
熊本で離婚協議書を作成するには?書き方のポイント、必要書類、注意点を徹底解説
夫婦が話し合い、合意のうえで離婚する方法を**「協議離婚」**といいます。夫婦双方が離婚に同意し、市区町村役場に離婚届を提出して受理されれば成立するため、日本で最も多い離婚の形です。熊本県内でも、離婚の大半が協議離婚です。
ただし、手続きが簡単な分、養育費や財産分与などの取り決めをしないまま離婚届だけを出してしまうケースも少なくありません。後悔やトラブルを防ぐには、決めた内容を**「離婚協議書」**として書面に残すことが重要です。
この記事では、熊本で離婚を考えている方に向けて、離婚協議書の記載事項、必要書類、作成時の注意点を解説します。
離婚協議書とは?
協議離婚の一般的な流れは次のとおりです。
- どちらかが離婚を切り出す
- 離婚条件を話し合う
- 離婚協議書を作成する
- 市区町村役場に離婚届を提出する
離婚協議書とは、離婚にあたって夫婦が合意した内容を記載した契約書です。親権、養育費、財産分与、慰謝料などを書面にしておかないと、「言った・言わない」の争いになったり、支払いが滞ったりするおそれがあります。熊本で協議離婚を進める場合も、離婚届を出す前に条件を書面に残しましょう。
離婚協議書に記載すべき事項
離婚協議書には、主に次の事項を記載します。
- 離婚の合意(協議離婚であること)
- 離婚届の提出者と提出時期
- 財産分与:対象財産の種類と内容、支払う側・受け取る側、金額、支払方法、支払日
- 年金分割:按分割合など
- 慰謝料:支払う側・受け取る側、金額、支払方法、支払日
- 養育費:支払う側・受け取る側、金額、支払方法、支払日、支払いの終期(例:20歳に達する月まで、大学卒業まで)、病気や進学など特別な費用の負担割合
- 親権者・監護者:未成年の子どもについて
- 面会交流:頻度、時間、子どもの受け渡し方法など
- 強制執行認諾文言付き公正証書の作成に同意する旨
- 同一の書面を2通作成し、各自1通を保管する旨
最後に、夫婦それぞれが住所・氏名を記載して署名押印します。離婚協議書には法律上決まった書式がないため、自分たちで作成することも可能です。
離婚協議書の作成に必要な書類
状況によって、基本の書類に加えて追加の書類が必要になります。なお、公正証書にする場合は、公証役場ごとに求められる書類が異なることがあるため、事前に確認してください。
基本の書類(夫婦それぞれが準備)
- 実印と印鑑登録証明書(発行から3か月以内)
- 海外在住などで印鑑登録ができない方は、サイン証明書(領事館・大使館で取得)で代用できます。
- 本人確認書類(いずれか1点)
- 運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど(顔写真付きのもの)
- 実印と印鑑証明書を提出する場合は、通常これで本人確認ができます。
- 代理人に依頼する場合は、代理人の本人確認書類に加え、本人の印鑑登録証明書と、実印を押した委任状が必要です。
未成熟子がいる場合
発行から3か月以内の戸籍謄本が必要です。未成熟子とは、経済的に自立して生活することが難しい子どもを指します。「未成熟子=未成年」ではなく、未成年でも経済的に自立していれば未成熟子には当たりません。逆に、成年に達していても、大学在学中などで自立できていなければ該当することがあります。
財産分与がある場合
- 不動産:登記事項証明書(登記簿謄本)、固定資産評価証明書(または固定資産税納税通知書)
- 自動車:車検証、査定書(資産価値がある場合)
- 生命保険:保険証券、解約返戻金証明書
- 株式などの有価証券:内容を証明できる資料
年金分割をする場合
- 夫婦双方の年金手帳または基礎年金番号通知書(コピー可)
- 年金分割のための情報通知書(年金事務所で請求)
※年金手帳は2022年4月以降に新規交付が終了しており、現在は基礎年金番号通知書などが使われます。
離婚協議書を作成する際の5つの注意点
1. 公正証書にする
離婚協議書を強制執行認諾文言付きの公正証書にしておくと、養育費などの支払いが滞った場合に、裁判を経ずに給与や預貯金の差押えができます。公正証書は、公証役場で公証人が作成する公文書で、信頼性と証明力が高いのが特徴です。熊本県内にも公証役場があるので、事前に予約して利用しましょう。手数料は取り決めた金額に応じて決まり、数万円程度になることが多いです。
2. DV・モラハラのおそれがある場合は、最初から専門家や相談窓口へ
相手が暴力的な場合、離婚を切り出すことで危険が高まることがあります。二人きりでの話し合いは避け、早めに弁護士や公的な相談窓口に相談してください。熊本県や熊本市にも、DVや女性の悩みを受け付ける相談窓口があります。
3. 子どもの前で話し合わない
激しい言い争いを目にすると、子どもが自分を責めたり、心に深い傷を負ったりすることがあります。子どもがいない時間帯に話し合うか、信頼できる親族に預けるなどの配慮をしましょう。
4. 事前に希望条件を整理しておく
話し合う事項は多岐にわたります。希望する条件を書き出し、譲れない点と譲歩できる点を区別しておくと、冷静に交渉を進められます。
5. 勝手に離婚届を出されるおそれがある場合は「離婚不受理申出」をする
協議離婚は双方の合意が前提ですが、一方が勝手に離婚届を出してしまう事例もあります。届出が受理されてしまうと、無効を主張するには家庭裁判所での手続きが必要となり、時間も費用もかかります。
心配な場合は、離婚不受理申出を役所の窓口で提出しておきましょう。この申出をしておけば、相手が単独で離婚届を出しても受理されません。申出の効力は、本人が取り下げるまで続きます。熊本市であれば区役所など、お住まいの市区町村の窓口に確認してください。
まとめ:熊本で離婚協議書を作るなら専門家へ
離婚協議書は自分で作成することもできますが、内容に漏れや曖昧な点があると、離婚後に大きなトラブルにつながります。公正証書にする場合も、文案の作成や必要書類の準備には手間がかかります。
行政書士は、離婚協議書や公正証書の原案作成など、書類作成の専門家です。ただし、相手方との交渉の代理や、調停・裁判の代理は弁護士の業務となります。
熊本で離婚協議書の作成をお考えの方は、ぜひ行政書士法人塩永事務所までお気軽にご相談ください。
