
熊本で児童福祉・教育・スポーツ指導事業を展開される事業者の皆様へ
― 日本版DBS(こども性暴力防止法)における「認定マーク」運用の実務と法的リスク ―
熊本県内で、放課後等デイサービス、学習塾、保育・幼児教育、スポーツクラブ、習い事教室など、子どもと直接関わる事業を運営されている皆様にとって、日本版DBS(こども性暴力防止法)の施行は、経営・広報・人事管理の在り方を大きく左右する制度改正です。
なかでも 「認定マーク」 は、
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保護者からの信頼を可視化できる強力な信用ツール
である一方、 -
運用を誤れば刑事罰・行政処分に直結する高リスク要素
という、極めて慎重な管理が求められる制度です。
行政書士法人塩永事務所では、熊本の事業者が特に注意すべき「認定マーク」の正しい使い方と、見落とされがちな法的リスクについて、実務目線で解説します。
1.認定マークの法的意義と「虚偽表示罪」という重大リスク
認定マークは、単なるイメージマークではありません。
これは、事業者が 「従事者に対する性犯罪歴確認等の厳格な要件」 を満たし、国の制度に基づき正式に認定されていることを示す公的信用表示です。
そのため、こども性暴力防止法では、認定マークの不正使用について 明確な罰則 が定められています。
【違反となる代表例】
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認定を受けていないにもかかわらずマークを表示する
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認定対象外の事業・教室・サービスに流用する
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認定期間終了後も表示を継続する
これらは 「虚偽表示罪」 に該当し、以下の処罰を受ける可能性があります。
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1年以下の拘禁刑 または 50万円以下の罰金
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法人に対する罰則(両罰規定)
「知らなかった」「担当者が誤って掲載した」といった理由は、免責にはなりません。
事業者としての管理責任 が厳しく問われる点に注意が必要です。
2.認定マークを表示できる「6つの限定カテゴリー」
内閣府令により、認定マークを表示できる媒体は、以下の 6類型に厳格に限定 されています。
これ以外の媒体への表示は、違法となる可能性があります。
| カテゴリー | 具体例(熊本の事業者向け) |
|---|---|
| ① 事業用物品 | 制服、指導員のネームプレート、送迎用バス・社用車 |
| ② 事業の広告 | 教室案内パンフレット、入会募集チラシ、新聞・フリーペーパー広告 |
| ③ 取引・通信書類 | 契約書、見積書、封筒、社員名刺、電子メール署名 |
| ④ 事業所建物 | 教室受付、玄関、屋外看板、のぼり旗、タペストリー |
| ⑤ Web・SNS | 公式ウェブサイト、公式LINE、Instagram等の公式アカウント |
| ⑥ 求人関連 | 求人票、採用パンフレット、求人サイト掲載ページ |
「目立つから」「信頼性が上がりそうだから」という理由での独自使用は認められていません。
3.「回収困難な物品」への表示は禁止
認定マークは、将来、確実に撤去・回収できる媒体 にしか使用できません。
【表示が禁止される代表例】
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ボールペン
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クリアファイル
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ステッカー
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ノート
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ノベルティグッズ全般
禁止理由
これらは不特定多数に配布され、第三者への譲渡・転売が容易です。
仮に認定が取り消された場合でも、事業者が責任をもって回収できず、誤認表示が継続する危険性があるためです。
【重要】撤去・回収は「即時対応」が義務
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認定期間の満了
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認定取消
が生じた場合、事業者は直ちにマークを撤去・回収しなければなりません。
看板の差し替え、Webサイト・SNSの修正など、迅速な対応体制が不可欠です。
4.名刺に認定マークを掲載する際の「3つの厳守事項」
名刺への掲載は認められていますが、個人に紐づく媒体であるため、特に厳格な管理が求められます。
① 対象者の限定
認定事業に**直接従事する者(経営者、社員、指導員等)**の名刺に限られます。
事務のみを担当し、認定事業に関与しないスタッフの名刺には掲載できません。
② 異動・退職時の回収義務
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担当業務から外れた場合
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退職した場合
には、事業者の責任で 名刺を確実に回収・廃棄 する必要があります。
③ デジタル名刺・SNS情報の更新
Sansan・Eight等の名刺管理アプリや、SNS上のデジタル名刺に掲載している場合も、
速やかな削除・更新 が必須です。
5.複数事業・フランチャイズ展開における注意点
認定外事業への転用は禁止
例えば、
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「放課後等デイサービス」で認定を受けていても
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同一法人が運営する 認定を受けていない学習塾・スポーツ教室
の広告やWebサイトにマークを表示することはできません。
フランチャイズ(FC)の落とし穴
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FC本部が認定を受けていても
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各加盟店が個別に認定を受けていない限り
加盟店がマークを使用することはできません。
公表制度との照合
こども家庭庁のWebサイトでは、
認定事業者の名称・住所・事業所名 が公表されます。
保護者は誰でも確認できるため、虚偽表示は即座に発覚します。
まとめ|信頼を守るために必要なのは「社内ルール」
認定マークは、正しく運用すれば
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熊本県内での競合他社との差別化
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保護者からの圧倒的な信頼獲得
につながります。
しかし、管理不足による誤用は、
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刑事罰
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行政対応
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企業ブランドの毀損
という、取り返しのつかないリスクを伴います。
「どの媒体に」「誰が」「いつまで」使用できるのか。
社内規程(運用マニュアル)の整備と定期的なチェック体制が不可欠です。
行政書士法人塩永事務所のサポート内容(熊本対応)
当事務所では、熊本の事業者様が安心して日本版DBS制度を活用できるよう、以下の支援を行っています。
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広告・名刺・Webサイトの法令適合チェック
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認定マーク運用に関する社内規程(マニュアル)策定支援
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従業員向けコンプライアンス研修の実施
法令遵守とブランド価値向上を両立させたい経営者様は、ぜひ一度ご相談ください。096-385-9002
