**【2025年最新版】就労ビザ（技術・人文知識・国際業務）取得の手続きの流れとポイント

行政書士法人塩永事務所（熊本市）**

外国人が日本で専門的な知識や技術を活かして働くためには、
「技術・人文知識・国際業務」（いわゆる“技人国ビザ”） の取得が必要です。

この在留資格は、日本で最も多く利用されている就労ビザであり、
IT技術者・通訳翻訳・デザイナー・営業職・経理・貿易業務など、幅広いホワイトカラー業務が対象となります。

しかし、学歴と職務内容の関連性、企業の受入れ体制、報酬条件などについて入管法で細かく基準が定められており、
要件の理解不足や書類不備により不許可となるケースも少なくありません。

本記事では、技術・人文知識・国際業務ビザの新規取得を検討されている企業様・外国人の方に向けて、
手続きの流れ、必要書類、許可のポイント、不許可事例 を専門家の視点からわかりやすく解説します。

◆ このページの目次

技術・人文知識・国際業務ビザとは
対象となる主な職種
在留資格の取得要件
申請手続きの流れ（海外／国内）
必要書類一覧
審査期間・結果通知
不許可となる主な原因
許可取得のための重要ポイント
行政書士法人塩永事務所のサポートについて

1. 技術・人文知識・国際業務ビザとは

本ビザは、入管法別表第一の二に規定された就労系在留資格で、

自然科学分野（理学・工学・IT等）の技術を必要とする業務
人文科学分野（法律・経済・社会学等）の知識を必要とする業務
外国の文化的背景に基づく感受性・思考を必要とする業務

に従事する外国人が対象となります。

平成27年の法改正で「技術」と「人文知識・国際業務」が統合され、現在の形となりました。
一般に「技人国（ぎじんこく）ビザ」と呼ばれることも多い在留資格です。

最大の特徴は、申請者の学歴・職歴と業務内容の関連性が重視される点です。

2. 対象となる職種

■ 技術分野（自然科学系）

システムエンジニア、プログラマー
機械・電気・電子技術者
建築設計技術者、土木技術者
ITインフラ・ネットワークエンジニア
品質管理技術者
化学・バイオ関連の専門職

■ 人文知識分野（文系専門職）

営業職（貿易・金融・保険・メーカー等）
経理・財務
人事・総務
法務
経営企画・マーケティング

■ 国際業務分野

通訳・翻訳
海外取引業務
語学指導
デザイン（グラフィック・ファッション等）
広報・宣伝（外国文化を活かした業務）

単純労働・現場作業・接客中心の業務は対象外です。

3. 在留資格の取得要件

■ ① 学歴要件

原則として以下のいずれかを満たす必要があります。

大学卒業（学士以上）
日本の専門学校卒業（専門士・高度専門士）
短期大学卒業

※専攻分野と職務内容の関連性が必須。

例：経済学専攻 → 経理・営業は適合
　　経済学専攻 → ITエンジニアは原則不適合

■ ② 実務経験による代替要件

学歴要件を満たさない場合は、以下の実務経験で代替可能。

技術分野：10年以上の実務経験
人文知識：10年以上の実務経験
国際業務：3年以上の実務経験
（通訳・翻訳・語学教師は大学での語学専攻期間を含めることが可能）

■ ③ 職務内容要件

専門的知識・技術を必要とする業務であること
学歴や職歴と整合性が取れていること
単純作業を中心としないこと

■ ④ 報酬要件

日本人と同等以上の給与であること
新卒でも月18〜20万円以上が目安

給与が低すぎると不許可になりやすい傾向があります。

■ ⑤ 受入企業（雇用主）の要件

事業の継続性・安定性があること
税務申告・社会保険手続が適正に行われていること
外国人労働者の管理体制が整っていること

■ ⑥ 申請者本人の素行要件

犯罪歴・入管法違反歴がないこと
過去の在留状況に問題がないこと

4. 申請手続きの流れ

申請者が「海外にいる場合」と「すでに日本にいる場合」で手続きが異なります。

■ パターン1：海外から呼び寄せる場合

（在留資格認定証明書交付申請）

雇用契約の締結
必要書類の準備（企業・外国人双方）
入管へ認定証明書の申請
審査（1〜3ヶ月）
認定証明書の交付
外国人本人へ郵送
海外の日本大使館で査証（ビザ）申請
来日 → 在留カード交付 → 就労開始

■ パターン2：すでに日本にいる場合

（在留資格変更許可申請）

留学生の就職・他在留資格からの変更など。

内定・雇用契約
卒業見込証明書・卒業証明書の取得
在留資格変更許可申請（在留期限3ヶ月前から可能）
審査（通常2週間〜1ヶ月）
在留カード受領（手数料4,000円）

■ パターン3：短期滞在 → 就労ビザへの変更

原則不可。
ただし「やむを得ない特別事情」がある場合のみ例外的に許可されます。

5. 必要書類一覧

■ 申請人（本人）が準備する書類

申請書（認定・変更のいずれか）
写真（4×3cm）
パスポート
履歴書
卒業証明書・成績証明書
日本語能力証明（JLPT等）
職歴証明（経験者の場合）
各種証明書の日本語訳文

■ 雇用企業が準備する書類

企業の「カテゴリー1〜4」により異なります。

雇用契約書または内定通知書
登記事項証明書
決算書または課税証明書
会社案内・ホームページ資料
事業内容説明書
社会保険加入状況がわかる書類

※中小企業の場合、事業実態を示す資料が重要。

6. 審査期間・結果通知

認定証明書交付申請：1〜3ヶ月程度
在留資格変更：2週間〜1ヶ月程度

繁忙期（2〜4月）はより長期化する傾向があります。

7. 不許可となる主なケース

学歴と職務内容の関連性が弱い
給与水準が不適切
会社の経営状況に問題がある
実質的に単純作業を行わせる計画である
書類に矛盾や不備がある
過去の在留歴に問題がある

8. 許可取得のための重要ポイント

業務内容と学歴・経験の一致を明確に説明する
会社の事業内容・経営状況を適切に資料化する
給与条件を適正水準で設定する
単純労働ではないことを具体的に説明する
書類作成・立証資料に一貫性を持たせる

9. 行政書士法人塩永事務所のサポートについて

当事務所では、

技人国ビザの新規取得
留学生の就職に伴う在留資格変更
海外からの技術者招聘
不許可後の再申請
企業の外国人雇用体制の整備

について、専門行政書士が一貫してサポートいたします。

入管手続きは書類作成と立証がすべてです。
正確な準備ができれば、許可率は大きく向上します。

技術・人文知識・国際業務ビザの申請をご検討の方へ

行政書士法人塩永事務所（熊本市中央区）は、
外国人雇用を行う企業様・外国人本人の両方を丁寧にサポートいたします。

まずはお気軽にご相談ください。096-385-9002 info@shionagaoffice.jp