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エコアクション21とは ― 中小企業のための実践的な環境経営認証制度
エコアクション21(EA21)は、日本の環境省が1996年に策定し普及を進めてきた、中小企業が取り組む環境経営活動を審査・認証する制度です。
国際規格である ISO14001 が大企業向けの環境マネジメントの基準であるのに対し、エコアクション21は中小企業でも導入しやすいよう設計された、日本独自の環境経営の仕組みです。
エコアクション21では、事業者が 二酸化炭素排出量や廃棄物排出量の削減、環境に配慮した製品・サービスの提供 などに取り組み、それらを評価して認証することで、企業の持続的発展を支援することを目的としています。
エコアクション21が誕生した背景
地球温暖化、廃棄物増加、資源エネルギーの枯渇などの環境問題は、企業にとって避けられない課題となっています。
国際規格 ISO14001 は広く普及していますが、「手続が複雑」「費用が高い」「中小企業には負担が大きい」といった課題が指摘されていました。
こうした状況を踏まえ、環境省は 中小企業でも取り組みやすい環境経営の仕組み として、エコアクション21をスタートさせました。
エコアクション21の4つの特徴
1. ISO14001と比較して、取り組みやすく簡便
エコアクション21では文書化の要求が少なく、自己チェック用の様式も整備されているため、限られた人員でも制度導入がしやすい点が特徴です。
2. 取り組むべき環境項目が明確
エコアクション21では、以下の環境負荷項目を必ず把握し、改善目標を設定することが求められています。
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二酸化炭素排出量
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廃棄物排出量
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排水量
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化学物質使用量
改善対象が明確なため、社内で取り組みを共有しやすく、実効性の高い環境経営を実践できます。
3. 活動結果の公表による高い社会的信頼性
取り組み内容は「環境活動レポート」として公表されるため、取引先や顧客に対し環境経営への実践を示すことができ、企業としての信頼獲得につながります。
4. 金融・入札面での優遇措置
認証取得企業には、以下のようなメリットがあります。
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金融機関による低金利融資の優遇
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建設業などでの入札参加資格の加点対象
中小企業の経営基盤強化にも寄与する制度となっています。
エコアクション21とISO14001の違い
① 発祥・位置づけ
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エコアクション21:日本の環境省が策定した国内制度
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ISO14001:国際標準化機構(ISO)が策定した国際規格
② 導入の難易度・必要な手間
エコアクション21は、文書作成の負担が少なく、実施すべき項目も14と簡素です。
一方、ISO14001は文書数も多く、運用要求が高度であるため、専門人材が必要になる場合があります。
③ 認証取得までの期間
20名規模の中小企業の場合
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エコアクション21: 約8~10か月
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ISO14001: 約10~12か月
④ 費用
初回の認証取得費用は
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エコアクション21: 約20~25万円
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ISO14001: 約70~100万円
エコアクション21は、非営利団体が運営するため費用負担が軽く、中小企業でも無理なく取り組めます。
まとめ ― 中小企業が挑戦しやすい環境経営認証
ISO14001は国際規格として高い信頼性がありますが、手間・費用の面で中小企業には負担が大きい制度です。
これに対し、エコアクション21は 取り組みやすさ・費用面での優位性 があり、環境への取り組みを通じて企業の信頼性向上にもつながる、中小企業にとって現実的で効果的な選択肢と言えます。
市町村による無料のグループコンサルティングや、審査人からの実務的なアドバイスも受けられるため、導入のハードルは決して高くありません。
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