
【2026年11月最新版・詳細解説】くまもと事業者再出発支援補助金|令和8年熊本地震からの事業再建・最大15億円の支援制度を徹底解説
認定経営革新等支援機関|行政書士法人塩永事務所(熊本)
令和8年熊本地震によって被害を受けた熊本県内の中小企業・小規模事業者・個人事業主の皆様にとって、被災した店舗、工場、事務所、倉庫、機械設備などの復旧は、事業継続に直結する重要な課題です。
こうした事業者の事業再建を支援する制度が、熊本県の「くまもと事業者再出発支援補助金」です。
本補助金は、通常の設備投資や新規事業展開を目的とする補助金とは異なり、令和8年熊本地震によって被害を受けた事業用施設・設備等の復旧を支援する制度です。
一般的な中小企業者等には補助率3/4、中堅企業等には補助率1/2が適用され、一定の要件を満たす多重被災事業者については、最大5億円まで定額補助(補助率10/10)、補助上限額15億円という特別な支援措置も設けられています。
また、多重被災事業者の一部の申請区分では、認定経営革新等支援機関による企業再建計画の確認が必要となります。
行政書士法人塩永事務所は、国の認定を受けた認定経営革新等支援機関として、補助金申請に必要な事業計画・企業再建計画の整理、対象経費の確認、申請書類の作成、関係資料の整備などを支援しています。
本記事では、2026年11月4日時点の熊本県公表資料をもとに、制度の詳細と申請実務上の重要事項を解説します。
1.補助金の基本的な仕組みと対象事業者
本補助金は、令和8年7月28日に発生した熊本地震によって被災した事業用施設・設備等の復旧を目的とする制度です。
重要なのは、被災した事業用資産を所有者が復旧するための補助金であるという点です。
単に事業を拡大したい、新しい機械を購入したい、店舗を新設したいという理由では対象になりません。
補助対象となる事業者
原則として、熊本県内に事業所を有し、次の区分に該当する事業者が対象となります。
-
中小企業者
-
小規模事業者
-
個人事業主
-
一定の要件を満たす中堅企業
-
多重被災事業者
-
特定被災事業者
ただし、会社の規模だけで判断することはできません。資本関係、役員構成、事業内容、法人形態なども確認する必要があります。
例えば、一般的な中小企業の規模に該当していても、大企業による出資割合や役員兼務の状況によっては「みなし大企業」と判断され、対象外となる場合があります。
また、医療法人、社会福祉法人、宗教法人、一般社団法人、公益法人などは、原則として通常の対象事業者には含まれません。
農林水産業についても、一次産業そのものと、加工・販売事業とでは取扱いが異なります。
したがって、申請前に法人形態と実際の事業内容を確認することが重要です。
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2.補助率・補助上限額の詳細
本補助金では、事業者の区分によって補助率と上限額が異なります。
| 事業者区分 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 中小企業者等 | 3/4 | 3億円 |
| 中堅企業等 | 1/2 | 3億円 |
| 多重被災事業者 | 5億円まで10/10 | 15億円 |
| 特定被災事業者 | 通常の補助率 | 15億円 |
※多重被災事業者は、5億円を超える部分について通常の補助率が適用されます。
※特定被災事業者は、上限額が15億円に引き上げられる制度であり、補助率が10/10になる制度ではありません。
補助金額の計算例
例えば、中小企業が被災した工場の復旧に4,000万円を要する場合、全額が補助対象経費として認められれば、次のようになります。
-
補助対象経費:4,000万円
-
補助率:3/4
-
補助金額:3,000万円
-
自己負担額:1,000万円
ただし、実際の補助対象経費は、保険金・共済金の受領額、原状回復に必要な金額、対象外経費などを考慮して算定されます。
また、補助金は原則として事業完了後の実績報告・額の確定を経て支払われるため、事業者には一時的な資金負担が生じる可能性があります。
補助金の採択・交付決定を受けたことだけで、直ちに資金が入金されるわけではありません。
熊本県
3.補助対象となる施設・設備・車両
補助対象経費の中心となるのは、地震によって被害を受けた事業用施設・設備の復旧費用です。
(1)事業用施設
対象となる施設の例は次のとおりです。
-
店舗
-
事務所
-
工場
-
倉庫
-
その他の事業用建物
原則として、登記されている事業用施設が対象です。
施設の復旧は修繕が基本ですが、次の場合には建替えが認められることがあります。
-
全壊または大規模半壊と判定された場合
-
修繕より建替えの方が安価であると認められる場合
店舗兼住宅や事業用・居住用が混在する建物については、事業用部分を面積等によって按分する必要があります。
賃貸物件の場合には、所有関係や復旧費用の負担者などを確認する必要があります。建物の所有者と事業者が異なる場合は、申請主体を慎重に整理しなければなりません。
(2)機械装置・事業用設備
対象となる設備の例は次のとおりです。
-
製造機械
-
加工機械
-
業務用大型設備
-
生産ライン
-
事業用の特殊設備
-
その他の事業用機械装置
原則として、固定資産台帳や償却資産台帳などに計上されている設備が対象となります。
復旧方法は修理が原則です。
ただし、次の場合には設備の入替えが認められることがあります。
-
地震によって設備が修理不能となった場合
-
修理費用よりも同等設備への入替費用が安価である場合
修理不能の場合には、メーカーや専門業者等による修理不能申告書など、必要な証明資料を準備します。
(3)事業用車両
被災前から所有していた事業用車両についても、一定の要件のもとで修理・入替費用が対象となります。
ただし、すべての車両が対象となるわけではありません。
例えば、次のような車両は対象外となる可能性があります。
-
社長の私用車
-
従業員の通勤用車両
-
賃貸目的の車両
-
事業用途が明確でない車両
車両の入替えについては、被災車両の廃車・永久抹消等の確認資料や車検証など、個別の要件を確認する必要があります。
車両については熊本県が別途公表している取扱資料も確認してください。
熊本県+1
4.補助対象外となる経費に注意
本補助金は、あくまでも被災した事業用資産の復旧を目的としています。
そのため、事業に関連する支出であっても、すべてが補助対象になるわけではありません。
主な対象外経費には次のようなものがあります。
-
商品、在庫、仕掛品、原材料
-
文房具などの消耗品
-
テーブル、イスなど汎用性の高い備品
-
食器、調理器具
-
書類棚、陳列棚などの什器
-
賃貸目的の設備・車両
-
ソフトウェアなどの無形資産
-
土地の測量、造成費用
-
自動車の登録費用、税金等の法定費用
また、修復に伴って設備の性能を大幅に向上させたり、建物の規模を拡大したりする場合にも注意が必要です。
従前より高性能な設備に入れ替えることや、従前より広い建物に建て替えることが認められる場合でも、補助対象となる金額には原状回復相当額という上限があります。
例えば、従前の設備と同等の設備を購入する場合に2,000万円で済むところ、最新型の高性能設備を3,500万円で導入した場合、差額の1,500万円まで当然に補助されるわけではありません。
原状回復相当額と機能向上部分を区分して、適切に資料を整える必要があります。
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5.多重被災事業者の特別措置|最大5億円の定額補助
本補助金の中でも特に重要なのが、多重被災事業者に対する特別措置です。
過去の大規模災害によって被害を受け、その復旧・復興のための債務を抱えながら、今回の令和8年熊本地震によって再び被災した事業者を支援する制度です。
一定の要件をすべて満たした場合、最大5億円まで補助率10/10の定額補助が適用されます。
さらに、5億円を超える部分についても通常の補助率で補助対象となり、補助上限額は15億円となります。
多重被災事業者の5つの要件
次の要件をすべて満たす必要があります。
要件① 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者であること
コロナ関連の支援策の活用実績、感染防止対策、営業時間短縮・臨時休業等による影響、一定期間の売上減少など、県の定める基準に基づいて確認します。
単にコロナ禍の時期に営業していたというだけでは足りません。
要件② 過去10か年度以内の激甚指定災害で被災し、復旧・復興支援を活用していること
熊本県に関係する主な災害として、次のものが挙げられます。
-
平成28年熊本地震
-
令和2年7月豪雨
-
令和7年8月豪雨
過去の災害によって事業用資産が被災したことに加え、国等の復旧・復興支援を活用したことを確認する必要があります。
例えば、過去のグループ補助金、なりわい再建支援補助金、被災中小企業者再建支援事業、公的金融機関の災害復旧貸付などが確認資料となる場合があります。
要件③ 次のいずれかに該当すること
ア.過去の災害による被災後、売上高が20%以上減少している復興途上の事業者
イ.令和8年熊本地震発生時に厳しい債務状況にあり、現在、経営再建等に取り組んでいる事業者
イの区分では、認定経営革新等支援機関による事業計画等の確認が必要です。
要件④ 過去の災害からの復旧・復興に係る債務を抱えていること
過去10か年度以内に発生した災害からの復旧・復興のために負担した債務が残っており、熊本県知事が認める必要があります。
過去の災害に関連する借入金、返済猶予、借換えなどについて、金融機関の資料や返済状況を整理することが重要です。
なお、コロナ関連の借入金は、この要件における過去の災害に係る債務とは区別して取り扱われます。
要件⑤ 令和8年熊本地震によって施設または設備が被災し、復旧・復興を行うこと
今回の地震による被害と、実施する復旧事業との関係を明確にする必要があります。
これら5要件は、いずれか一つを満たせばよいというものではありません。すべてを満たすことが必要です。
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6.認定経営革新等支援機関による確認が必要となるケース
本補助金で、行政書士法人塩永事務所が特に重要視しているのが、認定経営革新等支援機関による企業再建計画の確認です。
ただし、ここは誤解しやすい部分です。
多重被災事業者の申請であれば、すべて認定経営革新等支援機関の確認が必要になるわけではありません。
認定経営革新等支援機関による確認が必要となるのは、多重被災事業者の要件③のうち、次のイに該当する場合です。
-
令和8年熊本地震発生時に厳しい債務状況にあったこと
-
交付申請時点で経営再建等に取り組んでいること
-
認定経営革新等支援機関による事業計画等の確認を受けていること
つまり、過去の災害からの復旧途上にあり、財務状況が厳しい事業者について、企業再建計画の合理性や実現可能性を確認する仕組みです。
必要となる主な書類
この区分で申請する場合には、熊本県が指定する次の書類が必要になります。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 企業再建計画 | 今後の経営再建方針・事業計画 |
| 認定経営革新等支援機関による確認書 | 企業再建計画・事業計画の確認 |
| 金融機関による確認書 | 金融機関による計画の確認 |
これらは通常の補助金申請書類とは別に準備する必要があります。
企業再建計画で検討すべき内容
企業再建計画では、単に「売上を回復させる」「利益を増やす」と記載するだけでは十分ではありません。
次のような事項を整理することが重要です。
-
震災前の事業内容と経営状況
-
過去の災害による被害と復旧状況
-
過去の災害から生じた借入金・債務の状況
-
令和8年熊本地震による新たな被害
-
今回の復旧に必要な施設・設備と費用
-
復旧後の売上高・営業利益等の見通し
-
借入金の返済計画
-
資金繰りの改善方針
-
雇用の維持・事業継続の方針
-
中長期的な経営改善策
特に重要なのは、復旧に必要な投資額と、復旧後の収益見通しとの整合性です。
過大な設備投資や、売上・利益の根拠が不明確な計画では、計画の実効性を十分に説明できません。
行政書士法人塩永事務所の支援
当事務所では、認定経営革新等支援機関として、次のような業務を支援します。
-
財務資料・決算書の確認
-
過去の災害に係る借入金の整理
-
現在の債務状況の分析
-
企業再建計画の策定支援
-
復旧投資と収益計画の整合性確認
-
事業計画の実現可能性の検討
-
認定経営革新等支援機関による確認書への対応
-
金融機関との計画確認に必要な資料の整理
なお、金融機関による確認は金融機関自身が行うものであり、当事務所が金融機関の確認を代行するものではありません。
また、認定経営革新等支援機関による確認は、補助金の採択や交付を保証するものではありません。
7.特定被災事業者とは?補助上限額15億円の特別措置
もう一つ重要な制度が「特定被災事業者」です。
これは、令和8年熊本地震によって被災した小規模事業者等のうち、地域のサプライチェーンにとって不可欠な事業者を対象とする特別な取扱いです。
通常の補助上限額3億円では復旧が困難となるような大規模被害を受けた事業者などを想定しています。
特定被災事業者の主な要件
-
熊本地震によって被災した小規模事業者等であること
-
地域のサプライチェーンにとって不可欠な事業者であること
-
被害規模が多重被災事業者に相当すること
-
熊本県知事が認めること
-
九州経済産業局長の承認を受けること
特定被災事業者として承認された場合、補助上限額は15億円となります。
ただし、注意しなければならないのは、特定被災事業者には定額補助10/10は適用されないという点です。
| 比較項目 | 多重被災事業者 | 特定被災事業者 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 過去の災害からの復興途上にある事業者等 | サプライチェーン上不可欠な小規模事業者等 |
| 特別な要件 | 5要件すべてを満たす | 県知事の認定・国の承認等 |
| 定額補助 | 5億円まで10/10 | なし |
| 補助上限額 | 15億円 | 15億円 |
補助申請額が3億円を超える場合で、特定被災事業者に該当する可能性がある事業者は、熊本県への個別相談が必要です。
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8.BCP(事業継続計画)の策定と自然災害保険への加入
本補助金では、補助金を受ける事業者に対して、災害への備えを強化するための要件が設けられています。
重要なのは、単に被災施設を復旧するだけではなく、将来の災害に備えた事業継続体制を整備することです。
(1)BCPの策定
事業継続計画(BCP)を策定する必要があります。
BCPとは、地震・水害・火災などの緊急事態が発生した場合に、重要な事業を継続し、または早期に復旧するための方針や手順を定めた計画です。
熊本県では、事業者が取り組みやすいように「熊本県版事業継続計画(BCP)シート」を公表しています。
また、次のような計画でも対応できます。
-
自社独自のBCP
-
国の事業継続力強化計画
本補助金では、実績報告時にBCPの策定状況を確認されます。
申請時だけでなく、事業完了後の提出を見据えて準備しておくことが重要です。
(2)自然災害保険・共済への加入
補助対象となる施設・設備について、自然災害による損害を補償する保険・共済への加入が求められます。
原則的な付保割合は次のとおりです。
| 事業者区分 | 必要な付保割合 |
|---|---|
| 中小企業者等 | 30%以上 |
| 中堅企業等 | 40%以上 |
| 小規模事業者 | 加入推奨 |
付保割合とは、対象施設・設備の再調達価額に対して、保険金額がどの程度設定されているかを示す割合です。
例えば、再調達価額が1億円の施設について、中小企業者等の場合、原則として3,000万円以上の保険金額を設定することが求められます。
注意点は次のとおりです。
-
地震だけでなく風水害等も補償対象となる保険・共済であること
-
再調達価額を基準に確認すること
-
火災保険の特約でも要件を満たせば対応できる場合があること
-
修繕の場合でも対象施設・設備全体の付保状況を確認すること
保険の契約内容によっては要件を満たさない場合もあるため、保険証券や契約内容を事前に確認してください。
BCPと保険加入については、実績報告時に確認されるため、補助金申請の段階から準備を進めておくことをおすすめします。
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9.交付決定前に復旧工事を行った場合も対象になる?
今回の補助金で、特に注意したいのが事前着手の取扱いです。
通常の補助金では、交付決定前に発注・契約・購入した経費は対象外となることが多くあります。
しかし、本補助金では特例が設けられています。
令和8年7月28日の発災日以降であれば、交付決定前に復旧した経費についても、一定の条件のもとで補助対象となる可能性があります。
例えば、次のようなケースです。
-
地震で壊れた店舗の屋根を緊急修理した
-
工場の機械設備を修理した
-
被災した業務用設備を入れ替えた
-
営業再開のために建物の復旧工事を実施した
ただし、発災日以降に支出した経費であれば、すべて無条件で補助対象になるわけではありません。
被災の事実、復旧内容、費用の妥当性などを確認できる資料が必要です。
事前着手済みの場合に準備する資料
-
被災前の施設・設備の写真
-
被災直後の写真
-
復旧工事・修理の見積書
-
発注書・契約書
-
請求書
-
領収書
-
銀行振込記録
-
修理・復旧後の写真
-
復旧内容を説明する資料
既に工事が完了している場合でも、写真や契約関係書類が不足していると、被害と復旧費用の関係を説明できない可能性があります。
また、交付決定前に既に復旧が完了している事業については、実績報告を交付決定日から15日以内に提出する取扱いとなっています。
この期限は通常の実績報告と異なるため、早めに書類を整理する必要があります。
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10.100万円以上の工事・購入は相見積もりが重要
補助金申請では、復旧に必要な費用が適正であることを説明しなければなりません。
特に、1件当たり100万円(税込)以上の工事・購入については、原則として2者以上から見積書を取得する必要があります。
例えば、次のようなケースです。
-
工場の機械設備の修理
-
店舗の大規模修繕
-
倉庫の屋根・外壁の復旧
-
業務用大型設備の入替え
-
事業用車両の入替え
相見積もりが取得できない場合には、県指定の「見積書が不足している理由書」等によって事情を説明する必要があります。
例えば、次のような事情が考えられます。
-
既に復旧が完了している
-
既に発注・契約済みである
-
特殊な設備で対応可能な業者が限られている
-
複数業者に依頼したが、見積書の提出を断られた
ただし、理由書を提出すれば必ず1者見積もりが認められるという意味ではありません。
県の審査において、個別の事情と資料を踏まえて判断されます。
また、見積書には、工事内容、数量、単価、仕様などが具体的に記載されていることが重要です。
「一式」とだけ記載された見積書では、対象経費の妥当性を確認できない場合があります。
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11.保険金・共済金を受け取った場合の補助対象経費
被災した施設・設備について、火災保険、地震保険、損害保険、共済などから保険金等を受け取った場合には、補助対象経費の算定に注意が必要です。
原則として、復旧に必要な費用から受け取った保険金・共済金等を控除した金額が補助対象経費となります。
例えば、次のようなケースです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 復旧工事費 | 2,000万円 |
| 保険金受領額 | 500万円 |
| 補助対象経費 | 1,500万円 |
| 補助率 | 3/4 |
| 補助金額 | 1,125万円 |
※説明のための単純な計算例です。実際の算定は県の手引き・審査に従います。
また、保険金を受け取っていない場合でも、請求できる保険金があるのに請求していないケースなどは、対象外となる可能性があります。
保険会社との交渉状況、保険金の請求状況、支払決定通知書などを整理することが重要です。
申請時には、保険金等計算書などの指定様式を用いて適切に申告してください。
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12.申請に必要な書類と事前準備
本補助金では、通常の補助金申請よりも多くの資料が必要になる場合があります。
特に、被災状況、施設・設備の所有関係、資産計上、復旧費用の妥当性などを客観的に説明できる資料が重要です。
主な提出書類
| 区分 | 主な書類 |
|---|---|
| 基本書類 | 交付申請書、補助事業計画書、誓約書 |
| 法人関係 | 履歴事項全部証明書、役員等名簿 |
| 財務関係 | 決算書、貸借対照表、損益計算書、確定申告書 |
| 税務関係 | 熊本県税に未納がないことの証明書 |
| 被災関係 | 被災証明書、被害状況写真 |
| 施設関係 | 登記事項証明書、図面、利用状況表 |
| 設備関係 | 固定資産台帳、償却資産台帳、設備仕様書 |
| 復旧費用関係 | 見積書、発注書、契約書、請求書等 |
| 保険関係 | 保険金・共済金の受領を証する資料 |
| その他 | 修理不能申告書、按分計算書など |
※事業内容や被災状況によって追加資料が必要になります。
被災証明書が取得できない場合
市町村が発行する被災証明書・罹災証明書等を提出できない場合でも、一定の条件のもとで、理由書や専門家による証明資料などを提出する取扱いがあります。
例えば、
-
被災証明書が提出できない理由書
-
令和8年熊本地震による被災であることの証明書
-
建物被災状況報告書
-
被害状況を確認できる写真
などです。
証明書がないからといって、直ちに申請を諦める必要はありません。
ただし、代替資料によって被災の事実と復旧内容を説明できることが重要です。
申請書類は2部用意
熊本県の案内では、申請書類一式を同じ内容で2部用意することとされています。
1部を提出し、もう1部は申請者自身の控えとして保管します。
申請後の問い合わせや追加資料の提出に備えて、提出書類の完全な写しを保管してください。
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13.申請期間・申請方法【2026年11月4日現在】
熊本県の公表資料によると、申請は複数回に分けて受け付けられています。
| 公募回 | 申請開始日 | 申請締切日 |
|---|---|---|
| 第1次 | 2026年10月1日 | 2026年10月26日 |
| 第2次 | 2026年11月2日 | 2026年11月17日 |
| 第3次 | 2026年12月1日 | 2026年12月16日 |
第2次申請の締切は2026年11月17日です。
申請を検討されている事業者様は、被災状況の整理、見積書の取得、保険金の確認、財務資料の準備などを早急に進める必要があります。
申請方法
申請書類一式を郵送または持参により提出します。
提出先:
〒862-0954
熊本市中央区神水1丁目3-1
ヨネザワ熊本県庁前ビル4階
くまもと事業者再出発支援補助金受付センター
電話:096-284-7660
受付時間:平日9:00~17:00(土日祝日を除く)
※申請期限や必要書類は変更される可能性があります。必ず熊本県の最新公表情報をご確認ください。
熊本県ホームページ
14.申請回数と複数事業所の取扱い
本補助金の申請は、原則として1事業者につき1回です。
ただし、施設と設備を分けるなど、やむを得ず申請を分割する場合には、原則として2回まで申請できる取扱いとなっています。
複数の事業所や支店で被害が発生している場合には、原則として事業者単位で復旧内容を整理し、申請する必要があります。
例えば、熊本市に本社、八代市に工場、菊陽町に倉庫を有する企業が、それぞれの施設で被災した場合には、各拠点の被害状況、所有関係、復旧費用を整理して申請内容を検討します。
複数拠点の復旧を予定している事業者様は、個別に申請する前に、全体の復旧計画と申請回数を確認することが重要です。
15.補助金申請で失敗しないための実務上の注意点
本補助金は、補助上限額が大きく、対象となる復旧工事や設備の金額も高額になる可能性があります。
そのため、一般的な補助金以上に、事前の書類整理と経費の確認が重要です。
特に、次の7点には注意してください。
① 被災前・被災後の写真を整理する
被害の程度や復旧の必要性を説明するため、写真は非常に重要です。
施設・設備ごとに写真を整理し、撮影場所、撮影日、被害内容が分かるようにしておくことをおすすめします。
② 固定資産台帳との整合性を確認する
対象となる設備が資産計上されているか、申請する設備と固定資産台帳の記載内容が一致しているかを確認します。
③ 復旧費用と原状回復費用を区分する
高性能設備への入替えや建物の拡張などを行う場合には、原状回復に必要な費用と、それを超える部分を区分する必要があります。
④ 保険金・共済金の状況を整理する
保険金の請求状況、受領額、支払決定通知などを確認し、補助対象経費との関係を整理します。
⑤ 相見積もりを取得する
100万円(税込)以上の工事・購入では、原則2者以上の見積書が必要となります。
早めに施工業者や設備メーカーに見積もりを依頼してください。
⑥ BCPと保険加入要件を確認する
補助事業の実績報告時に確認されるため、申請後に慌てないよう、早い段階で準備します。
⑦ 多重被災事業者の該当性を確認する
過去の災害による支援実績や債務状況など、通常の補助金申請とは異なる確認事項があります。
特に定額補助を希望する事業者様は、企業再建計画の必要性を含めて、早期に専門家へ相談することが重要です。
16.行政書士法人塩永事務所の申請支援
行政書士法人塩永事務所は、熊本市中央区を拠点に、熊本県内の中小企業・小規模事業者の皆様に対して、補助金申請、事業計画策定、経営支援、各種許認可手続きなどを行っています。
当事務所は、国から認定を受けた認定経営革新等支援機関です。
くまもと事業者再出発支援補助金についても、単なる申請書類の作成にとどまらず、被災事業者の経営状況や復旧計画を踏まえた総合的な支援を重視しています。
当事務所の主な支援内容
1.補助対象要件の確認
-
中小企業・中堅企業等の区分確認
-
補助対象事業者に該当するかの確認
-
多重被災事業者の該当性確認
-
特定被災事業者の該当可能性の検討
2.被災状況・対象経費の整理
-
被災施設・設備の確認
-
固定資産台帳との照合
-
被災写真・証明資料の整理
-
修繕・入替え・建替えの適否の検討
-
見積書・保険金等の確認
3.企業再建計画・事業計画の策定支援
-
財務状況の整理
-
過去の災害に係る債務の確認
-
売上・利益計画の検討
-
資金繰り計画の整理
-
経営再建方針の明確化
-
認定経営革新等支援機関としての計画確認
4.補助金申請書類の作成
-
交付申請書
-
補助事業計画書
-
被災状況説明資料
-
対象経費の整理
-
各種理由書
-
多重被災事業者の定額補助関係書類
5.実績報告に向けた準備支援
-
復旧工事・設備購入関係書類の整理
-
支払証拠資料の確認
-
BCP関係資料の準備
-
保険・共済加入状況の確認
-
実績報告に必要な書類の整理
※金融機関による確認、税務申告、保険契約の締結、建築・設備工事などは、それぞれの専門機関・事業者との連携が必要となります。
認定経営革新等支援機関だからこそ対応できる経営面のサポート
今回の補助金は、単に被災した設備を修理するだけの制度ではありません。
過去の災害からの復興途上にある企業にとっては、今回の地震を契機として、財務状況や事業構造を見直し、今後の経営再建を進める重要な機会にもなります。
行政書士法人塩永事務所では、認定経営革新等支援機関としての知見を活用し、次のような視点から支援します。
-
被災前後の経営状況の比較
-
復旧投資の必要性と妥当性
-
売上回復の見通し
-
収益性の改善
-
借入金返済の見通し
-
資金繰りの安定化
-
BCPを活用した災害対応力の強化
なお、認定経営革新等支援機関による確認は、補助金の採択や交付を保証するものではありません。また、融資の実行や金融機関による返済条件変更等を保証するものでもありません。
17.よくある質問(FAQ)
Q1.熊本地震で被災した店舗の修繕費用は補助対象になりますか?
事業用施設であり、今回の地震による被害と修繕内容との関係が確認でき、その他の要件を満たす場合には対象となる可能性があります。
原則として施設の登記状況なども確認します。
Q2.既に修理を終えていますが、申請できますか?
令和8年7月28日の発災日以降に復旧した経費については、一定の要件を満たせば対象となる可能性があります。
発注書、契約書、請求書、領収書、振込記録、被災写真などを確認します。
既に復旧が完了している場合には、実績報告の提出期限にも注意が必要です。
Q3.保険金を受け取った場合でも申請できますか?
申請できる場合があります。
ただし、原則として保険金・共済金等の受領額は補助対象経費から控除されます。
Q4.多重被災事業者の定額補助を受けるには、認定経営革新等支援機関が必要ですか?
多重被災事業者の要件③のイ、すなわち厳しい債務状況にあり、経営再建に取り組む事業者として申請する場合には、認定経営革新等支援機関による事業計画等の確認が必要です。
売上高20%以上減少の要件③のアで申請する場合には、この確認は同要件として求められていません。
Q5.最大15億円まで補助を受けられるのですか?
15億円は一定の要件を満たす事業者の補助上限額です。
すべての事業者が15億円を申請できるわけではありません。
通常の中小企業者等の補助上限額は3億円です。
Q6.小規模事業者でも申請できますか?
はい。対象要件を満たす小規模事業者も申請できます。
個人事業主についても、対象となる場合があります。
Q7.熊本県外に本社がある会社でも申請できますか?
熊本県内に事業所を有することが基本要件です。
県外本社の企業については、法人の規模、県内事業所の状況、被災資産の所有関係などを確認する必要があります。
Q8.申請書類の作成だけを依頼できますか?
ご相談ください。申請書類の作成、対象経費の整理、必要資料の確認など、ご依頼内容に応じて対応します。
多重被災事業者の企業再建計画についても、認定経営革新等支援機関として対応可能です。
18.まとめ|熊本地震からの事業再建は、早期の準備と専門的な確認が重要です
くまもと事業者再出発支援補助金は、令和8年熊本地震によって被災した熊本県内の事業者にとって、事業再建を進めるための重要な支援制度です。
特に、次のような事業者様は、早めに申請可能性を確認することをおすすめします。
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地震で店舗・事務所・工場が被災した事業者
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製造機械・業務用設備が破損した事業者
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事業用車両が被災した事業者
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過去の熊本地震や豪雨災害からの復興途上にある事業者
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過去の災害による借入金を抱えている事業者
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多重被災事業者として定額補助を検討している事業者
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大規模な復旧工事・設備投資を予定している事業者
本補助金は、被災状況の証明、資産の所有関係、対象経費の算定、保険金の控除、企業再建計画など、専門的な判断が必要となる場面が少なくありません。
特に、多重被災事業者の定額補助を検討する場合には、財務状況や過去の災害に係る債務の整理など、早期の準備が重要です。
行政書士法人塩永事務所は、熊本の認定経営革新等支援機関として、被災事業者の皆様の事業再建と補助金申請を専門的な立場からサポートいたします。
熊本の補助金申請・企業再建計画のご相談は行政書士法人塩永事務所へ
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多重被災事業者の定額補助に関する相談
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