
韓国国籍離脱の手続・特例申請のサポート|成人した方の重国籍・兵役との関係にも対応
行政書士法人塩永事務所
「日本と韓国の国籍を持つ子どもについて、韓国国籍を離脱させたい」
「成人してしまい、通常の離脱の期限を過ぎている」
「兵役との関係がどうなるのか分からない」
出生時に日本国籍と韓国国籍の両方を取得し、国籍離脱の手続をしないまま成人を迎える方は少なくありません。特に男性の場合は、韓国の国籍法と兵役法の関係から、手続の時期が大きな分かれ目になります。
2022年10月1日施行の改正国籍法では、通常の期限を過ぎた重国籍者について、法務部長官の許可により韓国国籍を離脱できる特例(国籍法第14条の2)が設けられました。ただし、利用できるのは法律上の要件をすべて満たす方に限られ、許可は審査を経て判断されます。
1.韓国国籍離脱とは
韓国国籍を持つ重国籍者が、韓国の国籍法に基づく手続によって韓国国籍を失うことです。日本の国籍に関する手続とは別の制度です。
- 日本の役所に「国籍選択の宣言」をしても、韓国国籍の離脱にはなりません。
- 日本国籍があるからといって、韓国国籍が自動的に消滅することもありません。
- 韓国側で離脱が受理(通常の申告)または許可(特例)された時点で、韓国国籍を喪失します。申請や申告をしただけでは喪失しません。
2.通常の離脱申告と期限
国籍法第14条により、外国国籍を選択しようとする重国籍者は、外国に住所がある場合に限り、住所地を管轄する在外公館を通じて、法務部長官に国籍離脱を申告できます。
男性は、兵役法に基づき、18歳になる年の1月1日に兵役準備役に編入されます。この編入から3か月以内(実務上は18歳になる年の3月31日まで)が、通常の申告期限とされています。この期限を過ぎると、通常の申告は制限され、兵役義務との関係を整理しなければならない場合があります。
3.特例による国籍離脱許可(国籍法第14条の2)
対象者
兵役準備役に編入されてから3か月以内に離脱を申告できなかった重国籍者で、次の①②のいずれかと③の両方に当てはまる方です。
① 外国で出生し、出生後も継続して外国に主な生活の根拠がある方。ただし、出生時に直系尊属が外国で永住の目的なく滞在していた場合は除かれます。
② 6歳未満のときに外国へ移住し、その後も継続して外国に主な生活の根拠がある方。
③ 期限内に申告できなかった正当な事由がある方。
「日本で生まれた」「期限を知らなかった」というだけで、要件を満たすとは限りません。
審査で考慮される事項
法務部長官は、次のような事項を考慮して判断します。
- 出生地と重国籍になった経緯
- 住所地や主な居住地が外国であるか
- 韓国への入国回数、滞在の目的・期間
- 韓国国民にのみ認められる権利を行使したか
- 重国籍により、外国での職業選択に相当な制限や不利益があるか
- 兵役義務履行の公平性と調和するか
許可の判断にあたっては、原則として国籍審議委員会の審議を経ます。要件を満たしていても、許可が保証されるわけではありません。
4.男性の方は兵役との関係に注意
次のような事情がある場合は、離脱の可否や方法に影響することがあります。
- 18歳になる年の3月31日までに離脱を申告していない
- 韓国の兵役関係の通知を受けたことがある
- 韓国への渡航歴や長期滞在歴がある
- 韓国の家族関係登録や兵役の状況が分からない
国籍法上の要件と、兵役法上の状況は別々に確認する必要があります。まず登録状況と兵役関係を確認し、通常の申告か特例申請かを検討します。
5.手続の流れ
- 事実関係の確認:父母の国籍、出生地、居住歴、韓国への渡航歴、韓国の家族関係登録の状況、過去の申告の有無を確認します。
- 適用手続の検討:通常の申告か、特例の許可申請かを整理します。
- 書類の収集:韓国の基本証明書・家族関係証明書、日本の戸籍関係書類、居住歴や入出国歴の資料などを集めます。
- 申請書類・理由書の準備:期限内に申告できなかった事情や、外国での生活状況を、裏付け資料と整合する形で整理します。
- 在外公館を通じた申請:住所地を管轄する韓国大使館・総領事館に提出します。公館から法務部長官に送付されます。
- 審査・追加資料への対応:追加資料を求められることがあります。
- 日本側の手続:韓国国籍の離脱後は、日本の戸籍に関する届出(外国国籍喪失届など)が必要になる場合があります。期限や様式は本籍地の役所で確認してください。
必要書類は、申請者の事情と管轄公館の最新の案内によって異なります。公館に提出する書類は、申請書と、申請資格や考慮事項を裏付ける資料が基本です。
6.母親が日本に帰化している場合
母親が日本に帰化したことで、母親自身は韓国国籍を失っても、お子様の韓国国籍が当然に消滅するとは限りません。次の点を個別に確認する必要があります。
- 出生時点での父母の国籍
- 出生地と、出生後の居住歴
- 韓国の家族関係登録の状況
- 日本の戸籍上の記載
- 過去の国籍選択・離脱に関する手続
- 男性の場合は兵役との関係
7.費用の目安(税込)
| 業務内容 | 報酬の目安 |
|---|---|
| 初回相談・基本的な制度説明 | 11,000円〜 |
| 特例該当性の調査・方針の検討 | 33,000円〜 |
| 特例申請サポート(1人分) | 165,000円〜 |
| 2人分を同時に依頼する場合 | 275,000円〜 |
- 上記は目安で、確定見積もりではありません。
- 公館の手数料、証明書の取得費、翻訳費、郵送費は別途必要になる場合があります。
- 許可を保証するものではありません。
8.当事務所のサポート内容
- 初回相談と、通常の申告・特例の制度整理
- 出生時の国籍・家族関係、居住歴の確認
- 必要書類の確認と収集の支援
- 期限内に申告できなかった事情の整理と、理由書の作成支援
- 追加資料への対応に向けた書類整理
申請は申請者ご本人が韓国公館に対して行います。韓国法に関する最終的な判断と許可の可否は、韓国の関係機関が行います。案件によっては、韓国公館や韓国の専門家への確認をおすすめします。
9.よくある質問
Q1.成人した子どもでも韓国国籍を離脱できますか。
通常の申告ができるか、特例の許可申請の対象になるかによって異なります。条文上、年齢そのものが要件ではありませんが、出生・居住の状況や正当な事由などの要件を満たす必要があります。
Q2.日本国籍があれば、韓国国籍は自動的になくなりますか。
いいえ。韓国側で離脱の手続を行う必要があります。
Q3.2022年の改正で、誰でも離脱できるようになったのですか。
いいえ。出生・居住の要件と、期限内に申告できなかった正当な事由などを満たす重国籍者に限られ、審査を経て許可されます。
Q4.母親が日本に帰化すれば、子どもの韓国国籍もなくなりますか。
当然には消滅しません。お子様の出生時の国籍や、韓国側の登録状況を確認する必要があります。
Q5.どのくらい期間がかかりますか。
書類の収集状況や韓国側の審査状況によって異なり、一律にはお答えできません。
10.ご相談はお気軽に
「成人しているが離脱できるのか」「兵役との関係が分からない」「母が帰化している場合はどうなるか」など、個別の事情を伺ったうえで、必要な手続・書類・費用の目安をご案内します。
※本記事は一般的な制度の説明であり、個別案件の許可を保証するものではありません。実際の申請にあたっては、最新の韓国法令と管轄公館の案内をご確認ください。
