
熊本の就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)完全ガイド【2026年版・超専門版】
行政書士法人塩永事務所|熊本市中央区水前寺
最終更新:2026年2月
はじめに|なぜ今、熊本で就労ビザが急増しているのか
熊本県の在留外国人数は2024年12月時点で約29,300人に達し、前年比+24.18%と外国人増加率全国第1位を記録しました(出入国在留管理庁「在留外国人統計」)。台湾の半導体受託製造企業(TSMC)の菊陽町への工場進出を筆頭に、製造・建設・IT・物流分野での外国人材需要が急拡大しており、熊本労働局によると2024年10月時点の外国人労働者数は**21,437人(過去最高)**に達しています。
こうした状況を背景に、就労ビザ(在留資格「技術・人文知識・国際業務」)を含む専門的・技術的分野の在留資格を持つ外国人は、前年比31.0%増の6,945人と急伸しています。熊本でビジネスを展開する企業・外国人にとって、就労ビザの正確な知識は今や経営戦略の根幹です。
行政書士法人塩永事務所は、熊本市中央区水前寺を拠点に、申請取次行政書士が就労ビザ申請の書類作成から福岡出入国在留管理局熊本出張所への申請取次まで一括対応します。
📞 初回無料相談:096-385-9002 ✉️ info@shionagaoffice.jp 🕐 平日9:00〜18:00(土日祝は事前予約)|オンライン相談対応
1. 就労ビザの法的根拠と「技術・人文知識・国際業務」の定義
「就労ビザ」とは在留資格のうち、就労を認めるものの総称として一般に使われる呼称です。法律上の正確な名称は**「技術・人文知識・国際業務」**(略称:技人国、ぎじんこく)であり、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)別表第一の二の表に規定されています。
入管法上の条文定義は次の通りです。
「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動」
(出入国管理及び難民認定法別表第一の二)
重要なのは**「学術上の素養を背景とする一定水準以上の専門的能力を必要とする活動」**でなければならないという前提です。「未経験可、すぐに慣れます」と記載されるような業務や、単純反復的な作業は、どれだけ高時給・好条件であってもこの在留資格の対象外です。
2024年12月時点でこの在留資格の保有者は全国で458,109人に達しており(出入国在留管理庁公表)、就労系在留資格では最大規模を誇ります。
2. 三つの活動分野の詳細解説
技術(自然科学分野)
「理学、工学その他の自然科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務」が対象です。入管庁の明確化通達(最終改定:令和6年12月)によれば、自然科学の分野には理学・工学のほか、農学・医学・歯学・薬学なども含まれます。
代表的な許可業務の例は次の通りです。
- システムエンジニア・プログラマー・ITアーキテクト
- 機械設計・電気回路設計・製品開発エンジニア
- 建築設計・構造設計・施工管理(現場での直接作業は除く)
- 農学・食品科学分野の研究開発
- 医療機器・製薬関連の研究職(医師免許不要の研究業務)
- データサイエンティスト・AIエンジニア
人文知識(人文科学分野)
「法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する知識を要する業務」が対象です。人文科学の分野には法律学・経済学・社会学のほか、文学・哲学・教育学・心理学・史学・政治学・商学・経営学なども含まれます。
代表的な許可業務の例は次の通りです。
- 経理・財務・会計
- 法務・コンプライアンス
- 人事・労務管理
- 経営企画・事業開発
- マーケティング・広告・PR
- 営業(ただし単純販売業務は不可)
- 購買・SCM管理
注意:「人文知識」の業務は「専門知識を活かした業務」であることが前提です。「営業として採用するが実態は小売店舗での接客販売のみ」「経理担当として採用するが10名規模の企業で経理業務の業務量が月数時間程度」といったケースは不許可になります。
国際業務(外国文化に基盤を持つ業務)
「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務」が対象です。日本人が通常の訓練・教育では容易に身に付けられない感受性・思考を活かす業務であることが求められます。
代表的な許可業務の例は次の通りです。
- 翻訳・通訳
- 語学学校・英会話スクールの教師(小・中・高校への派遣は「教育」となる場合あり)
- 海外取引・輸出入業務の担当
- 服飾デザイン・インテリアデザイン
- 広報・宣伝(外国語・外国人向けコンテンツの制作)
- 海外向け商品企画・商品開発
国際業務の実務経験要件:原則として3年以上の実務経験が必要ですが、大学卒業者はこの要件が免除されます。専門学校卒業者は、大学の専門士称号取得者でも免除されないため、3年以上の経験が必要です。
3. 就労ビザ取得の2大要件
就労ビザが許可されるためには、次の2つの要件を双方とも満たす必要があります。
要件① 在留資格該当性(入管法別表への該当)
申請者が従事しようとする活動が、入管法別表第一の「技術・人文知識・国際業務」の定義に該当することです。つまり、従事予定の業務が自然科学・人文科学分野の専門的知識を要するもの、または外国の文化に基盤を持つ業務であることが必要です。
在留期間中の活動を全体として捉えて判断されます。研修期間中にベルト作業やフロア清掃などの単純業務を行う場合でも、それが主たる活動でなく、合理的な範囲の付随的な実務研修である場合は許容されますが、恒常的に専門外業務を行う場合は該当性が否定されます。
要件② 上陸許可基準適合性(省令第2条の基準)
出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の規定に基づく省令(いわゆる「上陸許可基準省令」)が定める以下の基準を満たすことが必要です。
- 本人の学歴・職歴要件(後述)
- 業務と学歴・職歴の関連性(後述)
- 雇用企業の安定性・継続性(後述)
- 報酬が日本人と同等以上であること
4. 本人の学歴・職歴要件を完全解説
パターン①:大学(4年制)または大学院卒業
日本の大学(学部卒・修士・博士)または海外の大学(4年制以上)を卒業している場合、学歴要件を満たします。
海外の大学卒業者は、「日本の大学卒業と同等以上」であることを証明する必要があります。具体的には、大学の公式卒業証明書・成績証明書(日本語翻訳付き)を提出します。海外の専門学校は、たとえ2年制以上であっても、原則として大学卒業と同等とは認められません。
パターン②:日本の専修学校(専門学校)卒業+専門士称号
日本の専修学校(専門学校)の専門課程を修了し、「専門士」または「高度専門士」の称号を付与されている場合に学歴要件を満たします。専門士の称号取得は必須条件であり、専門学校を卒業していても称号がなければ要件を満たしません。
**海外の専門学校卒業者は原則として学歴要件を満たしません。**この場合は後述の実務経験によって補う必要があります。
2024年2月の制度改定により、国土交通省等の関係省庁が認定した特別な教育プログラムを修了した専修学校卒業生については、業務内容との関連性について従来より柔軟な判断が行われるようになっています。
パターン③:実務経験による代替
大学・専門学校の学歴要件を満たさない場合でも、次の実務経験があれば申請が可能です。
技術・人文知識分野の場合:関連する実務経験が10年以上(学校での関連科目専攻期間を含む)
国際業務分野の場合:関連する実務経験が3年以上(ただし、大学卒業者はこの経験年数の要件が免除される)
実務経験は在職証明書等によって立証します。複数の会社での経験を合算することは可能ですが、各社の在職証明が必要です。また、学校での学習期間を実務経験に含めるためには、その科目の学習証明が必要です。
5. 業務と学歴の「関連性」審査の実態
就労ビザ審査で最も問われ、最も不許可を生みやすいのが**「学歴・職歴と従事予定業務の関連性」**です。入管の審査では書類を単純に確認するだけでなく、専攻内容と業務内容が「専門的知識を実際に活かせる関係にあるか」を実質的に審査します。
「関連性あり」と認められやすい典型例
- 情報工学専攻 → ソフトウェア開発業務
- 経営学専攻 → 経営企画・マーケティング業務
- 法学専攻 → 法務・コンプライアンス業務
- 機械工学専攻 → 機械設計・製造技術業務
- 英語・言語学専攻 → 翻訳・通訳業務(国際業務)
「関連性なし」として不許可になった入管庁公表の具体事例
不許可事例①(入管庁公表):専修学校(情報システム工学科)を卒業し専門士の称号を持つ者が、料理店経営企業との契約でコンピューターによる会計管理・労務管理・顧客管理業務に従事するとして申請したところ、従業員12名という企業規模では会計管理・労務管理を主たる活動として行うに十分な業務量がないこと、顧客管理の実態が「電話での予約受付と帳簿への書き込み」であり専門知識を要する業務とは認められないことを理由に不許可となった。
不許可事例②(入管庁公表):大学(文学部)を卒業した者が、一般旅客自動車運送事業者との契約でバスの運転業務に従事するとして申請したが、バスの運転業務は人文科学の分野に属する知識を要する業務ではないとして不許可となった。
不許可事例③(入管庁公表):大学(経済学部)を卒業し、工場での生産管理の経験を有する者が、食料品の製造・加工を業務内容とする企業で工場の生産ラインの管理および工員の指導業務に従事するとして申請したが、生産ラインの管理および工員の指導業務は自然科学または人文科学の分野に属する知識を要する業務ではないとして不許可となった。
関連性判断が難しい「グレーゾーン」業務
次のような業務は個別の状況によって許可・不許可が分かれるため、申請理由書や職務内容記述書の質が特に重要になります。
- 貿易会社での営業業務(専門的な海外取引か単純販売かが争点)
- ホテル・旅館でのフロント業務(外国語対応・管理業務の比重が争点)
- IT企業でのカスタマーサポート(専門技術の活用度が争点)
- 中小企業での多岐にわたる兼務業務(業務量の配分と主たる活動が争点)
これらのケースでは、雇用理由書・職務内容記述書・業務フロー図などを駆使して審査官に専門性を具体的に伝える書類作成が不可欠です。
6. 受入企業の要件(カテゴリー1〜4の仕組み)
就労ビザの申請では、外国人本人の要件だけでなく受入企業の規模・信用度が審査に大きく影響します。入管は受入企業を次の4つのカテゴリーに分類し、カテゴリーによって提出書類の量・審査期間・付与される在留期間が異なります。
カテゴリー1(最も審査ハードルが低い)
該当企業:次のいずれかに該当する機関
- 日本の証券取引所(東証・名証等)に上場している企業
- 保険業を営む相互会社
- 国・地方公共団体
- 独立行政法人
- 国・地方公共団体が2分の1以上を出資する特殊法人・認可法人
- 日本学術振興会等の指定を受けた研究機関
- 高度専門職省令の特別加算対象企業(いわゆる「イノベーション創出企業」として関係省庁の認定を受けた企業)
特徴:提出書類が大幅に簡略化(申請書・パスポートコピー・在留カードコピー・卒業証書程度)。審査期間も短い傾向(在留期間更新の場合、数日〜2週間程度)。在留期間は「5年」が付与されやすい。
カテゴリー2
該当企業:前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表における源泉徴収税額が1,000万円以上の機関(一般的に中堅企業・準大手企業が該当)。
特徴:カテゴリー1よりやや多い書類が必要だが、カテゴリー3・4と比べると大幅に簡略化。審査期間も比較的短い。
カテゴリー3(熊本の中小企業の大部分が該当)
該当企業:前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表における源泉徴収税額が1,000万円未満の機関。熊本県内の外国人労働者の雇用事業所のうち、69.9%が従業員30人未満の小規模事業所であることから(熊本労働局データ)、熊本での就労ビザ申請の大部分がカテゴリー3に該当します。
特徴:決算書・登記事項証明書・事業内容説明書など多くの書類が必要。審査期間は1〜2か月程度。審査が慎重になる傾向があり、業務内容説明書・雇用理由書の作成が特に重要。
カテゴリー4(設立間もない企業・個人事務所)
該当企業:カテゴリー1〜3のいずれにも該当しない機関(法定調書合計表の提出実績がない企業、1度も決算期を迎えていない新設企業等)。
特徴:最も多くの書類が必要。事業計画書・取引先・契約書等の提出が求められる。審査期間は2〜3か月以上になることも。在留期間は原則「1年」。直前の決算が赤字の場合は事業計画書等で安定性を示す必要がある。
カテゴリーが在留期間に与える影響
| カテゴリー | 審査期間の目安(変更申請) | 付与されやすい在留期間 |
|---|---|---|
| カテゴリー1 | 数日〜2週間 | 5年 |
| カテゴリー2 | 2週間〜1か月 | 3年〜5年 |
| カテゴリー3 | 1〜2か月 | 1年〜3年 |
| カテゴリー4 | 2か月以上 | 1年 |
カテゴリー1・2の企業であればどんな申請でも必ず許可されるわけではなく、業務内容の在留資格該当性は必ず審査されます。一方でカテゴリー3・4だからといって不許可になるわけでもなく、業務内容・学歴・職歴の関連性を丁寧に立証できるかどうかが最終的な許否を左右します。
7. 申請の種類と場面別の選び方
在留資格認定証明書交付申請(認定申請)
使用場面:海外にいる外国人を日本に呼び寄せる場合。まず日本国内の受入企業(または本人の法定代理人)が入管に申請し、認定証明書が交付されたら本国の外国人に送付、本人が本国の日本大使館・領事館にてビザ(査証)申請を行います。
認定証明書の有効期間は交付日から3か月です。この期間内に本国でビザを申請し入国する必要があります。
審査期間:標準1〜3か月(カテゴリー・入管の混雑状況による)。3月〜5月は繁忙期のため長引く傾向があります。
在留資格変更許可申請(変更申請)
使用場面:すでに日本にいる外国人が在留資格の種類を変更する場合。最も多いのは「留学」→「技術・人文知識・国際業務」への変更(いわゆる「就職活動から就職への移行」)です。
変更申請は大学卒業年度の12月1日から受付開始されます(翌年4月入社の場合)。1〜5月は繁忙期で審査が長引くため、内定が決まり次第早めの申請が重要です。
手数料:窓口申請 6,000円・オンライン申請 5,500円(2025年4月改定後)
在留期間更新許可申請(更新申請)
使用場面:現在の在留資格・活動内容はそのままに、在留期間を延長する場合。
在留期限の3か月前から申請可能です。申請が受理されている間は、在留期限を過ぎても**「特例期間」**として従前の在留資格・就労が継続可能です(申請に対する許可または不許可の処分が出るまで、または在留期限から2か月後のいずれか早い方まで)。
更新審査では初回申請時と同様に「業務内容が在留資格に合致しているか」が改めて審査されます。「前回問題なく許可された」という前例は参考にはなりますが、会社の業況・業務内容・報酬額が変化している場合は改めて丁寧な書類が必要です。転職後の初めての更新申請は特に注意が必要です。
手数料:窓口申請 6,000円・オンライン申請 5,500円(2025年4月改定後)
8. 申請書類の完全一覧(カテゴリー別)
以下は在留資格変更許可申請(留学→技人国)の場合の主な必要書類です。認定申請・更新申請の場合は一部異なります。
共通書類(全カテゴリー)
- 在留資格変更許可申請書(入管庁所定様式)
- 写真(縦4cm×横3cm・6か月以内撮影)
- パスポート(提示)
- 在留カード(提示)
- 学歴・職歴を証明する書類(卒業証書・卒業証明書・成績証明書・専門士証書)
- 雇用契約書または労働条件通知書
- 住民税の課税・納税証明書(在日中の場合)
カテゴリー1企業の場合(上場企業等)
上記共通書類のみで申請可能。書類が最も少ない。
カテゴリー2企業の場合
上記共通書類に加えて:
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(写し)
カテゴリー3企業の場合(熊本の中小企業の大半)
上記カテゴリー2の書類に加えて:
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(写し)
- 登記事項証明書(法務局発行・3か月以内)
- 事業内容の説明書(会社の概要・業務内容を説明したもの)
- 雇用理由書(外国人の雇用に至る経緯・従事させる業務内容・専門性の根拠を詳述したもの)
- 直近の決算書(損益計算書・貸借対照表)または収支計算書
- 前年分の確定申告書(個人事業主の場合)
カテゴリー4企業の場合(新設企業等)
上記カテゴリー3の書類に加えて:
- 事業計画書(売上見込み・費用計画・収益シミュレーション)
- 取引先との契約書・注文書等(事業実態を示す書類)
- 会社の設立経緯を説明する書類
- 代表者・役員の経歴書
職務内容記述書(ジョブディスクリプション)について
カテゴリーを問わず、従事する業務内容が在留資格に該当するか明確でないケース、または審査官が追加資料を求める可能性があるケースでは、**職務内容記述書(ジョブディスクリプション)**の作成・添付が有効です。これは入管庁の必須書類リストには記載されていませんが、許否を左右する最重要書類の一つです。
良質な職務内容記述書に含めるべき内容は次の通りです。
- 配属部署・職務タイトル
- 1日・1週間の業務スケジュールの具体例
- 使用する専門知識・技術の具体的内容
- 類似業務を担当する日本人社員の学歴・職歴
- 申請者の専攻・経験と業務の関連性の説明
- 当該業務を外国人に担当させる必要性
9. 審査期間と繁忙期の影響
審査期間はカテゴリー・申請種別・入管の混雑状況によって大きく異なります。以下は一般的な目安です(熊本出張所は九州運輸局管内であり東京と混雑状況が異なります)。
| 申請の種類 | カテゴリー1・2 | カテゴリー3 | カテゴリー4 |
|---|---|---|---|
| 認定申請 | 2〜4週間 | 1〜2か月 | 2〜3か月以上 |
| 変更申請 | 2週間〜1か月 | 1〜2か月 | 2か月以上 |
| 更新申請 | 1〜2週間 | 2〜4週間 | 1〜2か月 |
繁忙期(1月〜5月):この時期は新卒留学生の就労ビザ変更申請が集中します。通常期の2倍以上の時間がかかることがあり、4月1日入社に間に合わないケースも発生しています。入社日に就労可能な在留カードを持てない事態を避けるために、遅くとも前年12月初旬には申請を完了させることが強く推奨されます。
書類不備による審査停止:書類に不備があると審査が止まり、追加資料の提出を求める「補正」が発生します。補正に対応する期間は審査期間に含まれないため、最終的な結果が大幅に遅れる原因になります。
10. 申請手数料(2025年4月改定後)
2025年4月1日施行の政令改正により、在留関係手数料が改定されました。申請日が2025年4月1日以降の申請から新金額が適用されます。
| 手続き | 窓口申請 | オンライン申請 |
|---|---|---|
| 在留資格認定証明書交付 | 無料 | 無料 |
| 在留資格変更許可 | 6,000円 | 5,500円 |
| 在留期間更新許可 | 6,000円 | 5,500円 |
| 就労資格証明書交付 | 1,200円 | 600円 |
手数料は収入印紙での納付が原則です(現金・クレジットカード・電子マネー不可)。
重要な今後の動向:2025年後半の政府の議論では、2026年度中を目途にさらなる手数料引き上げが検討されています。欧米水準への移行として、在留期間更新が数万円規模になる可能性が示唆されており、動向の注視が必要です。
11. 熊本特有の就労ビザ事情(TSMC・半導体特需と産業拠点形成特区)
TSMC進出が生んだ熊本の特需
台湾の半導体受託製造企業(TSMC)の菊陽町工場(JASM:Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)進出を契機に、熊本県は外国人技術者の受け入れが急増しています。2022年6月以降の2年間で熊本県内の台湾人在留者数は233人→1,753人と約7.5倍に急増しました。
台湾人エンジニアの多くは「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で就労しており、当事務所ではTSMC・関連企業の外国人技術者の就労ビザ申請にも対応しています。
産業拠点形成連携「絆」特区による審査期間短縮
熊本県は2023年に「産業拠点形成連携〝絆〟特区」として国家戦略特区の指定を受けました。この特区制度の活用により、通常3か月程度かかっていた在留資格の審査が1か月程度に短縮される運用が導入されています(テレビ熊本報道)。ただしこの短縮は特区指定エリア内での半導体関連産業への就労に限られており、適用可否は個別に確認が必要です。
熊本における外国人労働者の産業分布(2024年10月末)
熊本労働局の統計によれば、熊本県内の外国人労働者21,437人の産業別内訳は農業・林業31.1%、建設業14.0%、製造業12.9%、卸売・小売業10.0%となっています。技術・人文知識・国際業務の在留資格を持つ専門的・技術的分野の外国人は**6,945人(全体の32.4%)**で、前年比31.0%という急増ぶりです。
12. 許可事例・不許可事例(入管庁公表)の詳細解説
入管庁が公表している「技術・人文知識・国際業務」在留資格の明確化通達(最終改定:令和6年12月)には、許可・不許可の具体的事例が掲載されています。
許可事例(抜粋)
技術系
- 電機製品製造企業において技術開発業務に従事(大学工学部卒)
- コンピューター関連サービス企業においてゲーム開発業務に従事(専門学校マンガ・アニメーション科卒・専門士)
- 建設会社において工程管理・品質管理業務に従事(建築学科卒)
人文知識系
- 法律事務所において弁護士補助業務に従事(大学法学部卒)
- 建築設計企業において建築積算業務に従事(専門学校建築室内設計科卒・専門士)
- 商社において貿易実務・海外取引業務に従事(大学経済学部卒)
国際業務系
- 語学学校において外国語講師として語学指導に従事(大学英語学科卒)
- 翻訳会社において翻訳・通訳業務に従事(大学文学部卒)
- ファッションデザイン企業においてデザイン業務に従事(海外デザイン専門学校・実務経験5年)
不許可事例(抜粋・行政書士のコメント付き)
事例① 業務量不足(前述) 専修学校(情報システム工学科)卒業の専門士が料理店での会計管理・労務管理・顧客管理業務に従事するとして申請したが、従業員12名の規模では業務量が認められず不許可。
→ 当事務所コメント:中小規模の飲食・サービス業で外国人を「IT担当」「事務担当」として採用する場合、業務量の確保が重要です。具体的な週次・月次の業務スケジュールを職務内容記述書で示すことが不可欠です。
事例② 業務の専門性不足(公表事例より) 大学(文学部)を卒業した者が旅客自動車運送業者でのバス運転業務に従事するとして申請したが、バス運転は人文科学の専門知識を要する業務ではないとして不許可。
→ 当事務所コメント:学歴要件を満たしていても、従事する業務が単純業務・現業職である場合は許可されません。「国際対応の窓口業務」「ルート最適化のシステム管理」など専門性を活かせる業務と組み合わせることで許可の可能性が出てきます。
事例③ 在留状況不良(留学中のオーバーワーク) 留学中に週28時間を超えるアルバイトを継続していた者が就労ビザへの変更を申請したが、在留状況が不良として不許可。
→ 当事務所コメント:資格外活動許可の週28時間制限は厳格に審査されます。雇用企業が認識していなかった場合でも、申請者本人の在留状況に問題があれば不許可になります。採用前に留学生のアルバイト時間を確認することが企業にとっても重要です。
13. 転職時の手続き(就労資格証明書とは)
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ外国人が転職した場合、新しい勤務先での業務が在留資格の範囲内であれば、原則として転職届の提出のみで就労継続が可能です(入管法第19条の16に基づき、14日以内に新勤務先を届け出る義務があります)。
ただし、転職後の業務内容が在留資格の範囲に合致するかどうかは、次回の在留期間更新時に初めて審査されます。転職先の業務が範囲外だった場合、更新時に不許可となり、在留が継続できなくなります。
この「更新時の不許可リスク」を事前に排除するために活用できるのが**「就労資格証明書交付申請」**です。
就労資格証明書は、転職後に新勤務先での業務内容を入管に審査してもらい、在留資格の範囲内であることを公式に証明する書類です。この証明書を取得しておくことで、次回の更新申請が大幅にスムーズになります(更新時の必要書類が簡略化される)。
就労資格証明書の交付手数料は窓口1,200円・オンライン600円(2025年4月改定後)です。
14. 不許可になった場合の対応フロー
就労ビザが不許可になった場合、入管から**封筒(A4用紙)**で「結果をお伝えしますので来局ください」という通知が届きます(ハガキで来た場合は許可の可能性が高い)。通知には具体的な不許可理由は記載されていません。
不許可後の対応ステップ
STEP 1:不許可理由の聴取(理由聴取) 申請人本人が入管に出頭し、審査官から不許可理由を口頭で聴取します。不許可理由の聴取は1回限りであるため、必ずメモを取ることが重要です。申請を取り次いだ行政書士は同席が可能です。
STEP 2:在留状況の確認 在留期限内であれば再申請は可能です。不許可時点で在留期限が切れている場合は、「特定活動(出国準備)」として31日または30日の猶予が与えられます。
31日の場合:再申請が可能(猶予期間内に再申請の準備と申請を行う) 30日の場合:再申請が困難な状況であり、一度出国して在留資格認定証明書の取得から再スタートすることを入管が示唆している可能性
STEP 3:不許可理由の分析と改善策の検討 不許可理由が特定されたら、それが「改善可能な不備」か「要件上の問題」かを判断します。書類不備・説明不足であれば改善した上で再申請が可能です。業務内容そのものが要件を満たしていない場合は、業務配置の変更・採用部署の変更・別の在留資格への変更等を検討します。
STEP 4:再申請 改善された書類・説明で再申請します。前回と全く同じ内容での再申請は意味がありません。入管は不許可理由を1つしか伝えないケースもあるため(他にも問題がある場合も)、申請書類全体を見直すことが重要です。
当事務所では不許可理由の聴取への同行、不許可原因の分析、再申請書類の作成まで一括して対応します。
15. 在留中の注意事項(資格外活動・所属機関変更届)
副業・アルバイトについて
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では、在留資格に定められた範囲の業務であれば副業・複数就労が可能です(資格外活動許可不要)。ただし、在留資格の範囲外の業務(単純労働等)を行う場合は資格外活動許可が必要です。
たとえば、ソフトウェアエンジニアとして就労している者が、別の企業でシステム開発の副業を行う場合は資格外活動許可不要です。同じ者がコンビニエンスストアでアルバイトを行う場合は資格外活動許可が必要であり、許可を得ても週28時間以内に制限されます。
所属機関に変更があった場合の届出義務
転職・退職・出向など所属機関に変更があった場合、14日以内に出入国在留管理庁に届出を行う義務があります(入管法第19条の16)。届出を怠った場合、次回の更新申請で不利益を受ける可能性があります。届出はオンライン・郵送・窓口のいずれでも可能です。
社会保険・税金の適正加入と適切な納付
就労ビザ保有者は日本人と同様に社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が義務付けられています。社会保険未加入の状態は、受入企業の信用評価を下げ、更新・次回の在留資格申請に悪影響を及ぼします。また、住民税・所得税の適正申告・納付も在留資格審査上重要です。
16. 行政書士法人塩永事務所に依頼する理由
申請取次行政書士が対応
出入国在留管理庁に登録された申請取次行政書士が直接対応します。外国人ご本人・企業担当者の代わりに書類を作成し、熊本出張所への申請・審査中の照会対応まで一括代行します。
熊本の実情に即した申請戦略
カテゴリー3が大半を占める熊本の中小企業の実情を踏まえた申請書類の組み立てを行います。農業・建設・製造・IT・サービス業など幅広い業種での就労ビザ申請に対応しています。
TSMC・半導体関連の外国人技術者に対応
TSMC・関連企業の台湾人エンジニア・技術者の就労ビザ申請にも対応しています。英語・中国語(繁体字対応)での相談が可能で、台湾の公文書の翻訳調整も行います。
企業の継続的なビザ管理をサポート
更新時期の管理・法改正情報の提供・転職に伴う就労資格証明書申請など、企業の外国人雇用を継続的にサポートします。顧問契約によるビザ管理体制の整備にも対応します。
不許可案件・困難案件にも対応
他事務所で不許可になった案件の再申請、業務内容がグレーゾーンの案件、オーバーワーク歴がある留学生の変更申請など、困難なケースにも対応しています。
17. よくあるご質問(FAQ)企業向け・個人向け別
【企業向け】
Q. 熊本の中小企業ですが、外国人エンジニアを採用したいと思っています。ビザは取れますか? A. 中小企業でも取得は可能です。ただしカテゴリー3に該当するため、事業内容説明書・雇用理由書・決算書などの提出が必要で、業務内容と外国人の専門性の関連性を丁寧に説明することが重要です。まず無料相談でヒアリングし、許可の可能性と必要な準備をご説明します。
Q. 設立して間もない会社ですが、ビザ申請は可能ですか? A. 可能です。ただしカテゴリー4となり、事業計画書・取引契約書等で事業の安定性・継続性を示す必要があります。決算期を迎えていない場合は事業の実態を具体的な資料で説明することが重要です。
Q. 4月入社に合わせてビザを取りたいのですが、いつ申請すればよいですか? A. 1〜5月は繁忙期で審査に時間がかかるため、前年12月初旬までに申請を完了させることを強くお勧めします。留学生の卒業見込み証明書が取得できる12月上旬が申請のタイミングです。遅くとも12月末までには申請しておくのが安全です。
Q. 外国人が転職してきました。手続きは何が必要ですか? A. 転職後14日以内に所属機関変更の届出が必要です。また、新業務が在留資格の範囲内かを確認するため、就労資格証明書交付申請をお勧めします。手数料は窓口1,200円・オンライン600円です。更新時まで問題が発覚しないリスクを回避できます。
【外国人個人向け】
Q. 大学では文学部でしたが、ITエンジニアとして採用が決まりました。ビザは取れますか? A. 文学部卒業者がITエンジニアとして就労ビザを取得するのは難しい場合があります。ただし、大学での関連科目の履修状況、プログラミングの実務経験・資格、採用企業でのIT業務の具体的内容によっては可能なケースもあります。まずご相談ください。
Q. 週30時間アルバイトをしていましたが、就職が決まりました。ビザ変更はできますか? A. 週28時間の上限を超えたアルバイトは在留状況不良として評価されるため、変更が難しいケースがあります。状況によっては特段の事情として認められる可能性もありますので、まず相談してください。早めの対応が重要です。
Q. 就労ビザが不許可になりました。どうすればいいですか? A. まず入管で不許可理由を聴取することが最初のステップです。当事務所では不許可理由の聴取への同行、原因分析、再申請書類の作成まで対応します。在留期限までの時間が限られているため、通知が届いたらすぐにご連絡ください。
Q. 転職したいのですが、今の会社に言わずにビザの手続きをすることはできますか? A. 在留期間更新申請の際は転職後の勤務先情報が必要となるため、転職が確定した状態でないと申請が困難です。転職先が決まっていれば、就労資格証明書交付申請(転職先の業務が在留資格の範囲内か確認する申請)を行うことができます。現在の勤務先への通知は申請手続き上は不要です。
ご相談・お問い合わせ
就労ビザ・在留資格に関するご相談は初回無料です。
行政書士法人塩永事務所
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対応エリア:熊本市・菊陽町・合志市・大津町・益城町・八代市など熊本県全域
