
外国人・外国法人向け:日本での会社設立完全ガイド
日本銀行への届出・必要書類・申請手続きまで徹底解説! 監修:行政書士法人塩永事務所
はじめに
「日本で新しいビジネスを始めたい」「日本に会社を設立して暮らしたい」と考える外国人や外国法人は年々増加しています。 日本では、外国人でも一定の条件を満たせば、日本人と同様に会社を設立することが可能です。ただし、在留資格や必要書類など、外国人特有の要件があるため、事前の準備が重要です。
この記事では、外国人・外国法人による会社設立の流れを、実務経験豊富な行政書士法人塩永事務所が詳しく解説します。日本銀行への届出や必要書類など、非居住者が設立する際のポイントも網羅しています。
1. 外国人・外国法人による会社設立の基本
外国人でも日本で法人を設立することは可能です。 手続きの流れは日本人とほぼ同じですが、在留資格の取得や資本金の払込み方法など、外国人ならではの注意点があります。 法人設立後に経営に関わる場合は、適切な在留資格(例:経営・管理ビザ)が必要です。
2. 株式会社の設立方法
株式会社の設立には以下の2つの方法があります:
| 区分 | 発起設立 | 募集設立 |
|---|---|---|
| 特徴 | 発起人が全株式を引き受ける | 一部を発起人が引き受け、残りは第三者に募集 |
| 発起人 | 1人でも可能 | 複数人での合意が必要 |
| 手続き | 比較的簡易 | 創立総会の開催など複雑 |
| 資金調達 | 自己資金中心 | 外部からの資金調達が可能 |
3. 非居住者でも会社設立は可能
2015年以降、代表取締役が日本に居住していなくても会社設立が可能になりました。 ただし、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づき、日本銀行を通じて財務大臣および事業所管大臣への届出が必要です。
注意点:
- 国籍や事業内容によっては、登記前に届出が必要な場合があります。
- 海外銀行の支店口座では資本金の払込みができません。
資本金の払込み方法:
- 日本国内で銀行口座を開設
- 協力者の国内口座を利用
- 外国にある日本の銀行の海外支店を利用
4. 日本銀行への届出について
非居住者による法人設立は「国内直接投資」として扱われ、外為法に基づき届出または報告が義務付けられます。
届出の種類:
- 事前届出:安全保障上の懸念がある場合
- 事後報告:登記日から45日以内に提出
提出書類:
- 「株式取得等に関する届出書」3通
罰則:
- 最大5年の懲役または500万円以下の罰金
- 届出を怠った場合、株式の処分命令が出される可能性あり
5. 法人設立の流れ
- 基本事項の決定:商号、本店所在地、事業目的、資本金など
- 定款の作成と認証:公証人による認証が必要(電子定款なら印紙代不要)
- 会社印の作成:代表印、角印、銀行印など
- 資本金の払込み:発起人名義の口座へ振込し、通帳コピーを保管
- 登記申請:法務局へ必要書類を提出
- 関係機関への届出:税務署、年金事務所、労働基準監督署など
- 許認可の取得:業種によっては事前に必要
- 在留資格の取得:経営に従事する場合は「経営・管理」ビザが必要
6. 外国人が取得できる在留資格
居住資格:
- 永住者
- 定住者
- 日本人の配偶者等
活動資格:
- 経営・管理
- 高度専門職(1号ハ・2号)
経営・管理ビザの要件:
- 事業所の確保(バーチャルオフィス不可)
- 資本金500万円以上または常勤職員2名以上
- 事業計画書の提出
7. 必要書類一覧(登記申請)
- 登記申請書(日本語訳付き)
- 定款
- 資本金払込証明書
- 就任承諾書
- 印鑑証明書またはサイン証明書(発行から3ヶ月以内)
- 印鑑届出書(代表印の登録)
8. 経営・管理ビザの申請手順
- 登記申請を完了
- 必要書類を準備
- 出入国管理局へ在留資格認定証明書を申請
- 審査(約10〜40日)
- 外交機関でビザ申請
- 入国後、在留カードを取得
提出書類(抜粋):
- 事業計画書
- 登記事項証明書
- 会社名義の通帳コピー
- 賃貸契約書
- 税務署への届出書類(受付印付き)
9. 日本子会社設立のメリット
- 日本企業との信頼構築がしやすい
- 本格的な事業展開が可能
- 倒産時も親会社が負債を負わない
- 医薬品や未上陸サービスなど、需要の高い分野が豊富
10. デメリットと注意点
- 設立費用が高額(定款認証、登録免許税、資本金など)
- 節税効果が薄い(支店との損益通算不可)
- 手続きが複雑(許認可やビザ取得など)
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