
【2026年10月最新版】永住許可申請 完全ガイド|要件・必要書類・手数料・審査のポイントを行政書士が解説
日本で長く安心して暮らしたい外国人の方へ
- 日本に10年以上住んでいるけれど、永住申請できる?
- 税金や年金を少し遅れて払ったことがあるけれど大丈夫?
- 現在の在留期間が3年でも永住申請できる?
- 「技術・人文知識・国際業務」から永住者になりたい
- 日本人と結婚している場合、10年住んでいなくても申請できる?
- 永住と帰化、どちらを選ぶべき?
永住許可を検討されている方から、このようなご相談を数多くいただきます。永住許可は日本での生活を長期的に安定させるための重要な手続ですが、「長く住んでいれば自動的に許可される」制度ではありません。
出入国在留管理庁は、2026年2月24日に「永住許可に関するガイドライン」を改訂し、納税・公的年金・公的医療保険の保険料などの公的義務を期限内に履行していたかどうかを、判断要素として明記しました。さらに、2026年8月4日に公表された改定案は、意見公募を経て、2026年10月1日に正式に改定されています。あわせて、同日から永住許可の手数料も20万円になりました。
適用時期は二段階です。
- 原則:改定後のガイドラインは2027年4月1日以降の申請から全面的に適用されます。
- 例外(収入・「公共の負担とならないこと」):改定日の6か月前(2026年4月1日)以降に申請し、改定日時点で審査中の案件にも適用されます。
申請時期によって適用される基準が変わるため、ご自身がどちらに当たるかを早めに確認することが重要です。
1.永住者とは?
「永住者」は、出入国在留管理庁が定める在留資格の一つです。入管庁も、永住者は在留活動と在留期間のいずれも制限されないと説明しています。
主なメリット
- 就労活動の制限がなくなる
- 転職・起業などの選択肢が広がる
- 活動内容を変えるたびに許可を受ける必要がなくなる
- 在留期間の更新が不要になる
- 日本での長期的な生活設計を立てやすくなる
- 住宅ローンなどの審査で有利に働く場合がある
ただし、永住者になっても在留カード自体の有効期間はなくならず、カードの更新手続は必要です。また、永住許可は入管法第22条に基づき、法務大臣の許可を受けて初めて認められるものです。
2.いま特に注意したい4つのポイント
① 税金・年金・健康保険料は「今払っていればOK」ではない
ガイドラインは、税金、公的年金、公的医療保険の保険料、入管法上の届出などの公的義務を適正に履行していることを求めています。申請時点で納付済みでも、当初の納付期限内に履行されていなければ、原則として消極的に評価されます。「去年の住民税を忘れていたが、申請前に全額払った」というケースでも、現在の未納の有無だけでは判断されません。期限内に払っていたかを含め、過去の納付状況を確認する必要があります。
② 「年収300万円以上なら必ずOK」ではない
「年収300万円以上、扶養1人につき70万円加算」という説明はインターネット上で広く見られますが、これは従来の実務上の目安にすぎず、法律で一律に定められた金額ではありません。法律上の要件は「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」です。日常生活で公共の負担とならず、将来にわたって安定した生活が見込まれるかが、総合的に審査されます。
2026年10月1日の改定では、収入について**「世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているか」**が考慮要素として明記されました。また、同一生計の世帯全体の収入を見る考え方が示されています。たとえば「家族滞在」など就労を目的としない在留資格の家族が資格外活動で得た収入は、合算の対象外とされています。この部分は先行適用の対象です。
③ 手数料が1万円から20万円に
2026年10月1日以降に受け付けた申請から、永住許可の手数料は20万円です。納付は許可時に行います。9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月以降になっても1万円です。生活困窮など一定の事情がある場合の減額措置もあります(窓口申請のみ。詳細は入管庁の案内をご確認ください)。
④ 在留期間「3年」の扱いが変わる
詳細は「5.現在の在留期間が3年でも申請できる?」で解説します。
3.永住許可の法律上の基本要件
入管法とガイドラインは、次の3つを基本要件としています。
① 素行が善良であること
法律を守り、住民として社会的に非難されることのない生活を送っていることが必要です。犯罪歴、罰金刑、重大な交通違反、不法就労、資格外活動違反、入管法上の届出義務違反などが問題になる場合があります。軽微な交通違反であっても一律に問題ないとは言えず、違反の内容・回数・時期などから個別に判断されます。
② 独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
公的扶助に頼らず、将来も安定した生活が見込まれることが求められます。収入、雇用の安定性、勤続状況、扶養家族、世帯収入、資産、事業の安定性などが総合的に確認されます。
③ 永住が日本国の利益に合すると認められること
主な内容は次のとおりです。
- 在留期間:原則として引き続き10年以上在留し、そのうち就労資格または居住資格で引き続き5年以上在留していること。技能実習と特定技能1号の期間は、この「5年以上」に含まれません。
- 罰金刑・拘禁刑がないこと、公的義務を適正に履行していること
- 現在の在留資格で最長の在留期間を持っていること(経過措置あり。5参照)
- 現在の在留資格について、上陸許可基準等に適合していること
- 公衆衛生上、有害となるおそれがないこと
例外:日本人・永住者・特別永住者の配偶者または子は、①素行善良と②独立生計の要件が不要です。難民認定を受けた方、補完的保護対象者、第三国定住難民は、②が不要です。
4.10年住んでいなくても永住申請できる?
はい。次の場合は、10年の在留要件が短縮されます(2026年10月改定前の基準です。配偶者特例などは2027年4月1日以降の申請から厳格化されます)。
- 日本人・永住者・特別永住者の配偶者:実体を伴う婚姻生活が3年以上継続し、かつ引き続き1年以上日本に在留していること(改定後:婚姻5年以上・在留3年以上)
- その実子等:引き続き1年以上在留していること(改定後:3年以上)
- 定住者:「定住者」の在留資格で5年以上継続して在留していること
- 難民・補完的保護対象者:認定後5年以上継続して在留していること
- 我が国への貢献が認められる方:外交・社会・経済・文化等の分野での貢献が認められ、5年以上在留していること
- 地域再生計画に基づく特定活動の方:3年以上継続して在留していること
- 高度専門職:80点以上の場合は1年以上、70点以上の場合は3年以上、その点数を維持して在留していること
- 特別高度人材(J-Skip):1年以上継続して在留していること
「10年住んでいないから無理」とは限りません。現在の在留資格とこれまでの在留歴の確認が重要です。
5.現在の在留期間が「3年」でも永住申請できる?
2026年2月24日改訂のガイドラインでは、現在の在留資格について法令上の最長の在留期間(多くの就労系資格では5年)を持っていることが要件として明記されました。ただし、次の経過措置があります。
- 2027年3月31日まで:在留期間「3年」でも、最長の在留期間を持つものとして扱われます。
- 2027年3月31日時点で「3年」の在留期間を持つ方:2027年4月1日以降の初回の申請に限り、その「3年」の在留期限までに処分(結果)を受ける場合は、同様に扱われます。
後者は、申請の時期だけでなく処分を受ける時期が条件です。結果が出る日は申請者が決められないため、「3年の在留資格があれば、いつ申請しても大丈夫」とは言えません。2027年4月1日以降は原則として5年の在留期間が必要になるため、3年の方は申請時期の検討が特に重要です。在留期間「1年」の場合も、原則として最長の在留期間の要件を満たさないため、慎重な検討が必要です。
6.2026年10月1日改定ガイドラインのポイント
2026年10月1日、出入国在留管理庁は「永住許可に関するガイドライン」を正式に改定しました。
適用時期
| 内容 | 適用の起点 |
|---|---|
| 収入・「公共の負担とならないこと」 | 2026年4月1日以降の申請で、10月1日時点で審査中の案件にも適用 |
| 年金、日本語能力、配偶者特例、長期出国など、その他 | 2027年4月1日以降の申請から |
| 手数料20万円 | 2026年10月1日以降に受け付けた申請から |
主な変更点
- 世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準の継続(先行適用)
- 将来の年金受給見込額の考慮(厚生年金30年加入相当を目安とし、不足分は金融資産で補える扱いとされています)
- 日本語能力(CEFR B1相当)の考慮
- 配偶者特例の厳格化(婚姻5年・在留3年)
- 実子等の特例の厳格化(在留3年)
- 長期の海外滞在を消極的に評価する考え方
「10月より前に申請すれば旧基準で安心」とは限りません。収入と公共の負担については、2026年4月1日以降に申請して審査中の案件も新基準で審査されます。
7.永住許可と帰化の違い
帰化は日本国籍を取得して日本人になる手続です。永住許可は、外国籍のまま日本で安定して生活するための制度です。どちらが適しているかは、国籍、家族関係、今後の生活設計(選挙権、母国とのつながり、パスポートの利便性など)によって異なります。日本人配偶者のいる方や、母国の国籍を維持したい方は、特に慎重な比較が必要です。
8.主な必要書類
必要書類は、現在の在留資格や家族関係などによって異なります。一般的な例は次のとおりです。
- 永住許可申請書、写真、パスポート、在留カード
- 住民票、身分関係を証明する資料
- 所得・納税関係資料
- 年金の納付状況を確認できる資料
- 健康保険の加入・納付状況を確認できる資料
- 在職証明書など、収入を証明する資料
- 身元保証書・身元保証人に関する資料
- その他、申請人の状況に応じた資料
たとえば、日本人の配偶者として申請する場合と、「技術・人文知識・国際業務」から申請する場合では、必要書類も確認すべき事項も異なります。
9.「理由書」は必要?
申請人の状況に応じて、永住を希望する理由や日本での生活状況を説明する書面が有効な場合があります。ただし、理由書を出せば許可されるわけではありません。大切なのは、日本で生活を続けたい理由、現在の仕事、生活基盤の安定性、家族の状況、今後の生活の予定を、実情に沿って一貫して説明することです。
10.申請の流れ
- 要件の確認:在留年数、在留資格と在留期間、仕事、収入、扶養家族、税金・年金・健康保険の納付状況、交通違反・犯罪歴、入管への届出状況などを確認します。ここを飛ばして書類集めから始めるのはおすすめできません。
- 必要書類の収集:役所、勤務先、年金事務所などから証明書を取得します。外国語の書類には日本語訳が必要になる場合があります。
- 申請書類の作成:申請書のほか、必要に応じて理由書や補足資料を作成します。転職歴や在留歴に特殊な事情がある場合は、分かりやすく説明できる資料を準備します。
- 入管へ申請:原則として、住所地を管轄する地方出入国在留管理官署に申請します。熊本県の場合は福岡出入国在留管理局の管轄で、熊本出張所でも在留関係の申請を扱っています。
- 審査:追加資料の提出や事情確認を求められることがあります。
- 結果:許可されると、永住者の在留カードが交付されます。許可時に手数料(20万円)を納付します。なお、審査中に現在の在留期間が満了する場合は、別途、在留期間更新許可申請が必要です。
11.審査期間はどのくらい?
入管庁が公表する標準処理期間は4か月~6か月です。ただし実際の期間は、申請内容、提出資料、追加資料の有無、申請時期、個別事情によって変わります。余裕をもって準備を進めることをおすすめします。
12.こんな方は申請前に専門家へ相談を
- 税金を過去に遅れて払ったことがある(現在は完納していても、期限後の納付は消極的に評価される可能性があります)
- 年金を払っていない期間がある
- 健康保険料に未納・遅延がある
- 転職回数が多い(転職自体が直ちに不許可の理由にはなりませんが、収入や在留資格との整合性の確認が必要です)
- 交通違反が複数ある
- 在留期間が3年(経過措置の条件を含め、申請時期の確認が必要です)
- 日本人と結婚している(配偶者特例の対象になる可能性があります。ただし2027年4月以降は要件が厳格化されます)
- 高度専門職・J-Skipに該当する(在留年数の短縮特例を使える可能性があります)
- 世帯の収入が日本人世帯の平均を上回るか不安がある
- 永住と帰化のどちらを選ぶか迷っている
13.「不許可になってから相談」では遅い?
永住許可は、書類をそろえて出せばよい手続ではありません。税金・年金・健康保険料の納付に遅れがある、在留期間が短い、在留資格と実際の仕事が合っていない、転職や退職を繰り返している、扶養家族が多い、交通違反が多い、海外滞在期間が長いといった場合は、申請時期や補足説明を慎重に検討する必要があります。大切なのは「申請すること」ではなく、許可される可能性が高い状態で申請することです。
14.行政書士法人塩永事務所の永住許可申請サポート
行政書士法人塩永事務所では、熊本を拠点に、永住許可申請の相談・書類作成・申請取次をサポートしています。
- 永住許可の可能性の事前診断(在留歴、在留資格、収入、税金、年金、健康保険、家族関係など)
- 必要書類のリストアップ
- 書類収集のサポート
- 永住理由書・説明資料の作成
- 申請書類の作成・確認
- 入管への申請取次
- 追加資料への対応
- 不許可の場合の再申請相談
- 永住と帰化の比較・選択に関する相談
15.永住申請は「早めの相談」が重要です
永住許可は「10年経ったから申請する」だけの制度ではありません。特例に該当すれば、10年を待たずに申請できる場合があります。一方で、税金・年金・健康保険料などの公的義務は、過去の納付状況が問題になることがあります。
2026年は、10月1日のガイドライン改定と手数料20万円化があり、2027年4月1日には全面適用と3年の在留期間の経過措置終了が控えています。申請時期の判断が、これまで以上に重要です。「そろそろ永住を考えている」という段階で、一度これまでの在留歴と公的義務の履行状況を確認しておくことをおすすめします。
熊本で永住許可申請をお考えなら、行政書士法人塩永事務所へ
「自分は永住申請できる?」「10年住んでいないけれど申請できる?」「税金を遅れて払ったことがある」「在留期間が3年だけど申請したい」「日本人と結婚しているが、永住と帰化のどちらがよい?」——こうしたご相談も、まずは現在の状況を確認することから始められます。熊本を中心に、全国からのご相談に対応しています。
事務所情報
行政書士法人塩永事務所
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電話:096-385-9002
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