
特定技能制度について【2026年2月最新版】
特定技能制度とは
人手不足が深刻な産業分野において、中小・小規模事業者をはじめとした深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れる制度です。
特定技能の種類
特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があります。
特定技能1号
対象者: 特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格
主なポイント:
- 在留期間: 1年、6か月又は4か月ごとの更新(2025年9月改正により、最長3年の在留期間指定が可能)
- 通算上限: 原則5年まで(ただし、妊娠・出産・育児、病気・怪我による休業期間は通算期間に含まれない)
- 特例措置: 特定技能2号試験で合格基準点の8割以上を取得した場合、最長6年まで延長可能(自動車整備・航空分野は除く)
- 技能水準: 試験等で確認(技能実習2号を良好に修了した外国人は試験等免除)
- 日本語能力: 生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(技能実習2号を良好に修了した外国人は試験等免除)
- 家族帯同: 基本的に認められない
- 支援: 受入れ機関又は登録支援機関による支援が必要
特定技能2号
対象者: 特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格
主なポイント:
- 在留期間: 3年、2年、1年又は6か月ごとの更新(在留期間の上限なし)
- 技能水準: 試験等で確認(熟練した技能が求められる)
- 日本語能力: 試験等での確認は不要
- 家族帯同: 要件を満たせば可能(配偶者、子)
- 支援: 1号のような支援計画は不要
※特定技能外国人は同じ業種など一定条件下で転職が可能です
技能実習と特定技能の違い
技能実習制度
日本の技術を発展途上地域へ移転して経済発展を担う「人づくり」に寄与するという国際協力の推進が目的の制度です。
注: 技能実習制度は2027年4月1日に廃止され、新たに「育成就労制度」が開始されます。
特定技能
外国労働者としての在留資格で、日本国内で人材不足が顕著な業種の労働力を確保するための在留資格です。特定技能対象業種であれば、広い範囲での労働を行うことができます。
特定技能外国人受入れの要件
受入れ機関(企業)は以下の要件を満たす必要があります:
- 労働、社会保険及び租税に関する法令の規定を遵守していること
- 特定技能雇用契約の締結の日前1年以内又はその締結の日以後に、特定技能雇用契約において外国人が従事する業務と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
- 特定技能雇用契約の締結の日前1年以内又はその締結の日以後に、行方不明者を発生させていないこと
- 欠格事由(5年以内に労働法令違反等)に該当しないこと
- 特定技能雇用契約に係る外国人の活動内容に関する文書を作成し、従事事務所に雇用契約終了日から1年以上備え置くこと
- 外国人等が保証金や違約金の徴収等をされていることを受入機関(企業)が認識して雇用契約を締結していないこと
- 他者との間で、受入れ機関が違約金の徴収等を定める契約等を締結していないこと
- 支援に要する費用を、直接または間接に外国人に負担させないこと
- 外国人の労働者派遣をする場合には、派遣先が上記基準を満たすこと
- 労働者災害補償保険関係の成立の届出等を講じていること
- 雇用契約を継続して履行できる体制が適切に整備されていること
- 報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと
- 分野に特有の基準に適合すること
- 【2025年4月新設】 地域の共生施策に関する協力確認書を市区町村に提出すること
受入可能分野(2026年2月現在)
特定技能1号の対象分野(16分野)
- 介護業
- ビルクリーニング業
- 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(統合後の工業製品製造業)
- 建設業
- 造船・舶用工業
- 自動車整備業
- 航空業
- 宿泊業
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 【2024年追加】 自動車運送業
- 【2024年追加】 鉄道
- 【2024年追加】 林業
- 【2024年追加】 木材産業
※2027年には物流倉庫、リネンサプライ、資源循環の3分野が追加される予定です(全19分野へ拡大)
特定技能2号の対象分野(11分野)
2023年8月31日より、以下の11分野が対象となっています:
- ビルクリーニング業
- 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
- 建設業
- 造船・舶用工業
- 自動車整備業
- 航空業
- 宿泊業
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
※介護分野は対象外です(在留資格「介護」という別の制度があるため) ※2024年新設の自動車運送業、鉄道、林業、木材産業は現時点で2号の対象外です
2025年4月施行の主な制度変更点
1. 定期届出の簡素化
- 変更前: 四半期ごと(年4回)の提出
- 変更後: 年1回の提出(毎年4月1日~5月31日)
- 初回提出: 2026年4月1日~5月31日
2. 随時届出の追加
- 在留資格許可後1か月以上就労できない場合の届出が必要に
- 自己都合退職は「受入れ困難」の対象外に変更
3. 在留期間の柔軟化
- 1号:最長3年の在留期間指定が可能に
- 2号:2年の在留期間が新たに追加
- 妊娠・出産・育児、病気・労災による休業期間は通算5年に含まれない
4. 申請書類の簡素化
- 所属機関の適格性書類は年1回の定期届出時に提出する形に変更
在留外国人数の推移
2025年6月末時点での特定技能在留外国人数は336,196人と過去最多を更新しています(前年比+33%、84,449人増)。
特に飲食料品製造業分野が最大の受入れ分野となっており、インドネシアとミャンマーからの受入れが急増しています。
受入事例:外食業の場合
日本在住留学生が特定技能外国人として外食業で働く場合の流れ
- 試験合格
- 外食業技能測定試験に合格
- 日本語能力試験(JLPT)N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)に合格
- 就業先決定
- 求人申し込み、または職業紹介業者による斡旋により就業先決定
- 契約・支援
- 雇用契約の締結
- 事前ガイダンス等の支援を受ける
- 在留資格変更許可申請
- 必要書類を揃えて申請
- 就業開始
- 許可後、就業開始
外食業で従事できる業務
飲食物調理
- 客に提供する飲食料品の調理、調製、製造
- 例:食材仕込み、加熱調理、非加熱調理、調味、盛付け、飲食料品の調製等
接客
- 客に飲食料品を提供するために必要な飲食物調理以外の業務
- 例:席への案内、メニュー提案、注文伺い、配膳、下膳、カトラリーセッティング、代金受取り、商品セッティング、商品の受け渡し、食器・容器等の回収、予約受付、客席のセッティング、苦情等への対応、給食事業所における提供先との連絡・調整等
店舗管理
- 店舗の運営に必要となる上記2業務以外のもの
- 例:店舗内の衛生管理全般、従業員のシフト管理、求人・雇用に関する事務、従業員の指導・研修に関する事務、予約客情報・顧客情報の管理、レジ・券売機管理、会計事務管理、社内本部・取引事業者・行政等との連絡調整、各種機器・設備のメンテナンス、食材・消耗品・備品の補充、発注、検品又は数量管理、メニューの企画・開発、メニューブック・POP広告等の作成、宣伝・広告の企画、店舗内外・全体の環境整備、店内オペレーションの改善、作業マニュアルの作成・改訂等
多岐にわたって業務をこなすことができます。
外食業受入企業の義務
- 各種手続
- ハローワークへの届出
- 各種福利厚生の手続等を行う
- 支援の実施
- 外国人に対して支援を実施
- 生活オリエンテーション、その他支援(自社または登録支援機関に委託)
- 協議会への加入
- 「外食業」分野の協議会に加入
- 入国後又は雇用後4か月以内に協議会に加入し、加入後は農林水産省及び協議会に対し必要な協力を行う
- 届出・面談の実施
- 義務付けられた「届出」や「定期の面談」を行う(自社または登録支援機関で実施)
オンライン申請の活用推進
2025年以降、出入国在留管理庁ではオンライン申請の活用を強く推奨しています。
メリット:
- 審査の進捗状況を自身で確認可能
- 在留資格認定証明書を電子メールで受け取り可能
- 窓口の混雑回避
- 処理の迅速化
注意: 2026年4月以降、定期届出の簡素化適用にはオンライン申請・電子届出の利用者登録が必須となります。
特定技能制度に関するご相談は、いつでも行政書士法人塩永事務所にお声掛けください。
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