生時に厳しい債務状況にあり、交付申請時に経営再建等に取り組み、認定経営革新等支援機関に事業計画等について確認を受けている事業者
- 過去の災害からの復旧・復興に要した債務を抱えており、知事が認めた事業者であること
- 令和8年熊本地震により施設・設備が被災し、復旧を行おうとする者であること
要件3の**「イ」のルートでは、企業再建計画、認定経営革新等支援機関による確認書、金融機関による確認書の3点を提出します。つまり、「イ」のルートを選ぶ事業者様にとって、認定支援機関は定額補助への入口**になります。
② 事業計画・再建計画の策定
被災後の事業再建では、補助金の申請書だけでなく、「復旧後にどう収益を回復させ、借入をどう返済するか」という計画が重要です。熊本産業復興相談センターや復興支援アドバイザーも、事業計画・再生計画の策定を支援する体制となっています。認定支援機関は、財務状況の整理、収支計画、金融機関への説明資料づくりをご一緒できる立場にあります。
③ 金融機関との橋渡し
返済猶予などの条件変更や新規融資、金融機関による確認書の取得では、金融機関に計画を説明する場面が欠かせません。計画の裏付けを整えることで、話し合いを進めやすくなります。
④ 複数制度の組み合わせ設計
補助金・融資・保証・債務対応は、どれか一つを選べば済むものではありません。たとえば次のような設計が考えられます。
| 場面 | 検討する制度の例 |
|---|---|
| 復旧工事費の補助を受けたい | くまもと事業者再出発支援補助金 |
| 補助金が入るまでのつなぎ資金が必要 | 災害復旧貸付、信用保証の別枠 |
| 過去の借入が重く新規借入が難しい | 条件変更、熊本産業復興相談センター、復興支援ファンド |
| 小規模で機械・販路回復が中心 | 小規模事業者持続化補助金(災害支援枠) |
※制度ごとに要件・対象経費・併用の可否は異なります。同じ施設・設備の復旧に、国や県の補助金を重複して受けることはできません(くまもと事業者再出発支援補助金の手引きより)。併用を検討する場合は、事前に確認が必要です。
※認定支援機関による確認が必要かどうかは、制度や申請する類型によって異なります。確認が必要とされているのは、県の資料で確認できる範囲では定額補助(要件3のイ)です。
6.今、確認しておきたいスケジュール
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| くまもと事業者再出発支援補助金 第2次 | 2026年11月2日〜11月17日 |
| くまもと事業者再出発支援補助金 第3次 | 2026年12月1日〜12月16日 |
| 小規模事業者持続化補助金(災害支援枠)2次 | 2026年11月2日に受付開始(締切は公募要領で確認) |
定額補助で「イ」のルートを選ぶ場合は、企業再建計画の作成、認定支援機関の確認、金融機関の確認と、複数の関係者との調整が必要です。第2次の締切までに間に合うか、第3次を目標にするかを、早めに判断することをおすすめします。
7.行政書士法人塩永事務所のサポート
行政書士法人塩永事務所は、国の認定を受けた認定経営革新等支援機関です。被災事業者様に対して、次のような支援を行います。
- 利用できる制度の整理(補助金・融資・保証・債務対応の全体設計)
- 定額補助(多重被災事業者)の要件判定と企業再建計画の策定支援
- 認定経営革新等支援機関としての確認書の作成
- 金融機関への説明に向けた資料整理
- 交付申請書・補助事業計画書などの申請書類作成
- 交付決定後の実績報告に向けた書類整理
「どの制度が使えるのか分からない」「過去の災害の借入が残っていて不安」という段階でも、お気軽にご相談ください。
※支援の範囲はご依頼の内容や個別案件の状況により異なります。補助金の採択・交付、融資の実行、確認書の発行を保証するものではありません。
お問い合わせ
行政書士法人塩永事務所(認定経営革新等支援機関)
所在地:〒862-0950 熊本県熊本市中央区水前寺1-9-6
電話:096-385-9002 / メール:info@shionagaoffice.jp
受付時間:9時〜18時 / 対応エリア:熊本県内を中心に、オンライン相談にも対応
参考資料
- 経済産業省「令和8年熊本地震で被災した事業者等への支援パッケージ(経済産業省関連)【合計146億円】」(2026年8月28日) https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2026/pdf/kumamoto_package.pdf
- 経済産業省「令和8年熊本地震に関連する被害・対応状況」 https://www.meti.go.jp/2026_kumamoto/index.html
- 経済産業省「令和8年熊本地震による災害が激甚災害として指定されたことに伴い、追加の被災中小企業・小規模事業者対策を講じます」(2026年8月25日)
- 経済産業省「『熊本産業復興相談センター』の開設及び『令和8年熊本地震復興支援ファンド』の設立について」(2026年10月9日)
- 熊本県「くまもと事業者再出発支援補助金 定額補助(多重被災事業者)申請マニュアル」「手引き」
- 首相官邸「令和8年熊本地震 被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」
