
**就労ビザ(調理師・建築技術者・パイロット等)新規取得の手続きガイド
— 行政書士法人塩永事務所 —**
外国人が日本で専門的な業務に従事するためには、その職種に応じた就労系在留資格の取得が必要です。
特に
-
調理師(外国料理の専門人材)
-
建築技術者(設計技術者・専門技術者)
-
パイロット(航空機操縦者)
などの職種は専門性が高く、在留資格要件も明確に定められています。
本記事では、こうした専門職の新規在留資格「就労ビザ」取得の流れと審査ポイントを行政書士法人塩永事務所が徹底解説します。
1.対象となる代表的な在留資格
職種ごとに該当する在留資格(カテゴリー)が異なります。
| 職種 | 主な在留資格 | 根拠(入管法別表) |
|---|---|---|
| 外国料理の調理師 | 技能 | 別表第一 二の項 |
| 建築技術者(設計、構造計算、技術管理など) | 技術・人文知識・国際業務 | 別表第一 一の項ロ |
| パイロット(航空機操縦者) | 航空運送事業法による操縦業務 →「技能」または特定の専門資格により決定 | 別表第一 二の項 |
各在留資格には法律で定められた要件があります。
該当性の判断を誤ると、不許可の大きな原因になります。
2.新規取得の手続きの流れ
就労ビザの新規取得は、一般的に以下の流れで進みます。
① 採用内定・業務内容の確認(最重要)
まず、企業が外国人を採用する際に
「その職務が在留資格の要件に合致しているか」
を整理します。
-
専門性を必要とする業務か
-
学歴・職歴と関連しているか
-
法律上の在留資格に該当するか
調理師・建築技術者・パイロットは、それぞれ要件が異なるため、慎重な確認が必須です。
② 在留資格認定証明書交付申請(COE申請)
外国にいる方を日本へ呼び寄せる場合は、まず**在留資格認定証明書(COE)**を入管へ申請します。
提出者:受入企業・行政書士
提出先:地方出入国在留管理局
審査期間:1〜3か月程度(職種により変動)
申請書類の一例(共通)
-
在留資格認定証明書交付申請書
-
雇用契約書
-
会社概要書・決算書
-
業務内容説明書
-
経歴書(履歴書)
-
資格証明(調理師・パイロット等)
-
学歴証明・職歴証明
※職種ごとに必要書類が追加されます(後述)。
③ COEの交付 → 本国の日本大使館で査証(ビザ)取得
入管でCOEが交付されると、本人が居住国の大使館・領事館で「査証申請」を行います。
-
パスポート
-
COE原本
-
申請書
などを提出します。
④ 日本入国 → 在留カードの交付
査証が発給されると日本に入国できます。
入国時に在留カードが発行されます。
⑤ 就労開始(入社手続き)
入国後は速やかに以下を行います。
-
住民登録
-
社会保険加入
-
労働条件通知書の交付
-
雇用開始届提出(ハローワーク)
3.職種別の審査ポイント
就労ビザは職種ごとに審査基準が大きく異なります。
**■(A)調理師ビザ(外国料理)
対象資格:技能ビザ
主な要件
-
外国料理の専門技術を有すること
-
10年以上の実務経験
※料理学校で学んだ期間は最大2年まで算入可能 -
料理が「その国固有のもの」であること
-
日本人では代替困難な技術であること
よくある不許可理由
-
経験年数の不足(10年に満たない)
-
日本料理店・一般飲食店など、専門性のない業務
-
料理人ではなくホールスタッフ・配膳業務が実態となっている
ポイント:
実務経験の証明(在職証明書・推薦状・作業内容証明)が極めて重要です。
**■(B)建築技術者ビザ(設計・技術管理等)
対象資格:技術・人文知識・国際業務
主な要件
-
建築・土木・機械などの専門分野の 大学・専門学校卒業
または -
10年以上の実務経験
-
業務内容が知識を要する技術的な内容であること
(CAD設計、構造計算、技術分析など)
よくある不許可理由
-
職務内容が「現場作業中心」になっている
-
専攻と業務内容の関連性が説明できない
-
会社の事業規模が小さすぎ、実態が弱い
ポイント:
業務内容説明書を詳細に作成し、専門性を立証することが不可欠です。
**■(C)パイロットビザ(航空機操縦者)
対象資格:技能ビザ(航空機操縦者)
主な要件
-
日本または外国の航空機操縦士免許(商用操縦士等)
-
航空会社または事業者との雇用関係
-
安全運航に関する専門知識(訓練記録など)
よくある不許可理由
-
免許の種類が業務に対応していない
-
航空会社の事業許可が不十分
-
訓練実績の証明不足
ポイント:
操縦士資格の翻訳証明・国際免許の内容確認が重要です。
4.不許可を避けるための共通ポイント
● ① 業務内容と在留資格の一致
専門性を伴わない業務に従事すると不許可につながります。
● ② 経歴・学歴と職種の関連性
特に建築技術者や調理師は経歴の整合性が必須。
● ③ 会社側の雇用体制・事業の安定性
・会社が赤字
・従業員が極端に少ない
・事業の実態が薄い
これらは大きなマイナスです。
● ④ 書類の整合性
雇用理由書・業務内容説明書・経歴書の内容の矛盾は最も危険。
5.行政書士法人塩永事務所のサポート
当事務所では、調理師・技術者・パイロットなど専門職の
就労ビザ新規取得を多数サポートしています。
▼ サポート内容
-
在留資格の該当性診断
-
必要書類の作成(業務内容説明書・雇用理由書)
-
会社側の書類整備
-
経歴証明の整合性チェック
-
入管への申請代行
-
不許可後の再申請サポート
6.まとめ
調理師・建築技術者・パイロットなどの就労ビザは、
それぞれ要件と審査基準が異なり、専門性の立証が不可欠です。
特に
-
経歴の証明
-
専門性の説明
-
業務内容の整理
-
会社の事業実態の裏付け
これらが不十分だと不許可となるケースが増えています。
行政書士法人塩永事務所では、入管実務に精通した専門行政書士が
お客様の状況を丁寧に確認し、最適な申請書類を整えます。
就労ビザの新規取得をご検討の方は、ぜひ当事務所へご相談ください。
