
【太陽光発電】設置前に絶対知っておきたい!土地選定から着工までに必要な「行政への許認可申請」とは?
太陽光発電事業をスタートする際、多くの方が「どのようなパネルを選ぶか」「シミュレーションでどれくらい発電するか」という点に目を向けがちです。
しかし、特に地面に直接パネルを設置する「野立て」の太陽光発電において、実は一番のハードルになるのが着工前にクリアしなければならない「行政への許認可申請」です。
土地の条件によっては、申請から許可が降りるまでに数ヶ月以上の期間を要することもあり、事前の見通しが非常に重要になります。今回は、土地の選定から着工までに必要となる代表的な4つの手続きについて解説します。
1. 農地転用許可申請(農地法)
── 畑や田んぼに設置する場合の必須手続き
「日当たりが良い広い土地を見つけたけれど、登記簿を見たら『畑』や『田』だった」というケースは非常に多くあります。
日本国内では、大切な食料生産基盤である農地を保護するため、農地にそのまま太陽光パネルを設置することは法律で禁止されています。そのため、農地をそれ以外の目的に変えるための「農地転用(農転)許可申請」が必要になります。
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農地法第4条申請: 土地の所有者みずからが太陽光発電事業を行う場合
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農地法第5条申請: 土地を買い取る、または借り受けて(賃貸借など)事業を行う場合
農地には「立地基準(転用できるかどうかの格付け)」があり、原則として転用が認められない厳しい区分(農用地区域内農地や甲種農地など)もあります。土地の購入や契約を進める前に、まずはその農地が転用可能なのかを調査することが極めて重要です。
2. 林地開発許可・届出(森林法)
── 山林を切り開いて発電所を作る場合の手続き
近年、平地だけでなく山林の一部を切り開いて太陽光パネルを設置するケースが増えています。この場合に深く関わってくるのが「森林法」です。
一定規模以上の森林を開発(樹木の伐採や土砂の掘削など)する場合、災害の防止や環境保全の観点から、都道府県知事の許可や、事前の届出が義務付けられています。
対象となる土地が「地域森林計画」に含まれている森林かどうか、また開発する面積(一般的には1ヘクタール超、太陽光発電の場合は法改正により0.5ヘクタール超で許可が必要となるケースがあります)によって、求められる手続きの手間や難易度が大きく変わります。
3. 宅地造成や開発行為の許可申請(都市計画法)
── 市街化調整区域や、傾斜・面積のある土地を造成する際の手続き
太陽光発電に適した安価で広い土地を探すと、都市計画法上の「市街化調整区域(原則として開発を抑制する地域)」に該当することが多々あります。また、元々平坦ではない土地を平らに削ったり、土を盛ったりする「造成工事」が必要になることも珍しくありません。
このように、一定規模以上の土地の区画形質の変更(造成など)を行う場合は、都市計画法に基づく「開発許可申請」が必要になります。
また、傾斜地などの場合は災害防止の観点から、宅地造成及び特定盛土等規制法(通称:盛土規制法)に基づく許可が重ねて必要になるケースもあり、事前の精緻な測量や設計データとの整合性が求められます。
4. 経済産業省(再エネ特措法)への新規「事業計画認定申請」
── FIT/FIP制度の適用を受けるための大前提
土地に関連する許認可と並行して、あるいはそれらの進捗に合わせて確実に行わなければならないのが、経済産業省(資源エネルギー庁)への新規「事業計画認定申請」です。
これは、国が定めた固定価格で電気を買い取る「FIT制度」や、市場価格にプレミアムを上乗せして支援する「FIP制度」の適用を受けるために、最初に行う最も基本的な手続きです。
この認定を受けなければ、電力会社との接続契約や売電の権利そのものが得られません。申請にあたっては、土地の権利関係の証明や、関係法令(上記で解説した農地法や森林法など)の遵守状況、住民周知の実施有無など、非常に細かな要件を一つずつクリアしていく必要があります。
土地の選定段階からの事前相談が、プロジェクト成功の鍵です
太陽光発電の手続きは、経済産業省(資源エネルギー庁)だけでなく、農林水産省(農地)、国土交通省(開発)、林野庁(森林)など、複数の省庁や自治体の窓口をまたぐことが一般的です。
それぞれの行政窓口で提出する書類の内容にズレや矛盾があると、審査がストップしてしまい、最悪の場合は着工が半年以上遅れてしまう事態にもなりかねません。
当事務所では、土地の選定段階における法令上のリスク調査から、各行政機関との事前折衝、そして実際の許可申請まで、事業者の皆様が一歩一歩確実にプロジェクトを進められるよう、トータルでサポートしております。
「この土地で太陽光発電を始めたいけれど、何から手をつければいいか分からない」という方は、ぜひお気軽に当事務所までご相談ください。
