
外為法対応サポート|対内直接投資の業種該当性確認・事前届出・事後報告・経済産業省への照会を支援
行政書士法人塩永事務所|外国法人による日本法人設立・外国資本の出資手続に対応
外国法人が日本で会社を設立する場合や、日本法人に出資・株式取得をする場合には、外国為替及び外国貿易法(以下「外為法」)の対内直接投資等に関する規制を確認する必要があります。
外為法では、外国投資家による一定の投資について、投資対象の事業内容、投資の形態、投資家の属性などに応じて、事前届出や事後報告が求められます。制度の基本は、外国投資家が事前届出対象の業種を営む日本企業に株式取得などを行う場合に、投資の実行前に審査付きの事前届出を義務付けるものです。審査は原則として30日間の投資禁止期間内に行われます。届出が必要な投資を届出なしに実行した場合や、命令に従わない場合には、罰則の対象となりえます。 meti
そのため、外国資本が出資する日本法人を設立する際は、会社設立登記の準備と並行して、外為法上の規制対象になるか、どの届出・報告が必要かを確認し、投資実行までのスケジュールを管理することが重要です。
当事務所では、次の支援を行っています。
- 業種該当性の検討・検討書の作成
- 事前届出書の作成・提出支援
- 事後報告書の作成・提出支援
- 経済産業省への告示解釈照会書の作成
- 審査中の追加質問への対応
書類を作成するだけでなく、事業内容、出資構成、投資の実行予定日、所管省庁などを整理し、必要な手続きを漏れなく進められるよう支援します。
1. 外為法対応が必要となる主なケース
次のようなケースでは、外為法上の手続きが必要かどうかを確認します。
- 外国法人が出資して、日本法人を新設する場合
- 外国法人が、日本法人の株式を新たに取得する、または既存株主から譲り受ける場合
- 外国投資家が、日本法人の役員の選任に同意するなど、一定の経営上の行為に関与する場合
- 外国法人が、日本企業の事業を譲り受ける場合
- 出資を受ける日本企業が、半導体、電子部品、情報通信、機械、航空宇宙、エネルギーなどに関連する事業を営む場合
ただし、外国法人が出資するというだけで、すべての案件に事前届出が必要になるわけではありません。 判断では、次の点を総合的に確認します。
- 投資家が外為法上の「外国投資家」に該当するか
- 投資の種類(新設時の株式引受け、既存株式の取得、役員選任への同意、事業譲受けなど)
- 投資先が営む事業が指定業種に該当するか、コア業種に該当するか
- 免除制度を利用できるか
事前届出が不要な場合でも、一定の投資については事後報告が必要になることがあります。非上場会社の株式取得や、上場会社の議決権の1%以上の取得などの対内直接投資を行う外国投資家は、一般に事後報告の対象になるとされています。 law
出資比率だけで届出の要否を判断せず、投資の実行形態と事業の実態に基づいて確認することが重要です。
2. サポート業務の概要
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| (1) 業種該当性の検討・検討書作成 | 投資先の事業が指定業種・コア業種に該当するかを検討し、書面化します |
| (2) 事前届出書の作成・提出支援 | 届出書と添付資料を作成し、提出を支援します |
| (3) 事後報告書の作成・提出支援 | 報告の要否と期限を確認し、報告書を作成します |
| (4) 経済産業省への告示解釈照会書の作成 | 告示の文言解釈に疑義がある場合の照会書を作成します |
| (5) 審査中の追加質問への対応 | 回答案や補足資料を作成します |
案件の内容に応じて、個別にも、一連の手続きとしてまとめてもご依頼いただけます。
3. 業務の詳細
(1) 業種該当性の検討・検討書作成
外為法対応の最初の段階は、投資先の日本法人が営む事業について、指定業種への該当性を検討することです。ここでの判断が不十分なまま設立や出資を進めると、必要な事前届出をしないまま投資を実行してしまうおそれがあります。
指定業種は、告示により約180業種が定められています。事業の一部でも該当しうるため、定款の事業目的だけで判断せず、実際の事業を確認します。 meti
① 外国投資家の属性確認
次の点を確認し、外為法上の「外国投資家」に該当するかを、法令上の定義に照らして判断します。
- 法人の名称、所在地、設立準拠法
- 事業内容、事業実態
- 株主構成、議決権の保有状況、必要に応じて上位株主・支配関係
- 日本法人への出資予定額・出資割合
- 投資の目的、投資後の経営関与の予定
外国法人本人でなくても、外国投資家が一定割合以上を出資する日本法人などが外国投資家に該当する場合があります。新設する日本法人が将来、別の日本企業へ投資する場面でも、この点が影響します。
② 日本法人の事業内容の確認
次のような資料から、実際に行う予定の事業を確認します。
- 定款案、登記事項の予定
- 事業計画書、会社案内、製品・サービスの説明資料
- 製造・加工・梱包・保管・輸送などの業務内容
- 取引先、仕入先、販売先
- 取り扱う製品・部品・材料の種類
- 技術情報、製造設備、ソフトウェアの取扱い
- 親会社・関連会社との業務上の関係
複数の事業がある場合は、事業ごとに分けて検討します。
③ 指定業種・コア業種への該当性の検討
外為法、関係政令・命令、指定業種に関する告示などと、確認した事業内容を照合します。コア業種のうち、特に高リスクの類型(経済安全保障推進法上の特定社会基盤事業者でコア業種に属する事業者など)への投資については、免除制度の見直しが2025年5月に施行されています。免除の可否は、投資家の属性や投資の類型で変わるため、現行の要件を個別に確認します。 meti
④ 届出・報告の要否判定
検討結果を踏まえ、次の事項を整理します。
- 事前届出が必要となる可能性
- 事前届出免除制度を利用できる可能性(免除は主に上場株式等の取得が対象で、新設時の出資や非上場会社の株式取得では原則として利用できないため、類型ごとに確認します)
- 事後報告の要否と期限
- 経済産業省その他の事業所管省庁への確認の要否
- 会社設立登記や出資払込みとのスケジュール調整
届出が不要と判断した場合も、その根拠を書面で残しておくことが重要です。
⑤ 業種該当性検討書の作成
検討書には、主に次の内容を記載します。
- 案件の概要、投資家・日本法人の概要
- 投資形態、出資割合
- 日本法人の具体的な事業内容
- 確認した法令・告示
- 指定業種・コア業種への該当性の検討
- 事前届出・事後報告の要否と、その理由
- 追加確認が必要な事項、今後の手続きとスケジュール
検討書は、当事務所による法令・資料の確認結果をまとめたものです。行政機関による認定や、届出不要の証明ではありません。
(2) 事前届出書の作成・提出支援
指定業種に関係する一定の投資で事前届出が必要な場合は、原則として投資の実行前に届出を行い、審査を受けます。届出は実行後でよい手続きではないため、届出の時期と実行の時期の管理が重要です。
① 事前届出の必要性・届出区分の確認
業種該当性の検討結果に基づき、対象となる投資行為、届出者、投資先、適用される様式を確認します。
② 必要資料の収集・整理
- 外国投資家の法人情報、事業概要
- 株主構成・支配関係を確認できる資料
- 日本法人の定款案、事業計画書
- 投資予定額、出資割合、議決権に関する情報
- 役員構成に関する情報
- 投資後の事業運営・経営関与の説明資料
- 必要に応じた製品・技術・設備・取引の補足資料
外国語の資料は内容を正確に把握して整理します。翻訳文の要否は、案件に応じて確認します。
③ 事前届出書の作成
所定の様式に沿って、届出者、投資先、投資内容、取得予定の株式等、実行予定日などを記載します。登記関係書類、出資契約書、事業計画書との整合性を確認し、事業内容の説明が抽象的にならないよう、実際の事業と届出対象業種との関係を明確にします。
④ 提出準備・提出支援
届出・報告は、日本銀行を経由して財務大臣と事業所管大臣に提出します。提出方法、添付資料、電子申請の利用条件などは、届出の種類に応じて確認します。 nishimura
⑤ 審査期間と実行日の管理
受理後は原則30日間の待機期間があり、審査の状況により短縮または延長され、合計で最長5か月までとなります。届出日、審査期間、追加質問への対応期間、実行予定日を整理し、関係者と共有できるよう支援します。 law
審査が終わるまでは、出資の払込みや株式の取得などを先行させないよう注意が必要です。
(3) 事後報告書の作成・提出支援
事後報告は、事前届出とは目的・提出時期・適用要件が異なります。事前届出が不要と判断した場合も、事後報告の要否は別に確認する必要があります。
① 報告対象の確認
事後報告が問題になる主な類型は、次のとおりです。
- 事前届出をして投資を実行した後の実行報告
- 免除制度を利用して取得した場合の報告
- 非指定業種を営む企業への一定の対内直接投資の報告
指定業種以外を営む企業への一定の対内直接投資は、投資後の報告が求められます。報告の要否は、投資家の属性、取得する株式の種類、取得割合、投資先の事業内容などで変わります。 meti
② 報告期限の確認
事前届出が必要な場合には、取引完了後45日以内に、日本銀行経由で財務大臣と事業所管大臣へ事後報告を行うものとされています。ただし、すべての報告に一律の期限があるわけではないため、投資実行日、株式取得日、払込日と、適用される規定を照らして期限を特定します。 nishimura
③ 報告書の作成
外国投資家と投資先の名称・所在地、投資実行日、取得した株式等の種類・数量、出資割合・議決権の状況、その他の様式上の記載事項を整理して作成します。
④ 提出支援・記録管理
提出方法を確認し、提出後は提出日、受付情報、控えなどを社内記録として保存できるよう支援します。追加の出資や株式取得を予定している場合は、次の投資についても要否を改めて確認します。
(4) 経済産業省への告示解釈照会書の作成
事業内容が指定業種に関する告示の文言に当たるかの判断が難しい場合は、行政機関への照会を検討します。半導体関連製品の梱包、電子部品の加工、特定技術を利用した製造支援など、事業の実態を見ないと該当性を判断しにくい場合があります。
ただし、照会制度には対象や受付範囲に制限があります。財務省は、外国投資家が事前届出の要否を判断する際の便宜のため、指定業種の該当性リストをウェブサイトで公表しています。まずはこうした公表資料を確認し、そのうえでも疑義が残る論点について照会を検討します。個別企業の届出要否そのものを判断してもらえるとは限らないため、最新の受付範囲・様式は、公表情報で確認します。 keidanren
① 照会の必要性の検討
事業内容と関係告示の文言を照合し、解釈上の論点を抽出します。「この会社は届出が必要か」と尋ねるのではなく、どの文言の解釈が問題かを明確にします。
② 事業内容の整理
次の情報を、照会に必要な範囲で整理します。
- 事業内容、対象となる製品・サービス
- 製造・加工・梱包などの具体的な工程
- 技術、設備、材料、取扱製品の概要
- 問題となる告示の文言と、確認したい点
③ 照会書の作成
照会様式に沿って、照会者情報、告示の文言、事業内容、疑問点を整理します。製品説明書や工程図などの補足資料も準備します。
④ 提出支援
最新の様式・受付方法を確認して提出を支援します。回答の有無・範囲・所要期間は、照会内容や行政機関の取扱いによります。
⑤ 回答内容の整理
回答が得られた場合は、今後の検討にどう活用できるかを整理します。ただし、告示解釈の回答だけで個別案件の届出要否が確定するとは限りません。 最終的には、投資家の属性、投資の種類、事業の実態を踏まえて判断します。
(5) 審査中の追加質問への対応
事前届出の提出後、審査の過程で、財務省や事業所管省庁から追加の説明・資料提出を求められることがあります。届出内容との整合性を保ち、事業実態を正確に説明することが重要です。
① 質問内容の確認
質問の趣旨が、事業内容、製品・技術、外国投資家の支配関係、投資後の経営関与のどれに関するものかを把握します。
② 追加資料の収集・整理
- 製品・サービスの説明資料、事業フロー・工程図
- 取引先・仕入先・販売先の説明
- 株主構成・資本関係を示す資料
- 役員構成・投資後の経営体制の資料
- 技術情報・設備の説明資料
- 事業計画書、関連契約書
営業秘密や技術情報の取扱いに配慮し、必要な情報を適切に整理します。
③ 回答案・補足説明書の作成
事実に基づき、質問の趣旨に沿って具体的に回答します。届出書や追加資料と矛盾しないことを確認します。複数事業がある場合は、指定業種に関係する事業とそれ以外を区分して説明するなど、審査担当者が理解しやすい構成にします。
④ 回答・提出支援
回答期限、提出方法、提出資料を確認し、関係者と連携して準備します。対応に時間を要する場合は、実行予定日への影響を確認し、スケジュールの見直しを支援します。
なお、審査の結果や期間を当事務所が保証することはできません。 事実に反する説明や、審査上必要な情報を意図的に省く対応も行いません。
4. 外国法人による日本法人設立を一括サポート
外国法人が日本で株式会社を設立する場合は、会社法上の設立手続きと外為法上の投資規制を並行して検討する必要があります。
たとえば台湾法人が日本法人の株式の90%を出資するケースでは、出資比率だけで事前届出が確定するわけではありません。台湾法人の属性、設立する法人の事業内容、投資の実行形態などを確認して判断します。また、外国法人が過半数を保有する場合は、設立後の日本法人自身が外国投資家に該当しうるため、将来の投資や役員選任の場面でも外為法上の確認が必要になります。
当事務所では、次の手続きを一連の業務として支援します。
- 外国法人・日本法人の基本情報の確認、出資構成・株主関係の整理
- 事業計画・定款案の確認
- 指定業種への該当性の検討、検討書の作成
- 事前届出・事後報告の要否判定
- 告示解釈照会の必要性の検討
- 事前届出書・事後報告書の作成支援、提出スケジュールの管理
- 審査中の追加質問への回答案・補足資料の作成支援
- 投資実行後の報告義務、今後の投資に関する確認
会社設立登記そのものは、司法書士等の専門家との連携が必要になる場合があります。税務、会計、輸出管理など別個の専門判断が必要な事項も、案件に応じて関係専門家と連携します。
5. 外為法対応を進める際の注意点
事前届出が必要な場合は、投資の実行前に手続きを行うこと。 届出が必要な投資を届出なしで実行すると、勧告・命令や罰則の対象になりえます。出資契約の締結、払込み、株式取得、設立のスケジュールを確認し、必要な手続きを先行させます。
事業目的だけでなく、実際の事業内容を確認すること。 定款の事業目的だけでは、指定業種への該当性を判断できない場合があります。製品、技術、工程、取引内容を具体的に確認します。
事前届出と事後報告を区別すること。 事前届出が不要でも、事後報告が必要なことがあります。要否と期限をあわせて確認します。
免除制度を安易に前提にしないこと。 免除は、投資家の属性、投資の種類、遵守すべき基準によって利用できる範囲が決まります。会社の新設や非上場会社の株式取得では、原則として利用できない前提で検討します。
行政機関への照会が、個別案件の結論を示すとは限らないこと。 告示解釈照会は、告示の文言解釈を確認するための手続きです。
最新の法令・告示・様式を確認すること。 対内直接投資審査制度は見直しが続いています。2026年6月5日に公布された改正法では、間接投資規制の導入、リスク軽減措置の明確化、日本版CFIUS(対日外国投資委員会)の設置などが盛り込まれており、施行日は、一部を除き公布から1年以内に政令で定められます。また、事前届出を経て就任した役員の重任を原則として届出不要とする、100%海外子会社によるグループ内再編にとどまる投資を届出不要とするといった合理化も説明されています。投資実行時点で適用される制度を、最新の様式と提出方法に基づいて確認します。 cisteckeidanren
6. ご依頼から業務完了までの流れ
STEP 1 お問い合わせ・初回相談
外国投資家の国・地域、日本法人の事業内容、出資割合、設立・投資の予定時期をお伺いします。
STEP 2 資料確認・案件の整理
定款案、事業計画書、外国法人の会社情報、株主構成などを確認します。
STEP 3 業種該当性の検討
指定業種・コア業種への該当性、事前届出・事後報告の要否、追加確認の必要性を整理します。
STEP 4 業務範囲・費用・スケジュールのご案内
必要な業務、作成書類、追加対応の範囲、想定スケジュール、報酬をご案内します。
STEP 5 書類作成・提出準備
事前届出書、事後報告書、検討書、照会書などを作成します。
STEP 6 提出・審査対応
提出方法を確認し、必要に応じて追加資料や回答案を準備します。
STEP 7 投資実行・事後手続きの確認
事前届出が必要な場合は、実行が可能となる時期を確認します。実行後に報告義務があれば、期限管理を含めて対応します。
7. 報酬・費用について
報酬は、投資形態、事業内容、指定業種への該当性、作成書類の種類、外国語資料の量、行政機関への照会の有無、審査中の追加質問への対応範囲などによって異なります。一律の料金ではなく、初回相談で案件の概要を確認したうえで、個別にお見積りします。
お見積りでは、原則として次の業務を区分してご案内します。
- 業種該当性の検討・検討書作成
- 事前届出書の作成・提出支援
- 事後報告書の作成・提出支援
- 経済産業省への告示解釈照会書の作成
- 審査中の追加質問への対応
- 外国語資料の翻訳・整理などの付随業務
官公署への手数料等の実費、翻訳費用、他の専門家への別途依頼費用が発生する場合は、報酬と区分してご案内します。
8. 行政書士法人塩永事務所にご相談ください
外国法人による日本法人設立や外国資本の出資では、会社設立手続きだけでなく、外為法上の投資規制への対応も重要です。事前届出の要否を適切に判断しないまま出資や株式取得を進めると、投資計画全体に影響が及ぶおそれがあります。
当事務所では、業種該当性の検討から届出・報告書類の作成、経済産業省への告示解釈照会、審査中の追加質問への対応まで、案件の内容に応じて必要な手続きを支援します。
お問い合わせの際に、外国投資家の国・地域、日本法人の事業内容、出資割合、設立・投資の予定時期をお知らせいただくと、必要な手続きを整理しやすくなります。
行政書士法人塩永事務所は、熊本を拠点に、国内外の企業による日本での事業展開を支援します。
※本ページは一般的な情報提供を目的としており、個別案件の結論を示すものではありません。実際の手続きは、投資の内容と、投資時点で適用される法令・告示・様式に基づいて判断します。
