（行政書士監修／実務ベースの視点で正確に解説）はじめに日本に90日以内の短期滞在を目的とする外国人の多くが利用するのが「短期滞在」という在留資格（いわゆる観光ビザ・短期ビザ）です。
観光、商用（報酬を得ない商談・会議等）、親族・知人訪問、学会参加、冠婚葬祭など幅広い目的に対応しています。2025年12月現在、ビザ免除国・地域は74に拡大し、電子査証（JAPAN eVISA）の対象国も大幅に増加しました。一方で審査は依然として厳格であり、特に発展途上国からの申請では不許可率が10～25％程度あります。
本ガイドは、実務に即した最新情報をもとに、申請者が確実に許可を得られるようステップごとに解説します。1. 短期滞在ビザとは
- 在留資格：出入国在留管理法別表第一の「短期滞在」
- 滞在可能期間：15日・30日・90日のいずれか（入国審査官が決定）
- 在留カードは発行されず、パスポートに上陸許可証シールが貼付される
- 原則として報酬を得る活動・長期滞在は不可
主な許可される活動（2025年現在）
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目的
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具体例
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注意点
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観光
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観光地巡り、温泉、祭り観覧
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商用
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会議・商談・市場調査・展示会視察（無報酬）
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報酬受領は不可
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親族・知人訪問
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日本在住の親族・友人との面会
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学術・文化交流
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学会・シンポジウム参加（無報酬）
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スポーツ・芸術
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アマチュア競技会出場、コンサート観戦
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医療受診
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人間ドック・美容医療（短期）
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2024年以降「医療滞在ビザ」と分離傾向
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冠婚葬祭
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結婚式・葬儀出席
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※2025年改正により、リモートワークは「特定活動（デジタルノマド）」に限定され、短期滞在中の就労的リモートワークは原則禁止です。2. ビザ免除制度（2025年12月現在：74の国・地域）ビザ免除国・地域の人はパスポートと復路航空券があればビザなしで入国可能です。
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地域
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主な国・地域（抜粋）
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滞在可能日数
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アジア
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韓国、シンガポール、台湾、香港、マカオ、ブルネイ、マレーシア、タイ
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90日
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欧州
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EU全27カ国、英国、スイス、ノルウェー等
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90日
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北米
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アメリカ、カナダ
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90日
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オセアニア
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オーストラリア、ニュージーランド
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90日
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中南米
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アルゼンチン、チリ、ウルグアイ、ペルー（2025.7～）
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90日
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※インドネシアは2025年9月1日より90日免除に拡大
※ビザ免除でも入国時に復路チケット・宿泊予約・十分な資金（目安1日1万円）の提示を求められることがあります。3. ビザが必要な主な国（審査が厳しい国）中国、インド、フィリピン、ベトナム、ネパール、バングラデシュ、パキスタン、ミャンマー、ナイジェリアなど
→ これらの国籍の方は必ず事前に短期滞在ビザを取得する必要があります。4. 申請方法と流れ（2025年12月最新）申請場所
- 原則：居住地の日本大使館・総領事館
- 一部国では指定代理申請機関（VFS Global、BLS等）を利用
- JAPAN eVISA対象国は完全オンライン申請可能
JAPAN eVISA対象国（2025年12月時点・観光目的90日以内）米国、カナダ、英国、オーストラリア、シンガポール、韓国、台湾、サウジアラビア、ブラジル、南アフリカ、カンボジア、インドネシア（一部）など30カ国以上
→ 審査期間は平均5～10営業日と大幅短縮標準的な申請から入国までの流れ
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ステップ
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内容
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所要時間目安
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① 計画策定
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目的・日程の確定、招聘人との調整
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1～2ヶ月前
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② 書類準備
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全書類収集・翻訳・公証（必要時）
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2～4週間前
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③ 申請
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大使館持参／代理機関／オンライン（eVISA）
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当日または即日アップロード
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④ 審査
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外務省・法務省連携審査
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5日～1ヶ月
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⑤ ビザ発給
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パスポート返却または電子ビザ通知
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1～3日
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⑥ 入国
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空港で最終審査
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当日
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5. 目的別 必要書類一覧（2025年最新）全目的共通
- パスポート（残存6ヶ月以上）
- 査証申請書（オンライン入力可）
- 写真（4.5×3.5cm、6ヶ月以内撮影）
- 往復航空券予約確認書
- 滞在予定表（日程・宿泊先・移動手段を詳細に）
観光目的（追加）
- 銀行残高証明書（目安：10万円＋1日1万円×滞在日数）
- 在職証明書または無職の場合は資金証明強化
- 宿泊予約確認書
商用目的（追加）【日本側】
- 招聘理由書
- 身元保証書
- 会社謄本・会社概要説明書・直近決算書 【申請人側】
- 在職証明書
- 派遣状（会社レターヘッド）
- 会議日程表・参加者リスト
親族・知人訪問（追加）【日本側】
- 招聘理由書＋身元保証書
- 住民票（世帯全員）
- 課税（所得）証明書＋納税証明書（年収目安300万円以上）
- 在留カードまたは戸籍謄本（続柄証明） 【申請人側】
- 続柄証明書（出生証明書・戸籍等、翻訳必須）
6. 審査のポイントと不許可になりやすい理由審査官が最も重視する3要素
- 滞在目的の真正性・具体性
- 十分な経済力（滞在費＋帰国旅費）
- 確実な帰国意思（本国での仕事・家族・資産）
主な不許可理由と対策（実務データ）
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不許可理由
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割合目安
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効果的な対策
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|---|---|---|
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目的が不明確
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35%
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滞在予定表を1日単位で詳細化、予約票添付
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経済力不足
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30%
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残高証明＋不動産証明＋連帯保証人追加
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帰国意思が疑われる
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20%
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在職証明・家族証明・不動産登記簿添付
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招聘人信頼性不足
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10%
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招聘人の年収証明・連続納税証明を強化
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書類不備・虚偽
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5%
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専門家による事前チェック
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7. 滞在中の注意事項
- 就労厳禁（無償ボランティアも原則不可）
- オーバーステイは5年～永久再入国禁止
- 延長は人道上の理由（重病・災害等）のみ
- 2026年以降、ビザ免除国にも電子渡航認証（eTA）導入予定
まとめ2025年は電子化が進み、手続きは確実に楽になりましたが、審査の本質は「真正性・経済力・帰国意思」です。
特に中国・インド・東南アジア諸国からの申請では、書類の質が合否を分けます。不安がある方、過去に不許可になった方は、早めにビザ専門の行政書士に相談することを強くおすすめします。初回相談無料の事務所も多く、書類添削だけで許可率が大幅に上がるケースがほとんどです。日本へのスムーズな入国を心よりお祈りいたします。