
墓地・霊園・納骨堂の経営許可の手続き|流れ・必要書類・注意点を行政書士が解説|行政書士法人塩永事務所
墓地・霊園・納骨堂を新しく設けて経営するには、行政の許可が必要です。土地を確保し、建物や区画の計画ができていても、許可を受ける前に利用者の募集や工事を進めることはできません。
この記事では、経営許可を受けるまでの手続きの流れ、必要書類、つまずきやすい点を、行政書士法人塩永事務所が解説します。当事務所は熊本市中央区水前寺を拠点とし、認定経営革新等支援機関(認定番号107943000815)として、許認可と経営面の整理の両方からご相談に対応しています。 shionagaoffice
「霊園」も許可が必要です
「霊園」「墓苑」は一般的な呼び名で、法律上の用語ではありません。墓地埋葬法では、いわゆる霊園も「墓地」に当たります。納骨堂とあわせて、経営には墓地埋葬法第10条に基づく許可が必要です。許可権者は都道府県知事で、市または特別区では市長または区長です。
経営許可の手続きの流れ
自治体によって細部は異なりますが、おおむね次の順序で進みます。
- 計画の整理と事前相談
経営主体、設置予定地、施設の種類(墓地・霊園・納骨堂)、規模を整理し、自治体に相談します。熊本市は、場合によっては許可が受けられないこともあるため、土地の取得や工事の着手より前に相談するよう案内しています。 - 事前協議
熊本市では、経営許可の申請時点で事前協議が終了していることが要件とされています。近隣住民への説明や、関係部署との調整が必要になる場合もあります。 - 許可申請
申請書に、図面や維持管理に関する書類などを添付して提出します。 - 審査・現地確認
経営主体の適格性、設置場所、構造設備などが審査されます。補足説明や追加資料を求められることがあります。 - 許可
許可の通知を受けます。他の法令で許可が必要な土地では、それらの手続きも並行して必要です。たとえば農地法や宅地造成等規制法(現在の盛土規制法)などです。 - 着工・工事完了の届出と検査
熊本県では、着工届としゅん工届の様式が用意されています。自治体によっては、工事完了の届出後に検査を受け、基準に適合すると確認されるまで使用できません。 - 管理者の届出・使用開始
経営者は管理者を置き、その本籍・住所・氏名を所在地の市町村長に届け出る必要があります。
**利用者の募集は、許可を受けた後に行ってください。**許可前に納骨堂の利用者を募集すると、許可されなかった場合に申込者に迷惑がかかるうえ、無許可の墓地経営に当たるおそれがあると、福岡市は注意喚起しています。これは他の自治体にも通じる考え方です。
経営主体の要件(熊本の例)
熊本県の許可事務処理要領では、墓地・納骨堂の経営主体は原則として地方公共団体とされています。やむを得ない事情がある場合に、宗教法人、公益財団法人、さらにやむを得ない場合は認可地縁団体や管理組合などによることができるとされています。宗教法人には、経営を維持できる財政的基盤と組織が求められます。
熊本市のFAQでは、対象は熊本市内に事務所があり、経営を計画している宗教法人または公益法人とされています。経営主体の範囲は自治体ごとに異なり、一般の株式会社や個人が許可を受けることは、一般に難しいと考えられます。
設置場所・構造の基準(熊本市の例)
熊本市では、地方公共団体以外が設置する納骨堂は、墓地や寺院・教会などの敷地内(地目が墓地、墳墓地または境内地)に設けることとされています。構造基準は、経営の資格と設置場所の基準に適合していると判断された後に、詳細な審査が行われます。
土地を購入してから基準に合わないと分かると、計画の変更が避けられません。取得前の確認が大切です。
主な必要書類
熊本県の案内では、申請地付近の見取図、墓地等の構造と配置を示す図面、維持管理の方法を記載した書面、所轄市町村長の意見書などが挙げられています。このほか、知事が必要と認める書類は管轄の保健所に確認するよう案内されています。
一般的には、次のような資料を準備します。
| 区分 | 主な資料の例 |
|---|---|
| 申請関係 | 自治体所定の申請書 |
| 経営主体関係 | 法人の登記事項証明書、定款・規則、意思決定を証する書類、財務資料 |
| 土地関係 | 登記事項証明書、公図、使用権限を示す書類 |
| 施設関係 | 位置図、配置図、構造図、排水計画図、現況写真 |
| 管理関係 | 維持管理の方法を示す書面、管理規則、事業計画・収支計画 |
| 周辺関係 | 近隣説明に関する資料(自治体により異なります) |
実際の書類は、自治体や施設の種類で変わります。
変更・廃止の手続き
変更許可:許可の対象は、墓地の区域、納骨堂の施設の変更です。変更後の図面を作成して事前相談し、新規経営と同様の手順を進め、施設の検査を受ける自治体があります。
廃止許可:改葬計画をまとめて事前相談したうえで申請し、現地の検査を経て許可・不許可が決まる例があります。廃止許可と改葬許可は別の手続きです。
期間と費用の目安
| 段階 | 期間の目安 |
|---|---|
| 準備・事前協議〜申請 | 1〜3か月程度 |
| 申請後〜許可 | 2〜6か月程度 |
| 全体 | 3〜9か月程度 |
期間は、事前協議、近隣説明、図面の修正などにより変動します。法令上の標準処理期間や許可の取得を保証するものではありません。
| 業務内容 | 報酬額の目安 |
|---|---|
| 経営許可申請 | 660,000円〜 |
| 変更許可申請(拡張等) | 660,000円〜 |
| 廃止許可申請 | 550,000円〜 |
| 使用管理規則の作成 | 55,000円〜 |
自治体の手数料、証明書取得費、郵送費などの実費は別途かかる場合があります。建築設計、測量、建築確認、登記、税務などは原則として含みません。なお、熊本市のFAQでは手数料は無料と案内されています。
お支払いは、着手金が報酬の50%(業務開始前)、完了金が報酬の残額と立替実費(許可取得時)です。着手前のキャンセルは無料です。
当事務所がお手伝いできること
- 経営主体、設置予定地、施設計画の事前確認
- 自治体との事前相談・事前協議の進行整理
- 申請書、事業計画書、維持管理に関する書面、使用管理規則などの作成
- 申請の提出、審査中の補正対応
- 許可後の届出などの確認
- 認定経営革新等支援機関として、事業計画や収支見通しの整理
近隣住民との紛争など、法的な争いがある案件の代理・交渉は、行政書士の業務範囲外です。その場合は弁護士への相談をおすすめします。
よくあるご質問
Q.許可が出る前に、利用者の募集や工事を始めてもよいですか?
いいえ。許可前の募集は、無許可経営と見なされるおそれがあります。工事も、許可を受けてから進めてください。
Q.土地を買ってから相談しても間に合いますか?
おすすめしません。経営主体や設置場所の基準に合わないと、許可を受けられないことがあります。土地の取得や工事の着手より前にご相談ください。
Q.個人や株式会社でも申請できますか?
経営主体の要件は、地方公共団体を原則とし、やむを得ない場合も宗教法人や公益法人等を基本とする運用が一般的です。個別の可否は、自治体の基準を確認して判断します。
Q.全国どこでも依頼できますか?
はい。全国のご相談に対応しています。自治体ごとに基準が異なるため、所在地を確認したうえで進め方をご案内します。
まずは事前相談から
墓地・霊園・納骨堂の許可は、申請書を作る前の準備で成否が左右されます。設置予定地、経営主体、施設の種類をお知らせいただければ、必要な手続きとお見積りをご案内します。
【無料お見積り・お問い合わせ】
行政書士法人塩永事務所(熊本を拠点に全国対応)|認定経営革新等支援機関
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