
永住許可申請の完全ガイド~行政書士法人塩永事務所~
永住許可申請とは
永住許可申請は、外国人が日本において就労活動や在留期間の制限を受けない「永住者」の在留資格を取得するための手続きです。
永住許可申請と帰化申請の違い
永住許可申請
- 外国籍を保持したまま日本に永住できる
- 個人単位で申請可能
- 在留資格変更許可申請ではなく、独立した「永住許可申請」として手続き
- 在留カードの更新は必要(7年ごと)
帰化許可申請
- 日本国籍を取得し、外国籍を喪失
- 一般的に家族単位で申請
- パスポートは日本のパスポートとなる
永住許可取得後の選択肢
永住許可を取得した方の配偶者や子は「永住者の配偶者等」の在留資格への変更が可能です。家族全員が永住許可の要件を満たしていない場合、まず要件を満たす方が永住許可を取得し、その後配偶者や子を「永住者の配偶者等」に変更するという方法も選択できます。
永住許可の要件
永住許可を受けるためには、出入国管理及び難民認定法に定める以下の要件を満たす必要があります。
(1) 素行が善良であること
- 法令を遵守し、日常生活においても住民として適切な行動をとっていること
- 犯罪歴がないこと(軽微な違反を除く)
- 交通違反の有無・回数も審査対象
- 税金や年金、健康保険などの公的義務を適切に履行していること
(2) 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
- 日常生活において公共の負担にならず、将来において安定した生活が見込まれること
- 生活保護を受給していないこと
- 世帯全体の収入で判断されるため、配偶者等の収入も考慮される
- 預貯金などの資産状況も審査対象
(3) その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
この要件には、以下の具体的な条件が含まれます。
① 在留期間に関する条件
原則
- 10年以上継続して日本に在留していること
- そのうち5年以上は就労資格または居住資格で在留していること
※「継続して」とは、出国期間が短期間(1回につき3ヶ月以内、年間合計150日以内が目安)であることを意味します。
② 現在の在留資格について
- 現在有している在留資格について、最長の在留期間(3年または5年)で在留していること
- 在留状況が良好であること
③ 公的義務の履行
- 納税義務(所得税、住民税、消費税等)を適切に履行していること
- 年金保険料、健康保険料を適正に納付していること
- 過去数年分の納税証明書・課税証明書の提出が必要
④ 刑罰を受けていないこと
- 罰金刑や懲役刑を受けていないこと
- 少年法による保護処分を受けていないこと
- 出入国管理法違反(不法就労、資格外活動等)がないこと
⑤ 公衆衛生上の観点
- 感染症などにより公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと
在留期間10年の特例(短縮要件)
以下のいずれかに該当する場合、原則10年の在留期間要件が短縮されます。
【日本人・永住者・特別永住者の配偶者】
要件①
- 婚姻後3年以上経過していること
- かつ、継続して1年以上日本に在留していること
要件②
- 婚姻後3年以上経過していること(海外での同居期間を含む)
- かつ、継続して1年以上日本に在留していること
【日本人・永住者・特別永住者の実子または特別養子】
- 継続して1年以上日本に在留していること
【定住者】
- 「定住者」の在留資格で5年以上継続して日本に在留していること
【難民認定を受けた者】
- 難民認定後、5年以上継続して日本に在留していること
【我が国への貢献があると認められる者】
以下のいずれかに該当し、かつ5年以上継続して日本に在留していること
- 外交、社会、経済、文化等の分野において我が国への貢献がある者
- ポイント制による高度人材外国人(70点以上を有していた期間が3年以上継続、80点以上の場合は1年以上継続)
永住許可申請の必要書類(主なもの)
申請者の状況により必要書類は異なりますが、一般的には以下の書類が必要です。
共通書類
- 永住許可申請書
- 写真(縦4cm×横3cm)
- 在留カードまたは在留カードとみなされる外国人登録証明書
- パスポート
- 身分関係を証する書類(戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書等)
職業・収入関係
- 在職証明書または営業許可証等
- 住民税の課税証明書および納税証明書(過去5年分)
- 所得税の納税証明書(過去5年分)
- 預貯金通帳の写し
年金・保険関係
- 年金保険料の領収書または被保険者記録照会回答票(過去2年分)
- 国民健康保険料の納付証明書または健康保険被保険者証の写し
その他
- 身元保証書(日本人または永住者等による)
- 在留状況を証する書類(賃貸借契約書、住宅の写真等)
- 理由書(申請理由を説明する書類)
※申請者の状況により追加書類が必要な場合があります。
審査期間と結果
標準処理期間
- 出入国在留管理庁における標準処理期間は4ヶ月とされています
- 実際には6ヶ月~1年程度かかるケースも多くあります
- 審査状況により更に時間を要する場合があります
結果通知
- 許可の場合:はがきで通知が届き、地方出入国在留管理局で許可証印を受ける
- 不許可の場合:不許可通知書が郵送される(理由の詳細な説明はされない)
永住許可申請のメリット
- 在留期間の制限がなくなる
- 在留期間更新の手続きが不要(在留カードの更新は7年ごとに必要)
- 就労制限がなくなる
- どのような職業にも就くことが可能
- 転職時の届出が不要
- 社会的信用の向上
- 住宅ローンや事業資金の借入がしやすくなる
- 賃貸住宅の契約がしやすくなる
- 配偶者ビザへの変更が容易
- 配偶者や子を「永住者の配偶者等」として呼び寄せやすくなる
- 退去強制事由が限定的
- 一般的な在留資格よりも在留が安定
永住許可申請時の注意点
よくある不許可理由
- 在留期間要件を満たしていない
- 出国日数が多すぎる
- 就労資格での在留期間が5年未満
- 納税義務の不履行
- 税金の未納・滞納がある
- 過少申告をしている
- 年金・保険料の未納
- 国民年金保険料の未納期間がある
- 国民健康保険料の滞納がある
- 交通違反の多さ
- 軽微でも複数回の違反がある
- 重大な交通違反(無免許運転、酒気帯び運転等)
- 在留状況の不良
- 資格外活動違反
- 届出義務違反(住居地変更等)
- 収入の不安定性
- 収入が少なく生活が不安定
- 転職回数が多い
申請前の確認事項
- 過去5年分の納税状況を確認
- 年金・健康保険の加入・納付状況を確認
- 交通違反の有無を確認
- 出国記録を確認(パスポートのスタンプ)
- 在留カードの記載事項が最新であるか確認
行政書士法人塩永事務所のサポート内容
当事務所では、永住許可申請に関する包括的なサポートを提供しております。
サービス内容
- 要件審査・可能性診断
- 現在の状況での許可可能性を診断
- 不足している要件の確認と対策提案
- 必要書類の案内・取得代行
- 個別の状況に応じた必要書類リストの作成
- 各種証明書の取得代行
- 申請書類の作成
- 永住許可申請書の作成
- 理由書の作成(申請理由を効果的に説明)
- その他必要書類の作成
- 入管への申請代行
- 熊本出張所への申請同行・代理申請
- 追加資料提出の対応
- 許可後の手続きサポート
- 許可証印手続きの同行
よくあるご質問
Q1:永住許可を取得すると帰化はできなくなりますか? A:いいえ、永住許可取得後も帰化申請は可能です。むしろ永住者であることが帰化の際に有利に働くこともあります。
Q2:配偶者が日本人ですが、婚姻後すぐに永住許可申請できますか? A:いいえ。婚姻後3年以上経過し、かつ継続して1年以上日本に在留している必要があります。
Q3:永住許可は一度取得すれば更新不要ですか? A:永住許可自体に期限はありませんが、在留カードは7年ごとに更新が必要です。
Q4:海外出張が多いのですが、永住許可に影響しますか? A:出国期間や回数によっては「継続して在留」と認められない可能性があります。一般的に1回の出国が3ヶ月以内、年間合計150日以内が目安です。
Q5:不許可になった場合、再申請できますか? A:可能です。不許可理由を分析し、改善した上で再申請することができます。
対応エリア
主な対応地域
- 熊本県全域(熊本市、八代市、人吉市、荒尾市、水俣市、玉名市、天草市、山鹿市、菊池市、宇土市、上天草市、宇城市、阿蘇市、合志市ほか)
- 福岡県南部、鹿児島県北部からのご相談も対応可能
まとめ
永住許可申請は、日本で長期的に安定した生活を築くための重要な手続きです。要件が複雑で、必要書類も多岐にわたるため、専門家のサポートを受けることで申請の成功率を高めることができます。
行政書士法人塩永事務所では、熊本県における永住許可申請・帰化申請を専門的にサポートしております。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください。
行政書士法人塩永事務所
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永住許可申請・帰化申請は、当事務所に安心してお任せください。丁寧に対応いたします。
