
会社設立の流れ・手続き
完全ガイド【2026年最新版】
「起業したいけど、何から始めればいいの?」
株式会社・合同会社の設立に必要な手続きを、費用・書類・期間まで
ステップ別にわかりやすくご説明します。
個人事業主として活動することもできますが、会社(法人)を設立するとさまざまなメリットが生まれます。事業が成長してきたタイミング、対外的な信用力が求められるタイミング、または節税の観点から法人化(法人成り)を検討する方が多くいらっしゃいます。
会社の形態として最もよく選ばれるのが株式会社と合同会社の2種類です。どちらも「1円」から設立でき、1人でも設立できます。それぞれの特徴を比較してみましょう。
| 株式会社 | 合同会社 | |
|---|---|---|
| 設立費用(法定) | 約22万円〜定款認証+登録免許税15万円〜 | 約6万円〜登録免許税のみ(認証不要) |
| 定款認証 | 公証役場での認証が必要 | 不要(作成のみ) |
| 設立期間 | 約2〜3週間 | 約1〜2週間 |
| 社会的信用 | 高い(大手取引・上場も視野に) | やや低め(近年は認知度向上) |
| 資金調達・投資 | 株式発行・投資家募集が可能 | 困難(持分譲渡に全員同意が必要) |
| 経営の自由度 | 株主総会・取締役会など法的義務多め | 定款で自由に設計できる |
| 決算公告義務 | あり(官報等への掲載) | なし |
| こんな方に向いている | 将来の上場・外部投資・大企業との取引を目指す方 | 小規模スタート・法人成り・コストを抑えたい方 |
塩永事務所からのアドバイス
「まず法人化して事業を回したい」「個人事業主からの法人成り」なら合同会社がコスト・スピードの面で有利です。「ゆくゆくは上場したい」「投資家を呼び込みたい」「大手企業との取引が多い」なら株式会社をおすすめします。迷ったらまずご相談ください。
会社設立は「書類を作って終わり」ではありません。大きく8つのステップを経て、法務局での登記完了によって会社が正式に誕生します。
(株式会社のみ)
期間の目安
株式会社:約2〜3週間 / 合同会社:約1〜2週間が一般的です。法務局の繁忙期(3月・4月など)はさらに時間がかかることがあります。希望の設立日がある場合は、逆算して余裕をもって準備を始めてください。
なお2026年2月より、休日も会社設立日に指定できる特例が施行されました。
会社設立でまず最初に決めなければならないのが、会社の「骨格」となる基本情報です。これらはすべて定款や登記に反映されるため、あとから変更すると登録免許税などの費用が発生することがあります。慎重に、かつ将来を見据えて決定しましょう。
▶ 商号(会社名)
会社の顔となる重要な決定事項です。漢字・ひらがな・カタカナ・アルファベット・数字が使用できます。株式会社なら「株式会社〇〇」、合同会社なら「合同会社〇〇」のように法人格を含める必要があります。同一所在地での同一商号は登記できません。事前に法務局の登記情報サービスで重複がないか確認しましょう。
▶ 本店所在地(会社の住所)
法律上の会社の住所です。自宅・事務所・レンタルオフィス・バーチャルオフィスのいずれでも登記可能です。ただし金融機関での口座開設やビザ申請などでバーチャルオフィスが認められないケースもあるため、用途に応じて慎重に選びましょう。
▶ 事業目的
会社がどのような事業を行うかを明記します。「許認可業種(建設業・飲食業・古物商など)」は、事業目的の文言が許認可申請の要件に影響します。また、将来やりたい事業も先に記載しておくと、後の変更登記費用(約3万円)を節約できます。
▶ 資本金の額
法律上は1円から設立可能ですが、実務上は100万〜300万円程度が一般的です。資本金が少なすぎると取引先や金融機関からの信頼に影響します。また、資本金1,000万円未満であれば設立後2事業年度は消費税が免除されます(課税売上が1,000万円を超えない場合)。この点は必ず税理士に相談しましょう。
▶ 決算月
法人は自由に決算月を決められます。繁忙期を避けること、設立月の12ヶ月後を決算月にして最初の事業年度を長くとることが基本です。
▶ 役員構成・株主構成(株式会社のみ)
誰が取締役になるか、誰がいくら出資して何株持つかを決めます。発行可能株式総数・1株あたりの金額も決定します。将来の増資や株式譲渡を見据えた設計が重要です。
設立登記の申請には会社の実印(代表者印)が必要です。法務局への印鑑届出書にも使用します。実印は通常10日前後で作成されるため、基本事項が決まったら早めに注文しましょう。
一般的に必要な印鑑は以下の3種類です。
① 代表者印(実印):法務局への印鑑登録用。定款認証・登記申請等で使用する最重要の印鑑。
② 銀行印:法人口座の開設・手形・小切手に使用。実印と分けることでリスク分散。
③ 角印(認印):請求書・見積書・契約書等の日常業務に使用。
材質はチタン・黒水牛・象牙などがあり、耐久性と信頼性から代表者印はチタン製や黒水牛製が人気です。費用は一式で15,000〜50,000円程度です。
定款は会社の「憲法」ともいわれ、会社の基本情報・運営ルールをまとめた最重要書類です。すべての会社で作成が義務づけられています。
絶対的記載事項(必ず記載しなければならない事項)
・商号(会社名)
・目的(事業内容)
・本店所在地
・出資額(資本金の額)
・発起人の氏名・住所(株式会社)/社員の氏名・住所(合同会社)
・発行可能株式総数(株式会社のみ)
紙の定款 vs 電子定款
定款は「紙」と「電子(PDF)」の2種類で作成できます。電子定款を使うと、印紙税4万円が不要になります。電子定款の作成には電子署名が必要なため、行政書士・司法書士に依頼するのが一般的です。行政書士法人塩永事務所では電子定款の作成代行に対応しています。
株式会社の場合は、作成した定款を公証役場(公証人)に認証してもらう必要があります。合同会社はこの手続きが不要です。
認証を受けることで、定款が正式な会社のルールとして効力を持ちます。
認証に必要なもの
・定款3通(公証人保存用・会社保存用・登記申請用)
・発起人全員の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
・収入印紙4万円(紙定款の場合)
・認証手数料(3万〜5万円:資本金額により異なる)
・委任状(代理人が申請する場合)
オンライン(電子)認証も可能です。行政書士が電子定款を作成し、公証人とオンラインで認証手続きを行うことで、来所不要かつ印紙代4万円を節約できます。
定款の作成・認証が完了したら、発起人(出資者)の個人口座に資本金を振り込みます。この時点ではまだ法人口座がないため、発起人の個人口座を使います。
払込みの注意点
・振込みは定款作成日以降に行う必要があります
・振込人名義は発起人(または社員)の氏名にする
・通帳の表紙・金融機関名のページ・振込記録のページを保存・コピーしておく(「払込みを証する書面」として使用)
・複数の発起人がいる場合は、各自が自分の出資分を振り込む
払込みが完了したら、通帳のコピーをもとに「払込みを証する書面」を作成します。これは設立登記の添付書類として必要です。
いよいよ法務局への登記申請に向けて、必要書類を整えます。書類は会社形態によって異なります。書類の記載ミス・不備があると差し戻しになり、時間のロスとなります。
株式会社の主な必要書類
・設立登記申請書
・定款(公証人の認証済みのもの)
・発起人決議書(または発起人全員の同意書)
・取締役の就任承諾書
・取締役の印鑑証明書(発行3ヶ月以内)
・払込みを証する書面
・登録免許税の収入印紙(15万円〜)または領収書
・印鑑届出書
合同会社の主な必要書類
・設立登記申請書
・定款
・代表社員の印鑑証明書
・払込みを証する書面
・登録免許税の収入印紙(6万円〜)
・印鑑届出書
※法人の登記申請はオンライン(申請用総合ソフト等)でも可能です。
書類が揃ったら、本店所在地を管轄する法務局に設立登記を申請します。申請方法は3つあります。
① 窓口持参:書類を直接持参。即日受付・担当者にその場で確認してもらえる
② 郵送申請:書留郵便で送付。遠方の方・窓口が混んでいる場合に便利
③ オンライン申請:法務省の「申請用総合ソフト」を利用。電子証明書が必要だが、添付書類の一部省略が可能
会社の設立日=法務局への申請書提出日(登記申請日)です。縁起のよい日付を設立日にしたい場合は、その日に窓口へ提出するか、郵送の場合は消印日に注意が必要です。
2026年2月以降、土日祝日を会社設立日にすることも特例として可能となりました。
登記完了まで:通常1〜2週間(法務局の繁忙期は2週間以上かかることも)。完了後、登記事項証明書(登記簿謄本)・印鑑証明書が取得できるようになります。
| 費用の種類 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 定款の印紙代 | 40,000円 | 紙定款の場合。電子定款なら0円 |
| 定款認証手数料 | 30,000〜50,000円 | 資本金額により変動。100万円未満=3万円、300万円未満=4万円、それ以上=5万円 |
| 定款の謄本手数料 | 約2,000円 | 1枚250円×枚数 |
| 登録免許税 | 150,000円〜 | 資本金×0.7%と15万円の高い方。特定創業支援を受けると半額 |
| 印鑑証明書・住民票など | 数百〜数千円 | 各種証明書の取得費用 |
| 会社実印の作成 | 15,000〜50,000円 | 代表者印・銀行印・角印の3点セット |
| 合計(電子定款の場合) | 約22万円〜 | 専門家報酬は別途 |
| 費用の種類 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 定款の印紙代 | 40,000円 | 紙定款の場合。電子定款なら0円 |
| 定款認証手数料 | 0円 | 合同会社は認証不要 |
| 登録免許税 | 60,000円〜 | 資本金×0.7%と6万円の高い方 |
| 印鑑証明書など | 数百〜数千円 | |
| 会社実印の作成 | 15,000〜50,000円 | |
| 合計(電子定款の場合) | 約6〜7万円〜 | 専門家報酬は別途 |
登録免許税が半額になる「特定創業支援等事業」
市区町村が実施するセミナー・相談などの特定創業支援を受けると、設立時の登録免許税が半額になります。株式会社なら15万円→7.5万円、合同会社なら6万円→3万円になります。熊本市での活用について、詳しくはお問い合わせください。
| 書類名 | 株式会社 | 合同会社 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 設立登記申請書 | 必須 | 必須 | 法務局の書式あり。記載ミスに注意 |
| 定款 | 必須 | 必須 | 株式会社は公証役場の認証済みのものを提出 |
| 発起人決議書・同意書 | 必須 | — | 発起人が1名でも必要な場合あり |
| 取締役・監査役の就任承諾書 | 必須 | — | 取締役全員のもの |
| 発起人・取締役の印鑑証明書 | 必須 | 代表社員のみ | 発行3ヶ月以内のもの |
| 払込みを証する書面 | 必須 | 必須 | 通帳コピー+証明書を綴じたもの |
| 登録免許税の収入印紙or領収書 | 必須 | 必須 | 申請書類に貼付 |
| 印鑑届出書 | 必須 | 必須 | 代表者印を届け出る書類 |
| 資本金の額の計上に関する証明書 | 株式会社 | — | 会計参与等が作成する場合 |
| 委任状 | 代行時 | 代行時 | 行政書士等に申請を委任する場合 |
書類不備は登記完了を大きく遅らせます
法務局に書類を提出後、不備があると補正(差し戻し)となり、再度対応が必要になります。希望の設立日に間に合わなくなるリスクもあります。はじめての方は専門家への相談・依頼をおすすめします。
登記完了はゴールではなく、スタートラインです。設立後にも重要な手続きが続きます。特に税務署への届出は期限があるため、登記完了後できるだけ早く取り組んでください。
税務署への届出に期限があります
法人設立届出書は設立後2ヶ月以内、青色申告承認申請書は設立後3ヶ月以内または最初の事業年度末の前日に提出が必要です。青色申告を選択しないと、欠損金の繰越控除などの税務上のメリットを受けられなくなります。
会社設立のことなら
行政書士法人塩永事務所へ
熊本を拠点に、数多くの会社設立・法人成り・許認可取得を
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