
【特定技能】インドネシア人の採用ルートや注意点、費用などをまとめて解説
行政書士法人塩永事務所(登録支援機関)
この記事では、特定技能制度でインドネシア人の採用を検討されている熊本の企業様に向けて、「インドネシア人の特徴や採用メリット・デメリット」、「採用ルートや採用における注意点」、「採用に係る費用」などについて、登録支援機関として多数の受入れ支援実績を持つ行政書士法人塩永事務所が詳しく解説いたします。
インドネシア人材の採用をご検討中の企業様は、ぜひご覧ください。
目次
- 特定技能制度におけるインドネシア人の割合
- 採用の前に知っておきたいインドネシア人の特徴
- 特定技能制度でインドネシア人を採用するメリットとデメリット
- 特定技能制度でインドネシア人を採用するルート
- 特定技能制度でインドネシア人を採用する場合の注意点
- 特定技能制度でインドネシア人を採用する場合の費用
- まとめ
1. 特定技能制度におけるインドネシア人の割合
はじめに、特定技能制度で来日する外国人のうち、インドネシア人が占める割合について見ていきましょう。
特定技能外国人の国籍別データは出入国在留管理庁が公表しています。2024年6月末時点のデータによると、特定技能で在留するインドネシア人は44,298人となっており、全体の約17%程度の割合となっています。
17%と聞くと少なく感じるかもしれませんが、ベトナム人が群を抜いて多いだけで、インドネシア人は2番目に多い国籍となっています。インドネシア人は、特定技能外国人の中核をなす国の一つと言えるのです。
**参考:**出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表」
2. 採用の前に知っておきたいインドネシア人の特徴
続いて、採用の前に知っておきたいインドネシア人の特徴をご紹介いたします。
**注意:**こちらはあくまでも特定技能外国人として日本で就労される方に多く見られる傾向であり、すべてのインドネシア人に当てはまるわけではありません。ご参考程度にお読みください。
特徴① 「何とかなるさ」というポジティブな精神
一つ目に挙げられる特徴は、「何とかなるさ」というポジティブな精神を持つことです。
インドネシア人は非常にポジティブであり、小さなことを気にせず、大抵のことを「何とかなるさ」の精神で乗り切る傾向にあります。この楽観的な姿勢は、困難な状況でも前向きに取り組む力となります。
特徴② 仕事よりも宗教や家庭を優先する
インドネシア人は、仕事よりも宗教・家庭を優先する傾向があります。
仕事はあくまでも、家庭や宗教を含めたプライベートを豊かにするために必要な収入を得る手段であり、それ以上でも以下でもないという価値観を持つ方が多いのです。
ただし、近年インドネシア人の若者の中には、宗教の優先度が以前より低くなってきている層も増えてきています。イスラム教徒であっても、毎日5回実施するお祈りを夕方1回にまとめて済ませる方もいるなど、以前と比較すると仕事に与える影響は小さくなってきたと言えます。
特徴③ 叱られることに慣れていない
また、「叱られることに慣れていない」という点も特徴として挙げられます。
インドネシアでは、親が子供を厳しく叱ったり怒ったりする習慣があまりないため、そういった場面に慣れていない人が多いのです。
そのため、人前で間違いを指摘したり叱ったりすると、インドネシア人は屈辱を受けたと感じてしまう可能性があります。何か指摘事項がある際は、1対1の環境で注意を促すなど、ある程度配慮する必要があります。
当事務所からのアドバイス:
受入れ前に、社内担当者向けの異文化理解研修を実施することで、こうした文化的な違いによるトラブルを未然に防ぐことができます。
3. 特定技能制度でインドネシア人を採用するメリットとデメリット
次に、特定技能制度でインドネシア人を採用するメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット
メリット① 若手人材が豊富にいる
まずメリットとして挙げられるのは、若手人材が豊富にいるという点です。
総務省統計局が公表している「世界の統計2021」によると、インドネシアの平均年齢は29.7歳と非常に若いことが分かります。
そのため、日本では不足しがちな若手人材の供給源として、有力な国と言えるでしょう。
メリット② 助け合いの精神が強い
インドネシアは多民族・多宗教国家であるにもかかわらず、お互いの価値観を尊重し、助け合うという精神(ゴトンロヨン)が根付いています。
そのため仕事においても、誰かが困っていたら見て見ぬふりをせず、率先して協力してくれる傾向があります。この協調性の高さは、チームワークが重視される日本の職場環境に適応しやすい要因となっています。
メリット③ 採用に係る費用を抑えやすい
インドネシア人を特定技能制度で採用する場合、ベトナムなどの国と異なり、送出機関を経由する必要がありません。
そのため送出機関への手数料などを削減でき、その分採用に係る費用を抑えることができます。
デメリット
デメリット① 宗教への配慮が必要
インドネシアは多宗教国家ですが、中でもイスラム教が大半を占めます(約8割)。
イスラム教には以下のような規則があります:
- 毎日5回のお祈り(先に記載した通り、人によっては多少緩和されつつあります)
- 断食期間(ラマダン)
- 豚肉やアルコールの飲食禁止
- その他、様々な宗教上の規則
そのため採用企業は、宗教上の規則に対する配慮が必要となります。
具体的な配慮例:
- お祈りのための休憩時間・場所の確保
- 食堂でのハラール食品への対応
- 断食期間中の勤務時間調整
- 宗教的な祝日への理解
デメリット② ゴム時間(ジャムカレット)
インドネシアには「ジャムカレット(ゴム時間)」という言葉があります。
インドネシア人にとって時間はゴムのように伸び縮みするもので、例えば13時と言えば13:00〜13:59のことを指すという風に、時間に対する認識が日本人とは異なる場合があります。
そのため業務の期限や納期を守るためには、以下のような工夫が必要です:
- 余裕を持たせたスケジュールを組む
- 期限の重要性を明確に伝える
- 進捗確認を定期的に行う
当事務所からのアドバイス:
受入れ後の生活オリエンテーションにおいて、日本の時間厳守の文化について丁寧に説明することで、この点は改善されることが多いです。
4. 特定技能制度でインドネシア人を採用するルート
ここからは、特定技能制度でインドネシア人を採用するルートについて説明していきます。
重要:「インドネシアから来日してもらうルート」と「既に日本に在留しているインドネシア人を雇用するルート」では手続き・流れが若干異なりますので、ご注意ください。
採用ルート別の手続きの流れ
ルート① インドネシアから来日してもらう場合
海外在住のインドネシア人に来日してもらうルートの手続きは以下のとおりです。
ステップ① IPKOLに登録・求人申し込み
まずはインドネシア政府が管理する労働市場情報システム「IPKOL」に登録し、求人申し込みを実施します。
ステップ② 雇用契約の締結
その後、IPKOLを通じて応募してきたインドネシア人と面接などを実施し、双方問題なければ雇用契約を締結する流れとなります。
対象者:
- 技能実習2号または3号を良好に修了した後に帰国した者
- インドネシア国内で特定技能評価試験に合格した者
ステップ③ 在留資格認定証明書交付申請
続いて出入国在留管理局に在留資格認定証明書交付申請を実施し、交付された後は当該インドネシア人に送付します。
ステップ④ SISKOTKLNへの登録
その後、当該インドネシア人が、インドネシア政府が管理する海外労働者管理システム「SISKOTKLN」に登録を実施し、移住労働者証を発行してもらう形になります。
ステップ⑤ 査証(ビザ)申請
次に在留資格認定証明書と移住労働者証を合わせて、当該インドネシア人が在インドネシア日本大使館にて、査証(ビザ)申請を実施します。
ステップ⑥ 来日・就業開始
無事査証(ビザ)が発給されれば、来日・就業開始となります。
ルート② 既に日本にいるインドネシア人を採用する場合
既に日本に在留しているインドネシア人を採用するルートの手続きは以下のとおりです。
ステップ① 雇用契約の締結
以下の要件を満たすインドネシア人を対象に採用活動を実施し、双方に問題がなければ雇用契約を締結します。
対象者:
- 技能実習2号または3号を良好に修了した者
- 国内で特定技能評価試験に合格した者
ステップ② SISKOTKLNへの登録
その後、当該インドネシア人がSISKOTKLNへの登録を実施し、移住労働者証を発行してもらいます。
ステップ③ 海外労働者登録手続き・推薦状の発行
移住労働者証が発行された後、駐日インドネシア大使館に対して、当該インドネシア人が海外労働者登録手続きを実施し、推薦状を発行してもらう必要があります。
ステップ④ 在留資格変更許可申請
移住労働者証と推薦状が用意できたら、当該インドネシア人が出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請を実施します。
ステップ⑤ 就労開始
在留資格変更許可申請が許可されれば、無事就業開始となります。
当事務所のサポート:
当事務所では、在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請などの入管手続きを代行いたします。申請取次行政書士として、企業様・外国人本人双方の負担を最小限に抑えます。
5. 特定技能制度でインドネシア人を採用する場合の注意点
特定技能制度でインドネシア人を採用するルートを確認いただいたところで、改めて採用する際の注意点をまとめておきましょう。
注意点① IPKOLへの登録が必要
インドネシアから来日してもらうルートの場合、受入れ企業はまずインドネシア政府が管理するIPKOLに登録する必要があります。
IPKOLの特徴:
- 登録自体は無料
- オンラインで登録可能
- 入力方法が英語またはインドネシア語
注意: 英語またはインドネシア語での入力が必要となるため、不安な場合は専門家への相談をお勧めします。
注意点② インドネシア人にSISKOTKLNへ登録してもらう必要がある
また、インドネシア人にSISKOTKLNへ登録してもらう必要があるという点も押さえておきましょう。
重要: SISKOTKLNへの登録は、インドネシアから来日してもらう場合でも、既に日本に在留している場合でも対応してもらう必要があります。
受入れ企業側が直接対応するわけではありませんが、手続きの流れとして留意しておくべきでしょう。
注意点③ 教育・研修は受入れ企業側で手厚く行う必要がある
インドネシア人を採用する場合、IPKOLを通じて求人募集していくことになります。そのため送出機関を経由する必要がありません。
ただし、送出機関を経由しない分、以下の点は受入れ企業側または登録支援機関で手厚く対応する必要があります:
- 日本語教育
- 日本のビジネスマナー教育
- 業務に必要な技能訓練
- 生活オリエンテーション
当事務所のサポート:
登録支援機関として、生活オリエンテーション(8時間以上)、日本語学習の機会提供、定期的な面談など、10項目の義務的支援を確実に実施いたします。
6. 特定技能制度でインドネシア人を採用する場合の費用
最後に、特定技能制度でインドネシア人を採用する場合の費用について、確認していきましょう。
外国人本人に支払う費用
① 日本への渡航費
渡航費に関しては、技能実習制度などとは異なり、特段受入れ企業側で負担する義務はございません。
ただし、求人募集をしやすくするなどの観点から、受入れ企業側で渡航費を負担するケースもあります。その際には、インドネシアから日本への渡航費として3〜6万円程度がかかるでしょう。
② 給与
特定技能雇用契約において設定した給与を支払う必要があります。
給与の目安: 一般的に月額20〜30万円程度(受入れ企業や業種により異なる)
重要: 給与は日本人と同等以上でなければなりません。
③ 健康診断費用
健康診断の受診費用は、受入れ企業が負担するケースが多いです。
費用の目安: 1〜2万円程度
④ 住居の準備費用
国外から呼び寄せる場合、物理的に入国後の住居を外国人本人で準備することができません。
このように、受入れ企業が住居を手配する場合、受入れ企業が住居契約に係る初期費用一式を負担する形となります。
費用の内訳例:
- 敷金・礼金
- 仲介手数料
- 初月家賃
- 火災保険料
- 鍵交換費用等
注意: 契約物件により大きく変動します。
入管申請に係る費用
在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請に必要な書類作成を外部の行政書士や登録支援機関などに委託する場合、費用として10〜20万円程度かかります。
登録支援機関への外部委託費用
インドネシア人に対する各種支援(10項目の義務的支援)を登録支援機関へ委託する場合、月額2〜3万円/人程度の委託費用がかかります。
注意: こちらの費用は毎月発生する継続的な費用となります。
人材紹介会社に支払う手数料
国内在住のインドネシア人を採用する場合、人材紹介会社を活用するケースも多くなるでしょう。
その場合、紹介手数料として10〜20万円/人を支払う必要があります。
トータルの費用イメージ
ここまでご紹介してきた費用を合算して、トータルの費用イメージを確認しておきましょう。
【前提条件】
- 人材紹介会社を活用し、インドネシアから呼び寄せ
- 月収20万円、賞与2か月分
- 登録支援機関に支援を委託
- 行政書士に入管申請書類の作成を委託
【年間トータルの費用イメージ(初年度)】
| 費用項目 | 金額 |
|---|---|
| 人材紹介手数料 | 10〜20万円 |
| 健康診断受診費 | 1〜2万円 |
| 入管申請委託費 | 10〜20万円 |
| 住居の準備費用 | 契約物件により大きく変動 |
| 渡航費 | 3〜6万円 |
| 登録支援機関への委託費(月額2〜3万円×12か月) | 24〜36万円 |
| トータル費用 | 48〜84万円+住居の初期費用 |
注意点:
- 既に日本国内に在住しているインドネシア人を雇用する場合は、渡航費用や健康診断費用は発生しません
- 住居に関しても、本人が自身で契約する場合や、元々会社の近隣に住まわれている方を雇用する場合は発生しません
- 2年目以降は、人材紹介手数料、健康診断費、入管申請委託費(更新時のみ)、渡航費、住居初期費用が不要となるため、費用は大幅に削減されます
7. まとめ
今回はインドネシア人の特徴や特定技能で採用した場合のメリット、採用のルートなどをまとめて解説してきましたが、いかがでしたか。
本文中でも触れましたが、インドネシアは送出機関を経由する必要がないため、ベトナム人などを受け入れる場合よりも費用を抑えやすいというメリットがあります。
特定技能での外国人の受入れを検討されている場合は、ぜひインドネシア人も選択肢に入れてご検討ください。
行政書士法人塩永事務所のサポート内容
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当事務所が提供するサービス
在留資格申請の代行
- 在留資格認定証明書交付申請
- 在留資格変更許可申請
- 在留期間更新許可申請
登録支援機関としての支援
- 10項目の義務的支援の実施
- 支援計画の作成
- 定期届出・随時届出の代行
採用コンサルティング
- IPKOL・SISKOTKLNへの登録支援
- 雇用契約書の作成・チェック
- 協議会加入手続きの支援
- 社内担当者向け異文化理解研修の実施
トラブル予防・対応
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