
登録支援機関の設立完全マニュアル【2026年最新】失敗しない設立手順と実務ノウハウを徹底解説
2024年8月時点で全国に9,992件、2025年6月時点で10,300件超――登録支援機関の数は年々増加しています。特定技能外国人の受入れ拡大に伴い、約8割の受入れ企業が登録支援機関に支援を委託している現状において、登録支援機関の設立は大きなビジネスチャンスとなっています。
しかし、登録支援機関の設立には厳格な要件と専門知識が必要です。本記事では、外国人材受入れの専門家である行政書士法人塩永事務所が、登録支援機関の設立に必要なすべての情報を、実務経験に基づいて徹底解説します。
【目次】
- 登録支援機関とは?設立する価値
- 登録支援機関の設立要件【6つの基準】
- 設立に必要な書類と準備
- 設立申請の具体的な手順
- 設立費用の完全ガイド
- 設立後の収益モデルと運用
- 設立でよくある失敗と対策
- よくある質問
登録支援機関とは?設立する価値
登録支援機関の役割
登録支援機関とは、特定技能1号外国人を雇用する企業(受入れ機関)から委託を受けて、外国人材の生活支援・職場適応支援を行う専門機関です。出入国在留管理庁に登録された機関のみが、この業務を行うことができます。
なぜ今、登録支援機関の設立が注目されているのか
1. 市場規模の拡大
- 特定技能外国人の受入れ見込み:34万人超(2026年現在)
- 受入れ企業の約8割が登録支援機関に支援を委託
- 2019年制度開始からわずか5年で9,992件の登録支援機関が誕生
2. 安定的な収益構造
- 月額固定報酬:平均28,386円/人(出入国在留管理庁調査)
- 一般的な相場:月額2〜4万円/人
- 長期契約が基本で安定収益を確保
- 複数企業との契約で収益を多角化
3. 参入障壁の存在
- 登録要件をクリアした機関のみが活動可能
- 専門知識と実務経験が必要
- 適正な運用体制の構築が求められる
登録支援機関の設立が向いている事業者
以下のような事業者に特に適しています。
✓ 行政書士・弁護士などの士業
- 報酬を得た在留資格業務の実績が認められやすい
- 既存業務とのシナジー効果が高い
- 専門知識を活かせる
✓ 技能実習監理団体
- 外国人受入れの実績が豊富
- 支援体制が既に整っている
- 特定技能への移行支援が可能
✓ 人材紹介会社
- 外国人材の紹介と支援をセットで提供
- 総合的な人材サービスを展開
✓ 外国人雇用実績のある企業
- 自社の受入れノウハウを収益化
- グループ会社や取引先への支援提供
登録支援機関の設立要件【6つの基準】
登録支援機関を設立するには、出入国在留管理庁が定める6つの要件をすべて満たす必要があります。
要件1:支援責任者・支援担当者の選任
必須配置
- 支援責任者:1名以上
- 支援担当者:1名以上(支援責任者が兼任可能)
人員要件
- 過去2年以内に中長期在留者の支援業務に従事した経験
- 外国人が理解できる言語での対応能力(通訳配置でも可)
- 支援業務を適正に実施できる知識・経験
重要ポイント
- 非常勤は不可(常勤配置が原則)
- 受入れ機関の役員の親族は不可
- 過去5年以内に受入れ機関の役員・職員だった者は不可
要件2:支援実績または実務経験(最重要)
登録支援機関の設立において最も審査が厳しい要件です。以下のいずれかを満たす必要があります。
パターンA:外国人受入れ実績がある
2年以内に中長期在留者(就労資格)を適正に受け入れた実績
対象となる在留資格:
- 技能実習
- 特定技能
- 技術・人文知識・国際業務
- 技能
- 留学生のアルバイト雇用
- その他就労資格
証明方法
- 在留カードの写し
- 雇用契約書
- 給与明細・タイムカード
- 受入れ期間が確認できる書類
審査ポイント
- 人数よりも「適正性」が重視される
- 不正行為や法令違反がないこと
- 1か月でも雇用実績があればOK
パターンB:専門家としての業務実績
2年以内に報酬を得て、業として外国人の在留資格に関する業務を行った実績
該当する専門家:
- 行政書士(在留資格申請取次)
- 弁護士
- その他外国人関連業務の専門家
証明方法
- 受任契約書
- 請求書・領収書
- 申請書類の控え
- 業務実績一覧
重要な注意点
- 「業として」行ったことが必要
- ボランティアは対象外
- 継続的な業務実績が望ましい
パターンC:支援担当者に実務経験がある
支援責任者・支援担当者が過去5年間に2年以上、中長期在留者の生活相談業務に従事した経験
認められる経験:
- 他社の登録支援機関での勤務
- 外国人受入れ企業での支援業務
- 自治体等での外国人相談業務
- 技能実習監理団体での業務
証明方法
- 実務経験証明書(前職の会社から発行)
- 支援実施記録
- 在籍証明書
- 具体的な業務内容の説明書
審査のポイント
- 単に「勤務していた」だけでは不十分
- 具体的な支援内容と期間の証明が必要
- 業務として行った経験(無償ボランティアは不可)
パターンD:同等以上の能力がある
上記A〜Cと同等以上に、支援業務を適正に実施できると入管が認める場合
該当する可能性があるケース
- 外国人雇用に関する豊富な知識と経験
- 組織的な支援体制の構築
- 公益性の高い事業実績
注意点
- 入管の裁量判断となる
- 認否の基準が公表されていない
- 詳細な説明書と立証資料が必要
要件3:外国人が理解できる言語での対応体制
必須要件
- 支援対象となる外国人が十分理解できる言語での支援実施
- 相談・苦情対応を適切に行える体制
対応方法
- 外国語を話せる職員の配置
- 通訳の配置
- 外部通訳サービスとの契約
対応時間の目安
- 平日:週3日以上
- 休日:週1日以上
- 24時間365日対応までは求められていない
要件4:行方不明者を発生させていないこと
1年以内に、責めに帰すべき事由により特定技能外国人または技能実習生の行方不明者を発生させていないこと
- 適切な労働条件の確保
- 適正な支援の実施
- トラブルへの迅速な対応
要件5:費用を外国人本人に負担させないこと
支援費用を直接または間接的に外国人本人に負担させないこと
- 支援費用は受入れ機関が負担
- 給与からの天引きは不可
- 間接的な負担(報酬減額等)も不可
要件6:欠格事由に該当しないこと
以下のいずれにも該当しないことが必要です。
個人の場合
- 禁錮以上の刑に処せられ、執行終了から5年を経過していない
- 入管法・労働関係法令違反で罰金刑を受け、5年を経過していない
- 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過していない
- 過去に登録を取り消されてから5年を経過していない
- 精神機能の障害により支援業務を適正に行えない
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない
法人の場合
- 役員のうち1人でも上記に該当する者がいる
その他の欠格事由
- 5年以内に出入国・労働関係法令に関し不正行為を行った
- 支援委託契約時に費用の額と内訳を示さない
設立に必要な書類と準備
登録支援機関の設立申請では、16種類以上の書類が必要です。不備があると審査が長期化するため、正確な準備が重要です。
基本書類
| 書類名 | 法人 | 個人 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 登録支援機関登録申請書 | ○ | ○ | 所定様式あり |
| 手数料納付書 | ○ | ○ | 収入印紙28,400円貼付 |
| 登記事項証明書 | ○ | – | 申請日前3か月以内 |
| 定款または寄付行為の写し | ○ | – | 全ページ |
| 住民票 | – | ○ | 申請日前3か月以内 |
体制証明書類(最重要)
| 書類名 | 重要度 | ポイント |
|---|---|---|
| 支援責任者の就任承諾書・誓約書 | ★★★ | 実印押印が望ましい |
| 支援担当者の就任承諾書・誓約書 | ★★★ | 同上 |
| 支援責任者の履歴書 | ★★★ | 実務経験が確認できる詳細な記載が必須 |
| 支援担当者の履歴書 | ★★★ | 同上 |
| 組織体制図 | ★★ | 役割分担を明確化 |
| 登録支援機関概要書 | ★★★ | 支援体制の詳細説明 |
実績証明書類(審査で最も重視)
登録支援機関の設立において最も重要な書類です。
パターンA:外国人受入れ実績を証明する場合
- 在留カードの写し(受入れた外国人全員分)
- 雇用契約書の写し
- 給与明細、タイムカード等
- 受入れ期間が確認できる資料(雇用保険加入記録等)
- 適正に受入れを行ったことの説明書
パターンB:専門家実績を証明する場合
- 受任契約書の写し
- 請求書・領収書の写し
- 申請書類の控え
- 業務実績一覧
- 行政書士登録証明書等の写し
パターンC:支援業務経験を証明する場合
- 実務経験証明書(前職の会社から発行)
- 支援実施記録の写し
- 在籍証明書
- 業務内容の詳細説明書
パターンD:同等能力を証明する場合
- 同等の能力があることの説明書
- 立証資料
- 組織体制の詳細資料
規程類(実効性が重視される)
支援業務運営規程
登録支援機関の設立で必須かつ最重要の書類です。
含めるべき内容:
- 総則(目的、定義)
- 組織体制(責任者、担当者の役割)
- 支援業務の実施方法
- 事前ガイダンスの実施方法
- 出入国時の送迎手順
- 住居確保の支援方法
- 生活オリエンテーションの内容
- 公的手続きの同行支援
- 日本語学習の機会提供
- 相談・苦情対応の体制
- 日本人との交流促進
- 転職支援
- 定期的な面談
- 外国語対応の方法
- 記録の作成・保管方法
- 緊急時の対応手順
- 個人情報の保護
- 支援費用の管理
作成のポイント
- 形式的な規程では審査を通過できない
- 具体的な手順を明記
- 実際の運用を想定した内容
- 入管の指針・ガイドラインに沿った内容
支援委託契約書のひな形
- 受入れ機関との委託契約書
- 支援内容を具体的に記載
- 報酬の額と内訳を明示
誓約書・証明書類
| 書類名 | 対象 |
|---|---|
| 欠格事由非該当誓約書 | 申請者本人 |
| 登録支援機関の役員に関する誓約書 | 役員全員(法人) |
| 役員の住民票の写し | 役員全員(法人) |
事務所関連書類
| 書類名 | 目的 |
|---|---|
| 主たる事務所の住所に係る立証資料 | 事務所の実在性証明 |
| 事務所の写真(複数枚) | 業務スペースの確認 |
| 賃貸借契約書の写し | 賃貸の場合 |
返送用書類
- 返信用封筒(角形2号)
- 宛先明記
- 440円分の切手(簡易書留用)
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設立申請の具体的な手順
ステップ1:事前準備・要件確認(1〜2か月)
1-1. 自社の要件充足状況の診断
チェックリスト:
- [ ] 欠格事由に該当していないか
- [ ] 支援責任者・担当者の候補者がいるか
- [ ] 実務経験・実績を証明できるか
- [ ] 事務所を確保できるか(バーチャルオフィス不可)
- [ ] 外国語対応体制を構築できるか
1-2. 支援責任者・支援担当者の選任
選任基準:
- 過去2年以内の支援業務経験の有無
- 外国語対応能力(本人または通訳確保)
- 常勤での勤務が可能か
- 欠格事由に該当していないか
1-3. 実務経験の精査と証明書類の準備
必要な作業:
- 過去の外国人雇用記録の整理
- 在留カード等の証拠書類の収集
- 実務経験証明書の依頼(前職の会社等)
- 具体的な業務内容の整理
1-4. 事務所の確保
要件:
- 実体のある事務所が必要
- バーチャルオフィスは不可
- 郵便物の確実な受取が可能
- 業務に必要なスペースの確保
- 自宅兼事務所も可(ただし業務スペースの区分が必要)
ステップ2:書類作成・体制整備(2〜4週間)
2-1. 支援業務運営規程の作成
作成のステップ:
- 入管の指針・ガイドラインを確認
- 自社の支援体制を具体化
- 10項目の義務的支援の実施方法を詳細化
- 緊急時の対応フローを整備
- 記録・報告の方法を明確化
2-2. 支援計画書・契約書のひな形作成
含めるべき内容:
- 支援の具体的内容
- 支援の実施時期・頻度
- 支援責任者・担当者の配置
- 報酬の額と内訳
2-3. 証明書類の収集
必要な証明書:
- 登記事項証明書(法人:法務局で取得)
- 住民票(市区町村役場で取得)
- 実績証明書類(過去の記録から作成)
2-4. 組織体制の構築
整備すべき事項:
- 支援責任者・担当者の役割分担
- 外国語対応体制(通訳の確保)
- 記録作成・保管の仕組み
- 相談・苦情対応の窓口
ステップ3:登録申請(1日)
3-1. 提出先の確認
主な管轄:
| 地域 | 管轄 |
|---|---|
| 東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬、山梨、長野、新潟 | 東京出入国在留管理局 |
| 大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山 | 大阪出入国在留管理局 |
| 愛知、岐阜、三重、静岡 | 名古屋出入国在留管理局 |
| 広島、山口、岡山、鳥取、島根 | 広島出入国在留管理局 |
| 福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、鹿児島、宮崎、沖縄 | 福岡出入国在留管理局 |
| 北海道 | 札幌出入国在留管理局 |
| 宮城、福島、山形、岩手、秋田、青森 | 仙台出入国在留管理局 |
| 香川、愛媛、徳島、高知 | 高松出入国在留管理局 |
※本店または主たる事務所の所在地を管轄する局
3-2. 提出方法
選択肢:
- 窓口持参
- 受付時間:平日9:00〜12:00、13:00〜16:00
- その場で形式的なチェックあり
- 不備があればその場で指摘
- 郵送
- 書留郵便またはレターパックプラス推奨
- 返信用封筒を同封
- 受理確認に時間がかかる
3-3. 提出時の最終チェック
チェックリスト:
- [ ] 収入印紙28,400円を貼付したか
- [ ] 押印漏れがないか(押印不要な様式を除く)
- [ ] 書類の部数は正しいか
- [ ] 返信用封筒に切手を貼付したか
- [ ] 全ての添付書類が揃っているか
ステップ4:入管審査(2〜3か月)
4-1. 形式審査(提出後1〜2週間)
確認事項:
- 申請書の記載内容
- 添付書類の有無
- 押印・署名の有無
結果:
- 不備なし → 実質審査へ
- 不備あり → 補正指示
4-2. 実質審査(1〜2か月)
審査内容:
- 支援体制の妥当性
- 実績・経験の真正性
- 運営規程の実効性
- 組織の適正性
追加資料の提出を求められる場合:
- 実務経験の詳細説明
- 支援体制の補足資料
- 事務所の追加写真
- その他立証資料
4-3. 実地調査(場合により)
調査内容:
- 事務所の実在確認
- 業務スペースの確認
- 支援責任者へのヒアリング
- 書類の原本確認
審査期間の目安
- 標準的なケース:2〜3か月
- 補正指示がある場合:3〜6か月
- 複雑なケース(パターンD等):6か月以上
審査を早めるポイント
- 書類の完全性(不備なし)
- 実務経験の明確な証明
- 実効性のある運営規程
- 迅速な補正対応
ステップ5:登録完了
5-1. 登録通知
交付されるもの:
- 登録支援機関登録通知書
- 登録番号(例:22登-000000)
5-2. 公表
掲載場所:
- 出入国在留管理庁ホームページ
- 登録支援機関登録簿
5-3. 登録後すぐにできること
- 受入れ機関との支援委託契約の締結
- 支援業務の開始
- 広告・営業活動
- 特定技能外国人の支援計画書作成補助
設立費用の完全ガイド
初期費用(最低限必要な費用)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 登録手数料(収入印紙) | 28,400円 |
| 登記事項証明書 | 600円 |
| 住民票等 | 300円〜1,000円 |
| 返信用切手 | 440円 |
| 最低限の合計 | 約30,000円 |
追加で発生する可能性がある初期費用
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 事務所の敷金・礼金 | 10万円〜50万円 |
| 事務所の初月賃料 | 5万円〜30万円 |
| 設備・備品(デスク、PC等) | 5万円〜20万円 |
| ホームページ作成 | 10万円〜50万円 |
| 名刺・パンフレット作成 | 5万円〜10万円 |
| 社印・角印等の作成 | 1万円〜3万円 |
| 追加費用の合計目安 | 36万円〜163万円 |
専門家報酬
| サービス内容 | 報酬相場 |
|---|---|
| 登録申請代行(書類作成・提出のみ) | 15万~ |
| 運営規程作成 | 8万円〜 |
| 総合サポート(設立コンサル・実績証明サポート含む) | 20万円〜 |
専門家報酬の相場:15万円〜20万円程度(2024年調査)
依頼するメリット
- 書類不備による審査長期化を防ぐ
- 実務経験の効果的な証明方法をアドバイス
- 運営規程の実効性を担保
- 補正対応も含めてサポート
設立費用の総額(ケース別)
ケース1:最小限の費用で設立(自分で申請・自宅事務所)
- 登録手数料等:約3万円
- 設備・広告:約5万円
- 合計:約8万円
ケース2:専門家に依頼・賃貸事務所
- 登録手数料等:約3万円
- 専門家報酬:15万円〜20万円
- 事務所関連:30万円〜80万円
- 設備・広告等:20万円〜60万円
- 合計:68万円〜163万円
ケース3:本格的な体制で設立
- 登録手数料等:約3万円
- 専門家報酬:30万円〜40万円
- 事務所関連:50万円〜100万円
- 設備・広告等:30万円〜80万円
- 人材採用費:50万円〜100万円
- 合計:163万円〜323万円
継続的な運営費用(月額)
登録支援機関の設立後、以下の費用が継続的に発生します。
人件費
- 支援責任者:月給25万円〜40万円
- 支援担当者:月給20万円〜35万円
- 通訳(必要時):時給1,500円〜3,000円
事務所関連費用
- 賃料:月5万円〜30万円(地域により大きく変動)
- 光熱費:月1万円〜3万円
- 通信費:月1万円〜2万円
業務関連費用
- 交通費:月3万円〜10万円(支援対象者数による)
- システム利用料:月1万円〜5万円
- 保険料:月1万円〜3万円
その他
- 研修費:年10万円〜30万円
- 広告宣伝費:月5万円〜20万円
- 消耗品費:月1万円〜3万円
月額運営費用の目安:35万円〜100万円
5年後の更新費用
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 更新手数料(収入印紙) | 19,700円 |
| 返信用切手 | 440円 |
| 合計 | 約20,000円 |
※専門家に更新申請を依頼する場合は、別途5万円〜10万円
設立後の収益モデルと運用
登録支援機関の設立後の収益とビジネスモデルを理解することは、設立を検討する上で重要です。
収益構造
1. 支援委託手数料(メイン収益)
月額固定型
- 平均:28,386円/人(出入国在留管理庁調査)
- 一般的な相場:月額2〜4万円/人
- 設定が多い金額:25,000円〜30,000円/人
項目別課金型
| 支援項目 | 相場 |
|---|---|
| 入国前事前ガイダンス | 2万円〜6万円/回 |
| 出入国時の送迎 | 1万円〜3万円/回 |
| 住居確保・生活必需品購入支援 | 3万円〜10万円/回 |
| 生活オリエンテーション | 3万円〜8万円/回 |
| 公的手続き等への同行 | 5,000円〜1万円/回 |
| 日本語学習の機会提供 | 5,000円〜2万円/月 |
| 相談・苦情対応 | 5,000円〜1.5万円/月 |
| 定期的な面談 | 3,000円〜1万円/回 |
2. 在留資格申請代行(追加収益)
| 申請種類 | 報酬相場 |
|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 | 8万円〜15万円 |
| 在留期間更新許可申請 | 5万円〜10万円 |
| 在留資格変更許可申請 | 8万円〜15万円 |
収益シミュレーション
ケース1:小規模スタート(支援対象者10名)
月額収入:
- 支援委託手数料:25,000円 × 10名 = 250,000円
- 在留資格申請(月平均2件):100,000円
- 月額収入合計:350,000円
月額支出:
- 人件費(責任者1名):300,000円
- 事務所・通信費等:100,000円
- その他経費:50,000円
- 月額支出合計:450,000円
月額収支:▲100,000円
※初期段階では赤字も、支援対象者の増加で黒字化
ケース2:中規模展開(支援対象者30名)
月額収入:
- 支援委託手数料:25,000円 × 30名 = 750,000円
- 在留資格申請(月平均5件):250,000円
- 月額収入合計:1,000,000円
月額支出:
- 人件費(責任者1名、担当者2名):700,000円
- 事務所・通信費等:150,000円
- その他経費:100,000円
- 月額支出合計:950,000円
月額収支:+50,000円 年間利益:約60万円
ケース3:本格展開(支援対象者50名)
月額収入:
- 支援委託手数料:28,000円 × 50名 = 1,400,000円
- 在留資格申請(月平均8件):400,000円
- 月額収入合計:1,800,000円
月額支出:
- 人件費(責任者1名、担当者3名、通訳2名):1,200,000円
- 事務所・通信費等:250,000円
- その他経費:150,000円
- 月額支出合計:1,600,000円
月額収支:+200,000円 年間利益:約240万円
損益分岐点の目安
支援対象者数による損益分岐点
月額固定報酬25,000円/人の場合:
- 小規模体制(人件費40万円):損益分岐点 約16名
- 中規模体制(人件費70万円):損益分岐点 約28名
- 大規模体制(人件費120万円):損益分岐点 約48名
設立後の義務(継続的コンプライアンス)
1. 四半期ごとの定期報告
報告内容:
- 支援実施状況
- 支援対象者の状況
- 支援委託契約の締結状況
報告期限:
- 各四半期終了後14日以内
報告方法:
- 出入国在留管理庁電子届出システム
- または書面提出
2. 随時報告
報告が必要な事項:
- 登録事項の変更(商号、住所、代表者等)
- 支援責任者・支援担当者の変更
- 支援業務の休止・廃止
- 欠格事由への該当
報告期限:
- 変更があった日から14日以内
3. 支援実施義務
10項目の義務的支援を適正に実施:
- 事前ガイダンス
- 出入国時の送迎
- 住居確保の支援
- 生活オリエンテーション
- 公的手続きの同行
- 日本語学習の機会提供
- 相談・苦情対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援(受入れ機関都合の場合)
- 定期的な面談
4. 記録の作成・保管
保管義務:
- 支援実施記録
- 5年間の保管
- 入管の立入検査時に提示
5. 登録取消しのリスク
取消事由:
- 欠格事由に該当した場合
- 虚偽の申請が判明した場合
- 支援業務を適正に実施していない場合
- 報告義務を履行しない場合
- 入管の改善命令に従わない場合
取消しの影響:
- 支援業務の即時停止
- 5年間の再登録禁止
- 受入れ機関への影響(外国人材の受入れ停止リスク)
- 事業の信用失墜
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設立でよくある失敗と対策
登録支援機関の設立において、多くの申請者が陥りがちな失敗とその対策を解説します。
失敗1:実務経験の証明が不十分
よくある失敗
- 履歴書に「外国人材の支援業務に従事」とだけ記載
- 具体的な業務内容の説明がない
- 証拠書類が不足
審査での指摘例
- 「具体的にどのような支援を行ったか説明してください」
- 「業務に従事した期間を証明する書類を提出してください」
- 「支援した外国人の在留カード等を提出してください」
正しい対策
- 履歴書に具体的な業務内容を詳細に記載
- 例:「技能実習生10名の生活相談対応、住居確保支援、公的手続き同行を担当(2023年4月〜2025年3月)」
- 支援した外国人のリストを作成
- 在留カード、雇用契約書等の証拠書類を準備
- 実務経験証明書を前職の会社から取得
失敗2:運営規程が形式的
よくある失敗
- インターネットからダウンロードした雛形をそのまま使用
- 自社の実態に合わない内容
- 具体的な手順の記載がない
審査での指摘例
- 「相談・苦情対応の具体的な方法を説明してください」
- 「緊急時の対応フローが不明確です」
- 「外国語対応の体制が実効性に欠けます」
正しい対策
- 自社の実際の運用を想定した規程を作成
- 具体的な業務フローを明記
- 緊急時の連絡体制を詳細化
- 外国語対応の具体的方法を記載(通訳の配置、連絡先等)
- 記録の作成・保管方法を具体化
失敗3:事務所の実在性が証明できない
よくある失敗
- バーチャルオフィスで申請
- 自宅住所だが業務スペースが不明確
- 事務所の写真が不十分
審査での指摘例
- 「バーチャルオフィスは認められません」
- 「業務スペースが確認できる写真を提出してください」
- 「郵便物を確実に受け取れる体制を説明してください」
正しい対策
- 実体のある事務所を確保
- 自宅の場合は業務スペースを明確に区分
- 事務所の写真を複数枚撮影(入口、内部、業務スペース等)
- 賃貸借契約書等の書類を準備
- 郵便受取の体制を説明
失敗4:外国語対応体制が不明確
よくある失敗
- 「必要に応じて通訳を手配します」と記載するだけ
- 具体的な通訳確保の方法が不明
- 対応可能な言語が不明確
審査での指摘例
- 「通訳をどのように確保するか具体的に説明してください」
- 「○○語に対応できる体制を証明してください」
- 「24時間対応は必須ではありませんが、平日・休日の対応時間を明確にしてください」
正しい対策
- 外国語を話せる職員がいる場合は履歴書に明記
- 通訳会社との契約書を準備
- 対応可能な言語を明確化
- 対応時間(平日週3日以上、休日週1日以上)を具体的に記載
- 緊急時の連絡体制を整備
失敗5:補正対応の遅れ
よくある失敗
- 補正指示を受けたが対応に時間がかかる
- 追加資料の準備に手間取る
- 結果的に審査が6か月以上かかる
影響
- 設立スケジュールの大幅な遅延
- 受入れ企業との契約開始が遅れる
- ビジネスチャンスの喪失
正しい対策
- 申請前に書類を完全に整える
- 想定される追加資料を事前に準備
- 補正指示には迅速に対応(1週間以内が目安)
- 不明点は入管に確認しながら進める
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よくある質問
Q1. 個人でも登録支援機関を設立できますか?
A. はい、可能です。
法人・個人を問わず設立できます。ただし、以下の点に注意が必要です。
要件:
- 欠格事由に該当しないこと
- 支援実績または実務経験があること
- 事務所を有すること(自宅可)
- 継続的に業務を行える体制があること
個人での設立が向いているケース:
- 行政書士として独立している
- 外国人雇用の経験が豊富
- 小規模からスタートしたい
Q2. 登録支援機関の設立にどのくらいの期間がかかりますか?
A. 最短で3か月、標準的には3〜6か月です。
スケジュール:
- 準備期間:1〜2か月
- 審査期間:2〜3か月
- 合計:3〜5か月
書類不備があると6か月以上かかることもあります。
早期設立のポイント:
- 書類の完全性
- 実務経験の明確な証明
- 迅速な補正対応
Q3. 行政書士が登録支援機関を設立するメリットは?
A. 大きなメリットがあります。
主なメリット:
- 報酬を得た在留資格業務の実績が認められやすい
- 既存の在留資格申請業務とのシナジー
- 顧客企業への総合的なサービス提供
- 専門知識を活かした高品質な支援
収益面でのメリット:
- 在留資格申請代行と支援業務をセットで提供
- 月額固定収入の確保
- 顧客のライフタイムバリュー向上
Q4. 外国語ができなくても設立できますか?
A. はい、可能です。
組織として外国語対応できれば問題ありません。
対応方法:
- 外国語を話せる職員の採用
- 通訳の配置(パート・アルバイト可)
- 外部通訳サービスとの契約
- 翻訳ツールの活用(補助的に)
重要なポイント:
- 迅速に対応できる体制が必要
- 24時間365日対応までは求められていない
- 平日週3日以上、休日週1日以上の対応が目安
Q5. バーチャルオフィスで登録支援機関を設立できますか?
A. いいえ、できません。
実体のある事務所が必要です。
認められる事務所:
- 自己所有の事務所
- 賃貸事務所
- 自宅兼事務所(業務スペースが明確な場合)
認められない事務所:
- バーチャルオフィス
- 住所のみ利用のシェアオフィス
- 郵便転送サービスのみ
確認される事項:
- 郵便物の確実な受取
- 業務スペースの確保
- 入管の実地調査への対応可能性
Q6. 登録支援機関を設立後、すぐに支援業務を開始できますか?
A. はい、登録通知を受けた日から開始可能です。
開始に必要なステップ:
- 受入れ機関との支援委託契約締結
- 支援計画書の作成(受入れ機関が作成、登録支援機関は補助可能)
- 支援体制の最終確認
注意点:
- 広告・営業は登録前でも可能
- ただし、契約締結と支援実施は登録後のみ
Q7. 登録支援機関設立のための助成金や補助金はありますか?
A. 直接的な設立補助金はありませんが、活用できる可能性があるものがあります。
可能性がある補助金:
- 創業支援補助金(自治体により異なる)
- 小規模事業者持続化補助金
- IT導入補助金(システム導入時)
- 事業再構築補助金
注意点:
- 各補助金の要件を確認
- 申請時期が限定的
- 採択率は100%ではない
Q8. 親会社の子会社として登録支援機関を設立できますか?
A. 可能ですが、注意が必要です。
審査のポイント:
- 過度に密接な資本関係がないか
- 支援の独立性が確保されているか
- 形骸化のおそれがないか
認められる可能性が高いケース:
- 親会社が人材派遣業など外国人雇用に関係ない業種
- 支援体制が独立している
- 第三者からの委託も受ける予定
注意が必要なケース:
- 親会社が外国人受入れ企業
- 親会社への支援のみを想定
- 人員・資金面で完全に依存
対策:
- 独立した支援体制の構築
- 第三者からの委託受入れ体制
- 適正な支援の実施を説明
Q9. 登録支援機関の設立に失敗することはありますか?
A. はい、要件を満たしていない場合は登録が認められません。
よくある失敗理由:
- 実務経験の証明が不十分
- 運営規程が形式的
- 事務所の実在性が証明できない
- 欠格事由に該当する
登録拒否された場合:
- 手数料28,400円は返還されない
- 再申請は可能(要件を満たせば)
- 拒否理由を踏まえた改善が必要
失敗を防ぐポイント:
- 事前の十分な要件確認
- 専門家への相談
- 書類の完全性
- 実効性のある体制構築
Q10. 登録支援機関設立後の収益見込みは?
A. 支援対象者数により大きく変動します。
収益モデル:
- 月額報酬:2〜4万円/人(平均2.8万円)
- 在留資格申請代行:5万円〜15万円/件
損益分岐点(月額報酬2.5万円/人の場合):
- 小規模体制:約16名
- 中規模体制:約28名
- 大規模体制:約48名
年間利益の目安:
- 支援対象者30名:約60万円
- 支援対象者50名:約240万円
- 支援対象者100名:約600万円
成功のポイント:
- 受入れ企業との信頼関係構築
- 高品質な支援の提供
- 営業活動の継続
- 複数の収益源の確保
登録支援機関の設立は専門家にお任せください
登録支援機関の設立には、高度な専門知識と実務経験が求められます。特に、実績証明や運営規程の作成は、多くの申請者が苦労するポイントです。
行政書士法人塩永事務所の設立サポート
✓ 豊富な登録支援機関設立実績
多数の登録支援機関設立をサポートし、高い登録成功率を実現しています。
✓ 最短での登録を実現
不備のない書類作成で、審査期間を最小化。標準2〜3か月での登録を目指します。
✓ 実効性のある運営規程を作成
形式的ではない、実際の運用を想定した規程を作成し、入管審査をクリア。
✓ 実務経験の効果的な証明をサポート
貴社の経験・実績を最大限活かした証明方法をアドバイス。
✓ 設立後の運用まで一貫サポート
登録がゴールではなく、四半期報告、変更届出、支援業務の相談まで継続サポート。
サポート内容
設立前段階
- 要件充足状況の診断
- 実現可能性の評価
- 最適な設立スケジュールの提案
- 実務経験証明の戦略立案
申請段階
- 登録申請書の作成
- 支援業務運営規程の作成
- 各種証明書類の準備サポート
- 入管への提出代行
- 補正対応
設立後サポート
- 四半期ごとの定期報告代行
- 変更届出の代行
- 支援業務の相談対応
- コンプライアンス研修
- 最新法令情報の提供
料金
- 登録申請代行:165,000円(税込)
- 運営規程作成込み:220,000円(税込)
- 総合サポート(設立コンサル含む):330,000円(税込)
※登録手数料28,400円は別途必要
まとめ:登録支援機関の設立を成功させるために
登録支援機関の設立を成功させるには、以下のポイントが重要です。
1. 要件の正確な理解
6つの要件をすべて満たしているか、客観的に判断する
2. 実務経験の適切な証明
具体的で説得力のある証明書類を準備する(最重要)
3. 実効性のある運営規程
形式的ではない、実際の運用を想定した規程を作成する
4. 完全な書類準備
不備のない書類で、審査の長期化を防ぐ
5. 事務所の適切な確保
バーチャルオフィス不可、実体のある事務所が必要
6. 外国語対応体制の構築
迅速に対応できる体制を整備する
7. 専門家の活用
複雑な手続きは専門家に依頼し、確実な設立を実現する
8. 設立後の運用を見据えた準備
登録後の義務を理解し、継続的に対応できる体制を構築する
登録支援機関の設立は、適切な準備と専門知識があれば、確実に実現できます。
登録支援機関の設立に関するご相談は
行政書士法人塩永事務所 096-385-9002 info@shionagaoffice.jp
外国人材受入れの専門家として、貴社の登録支援機関設立を全力でサポートいたします。
初回相談無料 お気軽にお問い合わせください
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最終更新日:2026年2月10日
関連情報
- 登録支援機関数:10,300件超(2025年6月時点)
- 特定技能外国人受入れ見込み:34万人超
- 受入れ企業の登録支援機関活用率:約80%
- 支援委託手数料の平均:28,386円/月・人(出入国在留管理庁調査)
- 審査期間:2〜3か月(標準)
- 登録の有効期間:5年
