
2026年1月施行 行政書士法改正と補助金申請サポートにおける法令遵守
行政書士法人 塩永事務所 TEL:096-385-9002
2026年1月1日施行の「行政書士法の一部を改正する法律」は、外国人の在留資格申請のみならず、補助金申請サポートや経営コンサルティングを行う事業者にとっても、業務内容と役割分担の見直しを迫る重要な改正です。
当事務所は、経営支援・補助金申請支援・外国人ビザ申請を専門とする行政書士法人として、本改正の要点と、補助金申請サポート実務において特に留意すべきポイントを、専門家の立場から解説いたします。
1. 改正法の核心:有償での書類作成の位置付け
1-1 業務制限規定(第19条)の明確化
改正行政書士法第19条では、行政書士・弁護士以外の者が、
「他人の依頼を受け、いかなる名目によるかを問わず、報酬を得て、業として官公署に提出する書類を作成してはならない」
ことが、趣旨も含めて明確化されました。
ここでいう「いかなる名目によるかを問わず」とは、次のような名目であっても、実質が官公署提出書類の作成対価であれば、行政書士法違反となり得ることを意味します。
- 会費
- コンサルティング料
- サポート料
- 事務手数料
- パッケージ料金 など
つまり、「コンサルティング」「支援」「パッケージ」等の名称であっても、実態が申請書類の作成代行であれば、法令違反として扱われる可能性が高いということです。
1-2 両罰規定(第23条の3)の整備
改正法では、無資格者による業務制限違反について、行為者個人のみならず、その者を使用する法人も処罰の対象とする両罰規定が整備されています。
罰則の上限は以下のとおりです。
- 個人:1年以下の懲役または100万円以下の罰金
- 法人:100万円以下の罰金
コンサルティング会社、補助金支援事業者、登録支援機関等においては、「個人の判断」に委ねるのではなく、法人としてのコンプライアンス体制構築が不可欠となります。
2. 「報酬」や「コンサルティング料」の捉え方
改正法の検討過程および関連通知等では、「報酬を得て」とは、官公署提出書類の作成という役務の提供に対する対価を受け取ることと整理されています。
したがって、契約や請求書上の名目に関わらず、実態として「官公署提出書類の作成」が中心的サービスとなっている場合には、行政書士法第19条違反と評価されるおそれがあります。
行政書士法違反となるリスクが高い行為の例
名目を問わず、次のような業務形態は特に注意が必要です。
- 会員制サービスとして、実質的に補助金申請書や在留資格申請書を作成・代筆する
- 「経営コンサル契約」を根拠に、補助金の申請書様式そのものに直接記入・入力を行う
- サービスの中核が、申請書や交付申請書・実績報告書等の作成そのものである形態
「コンサルタントだから」「顧問契約だから」という理由であっても、官公署提出書類の作成そのものを有償で行えば、行為者個人と法人双方が行政書士法違反に問われる可能性があります。
3. 補助金申請サポートにおける適法な業務範囲
補助金申請支援と行政書士法の関係については、経済産業省のグレーゾーン解消制度の回答等でも、「申請書様式そのものの作成」と「その前提となるコンサルティング業務」の区別が重要とされています。
当事務所の見解を含め、実務上の整理は次のとおりです。
3-1 コンサルタントが適法に行える業務の例
- 補助金制度の情報提供・要件整理・対象制度の選定支援
- 経営状況や事業構想に関するヒアリング、課題整理、方向性の助言
- 市場調査、SWOT分析、収益シミュレーション等の経営分析
- 上記を踏まえた、事業計画のたたき台・検討資料・メモランダムの作成
これらは「申請者が申請書を作成するための前提資料」として位置付けられ、適法なコンサルティング業務の範囲に含まれます。
3-2 行政書士または申請者本人に限られる業務の例
- 官公署に提出する補助金申請書様式そのものの作成
- 交付申請書、実績報告書、事業化状況報告書等の作成
- GビズID等を利用した電子申請システムへの代理入力・代理送信
- 行政機関とのやり取り(照会対応等)を申請者を代理して行う行為
これらは、行政書士(または申請者本人)が行うべき「官公署提出書類の作成・申請」に該当し、無資格者が有償で代行することはできません。
4. 行政書士法人塩永事務所の体制と提供サービス
当事務所では、改正行政書士法の趣旨を踏まえ、経営コンサルティング業務と行政書士業務の役割分担を明確化したうえで、法令遵守を徹底しています。
4-1 経営支援・コンサルティング業務(非独占業務)
- 補助金制度の選定支援・活用戦略の検討
- 事業計画の方向性整理、ビジネスモデルの検討支援
- 市場分析・収益計画・投資回収シミュレーション
- 経営判断に資する各種基礎資料・検討資料の作成
これらは、あくまで「申請者が自ら判断・記載するための前提整理」として提供するものであり、官公署提出書類そのものの作成とは区別しています。
4-2 行政書士独占業務
- 補助金申請書・交付申請書・実績報告書等の作成・提出(電子申請を含む)
- 在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更・更新など外国人ビザ関連申請書類の作成・提出
- その他、行政書士法に基づく官公署提出書類の作成および関連手続
当事務所では、これらの官公署提出書類については、必ず行政書士としての責任のもとで受任・作成・申請しており、無資格者に実質的な書類作成を委ねることは行っておりません。
4-3 当事務所の特徴
- 経営コンサルティングと行政書士業務を一体的に提供できるため、 「事業戦略の検討」から「適法な申請書作成・提出」までをワンストップで支援可能
- 行政書士法改正への対応を踏まえた契約書・業務フローの整備により、 企業側のコンプライアンスリスクの低減に貢献
5. まとめ:法令遵守を前提とした安心・安全な補助金活用のために
2026年1月施行の行政書士法改正により、無資格者による有償での官公署提出書類の作成は、名目を問わず明確に違法と位置付けられ、行為者個人のみならず法人も処罰対象となります。
補助金申請サポートや経営コンサルティングを行う事業者にとって、今後は、
- 「書類作成」と「コンサルティング」の線引き
- 契約書・請求書における業務内容と報酬の明確化
- 行政書士との適切な役割分担
を前提とした業務設計が不可欠です。
行政書士法人塩永事務所は、法令遵守を土台としながら、補助金の積極的な活用と事業成長の両立を支援いたします。
次のような場合はご相談ください
- 補助金を活用して新規事業・設備投資を検討している
- 現在依頼している補助金コンサルティングが、行政書士法上適切か不安がある
- 申請書作成とあわせて、中長期の事業計画も専門的に相談したい
- 外国人材の受入れと補助金活用を組み合わせて進めたい
補助金申請・経営支援・外国人ビザ申請に関するご相談は、行政書士法人塩永事務所までお気軽にお問い合わせください。
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