【2025年最新】日本版DBSの概要と最新動向〜子どもの安全を守る新制度

はじめに

皆様、こんにちは！行政書士法人塩永事務所です。

近年、教育や保育の現場での子どもの性被害防止は喫緊の社会課題となっています。これを受け、2024年6月、「こども性暴力防止法」が成立し、**「日本版DBS」**の導入が決定しました。この新制度は、子どもと接する仕事に従事する人の性犯罪歴を確認する仕組みであり、2026年度中の運用開始が予定されています。

本記事では、日本版DBSの概要、2025年4月時点の最新動向、そして事業者様や外国人従事者が今から知っておくべき重要なポイントを、行政書士の視点から正確に解説します。

1. 日本版DBSとは？その概要と仕組み

日本版DBSは、イギリスの制度（Disclosure and Barring Service）をモデルに、子どもを性暴力から守ることを目的とした制度です。正式名称は**「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律」**といいます。

制度の主なポイント

項目	概要
対象事業所	【義務化】学校（幼稚園、小中高校）、認可保育所、児童養護施設、障害児入所施設など。
対象者	上記事業所で子ども（原則18歳未満）と継続的に接する業務に従事する者（新規採用者・現職者）。
対象犯罪	不同意わいせつ罪、不同意性交罪、児童ポルノ禁止法違反、痴漢・盗撮などの特定の性犯罪（「特定性犯罪」）の前科。被害者が子どもの場合に限りません。
照会期間	禁錮刑以上：刑の執行終了後20年罰金刑：刑の執行終了後10年執行猶予：裁判確定日から10年
運用主体	こども家庭庁が照会を管理し、法務省と連携して犯罪歴を確認します。
確認後の措置	性犯罪歴が確認された場合、事業者は不採用、配置転換、または解雇など、子どもと接触させないための防止措置を講じる義務があります。
民間事業者	学習塾、スポーツクラブ、認可外保育施設などは「認定制」となり、任意で制度に参加可能です。認定を受けた事業者は、安全体制を公表し、保護者からの信頼向上につながります。※個人事業主（フリーランス等）は現時点で対象外です。

参照：こども家庭庁「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案の概要」

2. 2025年4月時点の最新動向

「こども性暴力防止法」は2024年6月19日に成立し、2026年12月までの運用開始に向けて、現在、制度の詳細設計が急ピッチで進められています。

有識者検討会の進捗

2025年4月21日、こども家庭庁は日本版DBSの運用指針策定に向けた有識者検討会の初会合を開催しました。この検討会では、制度を円滑かつ適正に運用するための以下の主要な論点が提示され、2025年内に指針をまとめる方針が示されています。

対象業務の明確化： どこまでの「子どもとの接触」が確認の対象となるか。
安全確保措置の具体化： 性犯罪歴が確認された場合の配置転換や解雇の具体的な基準。
個人情報の保護体制： 犯罪歴という要配慮個人情報の適切な管理方法と罰則規定。
事業者向けガイドラインの策定。

事業者が準備すべきこと

義務対象の事業所（学校・認可保育所など）は、システムへの初期登録や職員の研修体制の整備が必須となります。
認定制の民間事業者は、認定を受けることで差別化を図れます。認定申請の準備として、情報管理規程や対処マニュアルの整備を今から進めることが重要です。

3. 日本版DBSと外国人従事者・ビザ申請の関連性

行政書士の専門分野として、日本版DBSは外国人従事者や在留資格（ビザ）にも大きな影響を与えます。

3-1. 就労ビザ・実務上のポイント

日本版DBSの義務対象事業所（例：学校の教師、保育士など）で働く外国人は、性犯罪歴の確認が求められます。

影響が予想されるビザ（例）	影響内容と実務ポイント
技術・人文知識・国際業務、教育	日本の犯罪歴に加え、**母国の犯罪歴証明書（無犯罪証明書）の提出が求められる可能性があります。
実務ポイント	犯罪歴証明書の取得は国によって手続きや期間が大きく異なります。ビザ申請・採用と並行して早めに準備することが必須です。また、多くのケースで行政書士による翻訳証明**が必要となります。

3-2. 在留資格の更新・雇用継続リスク

現職の外国人従事者が性犯罪歴確認の対象となり、過去の犯罪歴が発覚した結果、配置転換や解雇に至る可能性があります。
これが雇用契約の継続に影響を与えると、在留資格（ビザ）の更新審査に影響するリスクが生じます。

実務ポイント	雇用主は、外国人従事者の在留資格状況を把握し、配置転換などの措置がビザの継続性に与える影響を事前に検討し、適切に対応する必要があります。

3-3. 経営・管理ビザと認定

学習塾やスポーツクラブを経営する外国人が**「経営・管理」ビザを持ち、日本版DBSの認定を申請する場合、事業所の管理体制**（従業員の犯罪歴確認体制など）が審査されます。

実務ポイント	事業計画書に日本版DBSに対応した安全管理体制を明確に記載し、信頼性の高い事業所であることを入管当局にアピールすることが認定取得とビザ運営の鍵となります。

4. 行政書士法人塩永事務所のサポート

当事務所は、日本版DBSの導入に伴う企業の体制構築から、外国人従事者のビザ・労務管理までをトータルでサポートします。

サポート内容	特徴とメリット
認定・体制構築支援	日本版DBSの認定申請に必要な規程策定や書類作成、体制構築のコンサルティングを行います。
外国人対応	外国人従事者の犯罪歴証明書取得のサポート、ビザ申請手続きの代行、雇用契約変更に伴う在留資格コンサルティング。
当事務所の強み	入管法、個人情報保護法に精通した専門家が対応。日本語、英語、中国語での相談が可能です（予約必須）。オンラインでのご相談も承ります。

5. お問い合わせ

日本版DBSに関するご質問や、外国人従事者のビザ申請のご相談は、以下の連絡先までお気軽にお問い合わせください。

行政書士法人塩永事務所

電話：096-385-9002（平日 9:00～18:00）

子どもたちの安全と、事業者の皆様の安心・信頼される事業運営を全力でサポートいたします。